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9/19 鑑賞&批評「袖」・題詠「夜食」
投稿日 : 2019/09/13(Fri) 12:24
投稿者 フミコ
参照先
          
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9/19 (木)

鑑賞&批評 「袖」

題詠    「夜食」
          
出題     ゆきさん

※ ※   ※   ※   ※   ※   ※
      
  「袖」 一覧

1. 道行を袖たたみして厨に入る姑(はは)の揚げゆくフライをならべる  ひらら
(道行…みちゆきコート 和服コート)

2. 「幽霊の片袖」などと言わせない 家庭科キライ 先生もイヤ  フミコ

3. 君が袖をひと振りすれば見はるかす島山はみな紅葉するはず  ゆき

4. 成人式のふり袖不要と言い放ち娘はホームステイにニュージランドヘ  さらら

5. 左袖に左手右の袖に右手最後に頭を入れTシャツ着る  たかし

6. 草取りに汗の噴き出し両瞼を袖にて拭ひぬ二度も三度も  ひさお
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Re: 9/19 鑑賞&批評「袖」・題詠「夜食」
投稿日 : 2019/09/19(Thu) 16:50
投稿者 さらら
参照先
令和むかえこの酷暑より食事2回に夜食の文字は吾に死語となる
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鑑賞&批評「袖」
投稿日 : 2019/09/19(Thu) 15:52
投稿者 たかし
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1. 道行を袖たたみして厨に入る姑(はは)の揚げゆくフライをならべる  ひらら
(道行…みちゆきコート 和服コート)
 この上句の「道行を袖たたみして厨に入」ったのは、私は作者であると思った。
 作者はどこかへ出かけていて帰りが遅くなり、家に入ると、
 自分に代わって既に夕食の支度をしている姑さんがフライを揚げている。
 作者は、挨拶もそこそこに、姑さんの揚げたフライを食卓に並べ始める。
 そのような状況ではないかと思う。
 ただ、二人の方が、姑さんが(袖たたみして…)と受け取っているので、
 もしかすると私のかん違いかも知れない。
 ともかく、この「厨に入る」が「姑の」と続くところはややこしい。
 「袖たたみ」というのは、本来は大切な着物を仕舞うときは、
 本格的な畳み方があるのだろうが、この袖たたみというのは、
 とりあえずの簡便な畳み方なのだと思う。

2. 「幽霊の片袖」などと言わせない 家庭科キライ 先生もイヤ  フミコ
 ひさおさんの批評を読むと「幽霊の片袖」という言葉の意味がよく分かりました。
 ともかく、作者は家庭科の授業が嫌いである。そしてその先生も嫌いである。
 学校の生徒であった頃の若き日の思い出だ。
 この歌は「幽霊の片袖」という意味深長な言葉で歌になっている感じ。

3. 君が袖をひと振りすれば見はるかす島山はみな紅葉するはず  ゆき
 君が袖をひと振りすれば…島山がみな紅葉する…、
 この「君」は神様のような君である。
 「島山」は、作者の居る隠岐のことだろう。
 だとすれば、この「君」は、後鳥羽院のことかと思った。
 後鳥羽院は歌言葉を自在に操り、大きな力を持っていた。
 袖をひと振り(歌を生み出せば)すれば島山が紅葉するほどの・・・
 最後の「はず」が、その遥かな時への作者の思いを現代に繋ぎとめている感じ。
 大きな歌。

4. 成人式のふり袖不要と言い放ち娘はホームステイにニュージランドヘ  さらら
 女性である作者は、やはり振袖を着た娘の晴れ姿を見たかったのだろう。
 行動的で独立心旺盛な娘さんは、私などが考えると、得難い貴重な娘さん。
 作者の現在の行動的な姿と重なっている。
 「言い放ち」と、娘さんが言っているのであれば「不要と」よりも「要らぬと」がいいような気がする。

