トップページ > 記事閲覧
2022.03.03(木)題詠「三月」  鑑賞&批評「花」 
投稿日 : 2022/01/28(Fri) 11:39
投稿者 ウプラ
参照先
2022.03.03(木)
題詠    「三月」            
鑑賞&批評 「花」      


1、一面の寒菜の花の中に立ち父のベレー帽被る墓標が浮かぶ  さらら

2、ぼこぼこのアルミの鍋の静けさに雨夜木曽谷の花豆ひたす   ウプラ

3、「忙しき時が人生の花(華)ならむ」寺門の扁額吾も座右とす  フミコ

4、花筏むねに押しつつ白鳥はひとすじの水脈(みお)濠にひきゆく   ひらら 
(彦根城)
  
5、若貴(わかたか)はともに醜名に花があり兄弟そろつて横綱たりき  ひさお

6、風呂修理中に通いし銭湯はくりからもんもんの花盛りなり  たかし
記事編集 編集
< 123>
Re: 2022.03.03(木)題詠「三月」  鑑賞&批評「花」 
投稿日 : 2022/03/03(Thu) 18:26
投稿者 たかし
参照先
詠草、やり直しました。前のをやめて、こちらに差し替えてください。勝手ながら…

あちこちに枯木枯れ草焼く煙り弥生三月里の田息づく  たかし
記事編集 編集
Re: 2022.03.03(木)題詠「三月」  鑑賞&批評「花」 
投稿日 : 2022/03/03(Thu) 18:22
投稿者 たかし
参照先
次のお題「陽光」
記事編集 編集
Re: 2022.03.03(木)題詠「三月」  鑑賞&批評「花」 
投稿日 : 2022/03/03(Thu) 18:10
投稿者 たかし
参照先
鑑賞&批評 「花」      
1、一面の寒菜の花の中に立ち父のベレー帽被る墓標が浮かぶ  さらら
 寒菜の花の中に立って、父のお墓を思い浮かべている。
 その墓はベレー帽を被った形のようです。ユニークなお墓ですね。
 歌、その花の中に立った時に・・・つまり、立ったら思い浮かんだ、というのですから、
 第三句「中に立てば」だと「浮かぶ」が、自然だと感じる。

2、ぼこぼこのアルミの鍋の静けさに雨夜木曽谷の花豆ひたす   ウプラ
 ぼこぼこのアルミ鍋が「静か」であるかどうかは分からないが、
 「雨夜木曽谷の花豆ひたす」の語句は魅力的。
 豆も、いろいろ種類があるが、私の知っているのは、うずら豆、大豆、小豆程度です。「花豆」というのは知らない。私も知らないまま食べているのだろうか?
 この歌、「アルミ鍋」というものは、他の素材の鍋(鉄鍋・ホーロー鍋・土鍋)と比較した場合、軽くて騒々しいイメージがある。
 そしてこの「アルミ鍋」はその上「ぼこぼこ」である。騒々しさが上乗せされたイメージだ。
 その「アルミの鍋」の「静けさに」・という語句の繋がりに私は少し無理を感じた。
 花豆を「ひたす」のは「水」である。水のイメージは静謐なもの。
 だから作者は、アルミの鍋に張った水の静けさに・・・ということを言おうとしたのだと思うが「張った水」を省略しているので、私のように感じる者も出てくる。
 上句は「ぼこぼこのアルミの鍋に水を張り」では、作者としては温和しすぎるのか。
 しかしこの歌は下句が秀逸なので、上句はおとなしい感じでもいいように思ったが。
 地名「木曽谷」がとてもいい味を出した。「雨夜」は「うや」と読むのか。

3、「忙しき時が人生の花(華)ならむ」寺門の扁額吾も座右とす  フミコ
 扁額の言葉はよく人生の真理を言い得ている。
 この扁額の言葉には、幾分かは人の年代を含んでいるように思う。
 つまり、仕事と子育てに忙しい三十歳代後半〜五十歳代前半などを思う。
 しかし、この言葉を座右の銘として生きて来た作者は、年代という事を取り払いこの言葉を解釈してきたと思える。
 つまり、単純に「忙しい時」、やりたいことや、やらなければならないことがたくさんあるとき、その時が人生の花だと。
 この解釈で行けば、生き方によって、人間死ぬまで花があるのである。
 とてもよい自分流の解釈をされてきた作者と思う。

4、花筏むねに押しつつ白鳥はひとすじの水脈(みお)濠にひきゆく   ひらら 
(彦根城)
 花筏を「むねに押しつつ」というところがいいですね。
 白鳥は確かに静かに進んでゆく。水中では忙しく足を動かしているのだけれども、
 水の上に出ている白鳥の身体は、すーっと静かに水を押し分けて進んでゆくように見える。
 花筏の浮かぶ季節の情景がうつくしく捉えられた。
  
