♪ 「たどたど」スケジュール　♪　

R・02.12.03　（木） （11月は恒例、web歌会のため全休）　　　

題詠　　　　「保険」　　　　　　
鑑賞＆批評　「境界」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
出題当番　　 さららさん


　　
鑑賞＆批評　「境界」

1. 隣家は小路をはさむ境界を不法に縮めて建築再開　　ひろゆき

2. おそろしや誰が植えたか棘アカシア松茸山の境界に聳ゆ　　フミコ

3. 海と陸（くが）との境界線に月光のリボンのやうな波は寄せたり　　ウプラ

4. 母娘にも入り込めない境界に灯る夕べは各々の刻　　さらら

5. 夢のなかと現（うつつ）の世界　境界はときにあいまい夜気裂く鹿声　　たかし

6. 目に見えぬ境界なれど排他的経済水域確かな線引き　　ひさお

7．境界をかなり控えて普請なす隣に落とすな大屋根の雪　　ひらら

編集

保険とう総身の縫いぐるみ纏えど遊歩すれば身の保全ならず

編集

1. 隣家は小路をはさむ境界を不法に縮めて建築再開　　　　　　　　　　　　　　　ひろゆき

2. おそろしや誰が植えたか棘アカシア松茸山の境界に聳ゆ　　　　　　　　　　　　フミコ
初句　“おそろしや„に人間不信を表現。棘アカシヤを植えなくっても松茸山には入りませんよ！と。でも今の世、まったけは超高級高価品。生産者も所得をめざして。

3. 海と陸（くが）との境界線に月光のリボンのやうな波は寄せたり　　　　　　　　ウプラ
夕陽が今まさに沈むときの光景。下句の月光のリボンとの表現秀逸。よく見る景であり、ああ美しいとシャッターチャンスで終わり。写真より短歌で優っているよう。

4. 母娘にも入り込めない境界に灯る夕べは各々の刻　　　　　　　　　　　　　　　さらら
成人した子の部屋。親子・母娘であろうと入ってはならない境界壁が暗然とあって、そこには確固としたそれぞれの時間が保有されている。だからこそ成長があるとも言えよう。

5. 夢のなかと現（うつつ）の世界　境界はときにあいまい夜気裂く鹿声　　　　　　たかし
うつらうつら眠りに入ると、鹿の音程の高い鳴く声が間近に聞こえたり遠くに聞こえたりして、鹿は境界のないような地を歩いているように聞こえる。夜気裂くとあり鋭く高い音であろう。

6. 目に見えぬ境界なれど排他的経済水域確かな線引き　　　　　　　　　　　　　　ひさお
水域のこととて実線或いは壁を用いて示威できないが、各陸地から何マイルという数値で、二国または三国間で自国の経済水域を線引き・区分をする。こうして多国間の和平を保つている。

7．境界をかなり控えて普請なす隣に落とすな大屋根の雪　　　　　　　　　　　　　ひらら
多雪・豪雪地であろう。それぞれの土地の慣習あるいは道徳的規律なのでしょう。落とす雪、雪落としをしたとき、心配なき場所を確保するという冬季を深慮しての新普請を思う。
結果として、都会のような隣家の高音にも壁となって。

編集

発言は留保険悪な反発をその場に感じ気後れしたり　　ひさお

編集

1. 隣家は小路をはさむ境界を不法に縮めて建築再開　　ひろゆき
「建築再開」とあるから、作者側からの苦情申し立てに、一旦工事
を中断したものと思われる。しかしすぐに解決しそうもないので、再び
工事を始めた。「境界を不法に縮めて」だから、公有地にはみだして
いるのだ。自分勝手なことをして平気な困った隣人らしい。
「不法に縮めて」は「不法にはみ出し」の方が適切なように感じた。

2. おそろしや誰が植えたか棘アカシア松茸山の境界に聳ゆ　　フミコ
「棘アカシア」はニセアカシアのことらしい。ネットで調べました。
この木には棘があって、うっかりすると刺されます。しかし公園などに
多く見られ、春には可憐な花を咲かせてくれます。
松茸山の境界に大きなニセアカシアの木が聳えている。それを見て
松茸山へ無断で入るなという警告と作者は受け取った。
「おそろしや」というのはちょっとオーバーな感じがするがおどけていて
面白い。

