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12/19 題詠「噴霧器」・鑑賞&批評「怪」
投稿日 | : 2019/12/13(Fri) 09:10 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
★ ★ ★ ★ ★ ★
次回 12/19 (木)
鑑賞&批評 「怪」
題詠 「噴霧器」
出題 ひさおさん
※ ※ ※ ※ ※ ※
1. 止めたあと「ふーうっ」と怪しきため息をつく寝室のエアコン今日も たかし
2. 怪しくも美(は)しき響きのあまでうすスカートの中に匿ふをとこ 蔦の道
3. 怪しいと職場の噂耳にする当の二人は素振りを見せず ひさお
4. ガギグゲゴゴジラとギドラ踊る潤自作自演の怪獣ソング ひらら
(潤〜孫)
5. 身に刺さる棘ふくむ目よ気の怪し夫の実家に小姑四人 フミコ
6. 力(りき)という怪しき妾を恋う夫に妻は未練がる「にごりえ」の文 さらら
Re: 12/19 題詠「噴霧器」・鑑賞&批評「怪」
投稿日 | : 2019/12/20(Fri) 08:43 |
投稿者 | : 蔦の道 |
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昔「アマデウス」の映画を観たことがあります。
うろ覚えですが、主人公のへらへらうきききしたモーツアルト像は衝撃でした。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
ミドルネームの「あまでうす」の響きの美しさと怪しさは、モーツアルトの伝記を知るとつくづくと実感します。
音楽の才能の傑出したモーツアルトのもう一つの顔が、軽薄で、下品で、恥ずかしい趣味を持つ奇人変人であること。
ありていに言えば、発達障害だったのではないかと思われます。
天才と狂人は紙一重をまさに地で行ったモーツアルト。
サリエリが憎んで軽蔑しながらもその才能に嫉妬で狂いそうになる存在であったモーツアルト。
妻との間に6人も子供を持ったということは、妻はモーツアルトの異常性も天才振りも含めて愛したのでしょう。
妻のスカートの中、女たちのスカートの中に、「庇われる子供」でもあったのだと思います。
要するに「軽薄で下劣で無邪気な子供」はあまたの母性本能をくすぐったのでしょう。
Re: 12/19 題詠「噴霧器」・鑑賞&批評「怪」
投稿日 | : 2019/12/20(Fri) 00:39 |
投稿者 | : ひらら |
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たかしさんへ
潤は男孫 と 打ったつもりなのでした。
ひさおさんへ
孫の潤の 歌ってたままなのです。この子の姉も怪獣ファンで勝山の怪獣博物館へ何度も。私も一度一緒行きました。が 覚えられませんでした。
Re: 12/19 題詠「噴霧器」・鑑賞&批評「怪」
投稿日 | : 2019/12/20(Fri) 00:23 |
投稿者 | : ひらら |
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1. 止めたあと「ふーうっ」と怪しきため息をつく寝室のエアコン今日も たかし
何ごとかと読み進むと なあんだエアコンの音。都度都度気になるのだ、ひひのさりげない一コマを素材に詠みあげている。作者の得意分野。
2. 怪しくも美(は)しき響きのあまでうすスカートの中に匿ふをとこ 蔦の道
上句と下句とのつながり。スカートの中に匿うおとこ。教えてほしいです。広い分野に深く見識のある作者 尊敬し羨望しています。
3. 怪しいと職場の噂耳にする当の二人は素振りを見せず ひさお
怪しいと噂されているふたり 本人同士は知らぬのかどうかしら。噂というのは当事者の頭の上を素通りしているもの。
4. ガギグゲゴゴジラとギドラ踊る潤自作自演の怪獣ソング ひらら
(潤〜孫)
5. 身に刺さる棘ふくむ目よ気の怪し夫の実家に小姑四人 フミコ
ご主人の実家で小姑4人の眼差しに居心地悪く身を構えている作者。姑と小姑。そもそも漢字が嫌い悪い。
私の場合。夫には姉妹が3人。わが弟のには姉妹が2人。この姉妹は小姑である。これ 歌の鑑賞になって無い。ごめんなさい。
6. 力(りき)という怪しき妾を恋う夫に妻は未練がる「にごりえ」の文 さらら
樋口一葉の作品。作者は読書会で 一葉の作品を学んでいる。最後の 文 は 文章の意味と読み取りましたが?