5、若貴(わかたか)はともに醜名に花があり兄弟そろつて横綱たりき  ひさお
 相撲の一時代を築いた若貴、どちらの四股名にも(醜名とも書くのか)花がついている。
 いま、醜名に「花」のつく相撲取りは居るのだろうか。ふとそんなことを思った。
 なつかしい時代です。

6、風呂修理中に通いし銭湯はくりからもんもんの花盛りなり  たかし
記事編集 編集
Re: 2022.03.03(木)題詠「三月」  鑑賞&批評「花」 
投稿日 : 2022/03/03(Thu) 17:57
投稿者 ひらら
参照先
1、一面の寒菜の花の中に立ち父のベレー帽被る墓標が浮かぶ  さらら
 なぎさ公園の寒咲菜の花畑での歌。黄色一面の畑で故郷と亡き父上 ベレー帽の似合う方。墓参時には墓碑にベレー帽をのせてらしたのかしら。


2、ぼこぼこのアルミの鍋の静けさに雨夜木曽谷の花豆ひたす   ウプラ
 ステンレス鍋でなく使い込まれて凸凹のアルミ鍋に しずかな雨の夜木曽産のに花豆 紫か白かとおもいが広がる。豆を煮るのは主婦としてしみしみ楽しくよろこびである。

3、「忙しき時が人生の花(華)ならむ」寺門の扁額吾も座右とす  フミコ
 若くてバタバタ忙しい時が花やったとは先人の言葉。それがお寺の扁額にあれば身に沁み座右の銘にされたのも察せられる。 

4、花筏むねに押しつつ白鳥はひとすじの水脈(みお)濠にひきゆく   ひらら 
(彦根城)
  
5、若貴(わかたか)はともに醜名に花があり兄弟そろつて横綱たりき  ひさお
 兄弟横綱のしの名 若乃花貴乃花。名に花がありまたその時代相撲界も花々しかった。花の意味を二つつかわれいる。

6、風呂修理中に通いし銭湯はくりからもんもんの花盛りなり  たかし
 倶利伽羅紋紋はひさおさんに学んだ。くりからもんもんくりからもんもん口ずさんでいると愉しくなる。背中一面の華やかなの入れ墨。見たいな。珍しい素材。
記事編集 編集
Re: 2022.03.03(木)題詠「三月」  鑑賞&批評「花」 
投稿日 : 2022/03/03(Thu) 11:39
投稿者 フミコ
参照先
1、一面の寒菜の花の中に立ち父のベレー帽被る墓標が浮かぶ  さらら
一面の花を咲かせる寒菜って何かな?…と。ネットで見ると冬野菜は色々あるが、これかなというのは見当がつかなかったです。
晩秋に蕎麦の花が一面真っ白に咲いている畑のようなイメージでしょうか。「墓標が浮かぶ」…浮かぶというからには作者の立ち位置は墓地ではない。とすると
一面に花で埋まる冬の景色に興味がわきました。

2、ぼこぼこのアルミの鍋の静けさに雨夜木曽谷の花豆ひたす   ウプラ
使い込んだぼこぼこのアルミの鍋、……モロ昭和。
アルミは軟らかいので年月とともに小さな凸凹が増えていき、使う人の愛着や割烹着まで連想させる。お母さん愛用の鍋だったのでしょう。
その鍋に静けさを感じ取った作者の感性には脱帽ですが、下の句、七七の文字と語句の鄙びたうつくしさに魅せられます。

3、「忙しき時が人生の花(華)ならむ」寺門の扁額吾の座右とす  フミコ

4、花筏むねに押しつつ白鳥はひとすじの水脈(みお)濠にひきゆく   ひらら 
(彦根城)
一首がそのまま花曇りの彦根城のお堀の一幅か一葉になっている。
水脈の動きまで目に浮かぶよう。
花筏が一首に格調とゆったりした美しさをもたせ、白鳥とのとりあわせが素敵です。
(昔、私が行った時には、同じお堀に居た黒鳥は自分が白鳥組ではないかのように知らん顔していましたっけ)
  
5、若貴(わかたか)はともに醜名に花があり兄弟そろつて横綱たりき  ひさお
相撲界に活気と華やぎを齎し、あまり長くはなかったように記憶するが一世を風靡した横網兄弟。
「立つ鳥後を濁さず」とか引き際の鮮やかさとは対極の、終幕はあっけなさとジタバタした印象を私は持っています。
「醜名に花があった」というのは読み込めませんでした。すみません。

