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2022.09.22 (木) 題詠「肉体」・ 鑑賞「明暗」
投稿日 | : 2022/09/16(Fri) 09:04 |
投稿者 | : フミコ |
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2022.09.22 (木) 題詠「肉体」・ 鑑賞「明暗」
題詠 「肉体」
観賞 「明暗」
出題 ひさおさん
※ 鑑賞「明暗」
1. 明暗は生まれし時代(とき)にも左右さるわれ働きしは高成長時代 ひさお
2. 父と子の松明暗き参道の石畳仄(ほの)と照らす宵宮 ひらら
松明〜たいまつ
3. 無住寺の灯明暗く揺らぐ道こんな時にはつなぐ手の欲し フミコ
4. 明暗の暗にかたむく長月を秋明菊のしろは咲きつぐ ウプラ
5.比叡山の夢見が丘に湖見放くわれ六対四の明暗に生く さらら
6. 明暗を分くるは大義のあるかないかウクライナ軍反転攻勢 たかし
Re: 2022.09.22 (木) 題詠「肉体」・ 鑑賞「明暗」
投稿日 | : 2022/09/23(Fri) 17:21 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
皆さん、ご批評ありがとうございました。
今回は短歌らしく仕上げてみました。
ちょっと今私は、歌の基幹部で細胞分裂が始まるかもしれなくて、
頭がむりむり?してます。題詠では難しいけど、へへへ。
Re: 2022.09.22 (木) 題詠「肉体」・ 鑑賞「明暗」
Re: 2022.09.22 (木) 題詠「肉体」・ 鑑賞「明暗」
投稿日 | : 2022/09/23(Fri) 12:05 |
投稿者 | : たかし |
参照先 | : |
6. 明暗を分くるは大義のあるかないかウクライナ軍反転攻勢 たかし
みなさん批評ありがとうございました。
ひさおさんが、【3句の「あるかないか」の調子がよくない。
「あるなしに」ではどうだろう。】
と言ってくれました。その通りに私も思います。あるなしに、がいい。
Re: 2022.09.22 (木) 題詠「肉体」・ 鑑賞「明暗」
Re: 2022.09.22 (木) 題詠「肉体」・ 鑑賞「明暗」
Re: 2022.09.22 (木) 題詠「肉体」・ 鑑賞「明暗」
投稿日 | : 2022/09/22(Thu) 23:18 |
投稿者 | : ひらら |
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1. 明暗は生まれし時代(とき)にも左右さるわれ働きしは高成長時代 ひさお
作者の働き盛り現役の時代は高度成長時代。企業戦士と称されよく働き活躍、実績ものこされたのでしょう。今の企業をつい思ってしまう。ある意味よき時代ときであったとしみじみ思ってられる作者の思いの作品。
2. 父と子の松明暗き参道の石畳仄(ほの)と照らす宵宮 ひらら
松明〜たいまつ
3. 無住寺の灯明暗く揺らぐ道こんな時にはつなぐ手の欲し フミコ
心寂しい状景設定の詠い出しで「つなぐ手の欲し」で詠い納めている。3句までの暗が「こんな」の口語で明かるく転換。きっと手をつないでくれる人現れたのでしょうと、読み手は想像する。させる。1首が明暗のお題そのもの。
4. 明暗の暗にかたむく長月を秋明菊のしろは咲きつぐ ウプラ
日が短くなってくる長月、まさに明暗が暗に傾く。紅いろでなく白の秋明菊の取り合わせも佳い。初秋より晩秋までの花は小さくなるが咲きつぐ。秋明菊、貴船鞍馬では、貴船菊とよばれ自生している。
5.比叡山の夢見が丘に湖見放くわれ六対四の明暗に生く さらら
琵琶湖一望の夢見が丘に立ちわが半生の明暗は六対四だと思う作者。謙虚な幸せ感にひたってられるよう。
6. 明暗を分くるは大義のあるかないかウクライナ軍反転攻勢 たかし
ウクライナはどうなるのだろう。2月24日より7ヶ月にもなる。この戦いの明暗を分ける「大義」とは?2国の指導者はじめ誰に問えばと考えてしまう。歌を詠むことがおわりへの祈りかと何もできない私は思ってしまう。詠まれる作者へ敬意。
Re: 2022.09.22 (木) 題詠「肉体」・ 鑑賞「明暗」
Re: 2022.09.22 (木) 題詠「肉体」・ 鑑賞「明暗」
投稿日 | : 2022/09/22(Thu) 20:16 |
投稿者 | : ウプラ |
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1. 明暗は生まれし時代(とき)にも左右さるわれ働きしは高成長時代 ひさお
