2022. 03.24 （木）

　題詠　　「耳」
　鑑賞　　「人道」
出題　　 フミコさん


１， 　黄帽子の双子の二人道を逸れ堤駆けおりたんぽぽを摘む　　ひらら　　

２， 人一人道を外しただけといえその地獄図絵地球を覆う　　フミコ

３， 人道をはずれしプーチンの侵攻に避難者受けるオーストリアの友 さらら

４，　 踏み外してならない道ぞ人道は外れ墜ちゆく ウラジーミル・プーチン　　たかし

５，　 義勇兵になることあたはずウクライナへ人道支援心をこめて　ひさお

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詠草

　空耳やかの人なりと振りむくに夕風にそよぐ嵯峨野の篁　　ひらら

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パプリカを琴葉は踊るそのころの吾は目耳覆い防空壕に　　　さらら

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１， 　黄帽子の双子の二人道を逸れ堤駆けおりたんぽぽを摘む　　ひらら　　
メルヘンの動画を見ているよう。無垢な天子は黄色の帽子を冠り道をそれた堤に　手にいっぱいのタンポポを嬉々として積む。

２， 人一人道を外しただけといえその地獄図絵地球を覆う　　フミコ
権力のある一人の人間により　子供や女性　老人が想定外の地獄の沼に引きこまれていく。雪降る寒さの中に彷徨う人がいる。

３， 人道をはずれしプーチンの侵攻に避難者受けるオーストリアの友 さらら

４，　 踏み外してならない道ぞ人道は外れ墜ちゆく ウラジーミル・プーチン　　たかし
プーチンの未来は皆無だと地球人は誰もが哀しく見つめている。

５，　 義勇兵になることあたはずウクライナへ人道支援心をこめて　ひさお
年老いた我々には義勇兵にもなれず　何かヘルプすることはないか
ひと時も目を離せない。オーストリの男性と結婚した靖子さんは悔しくて　悲しくて泣いてばかりいる　避難民を受けたのと話してくれた。お盆には帰国され会う約束をしているが〜〜

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黄帽子の双子の二人道を逸れ堤駆けおりたんぽぽを摘む　　ひらら　　

２， 人一人道を外しただけといえその地獄図絵地球を覆う　　フミコ
　正に大国のリーダーが道を外したのだ。先の大戦を体験されている作者ならではの詠み。テレビ画面以上の地獄絵が目のあたりに浮かんでくるのである。



３， 人道をはずれしプーチンの侵攻に避難者受けるオーストリアの友 さらら
　オーストリアの作者の友はウクライナの戦禍の人を受け入れている。作者もじっとしていられない心地である。侵攻　に　込められているに思いを読む。

４，　 踏み外してならない道ぞ人道は外れ墜ちゆく ウラジーミル・プーチン　　たかし
　「外れ墜ちゆく」「墜」の漢字にプーチンへの怒り　表現があらわれている。
　

５，　 義勇兵になることあたはずウクライナへ人道支援心をこめて　ひさお
　できることなら義勇兵志願。かなわず。心を込めて人道支援をと決めている。キエと京都は姉妹都市交流50年。幼稚園児から大人まで市民はウクライナにこころを寄せている。

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テスト

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来週のお題

　　「　心、こころ、ココロ　」　いずれもOK

　　　　　　よろしくお願いします。

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耳の字が一つの口に三つつき囁くとなるしかと聞かすのだ　ひさお

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１， 　黄帽子の双子の二人道を逸れ堤駆けおりたんぽぽを摘む　　ひらら　
かわいい双子の子。黄色の帽子を冠っているから学校からの帰り道らしい。
通学路から逸れて堤のタンポポを摘む。ほほえましいが、物騒な世の中で
今では許されないだろうから、昔の思い出と思われる。　
それとも作者が付き添っているのかもしれない。

２， 人一人道を外しただけといえその地獄図絵地球を覆う　　フミコ
ロシアの大統領が今やっていることの批判と読んだ。
「地獄図絵地球を覆う」はまさにその通りで、悲しいことです。
破壊された街や人々の生活の再建はどうなるのだろう。

３， 人道をはずれしプーチンの侵攻に避難者受けるオーストリアの友 さらら
作者はオーストリアにも友人がおられる。そういう友人を持つ作者の交流の
広さに驚いた。オーストリアでも避難者を受け入れているのだ。

