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2021.01.28 題詠「節分」・ 鑑賞&批評「蕎麦」
投稿日 | : 2021/01/22(Fri) 09:05 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
♪ 「たどたど」スケジュール ♪
R・03.01.28 (木)
題詠 「節分」
鑑賞&批評 「蕎麦」
出題当番 ウプラさん
鑑賞&批評 「蕎麦」
1. 次の世も日本と決めてはつ春の昼にいただく蕎麦・花の舞 ウプラ
*花の舞・・・花の舞酒造の清酒「花の舞」
2. 熟し柿に蕎麦粉まぶして姑の食む全く歯のなく童の面ざし さらら
3. 夕暮の生家跡地を訪ねし日の藤沢駅の立ち食い蕎麦の味 たかし
4. 夜鳴蕎麦そのチヤルメラの響きなほ鮮らけく脳裡に残る ひさお
5. 紅蕎麦の高原ルビーの見え隠れす花脊峠の杉の間に間に ひらら
6. 旧上司蕎麦アレルギーで自枕持ち出張・旅行をされていたっけ ひろゆき
7. おかあちゃんの得意料理を聞かれたる年中児答う「蕎麦のかい餅」 フミコ
Re: 2021.01.28 題詠「節分」・ 鑑賞&批評「蕎麦」
投稿日 | : 2021/01/28(Thu) 14:18 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
鑑賞&批評 「蕎麦」
1. 次の世も日本と決めてはつ春の昼にいただく蕎麦・花の舞 ウプラ
*花の舞・・・花の舞酒造の清酒「花の舞」
上の句、ほとんどの日本人の無意識の自国愛を明文化したような潔い詠いっぷり。
とても気持ち良い新春詠ですね。&、優雅というか古き佳き時代を思い起こさせる。
「花の舞」とはまた粋で華やいだネーミングのお酒。
蕎麦との相性も文句なしなんでしょうね。
2. 熟し柿に蕎麦粉まぶして姑の食む全く歯のなく童の面ざし さらら
どのような食感なんでしょうね。試してみたい気がします。
来年の柿が熟す季節が楽しみです。
それを食べている時のお姑さんの子供のような表情が時折浮かぶのですね。
4句目、ほかの詠み方もありそうですね。
3. 夕暮の生家跡地を訪ねし日の藤沢駅の立ち食い蕎麦の味 たかし
全編に哀愁が漂う。
夕暮、駅名、立ち食い蕎麦…作者にとって忘れ得ない、しかし、あらゆる感情抜きの、心底に住むキーワードなのかなと読みました。
しかし、感情的な語句が何もないところが反って読む者の心に沁みて反映される広がりを感じました。
4. 夜鳴蕎麦そのチヤルメラの響きなほ鮮らけく脳裡に残る ひさお
夜鳴きそばのチャルメラの、聞くものの気持ちによって聞こえ方が違ってくる不思議。
夜鳴きソバに会わなくなって久しい者にとっては懐かしい、様々な喜怒哀楽に引き戻される歌。
下の句、「鮮らけく脳裡に残る」全く共感します。
関わりのない私の背景の様々が一挙に思い出されました。
5. 紅蕎麦の高原ルビーの見え隠れす花脊峠の杉の間に間に ひらら
しっとりとしかも明るく牧歌的でもある、作者の詠われる歌のバックグラウンドとしていつも感じとれる原風景のようにも読んでいます。
花脊峠…次の季節、ぜひ意識して通ってみたいです。
6. 旧上司蕎麦アレルギーで自枕持ち出張・旅行をされていたっけ ひろゆき
蕎麦アレルギーの方がソバガラにも反応されるとは知りませんでした。
蕎麦には重篤な反応を起こす人がいるので要注意ですね。
病院関係者でも知らない人結構いるんじゃないでしょうか。
勉強になりました。
お題の「蕎麦」を考えているうちに「自枕必携出張」の上司を思い出されたのですね。なんか愉快。
7. おかあちゃんの得意料理を聞かれたる年中児答う「蕎麦のかい餅」 フミコ
Re: 2021.01.28 題詠「節分」・ 鑑賞&批評「蕎麦」
題詠「節分」
鑑賞&批評「蕎麦」
投稿日 | : 2021/01/28(Thu) 10:49 |
投稿者 | : ひろゆき |
参照先 | : |
1. 次の世も日本と決めてはつ春の昼にいただく蕎麦・花の舞 ウプラ
*花の舞・・・花の舞酒造の清酒「花の舞」
生まれ変わっても日本、清酒「花の舞」があるから、と思わせるほどほれ込んでおられる酒。特に初春の昼の酒は格別。1年間に持った楽しかった時間をふりかえりながら過ごされている姿が目に浮かぶ。
