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2022.01.20(木)題詠「歩」  鑑賞&批評「餅」
投稿日 : 2022/01/14(Fri) 09:27
投稿者 ウプラ
参照先
2022.01.20(木)
題詠    「歩」            
鑑賞&批評 「餅」                  
出題当番   ウプラさん  


1、よろよろと顔を真っ赤に一歳児背負いし餅と初のたたかい   フミコ
(一升を二段重ねの餅にして一歳の誕生日に背負わす習慣)

2、雪見舞い交わし合いつつ桜餅鶯餅を二つずつ買う  ひらら

3、父の搗く餅を六人の子等まるめ温きぼた餅食べてはしやげり   ひさお
  
4、餅のどに詰めて亡くなる高齢者ひとごとならず先(さっき)のわれなり   たかし

5、朝はパン昼は雑煮餅夜は牛肉スマホ大の薄さ焼き方難義   さらら

6、もつちりとあは餅ぼた餅さくら餅かしは餅わらび餅やきもち  ウプラ
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Re: 2022.01.20(木)題詠「歩」  鑑賞&批評「餅」
投稿日 : 2022/01/21(Fri) 15:47
投稿者 ウプラ
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  もつちりとあは餅ぼた餅さくら餅かしは餅わらび餅やきもち  
皆さん、ご講評ありがとうございました。
今回は隣り合う餅同士の並び具合、字余りや句またがりを楽しみながら書きました。
お餅は美味しい、歌は楽しい
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Re: 2022.01.20(木)題詠「歩」  鑑賞&批評「餅」
投稿日 : 2022/01/21(Fri) 10:59
投稿者 ひさお
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3、父の搗く餅を六人の子等まるめ温きぼた餅食べてはしやげり   ひさお
遠い昔のことを思い出しながら短歌にしました。
大人になってから、そのような家族の温かい繋がりを失くしたのは、私たちの世代からです。
フミコさんのすべてを丁寧に言っていただいたコメントに、特に感謝いたします。
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Re: 2022.01.20(木)題詠「歩」  鑑賞&批評「餅」
投稿日 : 2022/01/20(Thu) 22:50
投稿者 ウプラ
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次回のお題

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Re: 2022.01.20(木)題詠「歩」  鑑賞&批評「餅」
投稿日 : 2022/01/20(Thu) 22:46
投稿者 ウプラ
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無いといふことを日差しが暖める冬陽(ふゆひ)を湯浴みするごと歩む
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Re: 2022.01.20(木)題詠「歩」  鑑賞&批評「餅」
投稿日 : 2022/01/20(Thu) 21:49
投稿者 ウプラ
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1、よろよろと顔を真っ赤に一歳児背負いし餅と初のたたかい   フミコ
(一升を二段重ねの餅にして一歳の誕生日に背負わす習慣)
「これから背負うことになるいろいろな困難に負けるな、頑張れ〜」と祝福されている一歳児。2升ってけっこう重そうです。
「背負える餅」かな。

2、雪見舞い交わし合いつつ桜餅鶯餅を二つずつ買う  ひらら
「桜、鶯、雪」の色。「二つずつ」の可愛いらしさ。「雪見舞い交わし合いつつ」の楚辞も柔らかで日本的な美しさに満ちている一首。
読者も買いに行きたくなってしまう。

3、父の搗く餅を六人の子等まるめ温きぼた餅食べてはしやげり   ひさお
懐かしい賑やかな餅つきの様子。昔の台所は寒かったけれど、皆元気だった。「温きぼた餅」が実にしみじみさせるので、結句体言止めにして強調したくなった。「温きぼた餅」良いです。

4、餅のどに詰めて亡くなる高齢者ひとごとならず先(さっき)のわれなり   たかし
危ない。危ない分可笑しい。
可笑しいが危ない。
新年早々気をつけてください。(おもち見舞い)

5、朝はパン昼は雑煮餅夜は牛肉スマホ大の薄さ焼き方難義   さらら
やや混雑しているので「焼き方難義」まではいわずに「夕食はスマホくらいの牛肉でした」くらいですっきり終わるのがいいかな。
「スマホくらいの牛肉焼いて」の方ががいいかな。

