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10/15 題詠「ダリア」・鑑賞&批評「中今」
投稿日 | : 2020/10/09(Fri) 09:36 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
R・02.10.15 (木)
題詠 「ダリア」
鑑賞&批評 「中今」
出題当番 ひろゆきさん
鑑賞&批評 「中今」
1. コロナ禍でおうち時間の増える中今こそ究めんわが生きわが歌 たかし
2. 会議中今夜のデートを思ひをり中華にするか和食がいいか ひさお
3. 秋暑し双子相次ぎ夜泣き最中今すぐ負ぶうよ抱っこし歩くよ ひらら
4. 連綿と続きしえにしの中今にわれあることの不思議を思う ひろゆき
5. 中今にわれ在ることの摩訶不思議 降る焼夷弾浴びたのだもの フミコ
(1945年3月10日 東京池袋)
6. 月の鏡の割れてゆらめく水の面(も)や昨夜(きぞ)は山中(やまなか)今宵海中(わたなか) ウプラ
7. 中今の想定外のコロナ菌に地球上の人らなべてマスクする さらら
Re: 10/15 題詠「ダリア」・鑑賞&批評「中今」
投稿日 | : 2020/10/15(Thu) 14:51 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
ひろゆきさんへ
下記の投稿歌に題詠の「ダリア」の文字を入れてくださいませ。
花びらの一枚一枚集に満ち色濃く映えて秋の陽に立つ ひろゆき
題詠「ダリア」
Re: 10/15 題詠「ダリア」・鑑賞&批評「中今」
投稿日 | : 2020/10/15(Thu) 14:33 |
投稿者 | : フミコ |
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鑑賞&批評 「中今」
1. コロナ禍でおうち時間の増える中今こそ究めんわが生きわが歌 たかし
コロナ・ウィルス感染拡大を受けて、三密をはじめ様々な規制抑制自粛にがんじがらめの行動規制。「スティホームの今こそ自分を見つめ見直し究めよう。」遠大且つ細密な一大事業じゃございませんか。
もう、道は半ばを超えて完成、完結が見えておられるやも。
(下句はスローガンめいてど真剣な話ではなく、ちょっとした気分転換のような気配も感じる)。ご健闘を祈ります。
私も決心したことがありましたがいつの間にやら緊張感が失せて計画も心いたまない温度と時間のうちに霧散してしまいました。
2. 会議中今夜のデートを思ひをり中華にするか和食がいいか ひさお
退屈でのろのろした会議の最中に優先順位の高い妄想が(いえいえ、計画が)
入り込むのは生きている証。でも、油断してはいけません。隠しているつもりでも必ず表情に出ているからそれを読んでいる人もいたでしょう。
(作者の、いつもの歌から受ける印象では謹厳な紳士を想像しますが、…こんなところで若き日の….歌って面白いですね。)
3. 秋暑し双子相次ぎ夜泣き最中今すぐ負ぶうよ抱っこし歩くよ ひらら
夜中に泣き出した双子ちゃん。
1人が泣くと必ずと言っていいほどもう一人が唱和するんですね。
下の句、母として体がもう一つ欲しい手八丁の動きとおろおろ感が、臨場感がよく出ています。大汗も見える。
「秋暑し」には、追い詰められるようなやりきれなさもただよう。
大人の気持が反映されるのか赤ちゃんの泣き方、泣き声も昼間とは違う緊迫感が籠っているように感じたものです。
「中今」の入れ方がちょっと苦しく感じる。
4. 連綿と続きしえにしの中今にわれあることの不思議を思う ひろゆき
作者が今、元気に暮らしていられるのは古からの数限りない縁のおかげである。
日々を感謝の中に暮らしておられるのでしょう。
哲学的ですね。
古今より連綿と歌に掬われてきたテーマであるだけに作者独自のセールス・ポイントがほしいなぁと思いました。
5. 中今にわれ在ることの摩訶不思議 降る焼夷弾浴びたのだもの フミコ
(1945年3月10日 東京池袋)
