先日、甲南の先輩、坂上さんより電話があり、多賀高明先生の歌集
『回廊』が、自分の家に５冊あるので、希望する人に進呈（無料・送料は着払い）したい。
希望者は、甲南の坂上禎孝さんへ連絡されたし。
多賀先生をご存じない方もおられるかと思います。
◆ロシアバンとロシア紅茶に聖マリア夕映えの似合ふ町にわれゐし・・・幼時、大連や満州に居た
◆見えかくれしていし自由がいまわれに路面（ちんちん）電車は面影橋上・・・旅多き医師だった
◆明けしらむ空より階を降りてくるラスコーリニコフはなぜか肥っちょ・・・丸くふっくらとされていた
もう一冊は、沢栄子さんの歌集『華占』、６月の好日全国大会の時に、
受付に置いていましたが、まだ４冊残っています。
◆虫どちを寝せて夕顔ひらきたり千手を舞ひをさめたるときに・・・塚本邦雄の「玲瓏」にも参加していた
◆偏屈の気負ひやいづこ実篤の茄子店頭に置ける表具師・・・謡曲、茶道、作陶……人のするあらゆることに造詣が深かった
◆献体はよけれど眼ひとつ残さむかルンビニ園に蓮ひらきゐむ・・・坂の上のお寺の奥様であった
『華占』の希望者は西村考史まで連絡ください。これも送料のみ（着払い）です。

西村さん
いつもいろいろ書いてくださってありがとうございます
懐かしい歌集ですね
○見えかくれしていし自由がいまわれに路面（ちんちん）電車は面影橋上

先生なんて呼ぶなと強く言われていましたので、多賀さんと呼びますが、この歌に驚きました。これは東京の路面電車ですね。
唯一残っていて、新宿区の早稲田からから荒川区の三ノ輪橋を今も走っています。

早稲田駅(停留所と書いてあったような)の次が面影橋駅で、そこを過ぎると90度ほどカーブして面影橋を渡ります 。下はあの有名な神田川、今では鮎も遡上するきれいな川です。電車がカーブした途端、視界がひらけて、それまでの景色が一変します。
ここは特に桜の頃は、「眺めをどうぞ楽しんでください」と運転手さんがゆっくり走ってくれるところです （私が乗った時だけではないはずです、きっと)。
あれ？ 歌が一首少なくなった？
沢さんの「眼を残さ……ルンビニ園の蓮」の歌、いいなぁ…と思ったのですが。
とりあえず
はなだ