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3/21 題詠「混」・鑑賞&批評「天」
投稿日 | : 2019/03/15(Fri) 09:19 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
H.31.3.21 (木)
鑑賞&批評 「天」
題詠 「混」
出題 なかさん
★ ★ ★ ★ ★ ★
3/21 (木) 鑑賞&批評 「天」詠草一覧
1. 真野大野大津市なるもお天気は高島市なり時雨また時雨 たかし
2. ぷかぷかと浮かぶ天かす知らぬ顔ハイカラうどんと名に化かさるる なか
3. 星空を露天風呂にて眺めたりかの銭湯のその後を知らず ひさお
4. 星の数かぞえられずと泣く幼またも翔び立つ天道虫に ひらら
5. 天よ風よ降らしめるなよスギ花粉春の陽待ちし人間世界へ ひろゆき
6. 中天の月は流れる黒雲に目隠しされたり置き去られたり フミコ
題詠題「新」について
題詠「混」
鑑賞&批評「天」
投稿日 | : 2019/03/21(Thu) 09:34 |
投稿者 | : ひろゆき |
参照先 | : |
1. 真野大野大津市なるもお天気は高島市なり時雨また時雨 たかし
山々が北から南へと連なる湖岸、北から渡る風が時雨をまき散らしてゆく。風の持つ特性であろう、大津も高島も一様の気象が続く。
2. ぷかぷかと浮かぶ天かす知らぬ顔ハイカラうどんと名に化かさるる なか
天かす自身まさかと思っているでしょうね。悠悠と油の中で遊び動き、掬われてうどん汁の中へ。
モダン?作者はハイカラとの名に対し化かさるると結ばれた。商人の知恵でしょう。
3. 星空を露天風呂にて眺めたりかの銭湯のその後を知らず ひさお
銭湯でかつ、露天風呂を持つ。珍しいですね。街中にあれば流行るでしょうに。作者の居所から遠くなのか関心もなく知らないと詠う。でも、心に刻まれた思い出の一つなのでしょう。結句がよく効く。
4. 星の数かぞえられずと泣く幼またも翔び立つ天道虫に ひらら
夜、花畑の近くで星を数えていたら、突然天道虫の飛び立ちにびっくり、中断。形を成した(○○座とか)天体の星を数えられていたのであろうか。または星と混濁したのであろうか
5. 天よ風よ降らしめるなよスギ花粉春の陽待ちし人間世界へ ひろゆき
スギ花粉、中国から流れてくるばい煙?まじりあって。
6. 中天の月は流れる黒雲に目隠しされたり置き去られたり フミコ
夜の雲の動きによって月の動きをたおやかに写された。“置き去られたり≠ェよく効いてうまい。なかなか月が置き去られるとは思わない、思えないというのが私をとらえた。1.2句、句またがり?
次回 出題詠「新」
Re: 3/21 題詠「混」・鑑賞&批評「天」
投稿日 | : 2019/03/21(Thu) 09:06 |
投稿者 | : なか |
参照先 | : |
1. 真野大野大津市なるもお天気は高島市なり時雨また時雨 たかし
晴れの予報が実際は時雨だったのでしょうか。「真野大野大津市なるもお天気は高島市なり」という、地域によって天候の様子が変わるゆえ、天気予報に独自の判断を織り交ぜることもしばしばあるという、作者の声が歌の要素を楽しく読みました。
2. ぷかぷかと浮かぶ天かす知らぬ顔ハイカラうどんと名に化かさるる なか
よろしくお願いいたします。
3. 星空を露天風呂にて眺めたりかの銭湯のその後を知らず ひさお
Web歌会にて発表された
銭湯を毀ちマンション建てらるる 余所行きの顔した街に立つ
の歌との連作からの一首でしょうか(違っていたらお許しください)。時間の流れと変わる街並み。「銭湯を……」の歌と併せて読むことで、この一首の意がよりイメージできました。
4. 星の数かぞえられずと泣く幼またも翔び立つ天道虫に ひらら
おさな児を歌の中心に据えつつ、空の広さや大きさとの対比。また昼夜の時間の流れを織り込まれた歌。スケールが大きな歌と鑑賞しました。
5. 天よ風よ降らしめるなよスギ花粉春の陽待ちし人間世界へ ひろゆき
「ほんとうにそうですよね」とうなずいてしまう歌。作者も花粉症でお困りなのでしょうか。今年は花粉症でない私も目じりが少し痒く、目薬が手放せません。
6. 中天の月は流れる黒雲に目隠しされたり置き去られたり フミコ
月夜では黒雲を見ているのに、目は月に向いてしまう私。視点を黒雲にずらすことで、より月の様子が鮮明になる。私が詠めるようで意識しないと詠めない歌を教えてくださいました。
題詠「混」
Re: 3/21 題詠「混」・鑑賞&批評「天」
題詠「混」
鑑賞&批評「天」
投稿日 | : 2019/03/21(Thu) 06:54 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
1. 真野大野大津市なるもお天気は高島市なり時雨また時雨 たかし
時雨また時雨…が変わりやすくて鬱陶しい高島の特徴的な天候をよく捉えておられると思います。
大津との天候の違い、特に今頃、顕著ですね。
作者の弾まない気持ちが滲んでいます。
春本番が待ち遠しいです。
地名を見て思わず地図を見たくなるような楽しさがあります。
2. ぷかぷかと浮かぶ天かす知らぬ顔ハイカラうどんと名に化かさるる なか
ハイカラうどんという名につられて注文したうどん。
天カスがプカプカ浮いている…だけ? 何をもってハイカラというのか、
商品を裏切るような命名の責任は天かすにはないのだが…
モンダイは味と値段ですね。
逆に食べてみたくなりました。
3. 星空を露天風呂にて眺めたりかの銭湯のその後を知らず ひさお
露天風呂から星が眺められる銭湯…粋なもんですね。
銭湯といえばタイルに描かれた富士山みたいなスケールの大きな壁を想像しますが、露天のある銭湯もあったんですね。
(もしかして壁と天井の絵?)温泉に行った気分にさせてくれそう。
「その後を知らず」この常套句の、この歌に持つ意味と、この歌に占める比重がわかりません。
4. 星の数かぞえられずと泣く幼またも翔び立つ天道虫に ひらら
星の数で澄み切った夜空を想起させ、天道虫に着地させる展開に引き付けられました。ひとときのメルヘンですね。
それを見る作者の大きな愛情と困った表情も浮かぶ、いいところを捉えられていると思いました。
あったかい空気に包まれた素敵なうた。
5. 天よ風よ降らしめるなよスギ花粉春の陽待ちし人間世界へ ひろゆき
花粉症の方の真剣な祈りを聞く思い。
「天」は大袈裟かな?とも。
風を媒介しても花粉症には距離がありすぎないかしら。
風以下の語句はいいなと思いました。
天と風の間の距離感に少々の違和感があるのは私だけ?
それほどの苦痛を感じておられるのかもしれませんが。
6. 中天の月は流れる黒雲に目隠しされたり置き去られたり フミコ