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2022.06.16(木) 題詠「孤」・鑑賞「蛙」
投稿日 | : 2022/06/10(Fri) 09:05 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
2022.06.16(木)
題詠 「孤」
観賞 「蛙」
出題 ウプラさん
鑑賞「蛙」
1. タゴ蛙の声暗けれどタゴ蛙は嬉しいならむ山の道行く ウプラ
2. 学芸会われは傘さし高下駄で小野道風役あっちゃんは蛙 さらら
3. 古鍋を土に埋めた小さき池に殿様蛙のカップル住み着く たかし
4. 広域に田植はなされ万遍なく蛙陣取り鬨の声あぐ ひさお
5. 黒塗りの門主の車のボンネットに森青蛙坐禅してます ひらら
6. 先生は好きじゃなかったさりながら蛙の解剖以来理科好き フミコ
Re: 2022.06.16(木) 題詠「孤」・鑑賞「蛙」
投稿日 | : 2022/06/19(Sun) 13:06 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
4. 広域に田植はなされ万遍なく蛙陣取り鬨の声あぐ ひさお
遅まきながら次のように推敲しました。
見渡す限り田は植ゑられていづくにも蛙陣取り鬨の声あぐ
1句目ひろいひろい田園を表すため、7音にしました。
「広々と」よりさらに広がりを感じさせると思います。
Re: 2022.06.16(木) 題詠「孤」・鑑賞「蛙」
投稿日 | : 2022/06/17(Fri) 13:24 |
投稿者 | : たかし |
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3. 古鍋を土に埋めた小さき池に殿様蛙のカップル住み着く
肯定的ご批評が多かったようで、うれしいです。
これは、テレビで英国だったか、ドイツの人だったか、女性が自宅の庭に花や野菜を、殺虫剤などを使わずに自然の生き物をうまく配置することで相互に生かし合う方法をしていたのを見て、真似たものです。
たまたま大きな両手鍋の片側の取っ手が壊れていたのがあり、それを土に埋めて水を入れて置いたところ、2日ほどで殿様が住み着きました。
他にも、畑に邪魔な石とか割れ瓦、など瓦礫を、庭の一隅に積み重ねておくと、そこにトカゲなどが住み着いてくれて、悪さをする虫を食べてくれるというもの。
前記の池の蛙も、虫を食べてくれる。
自然の殺虫剤ということです。実行しております。
Re: 2022.06.16(木) 題詠「孤」・鑑賞「蛙」
投稿日 | : 2022/06/17(Fri) 13:18 |
投稿者 | : ひさお |
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4. 広域に田植はなされ万遍なく蛙陣取り鬨の声あぐ ひさお
ご批評ありがとうございました。
「広域」と「万遍なく」への再考を促すご意見が多かった。具体的な提言もいただいています。それらを参考に推敲したいと思います。
ほんの2〜3日の間に、ほとんどの田が早苗田になり、どこの田にも蛙が鳴いているようです。うるさく鳴くのは2〜3日だけのようですね。
Re: 2022.06.16(木) 題詠「孤」・鑑賞「蛙」
投稿日 | : 2022/06/17(Fri) 05:01 |
投稿者 | : フミコ |
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みなさま
今回も丁寧にお読みくださりありがとうございました。
特に楽しかったご批評は.....
[この作者、うまく成長してよかったが、下手をすると猟奇的なアブナイ方へ・・]
こういういじられ方は、記憶に残る、漢方薬のようにジワリと効いてきて長く楽しめます。
今後ともヨロシク!
Re: 2022.06.16(木) 題詠「孤」・鑑賞「蛙」
投稿日 | : 2022/06/17(Fri) 00:25 |
投稿者 | : ウプラ |
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皆さん、ありがとうございました。
毎年アツモリソウを見に行く山道の岩肌から無数のタゴガエルの声が聞こえます。道も暗いし声も地から湧き出てくるような暗さなんです。でも幸せ、と蛙が言ったのでした。
ひららさん、「ダサい」なんて書いてしまってゴメンナサイ!
