トップページ > 記事閲覧
2022.10.13(木)題詠「移」・ 鑑賞「すすき、 薄、 芒」
投稿日 | : 2022/10/07(Fri) 09:22 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
2022.10.13 (木)
題詠 「移」
観賞 「すすき、 薄、 芒」
出題 ウプラさん
「すすき、薄、芒」
1, ひらひらとしろき二枚の足のうら門を出で夜のすすき河原へ ウプラ
2. いつまでも夏を生きたきわが前に薄は花穂をほらほらと振る たかし
3, おれはかはらのかれすすき森繁久弥(もりしげ)の唄ひたる歌よく口遊む ひさお
4, 吾亦紅われに教うとすすき押え傷おいし友逝きて幾年(いくとせ) ひらら
5, 輪郭の無きちちははの思い出は初冬の芒七十七年(戦後) フミコ
6. 真夜中に酔いどれ連れて夫の歌う枯れすすき聞ゆ望月の下 さらら
Re: 2022.10.13(木)題詠「移」・ 鑑賞「すすき、 薄、 芒」
投稿日 | : 2022/10/14(Fri) 20:40 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
ひらひらとしろき二枚の足のうら門を出で夜のすすき河原へ ウプラ
皆さん、ありがとうございました。
魂が芒に呼ばれて出かけるような情景を感覚的に詠ってみました。
すすきって幻想的ですね。
富士の裾野に仙石原という広大な薄原があって、青薄が風にうねるところにも、ほほけ芒が揺れるところにも魅了されました。
ちょっとこの世から離れている感じを受け取っていただけてよかったです。
ただそれだけの歌ですので。
幽玄も、もの悲しさも、虚無も皆さんの心が反応して出てきたものです。
リアリズムではないのでひさおさんは苦手だったかも。でも、ひさおさんの鑑賞を読んで「蝶の足の裏」というものが俄然私のなかで育ち始めました。可憐! いつか歌になるかも〜。
ありがとうございました。
Re: 2022.10.13(木)題詠「移」・ 鑑賞「すすき、 薄、 芒」
投稿日 | : 2022/10/14(Fri) 15:38 |
投稿者 | : たかし |
参照先 | : |
2. いつまでも夏を生きたきわが前に薄は花穂をほらほらと振る たかし
批評ありがとうございました。ウプラさんの言うように「はなほ」と読みたく(読ませたく)かったのですが、
ルビが要るかなあ。
フミコさん「永遠の青年」ワオ!、そうありたいです。気持ちは。
薄にからかわれている・・の意味、たしかにその感じです。
ありがとうございました。
Re: 2022.10.13(木)題詠「移」・ 鑑賞「すすき、 薄、 芒」
投稿日 | : 2022/10/14(Fri) 11:59 |
投稿者 | : ひらら |
参照先 | : |
4, 吾亦紅われに教うとすすき押え傷おいし友逝きて幾年(いくとせ) ひらら
皆さま、ご批評ありがとうごさいました。
薄で傷をおうて吾亦紅を折って下さった先輩歌人は城敏子さん、2010年8月16日送り火の日にご逝去。旧姓(しお)のわたしは城さんと同時に返事をし歌会で笑われました。ご主人の葬儀が鴨川辺の川端三条の壇王法林寺でなされ通る度城さんを思いだしております。
ひさおさん 仮名遣い 教えていただき感謝。
ウプラさん 内容は省略して焦点を。大切なことをいつもダメな。肝にめいじねば。感謝。
フ
ミ子さん 胸のおもいを察してくださり感謝。
Re: 2022.10.13(木)題詠「移」・ 鑑賞「すすき、 薄、 芒」
投稿日 | : 2022/10/14(Fri) 00:23 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
フミコさん
こちらに変更してくださいますようお願いいたします
洗はれて寂しいほどに清潔なパジャマに移すわたしの臭ひ
Re: 2022.10.13(木)題詠「移」・ 鑑賞「すすき、 薄、 芒」
Re: 2022.10.13(木)題詠「移」・ 鑑賞「すすき、 薄、 芒」
投稿日 | : 2022/10/13(Thu) 23:56 |
投稿者 | : さらら |
参照先 | : |
1, ひらひらとしろき二枚の足のうら門を出で夜のすすき河原へ ウプラ
しろきとすすき河原への言葉に 白道が過り もの哀しく虚無空間へ入りこむ。
2. いつまでも夏を生きたきわが前に薄は花穂をほらほらと振る たかし
長い寒い冬が順番を待っている。夏が好ましいのに時は移りゆく
