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2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」
投稿日 : 2022/07/22(Fri) 09:17
投稿者 フミコ
参照先
2022.07.28 (木) 題詠「意味」・ 鑑賞「雷」           

題詠   「意味」                
観賞   「雷」   
出題   ウプラさん

※ 鑑賞 (雷)

1. 遠雷が山を渡ればひいやりと定家葛が匂ふと思ふ  ウプラ

2. 幼な日の雷鳴る時は蚊帳に入り母を取り合い繋がつていた  さらら

3. 自転車の荷台に縄でくくりつけて帰る一時間雷魚は死なず  たかし

4. 武器はみな地球上からなくしたし地雷機雷と核兵器はすぐ  ひさお

5. 裂けてなお聳える老松子が征きし年の落雷また語る祖母   ひらら

6. 傘は折れわが身は青田に飛ばされぬ僅かにわれを逸れし落雷  フミコ
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Re: 2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」
投稿日 : 2022/07/28(Thu) 13:57
投稿者 フミコ
参照先
※ 鑑賞 (雷)

1. 遠雷が山を渡ればひいやりと定家葛が匂ふと思ふ  ウプラ
定家葛には毒がふくまれていると読んだ。
作者の詠みにも常に微量の毒味とスパイスが塩梅を変えて調合されているのを感じる。
山を渡る遠雷と微かながらも毒の花。
いかにも妖しく涼しい。

2、 幼な日の雷鳴る時は蚊帳に入り母を取り合い繋がつていた  さらら
下の句、特に「母を取り合い」が良い感じ。
古き佳き時代の素朴な家族愛や絆をを彷彿とさせる。
雷と蚊帳もいいセットである。
平成生まれには通じない感覚かもしれないがそれ以前の人には共有できる思い出であろう。

3. 自転車の荷台に縄でくくりつけて帰る一時間雷魚は死なず  たかし
中国で雷魚を食べたこがあるが白身の、結構大きな切り身だった。
スズキ目で味自体はあっさりしていてちょっと生臭い感じ。
ぬめぬめとした皮膚の感じと爬虫類めいた姿は強すぎる生命力を感じさせるけれど空気中に一時間でも生きていたというのは驚きです。
自転車に括り付けた作者の扱いはどこかうなずける。

4. 武器はみな地球上からなくしたし地雷機雷と核兵器はすぐ  ひさお
本当に同感です。
世界中の皆に分かっている筈、と思うのにどうして核廃絶や戦闘武器の開発阻止に団結できないのか。
権威欲、独占欲、支配欲、古今東西辞書から消えないこれらの言葉は永遠の悲劇の火種として地球上から消せないものなのか。

5. 裂けてなお聳える老松子が征きし年の落雷また語る祖母   ひらら
落雷を受けて裂けたが強い生命力を以て今に聳える老松がある。
この時の落雷は、祖母の息子すなわち作者の伯父、叔父が出征した年の出来事である。
祖母には恐らくこの松が息子の命を託されているかのように思えて雷の時期、また、この松を見る度にこみあげてくる思いを抑えきれないのでしょう。

6. 傘は折れわが身は青田に飛ばされぬ僅かにわれを逸れし落雷  フミコ
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Re: 2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」
投稿日 : 2022/07/28(Thu) 13:40
投稿者 ひさお
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表面の意味と異なる本音には気付かぬ振りをするがかしこし ひさお
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Re: 2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」
投稿日 : 2022/07/28(Thu) 13:38
投稿者 ひさお
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1. 遠雷が山を渡ればひいやりと定家葛が匂ふと思ふ  ウプラ
 定家葛が近くにはないのに、その匂いがするように思ったのがこの作品のポイントである。
遠くの山の方で稲光がして雷鳴も聞こえる。すこし俄雨があり、ひいやりとした感じがした。
そのときふと定家葛の匂いを感じたように思った。
あたり一面青葉が青々と茂っていて、少し降った俄雨が、青葉に輝を与えた。
ひいやりとして気持ちのいい時に、甘い香りの定家葛を想像した。

2. 幼な日の雷鳴る時は蚊帳に入り母を取り合い繋がつていた  さらら
昔は雷がなるとおへそを取られぬように蚊帳の中に入って、怖さを紛らわせていた。
何人かの兄弟が母親を中心に蚊帳に入って、雷をやりすごす。なつかしい光景です。

3. 自転車の荷台に縄でくくりつけて帰る一時間雷魚は死なず  たかし
蛇を思わせるようなタイワンドジョウを捕まえた。1時間経っても死ななかったという。生命力旺盛な魚である。
雷から雷魚はすごい思いつきである。

4. 武器はみな地球上からなくしたし地雷機雷と核兵器はすぐ  ひさお

5. 裂けてなお聳える老松子が征きし年の落雷また語る祖母   ひらら
落雷によって裂けた松の木。それは老松となってまだ今も聳えている。
祖母の子は作者の叔父さん。その人が出征した年に落雷があったのだと、祖母が何回も話してくれる。
祖母にとっては忘れることのできない大きなできごとだったのだ。
「また」が効いている。

6. 傘は折れわが身は青田に飛ばされぬ僅かにわれを逸れし落雷  フミコ
絶体絶命の危機。作者はよく助かったのですね。気絶しなかったのだろうか。
傘が折れて、自分は青田に飛ばされたという具体が効いている。
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Re: 2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」
投稿日 : 2022/07/28(Thu) 12:28
投稿者 ひらら
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詠草

この家に馴染まん決意味見する姑の口元みつめる厨 ひらら
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Re: 2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」
投稿日 : 2022/07/28(Thu) 09:16
投稿者 たかし
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こんなことが俺の人生に何の意味 壁に突き当たるたびに自問し  たかし
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Re: 2022.07.28(木)題詠「意味」・ 鑑賞「雷」
投稿日 : 2022/07/28(Thu) 07:11
投稿者 フミコ
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わが生の意味など未だ分らぬがほわんほわんと欲は薄らぐ  フミコ
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