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2021.10.14(木)題詠「灰」 鑑賞&批評「新米」
投稿日 | : 2021/10/08(Fri) 09:19 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
2021.10.14(木)
題詠 「灰」
鑑賞&批評 「新米」
出題当番 ひさおさん
1.孫娘の嫁ぎし栃木の新米を五キロ抱きて婿殿がくる さらら
2.薩長土が起こした革命明治維新米本位制の武家社会潰ゆ たかし
3.飽食の意識革新米つぶの一つと言へど無駄にはしない ひさお
4.たなごころにつぶらつぶらの新米ぞ稔り田わたる風伴ない来 ひらら
5.代替わり三年目なる丹波篠山(ささやま)の新米ようやく爺さんの味 フミコ
6.五分づきの新米に日の温みありおむすびおむすびまあるくにぎる ウプラ
Re: 2021.10.14(木)題詠「灰」 鑑賞&批評「新米」
投稿日 | : 2021/10/15(Fri) 11:12 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
五分づきの新米に日の温みありおむすびおむすびまあるくにぎる ウプラ
皆さん、ありがとうございました。
自分としては生活そのまんま、リア充で無難でこのままではアカン歌です。上・下どちらかを変えて2首にしようかなぁと思っています。
母が台所をしている間、実家ではずっと胚芽米を食べてした。私は時々、玄米と小豆を合わせて炊きます。もっちりと美味しいです。圧力鍋で炊きます。
Re: 2021.10.14(木)題詠「灰」 鑑賞&批評「新米」
投稿日 | : 2021/10/15(Fri) 07:57 |
投稿者 | : たかし |
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2.薩長土が起こした革命明治維新米本位制の武家社会潰ゆ たかし
批評いただきありがとうございました。
最近、読む本が明治維新の頃の時代背景のものが多く、このような歌が出来たと思っています。
大河ドラマ「晴天を衝け」に因んでか、書店の目立つところに並ぶ本に、その時代のものが多く、
司馬遼太郎の「峠」を読んだのを手始めに「最後の将軍」、「人斬り以蔵」、「王城の護衛者」、などを読み。
これから読むのも「花神」など、明治維新の時代のもの。
少し前までは、時代物では江戸時代のものや、戦国時代のものを好んでいて、明治維新のことを書いた小説はなんとなく敬遠していたのですが、
読み始めたらこれが面白いのです。やめられません。
Re: 2021.10.14(木)題詠「灰」 鑑賞&批評「新米」
Re: 2021.10.14(木)題詠「灰」 鑑賞&批評「新米」
投稿日 | : 2021/10/14(Thu) 20:38 |
投稿者 | : さらら |
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1.孫娘の嫁ぎし栃木の新米を五キロ抱きて婿殿がくる さらら
2.薩長土が起こした革命明治維新米本位制の武家社会潰ゆ たかし
薩摩 長州 土佐藩が連合なし明治維新に新政府が成立する。
米体位制武家社会が潰れ通貨社会と変革された。
短歌とは思えない歴史の勉強をさせて頂きました。
3.飽食の意識革新米つぶの一つと言へど無駄にはしない ひさお
飽食に慣らされた昨今 米粒一粒でさへ無駄にしない我々の先祖からの遺伝のごとき百姓さんへの感謝の心象行為に同感です。
4.たなごころにつぶらつぶらの新米ぞ稔り田わたる風伴ない来 ひらら
掌に今年の新米をありがたく捧げいるとき実りの秋の風も一緒に優しくそよぐ。
5.代替わり三年目なる丹波篠山(ささやま)の新米ようやく爺さんの味 フミコ
石の上にも三年とよく言われる 跡継ぎをした人の新米がやっと爺さんに近い味を再現。これで一安心大きな喜びを歌う。
6.五分づきの新米に日の温みありおむすびおむすびまあるくにぎる ウプラ
五分付きの新米に日の温みあり リフレインのおむすび なんと
幸せな空気間だろう。瑞穂の国に生まれて良かったです。
Re: 2021.10.14(木)題詠「灰」 鑑賞&批評「新米」
