2023.01.12（木）題詠「謝」. 鑑賞「クリスマス」　　　　　　　　　　　　

題詠　　　「謝」　　　　　　　　　　 　 　　　　　　　　
観賞　　　「クリスマス」　 　
出題 　　　ウプラさん

鑑賞「クリスマス」

1. 父母のゐないこの世のクリスマス白き一重の山茶花ひらくウプラ
　
2. 弟妹とクリスマスイヴから３泊の北海道旅の支度をはじむ　　さらら

3. クリスマスリースを手作りし始めて今年で四年今年も歪（いびつ）　　たかし

4. 駅前に山と積まれたるクリスマスケーキを買ひて家路を急ぎし　　ひさお

5. 歳晩の白菜青菜クリスマス寒波の雪より掘り起こしとぞ 　　ひらら

6. 招かれし米軍キャンプのクリスマス　孤児十人は瞬き忘るる　　フミコ


12月、「たどたど」、第５木曜日(12/29)は、休会。
1月, 第1回を1/12(木) に再開いたします。
よろしくお願いいたします。

みなさま　佳いお年をお迎えくださいませ!!!

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友よりの赤紫のシクラメン沸き立ち咲くを謝して水やる

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クリスマス寒波は和洋折衷の季節感あらわす言葉　年末年始の鍋物料理には重宝する白菜青菜　故郷の畑では常備ある豊かな暮らし。

　　

1. 父母のゐないこの世のクリスマス白き一重の山茶花ひらくウプラ
両親を送られ虚無感の日々　呼んでも会えない親のいない寂しいクリスマス　白い山茶花が化身のように静かにひらく。　

2. 弟妹とクリスマスイヴから３泊の北海道旅の支度をはじむ　　さらら

3. クリスマスリースを手作りし始めて今年で四年今年も歪（いびつ）　　たかし
器用な作者は何事にも挑戦される　少年のような気持ちで毎年リースを作成される歪な仕上がりが味わい深い。

4. 駅前に山と積まれたるクリスマスケーキを買ひて家路を急ぎし　　ひさお
日本の四季の行事にはなべて食べ物が付きまとう　クリスマスには食べないと年が越せないようにケーキを独りでも買うのである。

5. 歳晩の白菜青菜クリスマス寒波の雪より掘り起こしとぞ 　　ひらら
クリスマス寒波は和洋折衷の季節感あらわす言葉　年末年始の鍋物料理には重宝する白菜青菜　故郷の畑では常備ある豊かな暮らし。

6. 招かれし米軍キャンプのクリスマス　孤児十人は瞬き忘るる　　フミコ
孤児たちがクリスマスのお菓子のプレデントを米軍に招かれ　胸元に両手で受ける　毎年すごくうれしい思い出だった。

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謝礼金を振り込みますからマイナンバーカードを記入しコピーも送れとぞ　　たかし

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ニイハオと謝謝（シェシェ）、ザイチェン、これだけで溥儀をたずねし初回中国

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鑑賞「クリスマス」

1. 父母のゐないこの世のクリスマス白き一重の山茶花ひらくウプラ
作者はついにお父様をも亡くされた。
生命を繋ぐこの世の常とは知りつつも大きな喪失感におそわれている。
「白き一重の山茶花」…白い山茶花は痛いほどに清らかで音を寄せ付けない寂しさがある。作者の心境をそのまま眼前に置いたようだ。
それに異次元とも思えるこの世のクリスマスとの取り合わせ。
読者も一瞬動きを止められる感あり。

2. 弟妹とクリスマスイヴから３泊の北海道旅の支度をはじむ　　さらら
旅行に明け、旅行に暮れるか、さららさん。
まるで隣町へ行くかのような気軽さで地球上を東へ北へ。
気をつけてばかりいては何処へも行けない。
心ゆくまでお楽しみくださいませ。

3.クリスマスリースを手作りし始めて今年で四年今年も歪（いびつ）　　たかし
初めて知った作者の意外な趣味。
絵心、歌心に加えて、そうそう、手仕事の一連の中の素敵な習慣の一つですね。
今年も歪というところ、いかにも作者の心の余裕があらわれていていいなぁと思いました。

4 .駅前に山と積まれたるクリスマスケーキを買ひて家路を急ぎし　　ひさお
　　作者が一個お買い上げになったことで山と積まれたクリスマスケーキの一角が
崩れた訳だ。色鮮やかなケーキボックスの後ろに安らぎを感じる。　
どんどん売れることを祈ります。
足を止めてくれる人の多い平和、賑わいが戻ってほしいものですね。

5.歳晩の白菜青菜クリスマス寒波の雪より掘り起こしとぞ 　　ひらら
　　冬は白い野菜の甘い季節。
　　クリスマスを待っていたかのように押し寄せてきた寒波の中、
ふるさとから送られてきたのでしょうか。
厳しい寒さを破る市場の売り声に引き寄せられたのかも知れません。
湯気の立つお鍋が浮びます。

6.　招かれし米軍キャンプのクリスマス　孤児十人は瞬き忘るる　　フミコ

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　　　　　本年もよろしくお願いします！！

恵方巻つくりくれたる友人に示しし謝意はワイン一本　　ひさお

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1. 父母のゐないこの世のクリスマス白き一重の山茶花ひらくウプラ
先に母親を亡くされ、最近父親ともお別れとなった作者の静かな悲しみがジーンと伝わってくる。「白き一重の山茶花」は澄み切った美しさをたたえている。作者の心はさみしく澄み切ったものであろう。
　
2. 弟妹とクリスマスイヴから３泊の北海道旅の支度をはじむ　　さらら
兄弟そろっての３泊の北海道旅行。その準備をしながら、心はうきうきしている。
旅への出発の前の心の昂ぶりが出ている。
「北海道旅支度をはじむ」はちょっとぎこちない。「北海道への旅支度はじむ」ではどうか。

3. クリスマスリースを手作りし始めて今年で四年今年も歪（いびつ）　　たかし
クリスマスリースを手作りすること４年目。歪になるということはベースを購入せず、手作りされるからであろう。本格的な全面的手作りのようだ。ベースの材料はいものつるか、あさがおのつるか、すすきか藤あるいは葛のつるであろうか。
「歪」によって基からの全面的手作りであることを表現した。

4. 駅前に山と積まれたるクリスマスケーキを買ひて家路を急ぎし　　ひさお

5. 歳晩の白菜青菜クリスマス寒波の雪より掘り起こしとぞ 　　ひらら
正月用に白菜・青菜を畑から採るのに、雪の下から掘り起こさねばならなかった。
クリスマス寒波の大雪のことを作者は、実家の人から聞いてそのことを詠った。

6. 招かれし米軍キャンプのクリスマス　孤児十人は瞬き忘るる　　フミコ
作者は戦災孤児として孤児施設に入所されていた。そのころ米軍キャンプへ招待された貴重な異文化体験である。「瞬き忘るる」でいかに衝撃的であったかがよくわかる。

（終戦後まもなく大津市際川に米軍のキャンプが置かれ、市内の孤児施設に
入所の戦災孤児の十名位づつを毎年クリスマスパーティに招待してくれた。
そのうちの一人として忘れられない異文化体験をしました。）

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