2022.12. 22　（木）　　　　　　　　　　　　

題詠　　　「クリスマス」　　　　　　　　　　 　 　　　　　　　　
観賞　　　「決着」　 　
出題 　　フミコ

鑑賞「決着」

1. 犬嫌いの祖父を黙らせ決着す孫の一言「老犬（いぬ）だって寒いよ」　　フミコ
　
2. アメジストセージ褪めゆく霜月の力をこめて決着つける　　　ウプラ

3. 私は決着できぬ断捨離に８４年間の物におぼれる　　さらら

4. 拳銃が火を吹き一気に決着のつく西部劇われは好める　　　たかし

5. 催しをやるか中止か決着に主催者苦悩すコロナのために　　　ひさお

6. 多数決「着よう浴衣をクラス皆」着付け習いあい文化祭迎う 　　ひらら

編集

里からの白菜青菜クリスマス寒波の雪より掘りしと ひらら

編集

駅前に山と積まれたるクリスマスケーキを買ひて家路を急ぎし　ひさお

編集

1. 犬嫌いの祖父を黙らせ決着す孫の一言「老犬（いぬ）だって寒いよ」　　フミコ
　すっきりしている1首だ。
お孫さんの犬への愛情がよく出ている。怖い祖父にひるまず自分の考えを述べることができるとはすごい。
　
2. アメジストセージ褪めゆく霜月の力をこめて決着つける　　　ウプラ
　アメジストセージは９月から１１月に咲く。きれいな紫の萼から白い花が出る。
　　（これはネットで調べました。）
この花も霜がおりる頃には褪せてくる。そこである日思い切って刈り取ってしまう。
決着のつけかたに「力をこめて」とあるので、臨場感がある。

3. 私は決着できぬ断捨離に８４年間の物におぼれる　　さらら
　断捨離の決断はたしかに難しい。その気持ちはよくわかる。
歌意からすると「決着」より「決心」の方がいいようにも思えるが。

4. 拳銃が火を吹き一気に決着のつく西部劇われは好める　　　たかし
一瞬の間に敵が倒れる。痛快ですよね。
内容にふさわしく、リズムがよい。

5. 催しをやるか中止か決着に主催者苦悩すコロナのために　　　ひさお

6. 多数決「着よう浴衣をクラス皆」着付け習いあい文化祭迎う 　　ひらら
多数決と着るで決着をクリアしたのは驚き。
「習いあい」は「習いて」としたい。「着付け習いて文化祭迎う」

編集

クリスマスリースを手作りし始めて今年で四年今年も歪（いびつ）　　たかし

編集

招かれし米軍キャンプのクリスマス　孤児十人は瞬き忘するる

（終戦後まもなく大津市際川に米軍のキャンプが置かれ、市内の孤児施設に入所中の戦災孤児十名前後づつを毎年クリスマスパーティに招待してくれた。
そのうちの一人として忘れられない異文化体験をしました。）

編集