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4/11 題詠「車」・鑑賞&批評「気」
投稿日 : 2019/04/05(Fri) 08:31
投稿者 フミコ
参照先
 H.31.4.11 (木)        

鑑賞&批評 「気」
題詠    「車」
出題     ひろゆきさん      
          
★   ★   ★   ★   ★  

鑑賞&批評 一覧

1. すきま風机上に流れ気が散れば果てなき旅路へ 無明にふらつく  ひろゆき

2. 日本列島(れっとう)の臍のあたりに住むわれら気象情報何れに最寄る  フミコ

3. ポッパ山の頂上の寺院七百メートルの屋根付き石段元気に登りし  さらら

4. 載る雑誌探しえず書いてくださりし評読めず気まずくて隠れし遠き日  たかし

5. 二十二時舗装工事は始まりて夜気を震はすぐいんぐいんぐいーん  ひさお

6. ラジオより気象通報聴き留めて天気図仕上げる宿題ありき  ひらら
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Re: 4/11 題詠「車」・鑑賞&批評「気」
投稿日 : 2019/04/11(Thu) 09:46
投稿者 たかし
参照先
1、すきま風机上に流れ気が散れば果てなき旅路へ 無明にふらつく  ひろゆき
 無明、むつかしい言葉が使われている。調べたら仏教用語で、
 【煩悩(ぼんのう)にとらわれ、仏法の根本が理解できない状態…】とある。
 作者をその状態に追い込んだ要因は「机上に流れ込んできたすきま風」であるようだ。
 何かに集中していた作者は、そのことで気が散って「果てなき旅路へ」出る。
 これは実際に旅をするのではなく、心が様々な場面を想定して思い描くことを、
 「旅路」と表現しているのだと思う。
 心が集中できなくなった状態を「無明にふらつく」と言っているようだ。
 ただ、上句の具体的事象の描写表現に対して、下句は「無明」などの捉え難い言葉を持ってきていて、読者としては分かりにくい歌になっている。

2、日本列島(れっとう)の臍のあたりに住むわれら気象情報何れに最寄る  フミコ
 近畿地方、特に滋賀県は日本列島を一体の身体として見た場合、中心の臍の辺りである。
 気象情報は地域ごとに分けて表示されるが、その分け方は大まかで、時に別の地域の気象に近いことがよくある。
 そうしたことを作者はこの歌で言おうとしているのだろうと思う。
 結句の「何れに最寄る」の読み方と意味が分からなかった。

3. ポッパ山の頂上の寺院七百メートルの屋根付き石段元気に登りし  さらら
 ミャンマーへの旅をしてきた作者、ポッパ山の山頂にある寺院は観光の名所にもなっている。
 初句から4句まで名詞と数値もあって、その情景を具体的に表現をしている。
 が、結句の「元気に登りし」が平凡な語句。
 題詠だから仕方がないが、本来ならここにこの山頂寺院に対する作者の「思い、イメージ、感想」を一語に凝縮したような言葉が欲しい感じ。

4. 載る雑誌探しえず書いてくださりし評読めず気まずくて隠れし遠き日  たかし

5. 二十二時舗装工事は始まりて夜気を震はすぐいんぐいんぐいーん  ひさお
 夜の10時である。道路の舗装工事が始まった。
 この時間には交通量が減るということを見越しての工事であろう。
 裏返せば、それだけ昼間は交通量が多い道路なのである。
 作者の家はこの道路に近い場所にあることが分かる。
 第五句「ぐいんぐいんぐいーん」は臨場感があるとも言えるし「何、これだけかい?」という感想も言える。

6. ラジオより気象通報聴き留めて天気図仕上げる宿題ありき  ひらら
 天気図は、白地図というのがあって、それにラジオの気象通報を聞きながら、自分で天気の記号を書き込んでゆく。
 私もやってみたことがありますが、ラジオの言うのを聞きながら素早く間違いなく書き込むのは相当大変なこと。
 そんな宿題があったのですね。作者の成績はどうだったのか聞いてみたい。
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題詠「車」
投稿日 : 2019/04/11(Thu) 08:57
投稿者 フミコ
参照先

若き日の許せぬ夫の「できごころ」 仕置きはスポーツ車ブルー・メタリック  フミコ

 
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鑑賞&批評 「気」
投稿日 : 2019/04/11(Thu) 08:37
投稿者 フミコ
参照先

1. すきま風机上に流れ気が散れば果てなき旅路へ 無明にふらつく  ひろゆき
果てなき旅路…というのは作歌イメージがどんどん膨らみ、縦横に揺蕩い、お仕舞には掴みたいものを見失い、自分でも扱いかねている…といったような感じでしょうか。
無明というのが何となくわかるような気はするのですが私のどの辞書にもないのです。
仏教用語のようですが、手袋の上から掌を掻いているような、触感のなさを感じます。

2. 日本列島(れっとう)の臍のあたりに住むわれら気象情報何れに最寄る  フミコ

3. ポッパ山の頂上の寺院七百メートルの屋根付き石段元気に登りし  さらら
七百bの屋根付き石段、すごいですね。
景観は想像できませんが、それを作ったパワー(多分、すべて人力?)に驚嘆
します。
とにかく作者の素晴らしい健脚。
伏見稲荷神社の連続した鳥居の坂道を思い出しました。
そこをパンプスで登った(オロカ)な私をも。

4. 載る雑誌探しえず書いてくださりし評読めず気まずくて隠れし遠き日  たかし
若くてシャイだった作者の遠き日。
時空にフッと浮かんでくるのでしょう。
今は、逆の立場で作者をまぶしく見ている何人もが居るはず。
声に出して読むときに息継ぎの場所がわかりにくいです。
自由律の短歌って生命感、躍動感を感じたとおりに読むの、難しいですね。

5. 二十二時舗装工事は始まりて夜気を震はすぐいんぐいんぐいーん  ひさお
私の息子は土木と水道の技師なので、都市や昼間交通量が多くて規制しにくい場所の工事を夜間に監督することが時々あります。
アスファルトを割って管を入れたり交換したり、翌朝5時には埋め戻してアスファルトを敷き直し、工事区間が終了するまで何週もかかることがあります。
住民の方々にかける迷惑や騒音の事、よく口にしています。
結句のオノマトペが状況をよく語っていると思います。

6. ラジオより気象通報聴き留めて天気図仕上げる宿題ありき  ひらら
おそろしく難しい宿題。
私だったら学校を即止めるかもしれないくらい、思っただけでぞっとする。
気象士の学校ですか?海運関係の大学?等と想像がひろがります。
サラっと詠われているだけにクリアされた凄さ、尊敬です。
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