投稿日 | : 2021/10/14(Thu) 19:32 |
投稿者 | : ウプラ |
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1.孫娘の嫁ぎし栃木の新米を五キロ抱きて婿殿がくる さらら
関係性にほどほどの距離感と親しみの感じられる「婿殿」がこの歌を決めたと思う。「婿殿」と関連しつつ、「孫娘」も「新米」も「抱きて」もそれぞれの色合いを見せ、活き活きと血が通う。「婿殿が来る」の結句の心弾みもバッチリ。
2.薩長土が起こした革命明治維新米本位制の武家社会潰ゆ たかし
「維新」と「米本位制」で「新米」。うまくお題にされた。
「米本位制」とはまことによくぞ!と称えたい。
3.飽食の意識革新米つぶの一つと言へど無駄にはしない ひさお
こちらのお題のあしらい、「意識革新」「米つぶの」も称えたい。歌の内容の大きさを「無駄にはしない」と<たった一人の私>として受け、押しつけがましさがなくて爽やか。すっきり歯切れ良くほどほどに硬質だ。
4.たなごころにつぶらつぶらの新米ぞ稔り田わたる風伴ない来 ひらら
「つぶらつぶらの」が視覚的にも触覚的にもつぶつぶした米の形状、手触りを伝えて直接的だ。まるで読み手が手の平に米つぶをのせているように感じさせる。
やがて、黄金色の稲田が見えて、新米に渡った風を感じている作者である。
5.代替わり三年目なる丹波篠山(ささやま)の新米ようやく爺さんの味 フミコ
これは、同じ米農家の米をずっと食べてきた人の弁だろう。米作りにこだわりのあった「爺さん」が亡くなって・・・あと継ぎの米は、最初あまり美味しくなかったらしい。一徹で懐かしみのある良い味の「爺さん」である。「丹波篠山」の地名もそぐわしい。跡継ぎの米農家の試行錯誤の時間もこの歌には流れていて、見ている人は見ているものだ。
6.五分づきの新米に日の温みありおむすびおむすびまあるくにぎる ウプラ
Re: 2021.10.14(木)題詠「灰」 鑑賞&批評「新米」
投稿日 | : 2021/10/14(Thu) 19:09 |
投稿者 | : たかし |
参照先 | : |
鑑賞&批評 「新米」
1.孫娘の嫁ぎし栃木の新米を五キロ抱きて婿殿がくる さらら
「婿殿」という言葉、この作者が使うと似合う。
四句の「五キロ抱きて」のところ「五キロ抱えて」とした場合、
この「婿殿」が、明るく剽軽なイメージになる。
原作通りの「抱きて」の場合の婿殿は、生真面目そうな印象である。
原作は「抱きて」なので、生真面目な感じの婿殿であるのだろうと思った。
2.薩長土が起こした革命明治維新米本位制の武家社会潰ゆ たかし
3.飽食の意識革新米つぶの一つと言へど無駄にはしない ひさお
新米を「革新」と「米つぶ」に分解して巧い。
「飽食の意識革新」
これはコンビニやスーパーで、大量に作って並べて、賞味期限が切れると弁当などの食品を大量に捨てる・・・ということが日本全体であり、
このままではいけない・・という空気が生まれた。そのことを受け止めての歌。
「米つぶのひとつと言へど」と誇大表現を用いての苦心作。
4.たなごころにつぶらつぶらの新米ぞ稔り田わたる風伴ない来 ひらら
掌の上に新米を乗せて見詰めた。
作者は田舎で育った人か。秋の取り入れ時期の田圃に何度も立った経験がある。
この歌の場合の「新米」は、炊いた御飯つぶというより「もみ」の状態の米という印象を受けた。
5.代替わり三年目なる丹波篠山(ささやま)の新米ようやく爺さんの味 フミコ
三代目になって三年目、ようやく初代の爺さまの米の味になってきた、という。
作者の家では丹波篠山のこの農家から毎年お米を購入しているのだと思う。
今は三代目の当主が収穫して送ってくれる。
購入する作者の方は変わらずに同じである。
やはり肉体労働の仕事は消耗が激しいのだ。
6.五分づきの新米に日の温みありおむすびおむすびまあるくにぎる ウプラ
「日の温み」というから、ほんのり温かい御飯である。
つまり、この新米は炊きたての熱々ではなく、おひつに入ってちょっと時間の経った御飯なのだろう。
おにぎりを作るのに手を火傷せずに丁度いいのである。
下句のリフレインがいかにも唄っていて楽しい気分を出すのに成功した。
「五分づき」は、日常作者はこれを食べている?