6、もつちりとあは餅ぼた餅さくら餅かしは餅わらび餅やきもち  ウプラ
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Re: 2022.01.20(木)題詠「歩」  鑑賞&批評「餅」
投稿日 : 2022/01/20(Thu) 21:47
投稿者 ひらら
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1、よろよろと顔を真っ赤に一歳児背負いし餅と初のたたかい   フミコ
(一升を二段重ねの餅にして一歳の誕生日に背負わす習慣)
 初誕生日のお祝いの一こま、生れて初めての大仕事、大きくて重い一升餅を背負わされ
よろよろと顔をまっかに懸命の一歳児。その子をみまもっている家族のよろこびも浮かび読み手にも伝わってくる。
2、雪見舞い交わし合いつつ桜餅鶯餅を二つずつ買う  ひらら

3、父の搗く餅を六人の子等まるめ温きぼた餅食べてはしやげり   ひさお
 家族一同での餅搗き。子供も手伝いそのうちに丸め方餡餅きなこ餅おろし餅の仕方を身につける。「はしゃげり」にその場のようすがよくわかる。私は杵でつぶした半つぶしの餅米が好きだった。寒の入りになると寒餅 かき餅 あられなどついたのを思いだす。
  
4、餅のどに詰めて亡くなる高齢者ひとごとならず先(さっき)のわれなり   たかし
 この時期 餅を詰めないやう 特に高齢者はと言われている。作者も他人事でなく恐い目に会われたようだ。「餅のどに」は餅をのどに としたらいかがでしょうか。

5、朝はパン昼は雑煮餅夜は牛肉スマホ大の薄さ焼き方難義   さらら
 お正月のひと日の食事。朝はパン 昼はお雑煮 夜はステーキ。スマホの大きさの肉 厚さもスマホの薄さ かぞくのこのみのやきかたがなんぎなのか 自分一人分で焼きにくいのかわかりにくい。



6、もつちりとあは餅ぼた餅さくら餅かしは餅わらび餅やきもち  ウプラ
 もっちりではじまり やきもちでおわる。色々のおもちが登場し最後焼餅でなくヤキモチ。読み手のきもちがストン。ユーモラス やられた感じ。
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Re: 2022.01.20(木)題詠「歩」  鑑賞&批評「餅」
投稿日 : 2022/01/20(Thu) 21:26
投稿者 たかし
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鑑賞&批評 「餅」                  
1、よろよろと顔を真っ赤に一歳児背負いし餅と初のたたかい   フミコ
(一升を二段重ねの餅にして一歳の誕生日に背負わす習慣)
 なるほど、こういう感じなんだ!と読ませてもらった。
 こういうしきたりがあることは知っていたが、実際に見たことはなかった。
 一歳児は泣きもせず餅を背負うんですね。えらい!
 もう一度、一歳にもどって餅を背負ってみたい。泣かずに。

2、雪見舞い交わし合いつつ桜餅鶯餅を二つずつ買う  ひらら
 この言葉を交わしているのは馴染みの店の店主さんとであろう。
 「雪見舞い」に対しての「桜餅・鶯餅」の名詞がよく、明るい感じが漂う。

3、父の搗く餅を六人の子等まるめ温きぼた餅食べてはしやげり   ひさお
 これは作者の子供時代の思い出であろうか。
 そうだとすると作者のひさおさんは6人兄弟ということになる。知らなかった。
 搗きたての餅はどのようにして食べても美味しい。私は大根おろしをたっぷり作って、
 それに醤油を少しかけ、それで食べるのが好きだった。
  
4、餅のどに詰めて亡くなる高齢者ひとごとならず先(さっき)のわれなり   たかし

5、朝はパン昼は雑煮餅夜は牛肉スマホ大の薄さ焼き方難義   さらら
朝と昼と夜に食べた物の列挙で一首つくった。
 「スマホ大の薄さ」という言葉には無理がある。ものすごく厚い肉になってしまう。
 焼くのに難儀する筈。

