2021.04.22（木）
題詠　　　　「部分」　　　　　　　　　　　　　　
鑑賞＆批評　「窓」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
出題当番　　 ひさおさん　　　
　　

　鑑賞＆批評　「窓」

1. 窓の外古きビル見ゆ今日もまた高くなったと妻よく言ひし　　ひさお

2. 中庭の窓辺に来ていた愛犬亡く三年経て琴葉のわ　　れを呼ぶ声 さらら

3. ミャンマーの事態ネットの窓々に見えて助けの手はまだ見えず　　たかし

4. すがりつき病窓（まど）より見る夏伊吹ギブスのはずれ半年ぶりに　　　ひらら

5. ねえ何を食べてきたのと蟹に問ふ夕べ藻影のごとき窓辺に　　　ウプラ

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1. 窓の外古きビル見ゆ今日もまた高くなったと妻よく言ひし　　ひさお

2. 中庭の窓辺に来ていた愛犬亡く三年経て琴葉のわ　　れを呼ぶ声 さらら
わんちゃんが死んで号泣してからもう3年ですか。いまではひ孫の琴葉ちゃんが
よく遊びにきてくれて日々の暮らしは楽しい。
「愛犬亡く」の「亡」はよくないように思う。

3. ミャンマーの事態ネットの窓々に見えて助けの手はまだ見えず　　たかし
ミャンマーではよく軍部が民衆を撃ち殺す。独立国家の内部の問題なので外国
が手を差し伸べるのも難しい。
35年くらい前にミャンマーへ行ったときも軍事政権で、非常にきまじめな人々
が、あたりを憚るように生活していたのが印象的でした。
軍部は一般市民でも僧侶でも撃ち殺すので、たいへん恐ろしい。どのように
解決されるのか心配です。
「ネットの窓々に」によって、興味深く各種ニュースを追っていることが分かる。

4. すがりつき病窓（まど）より見る夏伊吹ギブスのはずれ半年ぶりに　　　ひらら
半年ぶりにギブスをはずすことができたときの喜び。病院の窓から夏の
伊吹山が見えて、気分もすっきり。
病窓を「まど」と読ませるのは感心しない。「びょうそう」でいいのではないか。
「ギブスのはずれ」は「ギブスをはずし」がいいのではないかと思う。

5. ねえ何を食べてきたのと蟹に問ふ夕べ藻影のごとき窓辺に　　　ウプラ
窓辺で蟹をかっている。ちょうどカーテンが影をつくり、藻ようなはたらきをして
海の中に蟹がいるようだ。その蟹に海では何を食べてきたのかと作者
は話しかけている。寂しさを帯びた一首である。

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こんにちは
本日の投稿、深夜になりそうです。
スミマ、よろしく〜。

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