6、風呂修理中に通いし銭湯はくりからもんもんの花盛りなり  たかし
「くりからもんもん」というと、背中いっぱいに極彩色で彫り込まれた刺青が浮かびます。花盛りというと背中いっぱいの溢れんばかりの刺青か、刺青を彫った人が複数いたのか、見てみたい風景だと思います。まわりの反応にも興味ありです。
戦時中に私が通っていた銭湯(東京)では威勢のいいお兄さんや大工の棟梁、渡船場や木場を仕切る親父さん、お爺さんなどがいつも一人や二人背中の刺青を、自慢気に洗っていたのと一緒に小さい女の子も父親に連れられて入っていたものです。
今と違って、「刺青=恐い世界の方」とは誰も思わずに普通のお付き合いだったように思います。懐かしいなぁ。
記事編集 編集
Re: 2022.03.03(木)題詠「三月」  鑑賞&批評「花」 
投稿日 : 2022/03/03(Thu) 11:30
投稿者 フミコ
参照先
クラス会の番長たっちゃん三月の晦日の生れいちばん若い   フミコ
記事編集 編集
Re: 2022.03.03(木)題詠「三月」  鑑賞&批評「花」 
投稿日 : 2022/03/03(Thu) 11:15
投稿者 ひらら
参照先
詠草

 松が明け拓実が生れてはや三月(みつき)宮にさずかる歯固めの石  ひらら

 拓実 5番目の孫の名たくみ
記事編集 編集
Re: 2022.03.03(木)題詠「三月」  鑑賞&批評「花」 
投稿日 : 2022/03/03(Thu) 10:43
投稿者 ひさお
参照先
三月の草木芽吹くに順序あり葉を落とす時期は順不動なり  ひさお
記事編集 編集
Re: 2022.03.03(木)題詠「三月」  鑑賞&批評「花」 
投稿日 : 2022/03/03(Thu) 10:33
投稿者 ひさお
参照先
1、一面の寒菜の花の中に立ち父のベレー帽被る墓標が浮かぶ  さらら
毎年寒中に菜の花が咲いて話題になる守山の湖岸。それを見に行き、花の中に
立っていると、ベレー帽を冠っている父親の墓標が浮かんできた。
昔お父さんもよく菜の花を栽培していたのであろうと思われる。

2、ぼこぼこのアルミの鍋の静けさに雨夜木曽谷の花豆ひたす   ウプラ
使い慣れたぼこぼこのアルミ鍋。木曽谷で採れた花豆をその鍋にひたす。雨の
降っている静かな夜。静けさ 雨夜 木曽谷 によって静けさがぐっと強調されている。
「ぼこぼこ」はどんな意味を持っているか。かなり古い鍋のことを言っているので、
この鍋を使っていた母親のことを思い出すという暗示があるのかもしれない。

3、「忙しき時が人生の花(華)ならむ」寺門の扁額吾も座右とす  フミコ
座右:辞書によれば @座席の右。転じてかたわら、そば。
A手紙で相手を尊敬して直接指すのを避けていう語。
座右の銘:辞書によれば 常に身近に備えて戒めとする格言。
作者の意図がよく分かっていない恐れがあるが、「座右の銘」がふさわしいように思える。
「吾も座右とす」の「も」を「の」にしたい。「吾の座右の銘とす」。字数が多くなるので「吾の」を
省略するか。

4、花筏むねに押しつつ白鳥はひとすじの水脈(みお)濠にひきゆく   ひらら 
(彦根城)
彦根城の桜がおおかた散って、濠には花弁が落ちている。白鳥が泳げば花筏をむねで
押すことになり、後に水脈がくっきり尾を引いている。
彦根城、花筏、白鳥、水脈これだけそろった景色は実にきれいだ。
  
5、若貴(わかたか)はともに醜名に花があり兄弟そろつて横綱たりき  ひさお

6、風呂修理中に通いし銭湯はくりからもんもんの花盛りなり  たかし
くりからもんもん(&#20465;利伽羅紋紋):辞書によれば
          背中に施した&#20465;利伽羅竜王の模様のいれずみ。またそのいれずみをした人。
          &#20465;利伽羅は不動明王の変化(へんげ)身で竜王の一種。
くりからもんもんの入れ墨をした人が、複数人銭湯に入っているのはめずらしいと思う。
その入れ墨を作者は花が咲いているとみなした。
この作品の場合「風呂修理中」はあまり意味がないように思われる。
記事編集 編集
Re: 2022.03.03(木)題詠「三月」  鑑賞&批評「花」 
投稿日 : 2022/03/03(Thu) 07:53
投稿者 たかし
参照先
三月は二月と同じ曜日のめぐり四年に一度の閏どし除き  たかし
記事編集 編集
Re: 2022.03.03(木)題詠「三月」  鑑賞&批評「花」 
投稿日 : 2022/02/18(Fri) 19:39
投稿者 ウプラ
参照先
すごーい、題詠こんなにしているんですね。
最初の二首は覚えているけど、あとは朧です。
歌評は全くゼロからの出発で、恥をかきながらいくぞ、
とスタートしたことをはっきり覚えています。
勉強させていただいてます。