Re: 12/19 題詠「噴霧器」・鑑賞&批評「怪」
投稿日 | : 2019/12/19(Thu) 19:49 |
投稿者 | : たかし |
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1. 止めたあと「ふーうっ」と怪しきため息をつく寝室のエアコン今日も たかし
2. 怪しくも美(は)しき響きのあまでうすスカートの中に匿ふをとこ 蔦の道
スカートの中の男はどういう男か?
またこのスカートの女はどういう・・・?
「あまでうす」は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトで、モーツァルトのことだから、
モーツァルトの音楽の美しい響きに酔った気分を、このように象徴したものか?
上句「怪しくも美(は)しき響きのあまでうす」は、よく分かる。
下句「スカートの中に匿ふをとこ」・・・これも下句だけと受け止めると分かる。
ただ、この上句と下句が繋がるところを解釈しないといけないのだろうが、
私の解釈は届かない。
3. 怪しいと職場の噂耳にする当の二人は素振りを見せず ひさお
この歌を読んで思い出したのが登先生の歌、
●関係のすでに肉体的という二人離れて並木の影ゆく・・・・だったか。
ちょっと記憶があいまいで、違っているかも知れない。
今、確かめようと思ったが、この歌が載っている本は
唐崎の家に置いてあるので読めない。
登先生と同じく勤め人であった作者、こういう噂を耳にしたのだろう。
「する」は「せり」などと、きっちり終止形にすることも考えられると思う。
「せり」としたならば「当の」は、省くことが出来そうで、
その3文字分、別の言葉が入れられ、もう少し突っ込んだことが
言えそうな気がしたのです。
4. ガギグゲゴゴジラとギドラ踊る潤自作自演の怪獣ソング ひらら
(潤〜孫)
この(・・・)の中は何だろうね。
潤クンはお孫さん、3,4歳かな?元気いっぱいだ。
作者は可愛くて仕方がない。第三句「踊る潤」、
ここで流れがぷつっと切れて、「自作自演の怪獣ソング」と
四、五句へと続くが、この切れ方でない方がいいと思う。
「ガギグゲゴ」は、潤クンが自ら声に出して言っているのだと思う。
「ガギグゲゴゴジラとギドラだあ」潤踊る・・・・
と、「潤踊る」と、逆にしただけでも少し良くなるように思う。
5. 身に刺さる棘ふくむ目よ気の怪し夫の実家に小姑四人 フミコ
小姑さんが四人も居る夫の実家・・・
作者はあまり行きたくないでしょう。
この第三句「気の怪し」は、誰に掛かる語なのか。
その「身に刺さる」トゲのある視線を浴びて、
作者の「気」が怪しくなるというのか。
それとも、夫の実家そのものに充満している「気」を
このように「怪し」と言っているのか。
第三句の「気の怪し」が少し引っかかって読みました。
大筋での歌意は、間違いなく受け止めていますが・・・
6. 力(りき)という怪しき妾を恋う夫に妻は未練がる「にごりえ」の文 さらら
「文」をフミコさんが、これは何?と言われていますが、
私もその小説を読んでいないで言うのですが、
これは「文(あや」という女性名ではないのかな?
つまり文が妻で、力(りき)が妾だと・・
ただ、この歌も引っかかった言葉あり、
第四句の「妻は未練がる」の「未練がる」
「未練がる」という言い方は初めて出会った。
これ、あるのかなあ。「未練がましい」はある。
「未練がある」というのもある。
ただ「未練がる」は、疑問。
Re: 12/19 題詠「噴霧器」・鑑賞&批評「怪」
投稿日 | : 2019/12/19(Thu) 15:12 |
投稿者 | : フミコ |
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1. 止めたあと「ふーうっ」と怪しきため息をつく寝室のエアコン今日も たかし
上の句、何だろう…怪しきため息って..いろいろ逞しく想像が膨らみます。
読んでいくとエアコン…なぁ〜んだ…なるほど、あるある。
面白い歌。
日常の小さな変化や風情、見逃しやすいあれこれにハッと気づいたり驚いたり、
丁寧な生き方をうかがわせる歌だと思います。
2. 怪しくも美(は)しき響きのあまでうすスカートの中に匿ふをとこ 蔦の道
モーツアルトへの賛歌かと思ったらスカートの中。
男性にとってスカートの中は神秘の部屋みたいなものかもしれない。
女性にとって覗いてみる意欲はわくのでしょうか。
鑑賞が変な方向へ向きましたか?