6、もつちりとあは餅ぼた餅さくら餅かしは餅わらび餅やきもち  ウプラ
 最後の「やきもち」は食べられない餅。
 「もつちりと」は、しかしどの餅にも合っている。
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Re: 2022.01.20(木)題詠「歩」  鑑賞&批評「餅」
投稿日 : 2022/01/20(Thu) 15:34
投稿者 さらら
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1、よろよろと顔を真っ赤に一歳児背負いし餅と初のたたかい   フミコ
(一升を二段重ねの餅にして一歳の誕生日に背負わす習慣)
我が子の一歳児の背中が隠れるほどの大きなお餅を背負った情景がはっきり再現される歌
姑が何かと日本伝統の決まりを着々とこなしてくださった。
人生は荷物を背負い歩むことを1歳児からの初仕事 60年前のこと。。

2、雪見舞い交わし合いつつ桜餅鶯餅を二つずつ買う  ひらら
雪が降ろうが雨が降ろうが人の暮らしには欠かせない食べ物とおやつ類 日常の四季のかわりめの雪見舞いを隣人と交わしながら各々好物を求めている。夫婦そろう幸せタイム二つずつが好ましく羨ましい。

3、父の搗く餅を六人の子等まるめ温きぼた餅食べてはしやげり   ひさお
昔は付きたてのお餅で大根のおろしもち ぼた餅をよく食べた。家族全員寄って競争で食べはしゃぎ賑やかな餅つきは嬉しい日でした。  

4、餅のどに詰めて亡くなる高齢者ひとごとならず先(さっき)のわれなり   たかし
高齢者として自覚するのは食べ物がのどに詰まりそうになる時 歩いているときぬかされて距離が離れていくこと 最近よく体験することです。

5、朝はパン昼は雑煮餅夜は牛肉スマホ大の薄さ焼き方難義   さらら

6、もつちりとあは餅ぼた餅さくら餅かしは餅わらび餅やきもち  ウプラ
もっちりやきもちは愛するが故にパートナーに浴びせる行為を愉快に連想。
6種類のもちの呼び名を連記され 最後はやきもちに来て広がった。
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Re: 2022.01.20(木)題詠「歩」  鑑賞&批評「餅」
投稿日 : 2022/01/20(Thu) 14:54
投稿者 さらら
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潮騒のトンガの海辺を歩む黒人歯も足裏も白く際立つ   さらら
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Re: 2022.01.20(木)題詠「歩」  鑑賞&批評「餅」
投稿日 : 2022/01/20(Thu) 14:40
投稿者 たかし
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たたき台をまず作るべしそこからはコツコツコンコン一歩一歩  たかし
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Re: 2022.01.20(木)題詠「歩」  鑑賞&批評「餅」
投稿日 : 2022/01/20(Thu) 10:20
投稿者 フミコ
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1、よろよろと顔を真っ赤に一歳児背負いし餅と初のたたかい   フミコ
(一升を二段重ねの餅にして一歳の誕生日に背負わす習慣)

2、雪見舞い交わし合いつつ桜餅鶯餅を二つずつ買う  ひらら
優雅な雰囲気の歌。
除雪のスコップを振り回しているわが地方とは別世界。
普段づきあいの温かい感じの和菓子屋さん。
二つづつというところに、旦那様と二人、温かいお部屋【差し向かいの炬燵】
外はちらちら雪の花びらなどと想像させられてしまうのです。

3、父の搗く餅を六人の子等まるめ温きぼた餅食べてはしやげり   ひさお
お餅つきは特別の機会を除けば、農村地帯大抵の家で、年末の一大イベントだった。何段にも蒸籠を重ね、もち米が蒸しあがるのを待って、お父さんが搗く、お母さんが臼取りをする、子らも手伝って丸める。重ねた蒸籠の一番上にくると次の2クール目までには蒸時間に余裕がでるのでその間に牡丹餅、あんこ餅、きなこ餅、ニッキ餅、おろし餅など、その家の伝統的なバリエーションでおやつタイムとなる。これがみんなの楽しみ。この歌から古き良き時代の家族の温もり、団結力、絆の確かさが彷彿としてきます。
  