ボンネットの蛙、それだけで可愛いかったです。
私は今日機嫌がよかったので、こんなくだけた言葉が出てきてしまいました。悪気なしです。笑って許して
Re: 2022.06.16(木) 題詠「孤」・鑑賞「蛙」
Re: 2022.06.16(木) 題詠「孤」・鑑賞「蛙」
投稿日 | : 2022/06/16(Thu) 23:53 |
投稿者 | : さらら |
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1 たご蛙は初めて知った名詞 鳴き声は低く暗いのに 一斉になく声を聞くと
何故か現実の世界を超えた微妙な響と詩情が揺れる。
3 日々外仕事に精を出し アイデアマンの作者 大きな釜を地に埋め込み水を張りあ泉水が出来ている。そこには殿様蛙のカップルがいて 眺めては楽しむ長閑な初夏である。
4 田植えをされた水田が広がる、瑞穂の国の百姓の毎年変わらない田植えも済ませた。
心の充実と喜び生きていく基盤でもある。広域は一考。
5 門主の菊の御紋のある黒光りのボンネットに瞑想しているような蛙の世界の探求凝視。
6 先生はなんとなく好きになれないが 解剖は興味あり理科が好きになった。中学生の新鮮な感性と内面的な追及 深層心理の芽生えの時期を歌う。
Re: 2022.06.16(木) 題詠「孤」・鑑賞「蛙」
Re: 2022.06.16(木) 題詠「孤」・鑑賞「蛙」
Re: 2022.06.16(木) 題詠「孤」・鑑賞「蛙」
投稿日 | : 2022/06/16(Thu) 20:35 |
投稿者 | : ひらら |
参照先 | : |
鑑賞「蛙」
1. タゴ蛙の声暗けれどタゴ蛙は嬉しいならむ山の道行く ウプラ
タゴ蛙 初めて知りました。低く暗っぽく鳴くタゴ蛙 山の辺の道を歩きながら作者は嬉しそうな声に聞こえる。繁殖期の鳴き声とはいえ作者はもともと蛙が嫌いではないのであろう。
2. 学芸会われは傘さし高下駄で小野道風役あっちゃんは蛙 さらら
何十年経ても鮮やかに思い出される小学校時代の学芸会。私は主役 あっちゃんは蛙。衣装も小道具もありあり浮かび
読者もその思い出のなかにいるみたいだ。
3. 古鍋を土に埋めた小さき池に殿様蛙のカップル住み着く たかし
庭の古鍋の池。目に浮かぶ。そこにいつの間にか殿様蛙のカップルがく棲み着き卵も生まれているのかな。この景には殿様蛙がピッタリ。そしてトノサマガエルでなく漢字表記が良い。この家の繁栄の前ぶれのよう。吉兆蛙。
4. 広域に田植はなされ万遍なく蛙陣取り鬨の声あぐ ひさお
穀倉地帯近江平野の植付けの水田、景が立つ。「広域」は地域名にされたほうがと思う。下句結びの言葉 作者ならではです。
5. 黒塗りの門主の車のボンネットに森青蛙坐禅してます ひらら
6. 先生は好きじゃなかったさりながら蛙の解剖以来理科好き フミコ
理系 看護師への道への芽の蛙の解剖。先生に関係なく教科理科が好き、得意教科だったのでしょう。詠いはじめの言葉
中学生の行動を感じますね。
Re: 2022.06.16(木) 題詠「孤」・鑑賞「蛙」
投稿日 | : 2022/06/16(Thu) 20:24 |
投稿者 | : ウプラ |
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1. タゴ蛙の声暗けれどタゴ蛙は嬉しいならむ山の道行く ウプラ
2. 学芸会われは傘さし高下駄で小野道風役あっちゃんは蛙 さらら
「あっちゃんは蛙」の付け足し加減の素直さに、ほのぼのと天然の可笑し味があって、笑ってしまいました。
こういう歌を作らせると意外性がツボにはまる?というか、いつも楽しませてくれる。
「意外性」大事。
3. 古鍋を土に埋めた小さき池に殿様蛙のカップル住み着く たかし
