2022.04.21 （木）

題詠　　「円安」 　　　　　　　　
観賞　　「メタセコイア」　　
出題 ひららさん　　


鑑賞「メタセコイア」

1. 二等辺三角形だ円錐だメタセコイア指し譲らぬ双子　　　ひらら

2. 一億円遙かを見透す人らいてメタセコイアは百選に育ちぬ　　　フミコ
　　　　（1989年、ふるさと創生1億円、マキノ町）

3. 初めてのデイトに君は湖北へとメタセコイアの並木へ誘う 　　さらら

4. 湖(うみ)岸に健全骨格標本五体芽吹きの前の巨(おお)メタセコイア　　たかし

5. 黄葉のメタセコイアもいいけれどより好ましい新緑の姿　　　ひさお

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マキノ町メタセコイア　余談
1994年（平成6年）読売新聞社の「新・日本の街路樹百景」に選ばれる。
2010年（平成22年）主婦の友社に「日本紅葉の名所１００選」に選ばれる。
「百景」と「100選」の両方に選ばれていますね。

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たかしさんへ

早速のフォローアップ、ありがとうございます。
気持は落ち着きました。
同じ高島市内なのに町民の方々は懐がふかく友好的な違いを感じてマキノは好きです。
やっぱり、メタセコイアはマキノの宝であるうえに高島市民の誇れる風景として大事にしてほしいです。

たかしさんがマキノ出身だと知って気持ちが引き締まります。
これからはあまり根拠あやふやな歌は詠えません。　恥ずかしい。

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【今までマキノの町民性やら再生やら開発とか様々な試みに尊敬と憧憬を持っていたことが揺らいだように感じて、なにかがっかり・・・】
　フミコさーん、揺らがないでください。
　私もマキノ町の出なもので、尊敬と憧憬をもっていただいていたことに嬉しく思っております。
　あのメタセコイアを植えたのは先見の明があったのは確かだと思いますよ。これは揺るぎません。
　以前テレビであの並木の番組があり、見ましたが、植えた当初は、「あんなものを植えて・・・」と、町民からの批判がとても多かったのだそうです。
　最初は防風林を兼ねての並木の選定であったそうで、町民からは桜とか楓とか、そういう花のある木を植えたら良かったのに・・・という声が多かった。
　ところが、あの「冬ソナ」の人気で、いっぺんにブームが来た・・と聞いています。
　そして最初はもっと植えられている区間が短かったように覚えています。
　現在はとても長い区間、並木道になっていますが・・・
　だから、延伸の費用にはあの１億円は使われた可能性はあるかも・・・（知りませんが）

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ヨーロッパを着物使節団で巡りたり店頭の皮服は円安１０万円なり
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　さらら

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1. 二等辺三角形だ円錐だメタセコイア指し譲らぬ双子　　　ひらら
双子のお孫さんがメタセコイアの形を言い合う。それぞれに確り個性を持ち譲らぬ一場面に　祖母の作者は成長を喜び見守る。

2. 一億円遙かを見透す人らいてメタセコイアは百選に育ちぬ　　　フミコ
　　　　（1989年、ふるさと創生1億円、マキノ町）
マキノ町のメタセコイア並木はコロナ前に行きました。　昔北海道の叔母宅に夏休みに長く滞在し　従妹とサイクリングした道にかさなります。

3. 初めてのデイトに君は湖北へとメタセコイアの並木へ誘う 　　さららに

4. 湖(うみ)岸に健全骨格標本五体芽吹きの前の巨(おお)メタセコイア　　たかし
裸木が骨格標本とみえる　オリジナル視点。湖岸に冬の風雪を耐えた樹々に春の訪れを共に歓ぶ。

5. 黄葉のメタセコイアもいいけれどより好ましい新緑の姿　　　ひさお
メタセコイアも人間と同じように　青年　老人と変わりゆく
品位ある老紳士も素敵だが　若々しい青年の立ち姿はなお好ましい
いつの間にか人間に焦点を当てている。

