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2021.10.07(木)題詠「新米」 鑑賞&批評「ゼムピン」
投稿日 | : 2021/10/01(Fri) 16:20 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
2021.10.07(木)
題詠 「新米」
鑑賞&批評 「ゼムピン」
出題当番 たかしさん
1.ゼムピンの金の光に綴じられて三枚の紙に三枚の影 ウプラ
2.幼き日文集は紙縒りで仕上げたり今は机上にゼムピンのあり さらら
3.一本のゼムピンあれば手錠など外せることを映画で知っている たかし
4.ゼムピンの曲がりを伸ばしパソコンをちくりと突きて電源切りたり ひさお
5.見て見てと手を引く幼磁石とカラーゼムピンでみのむしできたよ ひらら
6.錆びつきて外しもならぬゼムピンの咥えし夫の給与明細 フミコ
Re: 2021.10.07(木)題詠「新米」 鑑賞&批評「ゼムピン」
投稿日 | : 2021/10/07(Thu) 14:01 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
1.ゼムピンの金の光に綴じられて三枚の紙に三枚の影 ウプラ
ゼムピンに光が射して金色に光っている。そのゼムピンに綴じられた
紙が三組あって、それぞれ紙の上に置かれているので、影が3枚できている。
綴じられている紙の枚数は不明である。
2.幼き日文集は紙縒りで仕上げたり今は机上にゼムピンのあり さらら
紙縒りで文集を仕上げたとは、なつかしい思い出でしょう。
ゼムピンは便利だが味気ない感じがする。
3.一本のゼムピンあれば手錠など外せることを映画で知っている たかし
どんな映画かは知らないが、リズムのいい短歌になっている。
「手錠など」の「など」が効いているようだ。
手錠を掛けられた本人ではなく、別の人が外すのだろう。
4.ゼムピンの曲がりを伸ばしパソコンをちくりと突きて電源切りたり ひさお
5.見て見てと手を引く幼磁石とカラーゼムピンでみのむしできたよ ひらら
幼子の柔軟な発想。みのむしとはめずらしい。。
6.錆びつきて外しもならぬゼムピンの咥えし夫の給与明細 フミコ
相当年数が経っている。「ゼムピンの咥えし」はうまい表現だと思う。
年数を経るとゼムピンは錆びるし、輪ゴムはぼろぼろになって切れる。
ゼムピンの特性をよく捉えている。
Re: 2021.10.07(木)題詠「新米」 鑑賞&批評「ゼムピン」
投稿日 | : 2021/10/07(Thu) 11:28 |
投稿者 | : たかし |
参照先 | : |
鑑賞&批評 「ゼムピン」
1.ゼムピンの金の光に綴じられて三枚の紙に三枚の影 ウプラ
写実的だがふくらみがある。「三枚の影」と、影を言ったことで、紙に動きが出たように感じる。ゼムピンという小さな事務用品やただの紙が「金の光」によって、スターのように感じた歌。なんでも光を当てることは大切。
2.幼き日文集は紙縒りで仕上げたり今は机上にゼムピンのあり さらら
こよりを子供の頃、掘りごたつに入りながら作り方を大人に教わり、懸命に作ったのを思い出す。
しかしそうして覚えた紙縒りだが、社会に出てから実際に使ったことがない。
紙縒りをゼムピンの対比として出してきたところが光っている。
3.一本のゼムピンあれば手錠など外せることを映画で知っている たかし
4.ゼムピンの曲がりを伸ばしパソコンをちくりと突きて電源切りたり ひさお
ありましたね。この穴。爪楊枝の先ほどの細いものしか入らない穴。
3秒ほど押しているとリセットされる。私もこれをするための伸ばしたゼムピンを机の引き出しに入れていた時期があります。目覚まし時計などにもあったような・・・
パソコンを「ちくりと突きて」が、パソコンもゼムピンも、無機質のものが生きているように感じられる歌い方が光る。
5.見て見てと手を引く幼磁石とカラーゼムピンでみのむしできたよ ひらら
磁石に吸い寄せられ、繋がってぶらさがるたくさんのゼムピン。それをみの虫だと幼い子どもが言う。こういうところに幼い子の成長の芽があって、しっかりとその芽を伸ばしておられる作者だと思う。
第3句と4句のところは読み下し難いので、「カラー」を外してはどうでしょう。
第3句「ゼムピンと」4句「磁石でほらね」などと。
6.錆びつきて外しもならぬゼムピンの咥えし夫の給与明細 フミコ
古―い引き出しの奥から出てきた古―いもの。
ゼムピンの「咥えし」で、ゼムピンが生き物のようで、その咥えたものが夫の給与明細であるところ、二段構成で面白くてグー。
Re: 2021.10.07(木)題詠「新米」 鑑賞&批評「ゼムピン」
投稿日 | : 2021/10/07(Thu) 10:56 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
1.ゼムピンの金の光に綴じられて三枚の紙に三枚の影 ウプラ
金色のゼムピンが挟んでいるのは暗号文書。
この作者ならラブレターでも暗号化してしまいそう。
解けるかな? 解けないだろうなぁ!
2.幼き日文集は紙縒りで仕上げたり今は机上にゼムピンのあり さらら
便利を得て風情を失ったことの一つですね。
他に方法が無かった時代、ひとつひとつに人の力が感じられ、物を大切にする心もはぐくまれたように感じます。
しかし、幼き日のイメージと文集作成は合いにくいと感じた。
「幼い」の解釈をどの辺におくか、私はこの場合、就学以前と読んだので。むずかしいだろうなと。
幼い作者が文集をこよりで綴じているように読めました。
3.一本のゼムピンあれば手錠など外せることを映画で知っている たかし
刑事物、スパイ物、泥棒、犯罪、エキサイティングに一世風靡、いろいろ過ぎにし名優達の顔が過る歌。
ルパン3世や007を最後に、そういえばもう、長い間、映画を観ていないなぁ。
4.ゼムピンの曲がりを伸ばしパソコンをちくりと突きて電源切りたり ひさお
電源を切るためにわざわざゼムピンを伸ばしたのか、伸ばしたゼムピンがあったので、その圧力を試してみたのか、おもしろい歌。
どっちにしても時間をたっぷり使って、結果が出せてスッキリ!
ヒマジン ノ アソビゴコロ?
5.見て見てと手を引く幼磁石とカラーゼムピンでみのむしできたよ ひらら
地デジ、12チャンネルは私も好きで熱心に観ています。
お孫さんもファンなのでしょう。
このミノムシ、磁石はどんな機能を受け持っているのか見たい気がします。
お孫さん会心の作。
大好きなおばあさまに早く見てほしいという幼の気持ちがよく出ています。
6.錆着きて外しもならぬゼムピンの咥えし夫の給与明細 フミコ
Re: 2021.10.07(木)題詠「新米」 鑑賞&批評「ゼムピン」
Re: 2021.10.07(木)題詠「新米」 鑑賞&批評「ゼムピン」
Re: 2021.10.07(木)題詠「新米」 鑑賞&批評「ゼムピン」