４，　 踏み外してならない道ぞ人道は外れ墜ちゆく ウラジーミル・プーチン　　たかし
ウクライナを侵攻したロシアの大統領・プーチンのこれからの運命を「堕ちゆく」と
断定した。「…道ぞ」の「ぞ」がよく効いている。
犠牲者ができるだけ多くならないうちにそうなってほしいが。

５，　 義勇兵になることあたはずウクライナへ人道支援心をこめて　ひさお

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言葉もつゼレンスキーよ屈するな耳なしプーチンに血の叫び届かず
　　　フミコ

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１， 　黄帽子の双子の二人道を逸れ堤駆けおりたんぽぽを摘む　　
ひらら　
何とも軽快、明るいリズム。元気でやんちゃな双子ちゃんの姿が彷彿とする。黄帽子とタンポポ、双子の二人….呼応する語句がよく効いていると思います。こんなにかわいい園児さんならちょっとぐらいの道草なんか許せちゃう。　見ているおばあさまもしあわせ。

２， 人一人道を外しただけといえその地獄図絵地球を覆う　　
フミコ

３， 人道をはずれしプーチンの侵攻に避難者受けるオーストリ
アの友 さらら
オーストリアはウクライナと地続き。
避難者も少なくないと思います。
作者の友人も救援活動に協力されている。
明日は我が身かもしれないという危機感を皆さんが共有している。

４， 踏み外してならない道ぞ人道は外れ墜ちゆくウラジーミル・プーチン　　たかし
若い時から出世コースを驀進していたといわれるプーチン。
いつのまにか驕り高ぶる心が大きくなって、さながら自身を全知全能の存在であるかのような錯覚に落ちてしまったのか。
突如（…でもないかどうか）噴き出した狂乱とも見える。
後ろから注がれている習主席の狡猾な日和見眼に気付かないのだろうか。
思えばオソロシイ極東に住んでいる日本人。

５， 義勇兵になることあたはずウクライナへ人道支援心をこめて　ひさお
ポーランドが音頭をとって周辺の国々に義勇兵を募っていると新聞に知る。もう、かなりの勢が集まっていると聞く。作者も叶う事なら義勇軍に加わって働きたいと思う位だ。
しかし、それは叶わない事と義憤を抱えて、せめて心をこめて人道支援をする決心を詠われる。

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独裁者のプロパガンダに耳を貸すロシア国民多かり今は　　たかし

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　鑑賞　　「人道」
１， 　黄帽子の双子の二人道を逸れ堤駆けおりたんぽぽを摘む　　ひらら
　「人道」を「二人」と「道」に分解したのが上手い。たんぽぽという今の季節を詠みこみ、
　黄帽子とたんぽぽ、色を合わせているのも巧み。脱帽。

２， 人一人道を外しただけといえその地獄図絵地球を覆う　　フミコ
　こちらは「一人」と「道」に分解。これも上手い。
　そして現在のウクライナ危機を詠み込む。
　遠い国ながら伝わってくる映像はまさに地獄絵図。そしてプーチン一人の思考で起こっていることと見ている。同感。

３， 人道をはずれしプーチンの侵攻に避難者受けるオーストリアの友　　さらら
　避難者を受け入れる国は増えている。日本も遅ればせながら受け入れるという。
　滋賀県も２人だが受け入れるらしい。
　作者はオーストリアにも友が居る。
　避難民を受け入れてあげたい思いは今、多くの人が持っているだろう。出来れば自分もそうしたい思いの作者が感じられる。

４，踏み外してならない道ぞ人道は外れ墜ちゆく ウラジーミル・プーチン　　たかし

５，義勇兵になることあたはずウクライナへ人道支援心をこめて　　ひさお
　義勇兵というのは徴兵制によるのではなく自分から志願して兵士になること。
　ロシアに依るウクライナへの軍事侵攻の理不尽に怒り、義勇兵になってウクライナを助けたいという思いを持った作者だが、
　義勇兵になることは様々な理由で不可能である。それならばせめて人道支援として自分で出来ることをしようとしている。
　何かの物品を送るとか経済支援をするとかであろうと思う。こうした短歌が多く詠まれることも支援になると思う。
　非常にストレートで強い心情の吐露。

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どういたしまして。
お互い様です。

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フミコさんありがとうございます。

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