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ご批評ありがとうございました。

わたしのなかで一億円と言えばメタセコイア、メタセコイアと言えば一億円の効果的な使い道とつながっていたので詠いました。

一億円とメタセコイアの関連…..というより言い訳になりましょうが、ある時のおしゃべりで、「あの１億円、高島町の使い道、ぱっとしなかったね」という話が出た時に（高島町は、各自治体に一台づつパソコンを配っただけで後は誰も知らない。）その点マキノは素晴らしい、先見の明があるね…ということからマキノはメタセコイアの植樹からその後、現在の美しい並木に至るまでの維持管理に使ったらしいよ」と聞いて鵜呑みにして信じ込んでいました。それを確かめもしないで詠ってしまったのは間抜けなことでしたが、今後は我がことのように自慢げによそで話すことはしません。今までマキノの町民性やら再生やら開発とか様々な試みに尊敬と憧憬を持っていたことが揺らいだように感じて、なにかがっかりしてしまいました。（我が身に降りかかった訳でもないのにね。）凡ミスと凡打が重なった（だけの）お粗末でした。

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4. 湖(うみ)岸に健全骨格標本五体芽吹きの前の巨(おお)メタセコイア　　たかし
　評、ありがとうございました。このメタセコイアは、近江大橋の西側（膳所側）の湖岸に５，６本大きな木が聳えています。これを見たときのもの。
　メタセコイアの芽吹きは他の木よりも遅く、木が大きいので、ふと理科室に置かれていた骨格標本のように見えました。
フミコさんの歌の、遙かを見透す・・・からはよく理解して読んだのですが、冒頭の「１億円」は、どう関連したのか聞いてみたい気がしております。

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鑑賞「メタセコイア」

1. 二等辺三角形だ円錐だメタセコイア指し譲らぬ双子　　　ひらら

2. 一億円遙かを見透す人らいてメタセコイアは百選に育ちぬ　　　フミコ

　　
　　　　（1989年、ふるさと創生1億円、マキノ町）
　マキノ町には遙か先を見透す人が居られて　今のメタセコイア並木　百選にも選ばれる程に有名になった。湖北よみならず滋賀県の観光名所である。誇りを詠まれてる。


3. 初めてのデイトに君は湖北へとメタセコイアの並木へ誘う 　　さらら
　幸せな思い出を詠う。湖北　メタセコイア　誘われる　　ドライブのようすが浮かぶ。青春の詠ではないのに　若々しい詠。爽やかだ。

4. 湖(うみ)岸に健全骨格標本五体芽吹きの前の巨(おお)メタセコイア　　たかし
　芽立ち前の　裸木のメタセコイアを　骨格標本五体　それが　健全　と　詠まれる。メタセコイアの冬木の姿がうつくしくえいぞうのようである。

5. 黄葉のメタセコイアもいいけれどより好ましい新緑の姿　　　ひさお
　メタセコイアの黄葉もいいがそれより新緑の姿が好きとの作者。メタセコイアの姿晩秋の葉の色　新緑の色　姿　読み手に響いてくるのに　何かと感じるのは　「いいけれどより好ましい」の語句でないでしょうか。

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取引は五百円安で終わりたり日経平均株価乱高下　　ひさお

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1. 二等辺三角形だ円錐だメタセコイア指し譲らぬ双子　　　ひらら
双子でも意見の合わないことがあるようだ。面白い。
二等辺三角形でも円錐でも、どちらもメタセコイアの樹形の特徴をよくとらえていると思う。

2. 一億円遙かを見透す人らいてメタセコイアは百選に育ちぬ　　　フミコ
　　　　（1989年、ふるさと創生1億円、マキノ町）
マキノ町のメタセコイアと言えば、全国的に有名である。
あれはふるさと創生の1億円を使ってなされたのをこの作品で教えられた。
1億円が有効に使われた一例だと思う。
百選は「新・日本の街路樹百景」（平成6年読売新聞社）のこと。「百景」とした
方がいいような気もする。

3. 初めてのデイトに君は湖北へとメタセコイアの並木へ誘う 　　さらら
デートの行く先は湖北のメタセコイア並木。新緑のころであろうか。
「湖北へとメタセコイアの並木へ」の表現は工夫されている。

4. 湖(うみ)岸に健全骨格標本五体芽吹きの前の巨(おお)メタセコイア　　たかし
湖岸に5本の大きなメタセコイアがあって、冬から春になろうとする時期なので
葉が落ちて裸木である。葉の落ちたメタセコイアは立派な樹形をしている。
それを作者は「健全骨格標本」とみなした。すばらしい見方だと思う。

