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2022.07.07(木) 題詠「熱中」・ 鑑賞「マスク」
投稿日 | : 2022/07/01(Fri) 09:11 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
2022.07.07 (木)
題詠 「熱中」
観賞 「マスク」
出題 ひさおさん
※ 鑑賞「マスク」
1. 伊達直人とふタイガーマスクの本名にて施設へ寄贈続けし人を忘れず ひさお
2. 留袖をよそおう娘に縮緬のマスクを二枚手づくりしたり ひらら
3. ノーマスク「あら、老けたわね」「お互いに」声には出さね目は素直なり フミコ
4. 捨てに行く恋文に見えるかもしれずマスク片手に夜道を行けば ウプラ
5. コロナ菌4年目も空中飛び交うや真夏のマスクは鼻穴の下に さらら
6. 記憶にあるかすかな夾竹桃の香を確かめんとしてマスクを外す たかし
Re: 2022.07.07(木) 題詠「熱中」・ 鑑賞「マスク」
投稿日 | : 2022/07/08(Fri) 20:18 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
こんばんは
皆さん、鑑賞・批評ありがとうございました。
〇捨てに行く恋文に見えるかもしれずマスク片手に夜道を行けば ウプラ
歌の作り始めは、四角くて白い物ということで手紙を投函しに行く歌でした。でも、もうちょっといけそうだと考えていたら、いつも夜の散歩で渡る橋からひらひらと落ちる白い手紙が目にうかんで「捨てに行く」が出てきて、それならちょっと盛り込んで?恋文に。という具合にできあがりました。
歌には出てきませんが、いつも見ている夜の川に助けられました。
この川はたかしさんに読まれた。
Re: 2022.07.07(木) 題詠「熱中」・ 鑑賞「マスク」
投稿日 | : 2022/07/08(Fri) 09:22 |
投稿者 | : たかし |
参照先 | : |
6. 記憶にあるかすかな夾竹桃の香を確かめんとしてマスクを外す
ご批評・ご感想、ありがとうございました。
この「記憶にある夾竹桃の香り」は、今から25〜30年くらい前だと思います。
琵琶湖競艇場の西側に尾花川公園があります。そこは南北に縦長の公園で、その公園の西側を通る道(抜け道)沿いに、
夾竹桃の大木の並木があったのです。木の高さは10メートルを超えていたと思います。
その縦長の公園の西側に、抜け道に沿ってずーっとこの大木の並木がありました。
夏の或る日、その抜け道を、車の窓を開けて走っているとき、なんだかとても高貴な香りが車内に入ってきて「ああ、いい香りだ」と思いました。
花の香りであることは解りましたが、まさか夾竹桃の花が香っているとは思いませんでした。
しかし、その大木は今、花盛りです。車を停めて近寄ってみると夾竹桃の木の花から出ている香りであることは間違いありません。
ああ、いい香りだ、爽やかだ。と思い、
次の日から、その道を通るときには車の窓を開けて走っていました。
数年経って、夾竹桃の大木の並木は全て根元から伐採されていました。
もう夏になってその道を通っても香りはしません。
それから十数年。その伐採された株元から、細い枝のような夾竹桃が伸び、
夏になると夾竹桃の花が咲きましたが、この花の香りは非常に幽かなので、少しの花では私の鼻では嗅ぐことが出来ませんでした。
しかし、去年くらいから、この株元からの何本もの枝が大きくなってたくさんの花を咲かせていて、
夏が来ると、その道を通るとき、まれに香ることがあります。
マスクを外してゆっくりと徐行して通ります。
Re: 2022.07.07(木) 題詠「熱中」・ 鑑賞「マスク」
Re: 2022.07.07(木) 題詠「熱中」・ 鑑賞「マスク」
Re: 2022.07.07(木) 題詠「熱中」・ 鑑賞「マスク」
投稿日 | : 2022/07/07(Thu) 22:00 |
投稿者 | : たかし |
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鑑賞 「マスク」
1. 伊達直人とふタイガーマスクの本名にて施設へ寄贈続けし人を忘れず ひさお
ありましたね。伊達直人を名乗る人から施設の子供たちへのランドセルのプレゼント。
たしかその後何人ものタイガーマスクが登場したと記憶しています。
立派な行ないをした人の名を忘れないこともまた大事と、この歌は言っている。
2. 留袖をよそおう娘に縮緬のマスクを二枚手づくりしたり ひらら
女の人(既婚者)が留め袖を着るのは身内に結婚式があった場合などかと思う。