「カップル」がいいのか「殿様」がいいのか、小さいけれど、どことなく心地よい歌の世界。
古鍋がなかなかの味。
家でもやってみよう。布袋葵なんぞ浮かべてみたい。
4. 広域に田植はなされ万遍なく蛙陣取り鬨の声あぐ ひさお
早苗田、植え田に蛙の命の声が充満している。
「蛙陣取り鬨の声あぐ」の強さを生かすには前半の言葉をやわらかくもっていくのがいいかなぁと思った。「広々と田は植ゑられて」など。「万遍なく」も固い。
5. 黒塗りの門主の車のボンネットに森青蛙坐禅してます ひらら
「門主」と「蛙(の)座禅」の対応にほのぼのとした。黒塗りのボンネットと森青蛙の色や質感も感覚的で良いと思いました。
贅沢を言えば、「してます」がかなりそれっぽい(門主から座禅への意識)言いまわしでちょっとダサいと思った。「鎮座してます」なら気にならない。言葉って不思議(って、私の感じ方が変なだけかも)。
6. 先生は好きじゃなかったさりながら蛙の解剖以来理科好き フミコ
「理科好き」のきっかけが「蛙の解剖」というところの意外性、個別性に深く納得。
この作者、うまく成長してよかったが、下手をすると猟奇的なアブナイ方へ・・ウソウソ冗談です。
Re: 2022.06.16(木) 題詠「孤」・鑑賞「蛙」
投稿日 | : 2022/06/16(Thu) 13:49 |
投稿者 | : たかし |
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2022.06.15 (木) 鑑賞「蛙」
1. タゴ蛙の声暗けれどタゴ蛙は嬉しいならむ山の道行く ウプラ
タゴ蛙、知らなかったのでネット検索で見たら、姿も泣き声も小さく可愛らしい蛙。
作者は山の道を歩いていて、タゴ蛙の鳴き声を聞き「声暗けれど・・・嬉しいならむ」と感じた。
これには作者のその時の心情が投影されていると感じる。
小さな心うごきを捉えている。山の道、タゴ蛙、等は作者にとっては日常の風景なのかも知れない。
2. 学芸会われは傘さし高下駄で小野道風役あっちゃんは蛙 さらら
小野道風と蛙、花札の絵札のような情景。中学くらいの学芸会かな。
蛙役のあっちゃん、どんな人なのか、もう少し知りたい気がした歌。
3. 古鍋を土に埋めた小さき池に殿様蛙のカップル住み着く たかし
4. 広域に田植はなされ万遍なく蛙陣取り鬨の声あぐ ひさお
蛙が鳴くのは繁殖のためにオスがメスを呼ぶのだと。そこではオス同士のメスをめぐる戦いがある。
だから「陣取り」であり「鬨の声」なのだ。
広域に田植えはなされ、の上句、いかにも広大な戦場を見渡しているかのようである。
5. 黒塗りの門主の車のボンネットに森青蛙坐禅してます ひらら
門主さんは偉い人なので、黒塗りの立派な自動車に乗っておられる。
その磨き込まれたボンネットの上にモリアオガエルが乗っていた。
どこかの木の枝から跳んで来たのか。
「座禅」はやり過ぎな感じ、「鎮座」くらいがいいと思った。
6. 先生は好きじゃなかったさりながら蛙の解剖以来理科好き フミコ
理科の先生を作者はあまり好きではなかった(たぶん中学生の頃か)。
蛙の解剖などをしたら余計に好きでなくなると普通は思うのに(女の子でもあり)その解剖をして以来、理科が好きになったという。
末恐ろしいというか、しかしまた、それでこそ看護婦さんとして多くの手術の現場に立たれた、その片鱗がすでにこの頃にあったということ。
「あ」音が多く、「好きじゃなかった」などと否定語があり、「解剖」などの語もありながら、一首は明るい印象である。
Re: 2022.06.16(木) 題詠「孤」・鑑賞「蛙」
Re: 2022.06.16(木) 題詠「孤」・鑑賞「蛙」