人生の明暗を働くという観点から考えてみると、そこには生まれた時代という偶然性が大きくかかわっていることに気がつく。
奇跡的な高度成長期に働くことになった自分は、サラリーの面でも働き甲斐の面でも恵まれていた。生まれた時代によってその明暗は別れるのだという感慨は、長いタイムスパンをとって得ることのできた結論。
傲らず虚飾のない思いに、ホントだなあ、と素直に納得。
2. 父と子の松明暗き参道の石畳仄(ほの)と照らす宵宮 ひらら
松明〜たいまつ
「明暗」という視覚的に相反する言葉をそれぞれに具体化した「松明暗き参道」の言葉の繋がり方が好き。
初句から全ての言葉が「宵宮」にかかっていく。長すぎるので「宵宮」をもっと前に出す工夫を。
3. 無住寺の灯明暗く揺らぐ道こんな時にはつなぐ手の欲し フミコ
心細さが伝わる上句から下句への展開。
「こんな時にはつなぐ手の欲し」・・・読み手に直接的に訴えてくるフレーズだ。
ここが強くて良いと思った。
4. 明暗の暗にかたむく長月を秋明菊のしろは咲きつぐ ウプラ
5.比叡山の夢見が丘に湖見放くわれ六対四の明暗に生く さらら
数字では表せないはずの「明暗」を敢えて「六対四」と表したところが面白いと思った。「夢見が丘」という地名も一役かっていよう。
「われ」は要るか? 「六対四の明暗を生き(来て)」で十分かも。
6. 明暗を分くるは大義のあるかないかウクライナ軍反転攻勢 たかし
思わずテレビに向かい身体を前に乗り出して、「よしっ!」と言ってしまう「ウクライナ軍反転攻勢」のニュース。
「大義」は強し、「大義」は明るし。
この歌の「明暗」は我々の心の明暗と読んだ。
でも蛇足だが、「大義」は〈幻想〉ってこともあるから気をつけなくっちゃね。
Re: 2022.09.22 (木) 題詠「肉体」・ 鑑賞「明暗」
Re: 2022.09.22 (木) 題詠「肉体」・ 鑑賞「明暗」
投稿日 | : 2022/09/22(Thu) 13:31 |
投稿者 | : フミコ |
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1. 明暗は生まれし時代(とき)にも左右さるわれ働きしは高成長時代
ひさお
(人生の明暗は)人が生まれ、生きた時代にも大きく影響される。
作者の働いた時代はまさに日本の高度経済成長期。
作者も先陣を牽引する企業戦士として陽の当たるレールの上を疾駆されていたと想像する。
顧みるに懐かしい得がたい思い出。
2. 父と子の松明暗き参道の石畳仄(ほの)と照らす宵宮 ひらら
松明〜たいまつ
父子で宵宮に松明を掲げてお祭りに参加できるなんて天下泰平、家内安全隆盛の証とされてきた。
内外の慌ただしい時代の流れの中にも郷愁の中に身をおける一瞬があった。
1, 父の掲げる松明のほの暗い参道を父の手を握り締めて歩いている子、
2, 宮役のため、ともに神事に奉仕している父子….二つの情景が浮かびました。
3. 無住寺の灯明暗く揺らぐ道こんな時にはつなぐ手の欲し フミコ
4. 明暗の暗にかたむく長月を秋明菊のしろは咲きつぐ ウプラ
暗にかたむく長月を…日一日と夜がながくなってゆくことの微かな憂鬱ともの寂しさを秋明菊に重ねられて、表現に蓄積の並ならぬものが滲み出る。
追いつけません。
「日が短くなってきたけれど、秋明菊は長いこと咲きますねぇ」
5. 比叡山の夢見が丘に湖見放くわれ六対四の明暗に生く さらら
自分の人生における幸不幸の割合を六対四に採点したところがユニーク。
夢見が丘に立ち、視野いっぱいの琵琶湖を前にしていると、幸運も不運も済んだことには拘らない。これから先もなるようになるでしょう。
暗すぎず明るすぎない達観の均衡に作者の人生も歌も支えられている。
6. 明暗を分くるは大義のあるかないかウクライナ軍反転攻勢 たかし
ロシア軍に疲労と弛緩と混乱がちらつき始め、あまつさえプーチンの引退を迫る動きがロシア国内にも広がる気配濃厚と聞く。
祖国と同胞を守るため死守するウクライナ軍に神の御加護をとローマ法王も
祈りを捧げたというからまさに大義の在処は保証されている。
一刻も早く理不尽な殺戮の終焉を祈るばかりです。
Re: 2022.09.22 (木) 題詠「肉体」・ 鑑賞「明暗」
Re: 2022.09.22 (木) 題詠「肉体」・ 鑑賞「明暗」
Re: 2022.09.22 (木) 題詠「肉体」・ 鑑賞「明暗」
投稿日 | : 2022/09/22(Thu) 10:33 |
投稿者 | : ひさお |
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1. 明暗は生まれし時代(とき)にも左右さるわれ働きしは高成長時代 ひさお