その女性の息子、娘、または甥、姪とかの結婚式。
手先が器用な作者、その装いに合うようにと、縮緬の布でマスクを作ってあげた。
京都という土地柄も感じる。
3. ノーマスク「あら、老けたわね」「お互いに」声には出さね目は素直なり フミコ
マスク生活は今年で三年目。その間、お互いにマスクで顔が隠れていたが、コロナ禍が落ち着いてきて、マスクを外してもよくなったとき、お互いの顔を見て。
3年前とそれほど変わらない人もあろうが、目立つ(老いの進行が)人もあろう。
下句がその、お互いが一瞬、相手を見た瞬間の情景が捉えられている。
なかなか恐ろしいですね。目の表情。
4. 捨てに行く恋文に見えるかもしれずマスク片手に夜道を行けば ウプラ
マスクは白いので夜目には「捨てにゆく恋文」に見えるかもしれないと。
どこへ捨てるのか。まず考えられるのは川だ。橋の中ほどに立って、その恋文を下の水の流れに落とす。映画のワンシーンのよう。
この恋文は相手から届いたものか。それとも自分が書いたけれども渡すのを止めて捨てにゆくのか。
しかしそういう恋文は焼いて欲しい。捨てられてどこかで人目に触れたら困りますがな。
5. コロナ菌4年目も空中飛び交うや真夏のマスクは鼻穴の下に さらら
真夏の暑い日にマスクを付けているのは苦痛。鼻の穴の下にだんだんズってくる。
下句「鼻穴の下に」が、面白い。
上句、4年目でも飛び交っているようですね。菌でなくウイルスが。
6. 記憶にあるかすかな夾竹桃の香を確かめんとしてマスクを外す たかし
Re: 2022.07.07(木) 題詠「熱中」・ 鑑賞「マスク」
投稿日 | : 2022/07/07(Thu) 21:59 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
1. 伊達直人とふタイガーマスクの本名にて施設へ寄贈続けし人を忘れず ひさお
漫画「タイガーマスク」の主人公の本名が伊達直人。この伊達直人の名前で施設への寄付寄贈を続けた人がいて、その行為が全国的な「タイガーマスク運動」といえるようなものに発展したらしい。
よい「マスク」を思いついた。
2. 留袖をよそおう娘に縮緬のマスクを二枚手づくりしたり ひらら
きれいにまとまっていて問題になるところはない。
ある意味、あらかじめ定まったフレームの中に静止しているともいえる。
ここにもうひとつ何か加わると良いのだが(贅沢を承知で言えば)。
3. ノーマスク「あら、老けたわね」「お互いに」声には出さね目は素直なり フミコ
目がモノを言わなくて良かったなぁと今さらながらホッとした。目から声が出たら大変だ。
出たらどうする?いや、ホントに。
ちょっとした棘・自覚・苦味のあるユーモアが魅力的な歌。
4. 捨てに行く恋文に見えるかもしれずマスク片手に夜道を行けば ウプラ
5. コロナ菌4年目も空中飛び交うや真夏のマスクは鼻穴の下に さらら
暑くて息苦しくてマスクを下げてしまうこの頃。
鼻の穴が即物的で気取らず愉快です。
「コロナ菌」を三句にもってくることも考えられる。「4年目も空中飛び交うコロナ菌真夏のマスクは鼻の穴の下に」とか。
6. 記憶にあるかすかな夾竹桃の香を確かめんとしてマスクを外す たかし
「かすかな夾竹桃の香を確かめんとして」・・一人の心に小さな好奇心の生まれる瞬間が良いと思った。かすかに波立ち、生成する感じ。初句、「記憶する」なら問題なく5音だが、「記憶にある」の字余りに僅かな時間の揺蕩いがあって上手だなぁと思った。
何でもないようだが歌として上質なものを感じる。
Re: 2022.07.07(木) 題詠「熱中」・ 鑑賞「マスク」
投稿日 | : 2022/07/07(Thu) 21:43 |
投稿者 | : さらら |
参照先 | : |
1 名前をタイガーマスク伊達直人と名乗り 孤児院へランドセルを贈るホットニュースに心あたたまる行為今も忘れない。
2 結婚した娘は留袖 未婚の女性は振り袖を着る。パートナーのいる女性は慎ましく振り袖
を振って殿方をさそったりはせぬよう留袖となる。着物に合わせたマスクを手作りされる母親の深い愛情を見る。
3 3年もマスクをして目のみで挨拶を交わす、互いに老いたのを自覚する昨今誰もか体験してする真実の歌。
4 マスクが捨てる恋文と歌う柔軟な感性に雑帽、。
6 酷暑に咲く夾竹桃 悲しい戦時や過去の辛苦を回顧する 強い花と心を寄せ香りをかぐ。
Re: 2022.07.07(木) 題詠「熱中」・ 鑑賞「マスク」
Re: 2022.07.07(木) 題詠「熱中」・ 鑑賞「マスク」
Re: 2022.07.07(木) 題詠「熱中」・ 鑑賞「マスク」
Re: 2022.07.07(木) 題詠「熱中」・ 鑑賞「マスク」