「匿ふをとこ」…意味深。なかなか湧いてこない表現。
よくわからないけれどなんか面白い。
3. 怪しいと職場の噂耳にする当の二人は素振りを見せず ひさお
忍れど色に出にけり…でしょうか。
噂になりかけると誇示するタイプと不自然に知らんぷりするタイプに分かれるようですね。どうでもいい他人のことでも何だか気になって見てしまうのも人の常。邪魔が入らなければいいのだけれど。
4. ガギグゲゴゴジラとギドラ踊る潤自作自演の怪獣ソング ひらら
(潤〜孫)
こどもはすごい。独創的な作詞作曲お手のもの。
どの子にもある時期訪れる楽しみだと思います。
大好きな怪獣ともなれば夢中になれるのでしょう。
逞しく成長するための階段でしょうか。
5. 身に刺さる棘ふくむ目よ気の怪し夫の実家に小姑四人 フミコ
6. 力(りき)という怪しき妾を恋う夫に妻は未練がる「にごりえ」の文 さらら
樋口一葉の名作、「にごりえ」は訳も解らないまま中学生の頃に読んだ記憶がありますが、内容にはほとんど記憶がない。急いでネットで読んだけれど、「りき」という女の怪しさまでは到底およびませんでした。
薄学をさらけ出してしまいますが最後の「文」というのはなんですか?
それと知らないと鑑賞が全くお手上げという事態、情けない、落ち込みます。すみません。
Re: 12/19 題詠「噴霧器」・鑑賞&批評「怪」
Re: 12/19 題詠「噴霧器」・鑑賞&批評「怪」
投稿日 | : 2019/12/19(Thu) 14:51 |
投稿者 | : さらら |
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1. 止めたあと「ふーうっ」と怪しきため息をつく寝室のエアコン今日も たかし
怪しきため息をつくエアコン 電気製品はくたびれてくると何か話すことがしばしば
人間はずいぶん長持ちするようだ 長年共に暮らす家族はあまり話さなく当たり前に過ごしている。
2. 怪しくも美(は)しき響きのあまでうすスカートの中に匿ふをとこ 蔦の道
スカートをはく男性を海外で見たことがある 音楽の好きなひとがアマデウスを聞き入っている その大切な機器をスカートの中に隠した。音は見えないが感性をくすぐる。
3. 怪しいと職場の噂耳にする当の二人は素振りを見せず ひさお
噂の当人は平気 平静を装う 職場の中では怪しいうわさが飛び交う 現役の職場の空気の躍動が人の愛憎がエネルギッシュに漂う。
4. ガギグゲゴゴジラとギドラ踊る潤自作自演の怪獣ソング ひらら
(潤〜孫)
孫の潤くん 怪獣が大好き 作詞作曲家の創作も容易に完成し
歌い踊る可愛い孫に満足感の作者の微笑みが浮かぶ。
5. 身に刺さる棘ふくむ目よ気の怪し夫の実家に小姑四人 フミコ
小姑四人大変な実家へ。ご主人の困惑も見えてくる。身に刺さるそげ含む視線 言葉が
今も思い出される。同じ女性なのに小姑とよばれると頭に角が生えているように思えます。
新婚の不安を乗り越え いまは苔むす女人と変身です。
6. 力(りき)という怪しき妾を恋う夫に妻は未練がる「にごりえ」の文 さらら
Re: 12/19 題詠「噴霧器」・鑑賞&批評「怪」
Re: 12/19 題詠「噴霧器」・鑑賞&批評「怪」
Re: 12/19 題詠「噴霧器」・鑑賞&批評「怪」
投稿日 | : 2019/12/19(Thu) 09:52 |
投稿者 | : ひさお |
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1. 止めたあと「ふーうっ」と怪しきため息をつく寝室のエアコン今日も たかし
エアコンも疲れるのか。最近のエアコンは冷房の後は、止めてもしばらくお掃除
などをするためモーターは回っている。暖房の後は普通すぐに止まるようだ。
ともあれ作者のエアコンは、今日もいつものように怪しきため息をはきながら活躍中。
2. 怪しくも美(は)しき響きのあまでうすスカートの中に匿ふをとこ 蔦の道
ファッションとしての男性のスカートは、世界的にもまだ一般的ではないが、作者
は敢えてそれをとりあげた。スカートを履いた男性が、スマホかウォークマンなど
でアマデウスを聞きながら、オーディションの面接会場で待機していた。そこへ係
の人が入ってきたので、慌ててスマホをスカートの中へ隠した。