2. 父と子の松明暗き参道の石畳仄(ほの)と照らす宵宮 ひらら
松明〜たいまつ
「松明」と「暗き」でうまく明暗をクリアした。
明日はお祭りという前夜。松明をかざしてお参りする。
父と子が暗い松明をかざしながら参道の石畳を歩いている。
「照らす」の主語がやや不明になっているように思う。「松明」と「照らす」が離れすぎているから
だろう。
3. 無住寺の灯明暗く揺らぐ道こんな時にはつなぐ手の欲し フミコ
明暗を「灯明」と「暗く」でうまくクリアした。
「灯明暗く揺らぐ道」はうまい。「つなぐ手の欲し」も状況にぴったりである。
4. 明暗の暗にかたむく長月を秋明菊のしろは咲きつぐ ウプラ
旧暦9月にはよくないことがやや多く起きた。菊のようなシロバナシュウメイギクが
きれいに白い花を次から次へ咲かせるので、気分は落ち着いて穏やかである。
「秋明菊のしろは咲つぐ」はうまい表現だ。
5.比叡山の夢見が丘に湖見放くわれ六対四の明暗に生く さらら
誰の人生にも明暗はある。作者は明が60%、暗が40%であるという。
夢見が丘から琵琶湖を遠く見ながら、長い人生を振り返っている。
4句「われ六対四の」が詩歌らしくない。いい表現はないものか。
6. 明暗を分くるは大義のあるかないかウクライナ軍反転攻勢 たかし
3句の「あるかないか」の調子がよくない。
「あるなしに」ではどうだろう。
最近ウクライナ軍の反転攻勢がしばしばニュースになっている。本当であればいいのだが。
Re: 2022.09.22 (木) 題詠「肉体」・ 鑑賞「明暗」
投稿日 | : 2022/09/22(Thu) 09:52 |
投稿者 | : たかし |
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※ 鑑賞「明暗」
1. 明暗は生まれし時代(とき)にも左右さるわれ働きしは高成長時代 ひさお
作者は良い時代(高成長時代)に働き盛りを迎えるように生まれた。
これに対比して現在の行き詰まり(息詰まり)の時代に働き盛りを迎えている今の30代、40代の若い世代を私は思った。
わたしもほぼ作者と同世代なので、良い時代に生きてきたもの…と昭和の40年代50年代を思う。
だから、明暗を左右するのは生まれた時代によるというこの歌の主意は肯定したい。
ただ、二句に「生まれし時代(とき)にも」と、「も」がついている。
人の明暗を左右するのは時代だけではない。当人の生き方、努力、そして周りの家族・友人に恵まれたか、などの運も左右することを、この「も」は、雄弁に語っている。
面白い発想の歌だ。
2. 父と子の松明暗き参道の石畳仄(ほの)と照らす宵宮 ひらら
松明〜たいまつ
お題分割連動詠法達人の、ひららさん、今回も松明と暗きに、見事に分割した。
参道の石畳、そして宵宮とあるので、お祭りのある神社に父と子が居る。
そして、松明を父も子も持っている。ということは、このお祭りの氏子なのだと思う。
作者は、この「父と子」に対してどういう位置・関係にあるのか。それが分かると、もう少しこの歌に分け入っていけるように思う。このままでは何を言わんとしているのか不明。
3. 無住寺の灯明暗く揺らぐ道こんな時にはつなぐ手の欲し フミコ
この歌も「灯明」と「暗く」に分割している。
そして「暗く揺らぐ道こんな時には・・・・」が、とてもいい。
無住寺であることも重要な要素だ。成功!
4. 明暗の暗にかたむく長月を秋明菊のしろは咲きつぐ ウプラ
長月なので長いので、秋明菊のしろは「咲きつぐ」なのだと解釈した。
上句「明暗の暗にかたむく」を、いま、世の中で起こっている事象を考えたが、これは作者個人の上にふりかかった明と暗のことであると気が付いた。
気がふさぐようなことが続いた作者、咲いている秋明菊を見るともなく見ている姿が浮かぶ。
その白い花の明るさを見ることで現在の暗い状況を(意図せずに)緩和しようと、しているのだろう。
「長月」に対しての「咲きつぐ」がよく符号して、成功している。
5.比叡山の夢見が丘に湖見放くわれ六対四の明暗に生く さらら
第三句の「見放く」は「みさく」と読むと、前に教わった。
上句の夢見が丘は比叡山の中腹にある峠で、びわ湖を眼下に見下ろす長めのよい場所。
下句の「われ六対四の明暗に生く」だが、明が六で暗が四ということだと思う。
これが逆であれば、とても苦しい人生だが、明の方が多いので明るく生きていけるのだ。
ただ、歌としては「六対四の」が、数学の難問みたいに考えてしまう。
6. 明暗を分くるは大義のあるかないかウクライナ軍反転攻勢 たかし
Re: 2022.09.22 (木) 題詠「肉体」・ 鑑賞「明暗」