2. 熟し柿に蕎麦粉まぶして姑の食む全く歯のなく童の面ざし さらら
結句「童の面ざし」がよく効いて、楽しみ味わう姑の姿の全景を写している。上句1・2句、はじめて知る食べ方。機会があればと思うが都会には具そのものを見かけない。ただし私の行くスーパーでは。
3. 夕暮の生家跡地を訪ねし日の藤沢駅の立ち食い蕎麦の味 たかし
作者は駅の立ち食い蕎麦をあちこちで体験しておられるのであろう。藤沢駅の立ち食い蕎麦は生家があつた処、そして訪ねたことの心象、残照もあつて格別の時間であつたのであろう。
4. 夜鳴蕎麦そのチヤルメラの響きなほ鮮らけく脳裡に残る ひさお
懐かしい! 家から中華丼を持って駆け付け…。冬の寒い夜はなおさら。父も母も生きていた時代だからもう半世紀が過ぎる。でもこうしてそのことを読む機会があれば詠まれる通り「鮮らけく」甦る。
5. 紅蕎麦の高原ルビーの見え隠れす花脊峠の杉の間に間に ひらら
京都から滋賀へ通ずる峠。紅そばの花の色を高原ルビーと詠われかつ、その所在を杉の間に間にと。このあたり一帯は薪炭用の杉の植生を家業としておられた。
6. 旧上司蕎麦アレルギーで自枕持ち出張・旅行をされていたっけ ひろゆき
7. おかあちゃんの得意料理を聞かれたる年中児答う「蕎麦のかい餅」 フミコ
4・5歳の子にとって覚えやすくかつ印象に残るほど食されたのであろう。作者は他にもつと美味しい手数をかけた料理を作り食べさせているのにとの思いを心のうちに収めて
Re: 2021.01.28 題詠「節分」・ 鑑賞&批評「蕎麦」
Re: 2021.01.28 題詠「節分」・ 鑑賞&批評「蕎麦」
投稿日 | : 2021/01/28(Thu) 10:00 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
1. 次の世も日本と決めてはつ春の昼にいただく蕎麦・花の舞 ウプラ
*花の舞・・・花の舞酒造の清酒「花の舞」
「次の世も」に作者はどのような意味を持たせたのであろうか。。
この一年間は世界的にコロナ禍で滅入っている。まだ収束の気配はないが、
収束した後の世のことを次の世と表現したのではないか。コロナ禍の収束した世
でも、これまで通り日本のいいものを満喫したい。そのように考えて、
この新春のお昼に蕎麦と「花の舞」をいただいた。「花の舞」は静岡県産米
を100%使用して醸造されているらしい。「花の舞」という名前もおめでたい。
新春らしい雰囲気がある。
2. 熟し柿に蕎麦粉まぶして姑の食む全く歯のなく童の面ざし さらら
蕎麦に関しての特殊なシーンですね。蕎麦粉は生でもおいしいのかな。
姑さんは歯がなくなっているので、相当なご高齢らしい。
童の面ざしの姑さんは明るい方であったと思われる。
3. 夕暮の生家跡地を訪ねし日の藤沢駅の立ち食い蕎麦の味 たかし
夕暮れの生家(神奈川県大根村)は藤沢駅から遠くない地らしい。既に家はなく跡地を作者は
訪ねた。その夕方藤沢駅で立ち食い蕎麦を食べた。さてその味は?
尊敬する夕暮れの生家の跡地を訪ねたという満足感があるはず。従って
蕎麦の味は大変おいしかったのだ。
4. 夜鳴蕎麦そのチヤルメラの響きなほ鮮らけく脳裡に残る ひさお
5. 紅蕎麦の高原ルビーの見え隠れす花脊峠の杉の間に間に ひらら
花脊では紅色の花の咲く蕎麦が栽培されている。品種は「高嶺ルビー」と
いう。高原ではなく高嶺が正しいようだ。
花脊峠まで行くと杉の木の間に間に、ピンクの花が見えてくる。まさに幻想的
な光景であろう。
6. 旧上司蕎麦アレルギーで自枕持ち出張・旅行をされていたっけ ひろゆき
昔の職場の上司の思い出。その人は蕎麦アレルギーであった。出張でも私的旅行
でも、宿泊するときには蕎麦枕が出ると困るので、いつも自分の枕を持って
旅行されていたなあ。今その人はどうしておられるだろう。
7. おかあちゃんの得意料理を聞かれたる年中児答う「蕎麦のかい餅」 フミコ
お母ちゃんは作者らしい。作者の年中のお子さんが、お母ちゃんの得意料理
を先生かあるいは近所の人に「聞かれて、正直に「蕎麦のかい餅」と答えた。
それは料理というほどのものではなく、簡単にできる物なので、作者ははずかしい
思いをした。お子さんは「蕎麦のかい餅」が好きだったのだ。そして子供らしく
正直に答えた。しかし親としては・・・。
Re: 2021.01.28 題詠「節分」・ 鑑賞&批評「蕎麦」