あるいは、作者は演劇のワンシーンをイメージしたのかもしれない。
「匿う」は一般的には人を匿うなどに使われるが、隠匿する、秘匿するという意味
もある。
3. 怪しいと職場の噂耳にする当の二人は素振りを見せず ひさお
4. ガギグゲゴゴジラとギドラ踊る潤自作自演の怪獣ソング ひらら
(潤〜孫)
小さい子供は本当に怪獣が好きですね。潤君は歌まで作るほど熱中して
いる。かわいいです。
手元の「恐竜の豆知識」によるとゴジラはゴジラサウルスと言って三畳紀
(2億5千年前から2億年前)に北アメリカに生息した。ギドラは載っていなかった。
ギガノトサウルスなら白亜紀(1億4千年前から6500万年前まで)に南アメリカに
生息したらしい。
5. 身に刺さる棘ふくむ目よ気の怪し夫の実家に小姑四人 フミコ
小姑4人とは多いですね。作者は小姑たちが苦手だったようだ。
「気の怪し」はどのように解釈するのがいいのか。「身に刺さる棘ふくむ目よ」
から類推すると、「えたいが知れない。不気味である」などの意であろうか。
6. 力(りき)という怪しき妾を恋う夫に妻は未練がる「にごりえ」の文 さらら
「にごりえ」を読んでいないが、ネットであらすじを見ると、夫は
酌婦の「力」に熱をあげ、かなりお金をつぎ込み、生活は火の車。
妻は苦しい生活を内職をしながら耐えている。
酌婦というのは、お客から搾れるだけ搾り取る。力は女性として魅力的
ではあったが、お客から相当搾り取ったようだ。怪しい女というに
ふさわしい。最後に力と夫は心中(?)するが。
「未練がる」という言い方は未練が残るの短縮形?
Re: 12/19 題詠「噴霧器」・鑑賞&批評「怪」
Re: 12/19 題詠「噴霧器」・鑑賞&批評「怪」
Re: 12/19 題詠「噴霧器」・鑑賞&批評「怪」
投稿日 | : 2019/12/19(Thu) 08:06 |
投稿者 | : 蔦の道 |
参照先 | : |
1. 止めたあと「ふーうっ」と怪しきため息をつく寝室のエアコン今日も たかし
言葉の配置の逆転を模索すると調べの整った歌になるのでは?
2. 怪しくも美(は)しき響きのあまでうすスカートの中に匿ふをとこ 蔦の道
3. 怪しいと職場の噂耳にする当の二人は素振りを見せず ひさお
「怪しいと職場の噂」を詩的に変えたらいいな。ここを詩に昇華させる表現を探そう。
面白いですね当事者はまるっきり気が付いていないものなんですね?耳にしても自分たちのことだとは露も思わないこっけいさ。
もう一つの読みは、「耳にする」で切る。当の二人はと続ける。
さて、二人はどちらの心理でしょうか?
周囲があれこれ憶測している噂がふたりの耳にも入るが、知らんぷりの図太い神経か?
作者が二人の噂を耳にして、びっくりして二人の様子をを伺うが、自然体にしているので、はてな?と思っている。
さて、どちらでしょう?
4. ガギグゲゴゴジラとギドラ踊る潤自作自演の怪獣ソング ひらら
(潤〜孫)
オノマトペが楽しい。
「潤」はカギかっこに入れてあげたい。
「ゴ」を一つ省いてもいいならば、「ガギグゲゴジラギドラ踊る」にしたい。
5. 身に刺さる棘ふくむ目よ気の怪し夫の実家に小姑四人 フミコ
「気の怪し」でリズムがもたついていないか?もう一度構築しなおすといい。
「気の怪し」の言葉が一首の中でこなれていないのでどうしても立ち止まってしまう。
6. 力(りき)という怪しき妾を恋う夫に妻は未練がる「にごりえ」の文 さらら
一葉のにごりえを読んだことないが、
「妻は未練がる」の言葉がいまいち不親切に思う。
この時代は本妻妾と同居していなくとも割と性オーブンなのですね?
妾を恋しがっている夫に本妻は歯がゆい思いを抱いている。
夫のあほさ加減に幻滅しつつ未練恋々。
ネットで軽くあらすじを読んでみる。
あーあそうか、夫と別れたくない未練でしたか。
「未練がる」の言葉は消化されていないため、ストレートに伝わらない。
分かれる別れないの話し合いの一場面なのですね。
妾ではなく、酌婦じゃないかなあ。
「「にごりえ」の文」の言葉も、消化不良でもんもんとさせられる。
最後は心中になるしかない「力と源七」
同じ心中ものでも、現代と明治の色物の絢爛たる差があるなあ。
問題点はあるが、抒情的でとてもいいお歌と思う。
Re: 12/19 題詠「噴霧器」・鑑賞&批評「怪」
「噴霧器」詠草