5. 左袖に左手右の袖に右手最後に頭を入れTシャツ着る  たかし

6. 草取りに汗の噴き出し両瞼を袖にて拭ひぬ二度も三度も  ひさお
 夏の日に草取りをしていると、汗が目に入って痛くなる。
 手は軍手などを嵌めていても汚れているし、目の汗をぬぐうのに袖に顔をこすりつけて拭いている。
 暑い日なので、拭っても拭っても、汗が噴き出して、二度も三度も袖で拭っているのだ。
 私もよくこうするので、よく分かります。
 歌としては、目の汗を袖で拭う、そのことの説明の感じが強い。
 初句、第二句とが、特に説明的。
 言葉の順を代えてはどうでしょう。第三句から詠いだすとか。
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Re:題詠 「夜食」
投稿日 : 2019/09/19(Thu) 13:21
投稿者 フミコ
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病室の寝息確かめ記録して 運がよければわれらの夜食 フミコ
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Re: 9/19 鑑賞&批評「袖」・題詠「夜食」
投稿日 : 2019/09/19(Thu) 13:10
投稿者 ひらら
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入院の母に添う夜食卓に器を並べあとを委ね行く
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Re: 9/19 鑑賞&批評「袖」・題詠「夜食」
投稿日 : 2019/09/19(Thu) 12:43
投稿者 ゆき
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ぬばたまの夜食む獏よ夢を食む獏は貴女のつがいなのかい
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Re: 9/19 鑑賞&批評「袖」・題詠「夜食」
投稿日 : 2019/09/19(Thu) 11:03
投稿者 ひさお
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野獣ども朝に喰はずに昼に喰ふ二食主義者は夜食を重んず  ひさお
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Re: 9/19 鑑賞&批評「袖」・題詠「夜食」
投稿日 : 2019/09/19(Thu) 11:00
投稿者 ひさお
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1. 道行を袖たたみして厨に入る姑(はは)の揚げゆくフライをならべる  ひらら
(道行…みちゆきコート 和服コート)
道行や、袖たたみをこの作品を読み、ネットで調べ教えてもらった。
姑さんを素材にした作品は、この作者にかなり多い。良好な信頼関係が
なければできない作品ばかりである。
姑さんは外出先から帰宅し、和服コートを脱ぎ、それを袖たたみすると、台所
へ行き、揚げ物を始めた。作者も揚げ物を並べ手伝いをする。おいしい揚げ物
ができたことであろう。

2. 「幽霊の片袖」などと言わせない 家庭科キライ 先生もイヤ  フミコ
片袖については、この作品を読み、ネットで教えてもらった。
作者は女性であるが、学校での家庭科やその担当の先生もきらいで
あると明言している。
家庭科の時間に衣服を縫っていると、両袖まですべて仕上げることが
できず、片袖を縫ったところで、時間切れになることがある。すると先生が
幽霊が片袖を探しに来るよと言ってふざける。それが作者には大変いや
なことであった。
作者の性格は、竹を割ったようにすかっとしている。

3. 君が袖をひと振りすれば見はるかす島山はみな紅葉するはず  ゆき
「あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」を思い浮かべ
ながら詠んでいるように感じた。
君は神に近い能力・権力の持ち主。その君が袖を一振りすれば、遠くに
見える島山はみんな紅葉するはずですよ。
作者は何故紅葉することを望んでいるのか。それは不明であるが、その
手がかりがあればすばらしい作品だと思う。

4. 成人式のふり袖不要と言い放ち娘はホームステイにニュージランドヘ  さらら
近く世人式を迎える娘さん。作者は母として振袖を準備しなければと気に
している。しかし、娘さんはそんなものはいらないと言って、ニュージランドへ
ホームスティに旅立った。建前に拘らない活発な娘さんだ。