3. 海と陸（くが）との境界線に月光のリボンのやうな波は寄せたり　　ウプラ
　海岸に打ち寄せる波を「月光のリボン」と表現したことが、この作品の
ポイトである。また海岸を「海と陸との境界線」と表現したことも、題詠のため
ではあるがうまいと思う。
美しい月光の輝く静かな夜の海岸が目に浮かぶ。

4. 母娘にも入り込めない境界に灯る夕べは各々の刻　　さらら
夕方の寛ぎの時間。母と娘にもそれぞれ他から干渉されたくない時間という
ものがある。お互いが相手を尊重し、干渉されない時間を持つという
民主的な家庭である。
「境界に灯る夕べは」は工夫された表現と思う。

5. 夢のなかと現（うつつ）の世界　境界はときにあいまい夜気裂く鹿声　　たかし
作者の住んでおられる地区では夜に鹿の鋭い鳴き声が聞こえるらしい。
よく眠っていても鹿の鳴き声がうっすら聞こえて、夢なのか現実なのか
ほっきりしないことがある。「夜気裂く」はかなり鋭いことを示す。
２句と３句の間の１字空けは必要ないように思われる。

6. 目に見えぬ境界なれど排他的経済水域確かな線引き　　ひさお

7．境界をかなり控えて普請なす隣に落とすな大屋根の雪　　ひらら
　雪深い地方では大屋根の雪を隣家に落とすなという不文律があるようだ。
だから作者は家の新築にあたり、隣家との境界をかなり広くあけて
内側に建てることにした。豪雪地帯には隣家との関係でそれなりの配慮
が必要でることが分かった。

編集

ひろゆきさんへ

ありがとうございます。
今日は、午前、午後、合計6時間の特訓です。
久しぶりのお弁当持ちで何かうれしいです。
毎日電車に乗れるのもうれしい。
昨日から杖だけで移動しています。
ちょっとしんどいけれど何とかなりました
これもうれしい副産物です。
くれぐれも勝手をお詫びします。

編集

すばらしい！　いつまでも衰えぬ学習への好奇心と展望。
この題詠にも編集を務めてくださるなど何事へも学習と実践。
英語・英会話への挑戦、毎日が愉しみであり活き活きとした日々を送られることでしょう。
心・体ともの健康への歩みでもあり、予防策でもあります。
寒くなり、また重機を操作されるときもあろうかと思いますが、過重にならないように気を付けてください。
しばらく作詠、ご鑑賞・評の記述がみられないのが残念です。

編集

たかしさん　ひさおさん

力強い応援ありがとうございます。

今になると何処へ行っても最年長なので、敬老ムードになってしまうのが不満ですが、今残っているのは６人なので「枯れ木も山の賑わい」状態なので頑張りつつ、しつこく食い下がっています。
少数精鋭だなどと粋がっていますが、成果はともあれ、日常も活性化してきているようなので修了したいものと思っています。

編集

フミコさんへ
新しいことへの挑戦。立派です。
頑張ってください。

編集

次回のお題　一杯

編集

了解しました。「英語でお・も・て・な・し」をプレゼンされる。
素晴らしいです。ぜひ、全力で取り組んで下さい。
「たどたど」の方は私、段取り・進行・いたします。
がんばってください。

編集

たかしさん＆みなさまへ

間もなく、たどたど題詠会が再開されます。
みなさま　お元気の事と想像しております。

私、大変身勝手ですが事情が発生しまして12月は「たどたど」をお休みさせていただきたいのです。
事情というのは、高島市の商工会（地場産）が企画した簡単な「英語でおもてなし」という勉強会に参加していて、それが12/25までにあと19回残っているのです。
初めは簡単そうに思えたのですが、外国人相手を想定してのロール・プレイやら地元の紹介、案内やらをプレゼンしなくてはならないのでヒマをみては字引と首っ引きで四苦八苦しています。
そんなわけで短歌の事をしばらくお休みさせて頂きます。
案内人になるつもりはありませんが、わたしの神社にも来る外国人は珍しくないので話ができたらなぁと思うわけです。
来年から又、復帰させて頂きます。
よろしくお願いいたします。

編集