4、餅のどに詰めて亡くなる高齢者ひとごとならず先(さっき)のわれなり   たかし
冬到来、特にお正月以後しばらくはお餅による事故が無い年はないくらいです。常々お元気な作者も先頃、この事故の恐ろしさの一部を体験されたらしい。
年齢と共に嚥下機能が落ちていったり、日常の食事に固い物、よく噛む必要の少ない現代の食文化の影響もあり、嚥下機能、能力も落ちやすいとされています。私も同様、他人ごとではなく、「気を付けろ」と煩く言われます。

5、朝はパン昼は雑煮餅夜は牛肉スマホ大の薄さ焼き方難義   さらら
お正月も朝はパン。三ヶ日も朝はお雑煮に拘らなくなって久しい。
夜のステーキは家族の好みがバラバラで焼き方に苦労する。
様々な焼き方食べ方に精通している作者ならではのご苦労。
御馳走さまです。

6、もつちりとあは餅ぼた餅さくら餅かしは餅わらび餅やきもち  ウプラ
楽しくリズミカルで美味しそうなお餅アラカルト。
ひさおさんの読みとおりの人情餅も貼りついているところが作者ならではのひねりか、心憎い。
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Re: 2022.01.20(木)題詠「歩」  鑑賞&批評「餅」
投稿日 : 2022/01/20(Thu) 10:13
投稿者 フミコ
参照先
這うて立ち二足歩行す八十年いまや会得す三足歩行も フミコ
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Re: 2022.01.20(木)題詠「歩」  鑑賞&批評「餅」
投稿日 : 2022/01/20(Thu) 09:49
投稿者 ひらら
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ギブス撫でギブスを叩き眼を瞑る試歩の目処なく回診おわる  ひらら   (1970年)
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Re: 2022.01.20(木)題詠「歩」  鑑賞&批評「餅」
投稿日 : 2022/01/20(Thu) 09:34
投稿者 ひさお
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核兵器禁止条約は核のなき地球をめざす確かな一歩  ひさお
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Re: 2022.01.20(木)題詠「歩」  鑑賞&批評「餅」
投稿日 : 2022/01/20(Thu) 09:31
投稿者 ひさお
参照先

1、よろよろと顔を真っ赤に一歳児背負いし餅と初のたたかい   フミコ
(一升を二段重ねの餅にして一歳の誕生日に背負わす習慣)
 一歳児だとまだ歩けない児もいる。1.5キロの餅を背負わされるのは厳しい。
やらせる大人ははらはらしながらやらせるのだろう。高島地区の古い伝統行事でしょうか。

2、雪見舞い交わし合いつつ桜餅鶯餅を二つずつ買う  ひらら
雪のかなり積もった頃。たまたま店で出会った知り合い。話題は雪のこと。
お互い桜餅と鶯餅を2ケずつ買った。雪深い地域の温かい交流。

3、父の搗く餅を六人の子等まるめ温きぼた餅食べてはしやげり   ひさお
  
4、餅のどに詰めて亡くなる高齢者ひとごとならず先(さっき)のわれなり   たかし
 正月3が日だけでも何人かの高齢者が餅をのどに詰まらせて亡くなっている。
作者もさっき詰まらせたばかり。ひとごとではないと実感がこもっている。
「先(さっき)のわれなり」を「先(さっき)のわれも」としてはどうかと思う。

5、朝はパン昼は雑煮餅夜は牛肉スマホ大の薄さ焼き方難義   さらら
「スマホ大の薄さ」がどの語と繋がるのか。これが問題。
スマホ大の薄さの牛肉と解した。
パンや雑煮餅やスマホくらいの大きさの薄い牛肉をオーブンで焼いている。
牛肉を焼くのに難儀しているよ。

6、もつちりとあは餅ぼた餅さくら餅かしは餅わらび餅やきもち  ウプラ
「もつちり」は餅にふさわしい。「餅」を5回も駆使した。
「やきもち」は「焼餅」としていないので、あぶり焼いた餅ではなく、愛情のからんだ
やきもちのこと。作者のユーモアである。
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