5. 左袖に左手右の袖に右手最後に頭を入れTシャツ着る  たかし
右と左を逆にすると、3句目が7音になるので、やはり左から詠いだすのが
いいようだ。

6. 草取りに汗の噴き出し両瞼を袖にて拭ひぬ二度も三度も  ひさお
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Re: 鑑賞&批評 「袖」
投稿日 : 2019/09/19(Thu) 07:21
投稿者 フミコ
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1. 道行を袖たたみして厨に入る姑(はは)の揚げゆくフライをならべる  ひらら
(道行…みちゆきコート 和服コート
着物を汚れや寒さから守る外出用のコート。
お姑さんは帰宅後そのコートを簡単に袖畳みしてすぐさま夕餉の支度にかかられた。おそらく、白い割烹着姿で手早くフライを揚げて行かれる。
作者はそれを食卓に並べる。
作者との見事な連携プレーを感じるとともに、自分でやらなければ気が済まない勝気な姑像も仄見えますね。よく出来た、(できすぎた)お姑さんというのもしんどいだろうなぁなどと(勝手な憶測)失礼なことを…すみません。

2. 「幽霊の片袖」などと言わせない 家庭科キライ 先生もイヤ  フミコ

3. 君が袖をひと振りすれば見はるかす島山はみな紅葉するはず  ゆき
万葉の世界観に引き込まれそうな雰囲気の歌。
結句の「…するはず」で現世現実の歌だと認識する。
島山は壱岐の港の写真で見た島の背骨となる山だと思いました。
ここで詠われている「君」が誰なのかは詮索の外ということで、作者の「君」に対する憧れ、片思い、「何故、私に気付かないの?」みたいな苛立ちと、もし私の気持ちが通じたならば私の視野は彩錦に満たされるであろうという、歌意が読者にわからないように工夫されている歌かなと思いました。

4. 成人式のふり袖不要と言い放ち娘はホームステイにニュージランドヘ  さらら
「言い放ち」に、成人式に振袖を新調して美しく成人した娘の姿を楽しみにしたい母とわが価値観を信じて外国への長期滞在を宣告する娘との葛藤があり、希望を打ち砕かれた感の母の寂しさと怒りがモヤモヤと消えない歌かも。
流石というか、「アラウンド・ザ・ワールド」がライフワークの母にしてこの娘あり…ですね。作者も今は、自分の意思と価値観を信じて行動できる娘に育たれたことに安堵し、また、自慢に思われていることでしょう。

5. 左袖に左手右の袖に右手最後に頭を入れTシャツ着る  たかし
そうだそうだそのとおり…思わずうなずくT−シャツの着方案内書。
トリセツ短歌。 「当たり前短歌」の王道。
作者のユーモア精神と滑稽思考が生み出した、何だか楽しくなる歌。
T-シャツを手にする度に思わずぶつぶつ念じてしまいそうです。
この歌に立ち止まってニコリとしている読者を想像しながらニヤリとしている作者が見えるようです。

6. 草取りに汗の噴き出し両瞼を袖にて拭ひぬ二度も三度も  ひさお
若い頃の作者、実家の田の草取りを手伝われたことがあったのでしょう。
田の草取は草むしりでも草刈りでもなく泥土と対面で行わねばならず、主に女性が担当することが多かった。忍耐と体力と持久力頼みの、3〜50年前の田の草取りは、強い太陽の直射を全身に受け、腰を折ったまま両手は稲株のまわりをかき回しながら草を抜き取り、前進するという過酷なもの。または、田車という爪付きの回転くるまを押して泥土の中を進み、草を泥の中に巻き込むという重労働。炎天下、人間の体からこんなに水が出るかという位汗が噴き出し、流れ落ちる。両手は泥まみれなので使えず、汗は袖で拭くしかない。
「二度も三度も」が流れる汗との戦いをよく語っていると思います。
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「夜食」詠草
投稿日 : 2019/09/19(Thu) 06:59
投稿者 たかし
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皮をむき小さく切りて病む人と秋の夜食べん梨「新甘泉」
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