6. 月の鏡の割れてゆらめく水の面(も)や昨夜(きぞ)は山中(やまなか)今宵海中(わたなか) ウプラ
この歌の主人公は水面に生きている月の映し絵でしょうか。
それとも月の鏡を弄んでいるような水面そのものでしょうか。
どちらも現実でありながら実は、なにか不可視感のある、もしくは透りぬけた何かの存在の暗示か。山中、海中とあるので月の女神ダイアナかもしれない。
美しくて、不思議な感傷のわく、捉えることの難しい歌だと思いました。
7. 中今の想定外のコロナ菌に地球上の人らなべてマスクする さらら
コロナ・ウィルスの出現は予測されていなかった。
目に見えない世界の見えない生物に地球が侵略されるなんて空想科学の世界だけであった筈なのに…
目下の、対抗手段の最有力に採用されているマスク。
アナログだなぁ。
1日も早い、安全で有効なワクチンの普及が待たれる。
(ちなみに、ウィルスは細胞を持たないので菌ではなく微生物に分類されます)
Re: 10/15 題詠「ダリア」・鑑賞&批評「中今」
Re: 10/15 題詠「ダリア」・鑑賞&批評「中今」
投稿日 | : 2020/10/15(Thu) 14:05 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
1. コロナ禍でおうち時間の増える中今こそ究めんわが生きわが歌 たかし
中今をうまく中と今に分けた。
コロナ禍で外出が減ったことを嘆かず、これをチャンスとして、自分
の生き方と短歌づくりをより一層極めたいという決意。
前向きな姿勢に好感が持てる。
2. 会議中今夜のデートを思ひをり中華にするか和食がいいか ひさお
3. 秋暑し双子相次ぎ夜泣き最中今すぐ負ぶうよ抱っこし歩くよ ひらら
中今を中と今に分けた。
双子の子育て中の苦労を思い出している。双子が相次ぎ夜中に
泣くとパニックになるであろうと思われる。苦労の一端がよく
分かる。3句の「夜泣き最中」という表現はちょっと苦しいし。読み方は
さいちゅう(3句が7音)、さなか(3句が6音)どちらだろうか。
4. 連綿と続きしえにしの中今にわれあることの不思議を思う ひろゆき
「中今」に正面から向き合っている。現在生を受けていることの不思議を
詠う。内容は独自性に乏しいように思われる。
5. 中今にわれ在ることの摩訶不思議 降る焼夷弾浴びたのだもの フミコ
(1945年3月10日 東京池袋)
「中今」に正面から向き合っている。4句・5句「降る焼夷弾浴びたのだもの」
は、よく生き延びたと思われるほどの恐ろしい経験。「摩訶不思議」はまさに
その通り。恐ろしい空襲の経験者なのだ。
「浴びたのだもの」という口語表現も効いている。
3句と4句の間の一字空けはなくてもいいように思われる。
6. 月の鏡の割れてゆらめく水の面(も)や昨夜(きぞ)は山中(やまなか)今宵海中(わたなか) ウプラ
中今を山中と今宵にうかく分けた。
昨夜は山中で月を見た。今宵は湾に浮かぶ船に乗って月を見ている。海面が凪いでいる
と鏡のようだ。少し海面が揺れると鏡は割れてしまう。
誰と一緒に、湾に浮かぶ船に乗って月を眺めているのか。ロマンがある。
蛇足だが、真 山民(しん さんみん)の「山中の月」は孤独且つ幽玄である。
鑑賞&批評「中今」
投稿日 | : 2020/10/15(Thu) 10:37 |
投稿者 | : ひろゆき |
参照先 | : |
1. コロナ禍でおうち時間の増える中今こそ究めんわが生きわが歌 たかし
屋内、べしてわが家の中の長い時間。そのような機会にと生きること、自分が成してきた短歌について究めておきたいとの意思表示。
2. 会議中今夜のデートを思ひをり中華にするか和食がいいか ひさお
凄い歌ですねぇ。会議中に今夜のデート先の食事の場所を思うとは。時間を食う退屈な会議だったのでしょう。
3. 秋暑し双子相次ぎ夜泣き最中今すぐ負ぶうよ抱っこし歩くよ ひらら
作者の双生児の育児日誌の一コマ。秋とはいえ、まだ暑く乳児にとっては生きづらい?環境。夜泣きする子に対しての母としての思いとすぐの動作の用意を詠う。