5. 黄葉のメタセコイアもいいけれどより好ましい新緑の姿　　　ひさお

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鑑賞「メタセコイア」
1. 二等辺三角形だ円錐だメタセコイア指し譲らぬ双子　　　ひらら
　作者には双子のお孫さんがいる。いっしょに散歩しているのだろうか。
　メタセコイアの木を見て、一人は「二等辺三角形」だと言い、もう一人は「円錐」だと言い、互いに譲らない。
　木の樹形を形容しての言葉である。
　作者は孫がめざましく成長していることに満足である。

2. 一億円遙かを見透す人らいてメタセコイアは百選に育ちぬ　　　フミコ
　　　　（1989年、ふるさと創生1億円、マキノ町）
　マキノのあの道路沿いにメタセコイアが植えられたのは1981年だとか。
　ふるさと創生１億円（竹下登総理のとき）は1988年（昭和63年）から1989年（平成元年）の政府の事業であったので、
　メタセコイアの並木はそれよりも前に植えられていることになる。
この「ふるさと創生」の１億円はメタセコイア並木の延伸などに使われたのであろうか。
「百選」は「日本の街路樹百選」に選ばれている。

3. 初めてのデイトに君は湖北へとメタセコイアの並木へ誘う 　　さらら
作者であれば、たくさんの（デートへの）お誘いがあったことでしょう。
テレビドラマ「冬のソナタ」が大ヒットしたのは2003年（平成15年）頃であり、
主人公のチュンサンとユジンが初デートしたのもメタセコイアの並木道だった。
作者も初デートにメタセコイア並木へと誘われた。「湖北」なので、マキノのことと思う。
あの道をさっそうとドライブするのは気持がいい。

4. 湖(うみ)岸に健全骨格標本五体芽吹きの前の巨(おお)メタセコイア　　たかし

5. 黄葉のメタセコイアもいいけれどより好ましい新緑の姿　　　ひさお
　秋の黄葉がもてはやされるが、作者は新緑のメタセコイアがよいと云う。
　新緑の季節は命の萌える季節であり作者の好みにも合うのだろう。
　ただ好みを言っただけで一首が終わっている感じであり、物足りなさはある。

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詠草

　うまい棒チロルチョコにもかかわると円安を説く子どもニュース　　ひらら

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次週のお題

　「蛙」
　　　かえる　です。

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5. 黄葉のメタセコイアもいいけれどより好ましい新緑の姿　　　ひさお
メタセコイアは四季折々の魅力的な変化を見せて、それが並木となれば一層、スケールの大きな見所となりますね。
作者は、その中でも秋の黄葉が好きだけれど、更に惹かれるのが一斉に生命溢れ出す新緑の姿が好ましいといわれる。
…より好ましい…この語句、何となく、作者自身の気持ちでもなく、曖昧で、この詠のなかで理屈っぽく堅い印象を持ちました。


ひさおさん

すみません。
コピーの2ページ目が抜けていました。

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鑑賞「メタセコイア」

1. 二等辺三角形だ円錐だメタセコイア指し譲らぬ双子　　　ひらら
道草を食いながらタンポポを摘んでいたかわいい双子ちゃんははや、小学校高学年？
樹形が二等辺三角形か円錐かとなると濃緑の豊かな葉っぱを茂らせよく刈り込まれた木々の勇壮な季節を想像しました。

2. 一億円遙かを見透す人らいてメタセコイアは百選に育ちぬ　　　フミコ
（1989年　ふるさと創生1億円、マキノ町）

3. 初めてのデイトに君は湖北へとメタセコイアの並木へ誘う 　　さらら
作者の人生初のデイトか、その方との初めてのデイトかはともかくとして、好日でも美人の誉れ高い作者には一際似合う背景でしょう。
高島の片田舎とは思えない北欧調の並木道を背景に素敵です。
作者の思い出に今も深く残っている。

4. 湖(うみ)岸に健全骨格標本五体芽吹きの前の巨(おお)メタセコイア　　たかし
健全骨格標本が展示されている….琵琶湖博物館のことかとおもいましたが、下の句で、ああ、葉をすっかり落としたメタセコイアの樹形だとわかります。よく管理されたメタセコイア群を健全骨格標本とは、その表現の意外性とともにうまく言われたものだなぁと思いました。
地域に土地勘があるとその風景が顕ちあがって気持が動きます。

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