投稿日 | : 2022/06/16(Thu) 13:22 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
1. タゴ蛙の声暗けれどタゴ蛙は嬉しいならむ山の道行く ウプラ
山の道を歩いていると、タゴ蛙の声が聞こえた。その声は暗い声だが、蛙たちが鳴くのは
産卵期を迎えているからであろうから、嬉しいにちがいないと作者は想像しながら聞きつつ歩いた。
作者にとって、この山歩きは苦痛ではなく、楽しみながらの山歩きのようだ。
2. 学芸会われは傘さし高下駄で小野道風役あっちゃんは蛙 さらら
学芸会の演技は小野道風と蛙。作者は道風役、あっちゃんが蛙の役であった。
何年生のときであろうか。傘を差し、高下駄を履いたことまでよく記憶されている。
3. 古鍋を土に埋めた小さき池に殿様蛙のカップル住み着く たかし
池といっても古鍋を土に埋めた、本当に小さな池である。そこに殿様蛙のカップルが
棲みついた。「住む」は「棲む」の方がいいのではないか。
この蛙たち冬はどうするのだろう。
4. 広域に田植はなされ万遍なく蛙陣取り鬨の声あぐ ひさお
5. 黒塗りの門主の車のボンネットに森青蛙坐禅してます ひらら
山間部にある寺院の門主の車が駐車していて、森に棲む森青蛙が車のボンネット
に乗っているところを作者は見た。めずらしい光景だ。黒光りの車だから青い蛙も目立っただろう。
座禅というのは、お寺に関することなので作者のシャレであろう。
6. 先生は好きじゃなかったさりながら蛙の解剖以来理科好き フミコ
蛙の解剖を理科の時間にやってから理科が好きになった。先生は好きではなかったが。
嫌がる人も多い解剖を好んだという積極的な性格が伺われる。
「以来理科好きに」と「に」をいれたい。
Re: 2022.06.16(木) 題詠「孤」・鑑賞「蛙」
投稿日 | : 2022/06/16(Thu) 12:09 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
鑑賞「蛙」
1. タゴ蛙の声暗けれどタゴ蛙は嬉しいならむ山の道行く ウプラ
山道を行くタゴ蛙。
暗い低音の鳴き声を引きずりながら。
嬉しい気持ちを押し殺しているのだろうか。
この人間くさいタゴ蛙って誰?
検索してみたタゴ蛙はヤケに面相が悪い。
私にはどうしても「誰?」という疑問から離れられません。
2. 学芸会われは傘さし高下駄で小野道風役あっちゃんは蛙 さらら
作者は主役。 こぬか雨に揺れる柳の下に粋な蛇の目傘、高下駄履き。絵姿が浮かぶ。そこへもってきて「あっちゃん」は蛙の役。
あっちゃんは作者にとって気になる存在か、ライバルか。
この歌におけるあっちゃんの存在は大きいと思う。いろいろ想像がふくらむ。
3. 古鍋を土に埋めた小さき池に殿様蛙のカップル住み着く たかし
念願の一戸建てか。殿様蛙のカップルというのが意外性大で興味をそそられる。
何かほほえましいですね。
趣味の畑作り庭作りの余暇に古鍋を土に埋めた作者の行為そのものにユーモアか、
風流か洒脱か、作者の日常に余裕を感じます。
4. 広域に田植はなされ万遍なく蛙陣取り鬨の声あぐ ひさお
琵琶湖の東岸には見晴るかす広々と田んぼが広がっている。
どの田にも蛙が陣取っていて「ときのこえあぐ」いままさにそのときなのだ。雰囲気、情景が浮かぶ。
しいて言うなら初句の、「広域」が堅い感じ、理屈っぽく感じました。
5. 黒塗りの門主の車のボンネットに森青蛙坐禅してます ひらら
艶やかに磨かれた門主さんの車のボンネットに鎮座しているモリアオカエル。
それだけで色彩的にも十分美しい。
門主さんを包む背景に融けこんだ蛙にも御仏のありがたさが漂っているようで作者のウィットが楽しい。
6. 先生は好きじゃなかったさりながら蛙の解剖以来理科好き フミコ