Re: 2021.10.14(木)題詠「灰」 鑑賞&批評「新米」
Re: 2021.10.14(木)題詠「灰」 鑑賞&批評「新米」
投稿日 | : 2021/10/14(Thu) 16:57 |
投稿者 | : ひらら |
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1.孫娘の嫁ぎし栃木の新米を五キロ抱きて婿殿がくる さらら
作者を中心に笹川ファミリーのなごやかさが一首によく詠われている。新米を抱えての婿殿の姿。婿殿 この言葉 巧みでピッタリ。いつかつかわせて貰いたい。
2.薩長土が起こした革命明治維新米本位制の武家社会潰ゆ たかし
よく本も読まれ映画も観られ各方面に博識な作者ならではの素材であり詠われ方。歌のみならず歴史についても学ばせて頂いた。
3.飽食の意識革新米つぶの一つと言へど無駄にはしない ひさお
米作りは米の字のごとく八十八 手間がかかっている 一粒たりとも粗末にしたらあかん。と 聞かされ育った。街なかにくらしていてときどき子に伝えられているかと恥ずかしくなる。
4.たなごころにつぶらつぶらの新米ぞ稔り田わたる風伴ない来 ひらら
5.代替わり三年目なる丹波篠山(ささやま)の新米ようやく爺さんの味 フミコ
お爺さまの味に3年目にしてようやくなった孫の稲作。孫さんの努力もそうながらその味をよくきわめられた作者家族もとうとい。
6.五分づきの新米に日の温みありおむすびおむすびまあるくにぎる ウプラ
新米に日の温みをかんじられた。新米はおむすびにかぎる。丁寧にまあるく仕上げられている。
わが家は自家で精米し搗きたてを毎回炊飯する。家族の好みもあり五分搗き八分搗きにしたことがない。試みたい。先の週末里よりの新米を草津の甥が運んでくれた。一年分安心だ。
Re: 2021.10.14(木)題詠「灰」 鑑賞&批評「新米」
Re: 2021.10.14(木)題詠「灰」 鑑賞&批評「新米」
Re: 2021.10.14(木)題詠「灰」 鑑賞&批評「新米」
Re: 2021.10.14(木)題詠「灰」 鑑賞&批評「新米」
投稿日 | : 2021/10/14(Thu) 14:08 |
投稿者 | : フミコ |
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1.孫娘の嫁ぎし栃木の新米を五キロ抱きて婿殿がくる さらら
お孫さんの婿さんが新米5キロを持ってきてくれた。
多分、自分で育てたお米を抱きてである。
婿さんの優しくて律儀な性格と孫娘さんの穏やかに満ち足りた結婚生活が
目に浮かぶような歌。
それにもまして、愛され、頼りにされている作者像が読める。
2.薩長土が起こした革命明治維新米本位制の武家社会潰ゆ たかし
明治維新によって、それまでの身分階級も貧富の差のバロメーターであった(米)
禄高制度が崩壊し、新しい経済のシステムが発動した。米の代わりに登場した貨幣の流通は社会の動きを活発にし、大いに活気ある進展をもたらした。
3.飽食の意識革新米つぶの一つと言へど無駄にはしない ひさお
20世紀後半は飽食の時代だった。それには限界があることを早くから叫ばれていたが、その限界が地球全体に迫ってきていることの認識が浸透してきてはいる。戦中、終戦直後を生きて来た者にとっては容易に理解できる話であるがこの教え、「一粒のご飯も粗末にしてはいけない」は、はて、どこまで理解されているのやら。
4.たなごころにつぶらつぶらの新米ぞ稔り田わたる風伴ない来 ひらら
炊きあがったばかりのほっかほか新米ごはん。
たまらないあの香りが歌にまでただよっている。
塩にぎりでも作っておられるのだろうか。
掌についたご飯粒。味わって食されたのであろう。
このお米が育った故郷のか風まで連れてきてくれた。
5.代替わり三年目なる丹波篠山(ささやま)の新米ようやく爺さんの味 フミコ
6.五分づきの新米に日の温みありおむすびおむすびまあるくにぎる ウプラ
新米の炊きたてご飯と言えばなんといっても塩のおむすび。
おそらく日本人のアイデンティティに組み込まれているのでしょうね。
まぁるくまぁるくが何とも言えずやさしい。
五分搗きというところに作者の健康志向というか食に対するこだわりと日の温みを感じとる余裕が読める。
Re: 2021.10.14(木)題詠「灰」 鑑賞&批評「新米」
投稿日 | : 2021/10/14(Thu) 14:04 |
投稿者 | : ひさお |
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1.孫娘の嫁ぎし栃木の新米を五キロ抱きて婿殿がくる さらら
孫娘の婿が、今住んでいる栃木県産の新米5キロを持って訪ねてくれた。
遠路はるばる持ってくるのだから、自家で収穫した新米かもしれない。
買ってきた米であってもうれしいことにちがいない。
2.薩長土が起こした革命明治維新米本位制の武家社会潰ゆ たかし
「維新」と「米本位」で新米をクリアした。
明治維新を武家社会の崩壊とともに、米本位性の崩壊ともとらえている
ところはすごい。
3.飽食の意識革新米つぶの一つと言へど無駄にはしない ひさお
4.たなごころにつぶらつぶらの新米ぞ稔り田わたる風伴ない来 ひらら
稔り田で掌に穂を持って、まるくまるく稔っていることを確認している。
喜びのときだ。「つぶらつぶら」のリフレインはまるみの半端でないことを
強調している。
そこへ風が吹いてきた。「伴ない来」が??よくわからない。
5.代替わり三年目なる丹波篠山(ささやま)の新米ようやく爺さんの味 フミコ
同じ品種を同じ田圃で収穫したコメでも、手入れをする人によって味が
変わるのですね。爺さんの味にするため3年間努力されてその甲斐が
あってよかった。
6.五分づきの新米に日の温みありおむすびおむすびまあるくにぎる ウプラ
新米に日の温みがあると断言したところがすごい。
「おむすびおむすび」のリフレインによって、この作品に温みがでて、
「まあるくにぎる」にうまく適合している。
精米の程度を何分づきにするかも、自分で決めているようだ。
Re: 2021.10.14(木)題詠「灰」 鑑賞&批評「新米」
Re: 2021.10.14(木)題詠「灰」 鑑賞&批評「新米」