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7/25 題詠「尾」・鑑賞&批評「夏」
投稿日 | : 2019/07/19(Fri) 22:44 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
7/25 (木)
鑑賞&批評 「夏」
題詠 「尾」
出題 ひさおさん
7/25 (木) 「夏」
1. 梅雨晴れま夏空低くとぶ蝶の影を追いつつ坂のぼりゆく さらら
2. この夏はウナギを捕らん家族四人もう蒲焼きは要らぬと言うほど たかし
3. 十月にハワイへ行きて蒸し暑しそこは常夏泳ぐ人あり ひさお
4. 鮒鮨に夏バテアカンの結び文滋賀版添う包み母から ひらら
5. 夏来れば担任教師の招き受け真野浜に向かうしじみを捕りに ひろゆき
6. にっぽんがまだ勝っていたあの夏の熱砂の新島あうら(足裏)に残る フミコ
Re: 7/25 題詠「尾」
Re: 鑑賞&批評 「夏」
投稿日 | : 2019/07/25(Thu) 09:25 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
「夏」
1. 梅雨晴れま夏空低くとぶ蝶の影を追いつつ坂のぼりゆく さらら
陽のあたる坂道を夏空低く飛ぶ蝶…その影を追いつつ…言葉の齎す情緒に魅せられます。
トレッキングか山上の墓地へ行かれるのか、明るい緩やかな時間の経過が感じられます。
2. この夏はウナギを捕らん家族四人もう蒲焼きは要らぬと言うほど たかし
ウナギ追いし!?
新天地が作者にとってふるさとになりつつあるという感じです。
漁師デビューの成功を祈ります。
何事も凝り性とお見受けする作者、もしや今頃はたつべ作りに夢中になっておられる?
それとも裏藪でたつべの竹選びに忙しいかも。
3. 十月にハワイへ行きて蒸し暑しそこは常夏泳ぐ人あり ひさお
ハワイの気候は知りませんが、多湿の土地柄なのでしょうか。
その海で泳いでいる人達。
日本の10月では考えられない常夏ということを実感された作者。
「想えば遠くへ来たもんだ」
4. 鮒鮨に夏バテアカンの結び文滋賀版添う包み母から ひらら
鮒ずしは最強の発酵食品。
衰弱時、疲労時、栄養補給に最適と信じられています。
お母さんの愛情ですね。
成人しても子どもの事は気がかりなのが親の宿命&特権。
「夏バテアカン」カタカナに素朴で一途なお母さんの気持ちが表れていると思います。結び文が素敵。
下の句、もたつきを感じます。
5. 夏来れば担任教師の招き受け真野浜に向かうしじみを捕りに ひろゆき
これはご自身が子供の時の毎夏だったのか、お子様の担任との交流だったのか、ふと解釈に迷いました。
真野浜は遠浅でシジミがよく獲れたのでしょう。
夏になると思い出される懐かしい思い出。
昭和40年代にはまだ、湖底が透けて見えていたと思います。
6. にっぽんがまだ勝っていたあの夏の熱砂の新島あうら(足裏)に残る フミコ
題詠「尾」
Re: 7/25 題詠「尾」・鑑賞&批評「夏」
投稿日 | : 2019/07/25(Thu) 07:35 |
投稿者 | : ひろゆき |
参照先 | : |
1. 梅雨晴れま夏空低くとぶ蝶の影を追いつつ坂のぼりゆく さらら
いい歌ですねえ。その季の風物と作者の元気さを。”影を追いつつ≠ェ心情の表出を引き受けて
作歌しておられる。
2. この夏はウナギを捕らん家族四人もう蒲焼きは要らぬと言うほど たかし
うらやましいかぎり。ウナギが捕れる川があるなんて。”この夏は≠ニあって、転居された真野近くの
琵琶湖へ流れ込む川に生息しているであろうウナギを銛で突き刺して捕るのであろう。”蒲焼は要らぬ
というほどに料理上手を思わせる。
3. 十月にハワイへ行きて蒸し暑しそこは常夏泳ぐ人あり ひさお
十月のハワイを表現されて、まだまだ蒸し暑く泳ぐ人があるという。泳ぎの好きな人にとって多少の温
度差は気にならない。結句に作者は多少のおどろきを持たれた様子がうかがわれる。
4. 鮒鮨に夏バテアカンの結び文滋賀版添う包み母から ひらら
鮒ずしはずいぶん手間暇かけて作られると聞く。その以前に、鮒ずしを創る「フナ」の棲息のエリ?を創
ることからはじまると聞いた。(昔日の先輩・他者から見えない所でと毎夏作りに出かけられた。)
お母さんの心遣いがあって結び文つきである。酒の肴に良いとも。滋養満点であると聞いていた。
5. 夏来れば担任教師の招き受け真野浜に向かうしじみを捕りに ひろゆき
昭和23年以降。主要な衣服を教師宅で脱いで。
6. にっぽんがまだ勝っていたあの夏の熱砂の新島あうら(足裏)に残る フミコ
真珠湾攻撃。ハワイ・オアフ島。”まだ勝っていた夏≠フ一点凝視がこの歌の中でよく効き、だからこそ
の島の印象や受けた感覚。列島日本とは違う熱さや砂地での感触が今も思い出し、呼び覚ますのであろう。
「夏」鑑賞&批評
投稿日 | : 2019/07/25(Thu) 07:14 |
投稿者 | : たかし |
参照先 | : |
1. 梅雨晴れま夏空低くとぶ蝶の影を追いつつ坂のぼりゆく さらら
低く飛ぶ蝶を追いながら坂道をのぼる。
「蝶を」でなく「蝶の影を」であるところ、日が射していることを感じさせる。
蒸し暑い日である。おまけに坂道を登っている。暑さは倍加する。
梅雨明け前の蒸し暑い日の感じがよく出ている。
2. この夏はウナギを捕らん家族四人もう蒲焼きは要らぬと言うほど たかし
3. 十月にハワイへ行きて蒸し暑しそこは常夏泳ぐ人あり ひさお
十月は日本は秋で涼しい。紅葉も始まっている頃。
しかしハワイへ行ったら蒸し暑くて海で泳いでいる人もいた。
改めてハワイは常夏の国だと認識した作者である。
作者も泳いだのだろうか。
4. 鮒鮨に夏バテアカンの結び文滋賀版添う包み母から ひらら
母から送られてきた鮒鮨、そこには「夏バテアカン」と書かれていた。
娘の身体を気遣う母の思いがある。
「滋賀版」は、新聞の滋賀版であろう。
下句の言葉の並びが韻律にのっていなくて、ぎこちない。
「滋賀版添える母からの包み」などとしては。
5. 夏来れば担任教師の招き受け真野浜に向かうしじみを捕りに ひろゆき
作者の子供の頃の思い出であろう。
小学生高学年くらいであろうか。担任の先生に招待されて真野浜に行き、
そこでしじみ捕りをした。
この担任の先生は真野近在の人であったのかと思う。
まだ湖の水がきれいで真野浜でしじみが捕れた頃が懐かしい。
6. にっぽんがまだ勝っていたあの夏の熱砂の新島あうら(足裏)に残る フミコ
「にっぽんがまだ勝っていたあの夏」というと、昭和17年頃の夏ではないかと思う。
作者小学生の頃だろう。東京から南に160キロ離れた南の島。
「熱砂の新島」が実感として強い。