ひさおさん、ありがとうございました
記事編集 編集
Re: 2022.03.03(木)題詠「三月」  鑑賞&批評「花」 
投稿日 : 2022/02/14(Mon) 21:41
投稿者 たかし
参照先
ああ、おおお!!
第一回目から、すごいすごい、ひさおさんありがとうございます。
こんなになるんだ!壮観です。
記事編集 編集
Re: 2022.03.03(木)題詠「三月」  鑑賞&批評「花」 
投稿日 : 2022/02/14(Mon) 21:17
投稿者 ひらら
参照先
ひさおさんへ
 たどたど歌会 
 題詠の一覧 ありがとうございます。
 やがて200回 歴史をかんじます。
 今後ともよろしくおねがいします。
記事編集 編集
Re: 2022.03.03(木)題詠「三月」  鑑賞&批評「花」 
投稿日 : 2022/02/14(Mon) 20:09
投稿者 ひさお
参照先
題詠に採用された「題」その3
163.ジョン   2021.7.29
164.新星    2021.9.2
165.サングラス 2021.9.9
166.代行    2021.9.16
167.栗     2021.9.23
168.ゼムピン  2021.9.30
169.新米    2021.10.7
170.灰     2021.10.14
171.一貫    2021.10.21
172.酒     2021.10.28
173.味     2021.12.2
174.快     2021.12.9
175.落葉    2021.12.16
176.新生    2021.12.23
177.餅     2022.1.13
178.歩     2022.1.20
179.花     2022.1.27
180.三月    2022.3.3
記事編集 編集
Re: 2022.03.03(木)題詠「三月」  鑑賞&批評「花」 
投稿日 : 2022/02/14(Mon) 20:00
投稿者 ひさお
参照先
題詠に採用された「題」一覧 その2
79.雪      2019.1.31     121.欲しがりません 2020.4.23
80.黄      2019.2.7      122.マスク   2020.4.30
81.習      2019.2.14     123.グレー   2020.6.4
82.蜜      2019.2.21     124.接待    2020.6.11
83.天      2019.3.14     125.蛍     2020.6.18
84.混      2019.3.21     126.熟     2020.6.25
85.友      2019.3.28     127.箪笥    2020.7.2
86.気      2019.4.4      128.文     2020.7.9
87.車      2019.4.11     129.態     2020.7.16
88.食      2019.4.18     130.更新    2020.7.23
89.母      2019.4.25     131.嘘     2020.9.3
90.設      2019.6.6      132.記録    2020.9.10
91.令      2019.6.27     133.九月    2020.9.17
92.濁      2019.7.4      134.雲     2020.9.24
93.旅      2019.7.11     135.まるき   2020.10.1
94.夏      2019.7.18     136.中今    2020.10.8
95.尾      2019.7.25     137.ダリア   2020.10.15
96.関西     2019.9.5      138.ノルマ   2020.10.22
97.袖      2019.9.12     139.境界    2020.10.29
98.夜食     2019.9.19     140.保険    2020.12.3
99.パン     2019.9.26     141.一杯    2020.12.10
100.切手    2019.10.3     142.頑     2020.12.17
101.後半    2019.10.10    143.除外    2020.12.24
102.文     2019.10.17    144.蕎麦    2021.1.21
103.雲     2019.10.24    145.節分    2021.1.28
104.夢     2019.11.21    146.三月    2021.3.4
105.聖     2019.11.28    147.薔薇    2021.3.11
106.和     2019.12.5     148.キヤツ   2021.3.18
107.怪     2019.12.12    149.首     2021.3.25
108.噴霧器   2019.12.19    150.金魚    2021.4.1
109.平年    2019.12.26    151.あなた   2021.4.8
110.松     2020.1.9      152.窓     2021.4.15
111.吉   2020.1.16     153.部分    2021.4.22
112.浮遊    2020.1.23     154.休業    2021.4.29
113.石段    2020.1.30     155.五月    2021.6.3
114.かたき   2020.3.5      156.紫陽花   2021.6.10
115.あかんぼ  2020.3.12     157.ソフト   2021.6.17
116.二十歳   2020.3.19     158.当面    2021.6.24
117.コロナ   2020.3.26     159.船・舟   2021.7.1
118.ガラス   2020.4.2      160.むつ、ムツ 2021.7.8
119.夢     2020.4.9      161.電子辞書  2021.7.15
120.キャンセル 2020.4.16     162.花火    2021.7.22
記事編集 編集
< 123>
件名 スレッドをトップへソート
名前
URL
画像添付


暗証キー
投稿キー
コメント

- WEB PATIO -