Re: 2022.07.07(木) 題詠「熱中」・ 鑑賞「マスク」
投稿日 | : 2022/07/07(Thu) 15:05 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
1. 伊達直人とふタイガーマスクの本名にて施設へ寄贈続けし人を忘れず ひさお
2. 留袖をよそおう娘に縮緬のマスクを二枚手づくりしたり ひらら
留袖は礼装用とされている。
作者の娘さんは留袖を着られることが多い。留袖にふさわしい縮緬のマスクを作者は手作りして
娘さんにあげた。TPOを考えたこまやかな心遣いが感じられる。
3. ノーマスク「あら、老けたわね」「お互いに」声には出さね目は素直なり フミコ
3年近く素顔を見ていないと、この作品の通りのことが現実に起きていると思われる。
「お互いに」もそれぞれが心の中で思ったことなので、それぞれ自分自身も老けたことを
自認しているのだ。
4. 捨てに行く恋文に見えるかもしれずマスク片手に夜道を行けば ウプラ
「捨てに行く恋文」というのがめずらしい。作者の意識は若い。
恋文を夜に捨てに行くという発想は、小説か映画にでもあったのであろうか。
不思議な感じがする作品である。
5. コロナ菌4年目も空中飛び交うや真夏のマスクは鼻穴の下に さらら
新型コロナウイルス感染防止のためマスクをつけることになって、4年目となり
少々うんざりしている。真夏に なったので、マスクをしていると暑くて息苦しい。
そこで、ついマスクを鼻の下まで下すことになる。よく目にする光景である。
前にも指摘したがウイルスと細菌は別なので、コロナ菌というのはよくないと思う。
6. 記憶にあるかすかな夾竹桃の香を確かめんとしてマスクを外す たかし
夾竹桃の匂いを私はかいだことがない。作者は終戦後まもなくの
時期に夾竹桃の香をかいだ。戦後は荒廃している場所でも夾竹桃は勢いよく咲いたので、
多くの人がその花を見て癒された記憶がある。作者にはその香まで記憶に残っているのだ。
Re: 2022.07.07(木) 題詠「熱中」・ 鑑賞「マスク」
投稿日 | : 2022/07/07(Thu) 14:07 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
※ 鑑賞「マスク」
1. 伊達直人とふタイガーマスクの本名にて施設へ寄贈続けし人を忘れず ひさお
タイガーマスクの主人公伊達直人とその名を以て孤児院へのランドセル寄贈、それをきっかけに全国へ広がった
タイガーマスク運動のことは、以前、テレビで観ました。
今回、改めて検索してみました。
作者には特に感慨の消えないきっかけなり、関わりがあるのでしょう。
青少年に絶大の人気、支持がつづいていた漫画のことも記憶しています。
2. 留袖をよそおう娘に縮緬のマスクを二枚手づくりしたり ひらら
留め袖は大人の女性を輝かせる特別の機会と装いですね。
それに深い心遣いを添える縮緬のマスク。
幾つになっても親はありがたい。2枚というところに愛を感じる。
時節にぴったり。素敵な親子関係のこぼれる、温かい歌。
3. ノーマスク「あら、老けたわね」「お互いに」声には出さね目は素直なり フミコ
4. 捨てに行く恋文に見えるかもしれずマスク片手に夜道を行けば ウプラ
「恋文を捨てに行く」…? この方は鬼女か天女か。
どちらもマスクは不要の方。
上の句の、境界線上に生きるような危うげな感じと、それを捨てるという断固たる意思を持つ詠い方の均衡に惹きつけられます。
作者独特の表現の世界。
恋文を捨てると言うところが個性的。焼くでもなく、返すでもない無関心がいかにも涼しい。
マスク片手の夜道はなかなか思いつかない、体験した人の強み。
5. コロナ菌4年目も空中飛び交うや真夏のマスクは鼻穴の下に さらら
コロナは4年目を徘徊している。(菌というところに違和感を持ちますが…)
真夏のマスクの暑さと息苦しさは耐えがたい。
人に近接しなければ鼻の下にずらしている方をよくみかける。気持ちはわかます。ずらせば確かに幾分涼しい。鼻穴…ビケツと読むのでしょうか。
何となく短歌的に抵抗があるのですが…。
6. 記憶にあるかすかな夾竹桃の香を確かめんとしてマスクを外す たかし
作者には夾竹桃にまつわる大切な記憶があるのだろうと読みました。
香りがかすかなのは遠い記憶のせいなのか、香りそのものの弱さなのか想像が広がります。
確か作者丹精の畑にいきいきと写っていたように思いますが…。
(風前灯ボードに。)
Re: 2022.07.07(木) 題詠「熱中」・ 鑑賞「マスク」
Re: 2022.07.07(木) 題詠「熱中」・ 鑑賞「マスク」