4. 連綿と続きしえにしの中今にわれあることの不思議を思う ひろゆき
5. 中今にわれ在ることの摩訶不思議 降る焼夷弾浴びたのだもの(1945年3月10日 東京池袋) フミコ
作者は今在ることを具体を持つて作詠する。その具体はもう忘れ去られる危惧を持つ戦争・戦時の街なかの焼夷弾。上下句の一拍の空き字が強く響く。
6. 月の鏡の割れてゆらめく水の面(も)や昨夜(きぞ)は山中(やまなか)今宵海中(わたなか) ウプラ
満月が続きかつ、風が強く吹く旅行中の景。その初日の夜であろうか、水の面が風に揺れて割れ
て映す月昨夜は山中の池で、今夕は海の面でと。
7.中今の想定外のコロナ菌に地球上の人らなべてマスクする さらら
今まで生きてきた中での想定外の菌、世界中に伝染・撹拌するコロナウイルスに対処・防備する
ために唯一のマスク。テレビの映像。伝える報道機関。すべてがマスク人間として。
Re: 10/15 題詠「ダリア」・鑑賞&批評「中今」
投稿日 | : 2020/10/15(Thu) 10:35 |
投稿者 | : さらら |
参照先 | : |
1. コロナ禍でおうち時間の増える中今こそ究めんわが生きわが歌 たかし
すべての行事が中止のコロナ禍に消沈することもなく 常に勤勉なる作者の前向きな
生き方 より歌に深く精進される心意気に感動します。
2. 会議中今夜のデートを思ひをり中華にするか和食がいいか ひさお
会議中にデートには何を食べようかと思う 人間の食に対する欲望が隠すことなく素直に歌われて親しみを覚えます。食欲の秋どちらも頂きたいもの。
3. 秋暑し双子相次ぎ夜泣き最中今すぐ負ぶうよ抱っこし歩くよ ひらら
双子に恵まれ育児の大変さをリアルに歌われて 子宝の成長に今の幸せ話をお聞きするのが友である私の喜びです。
4. 連綿と続きしえにしの中今にわれあることの不思議を思う ひろゆき
己の今存在している不思議を 年を重ねてだれもが有難く感謝する。
両親 その祖先 身巡りのお世話になった人々に今日の爽やかなひと時合掌するのみ。
5. 中今にわれ在ることの摩訶不思議 降る焼夷弾浴びたのだもの フミコ
(1945年3月10日 東京池袋)
なんとも恐ろしい戦争の渦中に逃げ惑う体験をされ こうして今を生きる不思議さ
灯火管制もない 明るい部屋で過ごせる秋の夜長 80年生きて色々あったなと思う。
6. 月の鏡の割れてゆらめく水の面(も)や昨夜(きぞ)は山中(やまなか)今宵海中(わたなか) ウプラ
秋の月はすがやさひとしお見上げることが多いです。山中 海中に夜ごと皓皓と光を注ぐ。
7. 中今の想定外のコロナ菌に地球上の人らなべてマスクする さらら
Re: 10/15 題詠「ダリア」・鑑賞&批評「中今」
Re: 10/15 題詠「ダリア」・鑑賞&批評「中今」
Re: 10/15 題詠「ダリア」・鑑賞&批評「中今」
投稿日 | : 2020/10/15(Thu) 09:32 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
「敗戦の勅」聞き外す黒い幕 咲きいしダリアの たじろぎもせず フミコ
(上空から見える地上の反射を防ぐため、ガラス戸、障子など白っぽい物すべてに黒いカバーをかけていた)
Re: 10/15 題詠「ダリア」・鑑賞&批評「中今」
Re: 10/15 題詠「ダリア」・鑑賞&批評「中今」
Re: 10/15 題詠「ダリヤ」・鑑賞&批評「中今」
Re: 10/15 題詠「ダリヤ」・鑑賞&批評「中今」
Re: 10/15 題詠「ダリヤ」・鑑賞&批評「中今」
投稿日 | : 2020/10/09(Fri) 16:26 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
フミコさん
今掲示されている詠草のままで結構です。
夜中に右下の「編集」を押して変更したので、初めに送った詠草は残っていません。
お忙しいのにすみませんでした。
いつもありがとうございます。
読んだのが今で、お返事遅れてごめんなさい!