薄は花穂をほらほらと振る素晴らしい表現です。
3, おれはかはらのかれすすき森繁久弥(もりしげ)の唄ひたる歌よく口遊む ひさお
昭和生まれは誰もが枯れすすきを歌っていましたね。森繁久彌の芸風の奥行 魅力ある偉大な俳優でした。
4, 吾亦紅われに教うとすすき押え傷おいし友逝きて幾年(いくとせ) ひらら
歌人は花の名前をよく知っておられ後輩に教えてくださった。
教える時よける薄で手を切られたことが 今も痛々しく記憶に残っている。
5, 輪郭の無きちちははの思い出は初冬の芒七十七年(戦後) フミコ
輪郭の無き父母 お寂しい子供のころから七十七年 初冬の芒なんとも空虚な儚い空間。
6. 真夜中に酔いどれ連れて夫の歌う枯れすすき聞ゆ望月の下 さらら
Re: 2022.10.13(木)題詠「移」・ 鑑賞「すすき、 薄、 芒」
投稿日 | : 2022/10/13(Thu) 23:28 |
投稿者 | : ひらら |
参照先 | : |
すすき、薄、芒」
1, ひらひらとしろき二枚の足のうら門を出で夜のすすき河原へ ウプラ
「しろき二枚の足のうら」何を暗示されているのかしら?何の象徴なのかしら?作者に教えてもらいたい。
夜のすすき原。宵の口かしら。すすきのなびいているのが見えるよう。そこへ、しろい二枚の足のうら。しろさが鮮明にうつる。
2. いつまでも夏を生きたきわが前に薄は花穂をほらほらと振る たかし
夏 朱夏 季節もだが人生真っ盛りの夏を生きたいと念じている作者。秋へと季節はうつろいすすきの花穂が揺れている。実りの秋。ほらほらと振る〜楽しげであり秋のさみしさ、感傷も読みとれる。
3, おれはかはらのかれすすき森繁久弥(もりしげ)の唄ひたる歌よく口遊む ひさお
生活の、また1日のひとこまでよく口遊まれている愛唱歌。ハミングだったり唄ったり。ひさおさんの歌われるのお聞きしたいです。
4, 吾亦紅われに教うとすすき押え傷おいし友逝きて幾年(いくとせ) ひらら
5, 輪郭の無きちちははの思い出は初冬の芒七十七年(戦後) フミコ
戦争で幼い頃、ご両親を亡くされていて父母の面影も定かでは無く、輪郭が無と詠まれている。初冬の芒。すすきの漢字表記 「芒」とされていて読み手の胸にぐっと迫る「七十七年」の具体的な年月、作者の半生の重みが伝わる。
6. 真夜中に酔いどれ連れて夫の歌う枯れすすき聞ゆ望月の下 さらら
お酒好きの今は亡き夫の思い出。共に若い頃、夫の帰宅を待っているのに真夜中に酔いどれを連れ帰宅の夫。枯れすすきの歌声が家に近づいてくる。満月の夜。場面設定が佳。
Re: 2022.10.13(木)題詠「移」・ 鑑賞「すすき、 薄、 芒」
Re: 2022.10.13(木)題詠「移」・ 鑑賞「すすき、 薄、 芒」
Re: 2022.10.13(木)題詠「移」・ 鑑賞「すすき、 薄、 芒」
投稿日 | : 2022/10/13(Thu) 22:35 |
投稿者 | : たかし |
参照先 | : |
「すすき、薄、芒」
1, ひらひらとしろき二枚の足のうら門を出で夜のすすき河原へ ウプラ
この歌を読んで、私はちょっと悲劇的な印象を受けました。
このあいだ、幼い女の子が行方不明になって、たくさんの人が捜した結果、川下で変わり果てて見つかった…というニュース。
靴と靴下が脱いであったという。作者の思いと違う読み方をしてしまったかも知れないと思いつつ。でも、少し悲しい歌。音楽で言うと短調の歌。
2. いつまでも夏を生きたきわが前に薄は花穂をほらほらと振る たかし
3, おれはかはらのかれすすき森繁久弥(もりしげ)の唄ひたる歌よく口遊む ひさお
森繁は本当に優れたエンターティナーだった。歌ってよし、演じてよし、踊ってよし。
わたしも少年時代はよく声に出して唄いました。今は恥ずかしい。
ひさおさんは詩吟で喉を鍛えておられるので、いい声で味のある歌だと思います。
4, 吾亦紅われに教うとすすき押え傷おいし友逝きて幾年(いくとせ) ひらら
すすきの葉はギザギザがあって、逆にこすれたりすると切れますね。
私も切った覚えがあります。「吾亦紅はこれですよ」と、作者に教えようとして、
すすきの葉を押さえた友達が手を切った。その友はもうこの世にはいない。
切ない歌です。
5, 輪郭の無きちちははの思い出は初冬の芒七十七年(戦後) フミコ
「輪郭の無きちちははの思い出」、いま、犬飼志げの歌集の鑑賞をしていますが、
犬飼さんは生後四十日で、その地のお寺の住職の養女となって育ったという。
このフミコさんの歌にも、そのようないきさつを感じます。
4,5歳までの記憶なのかなあ。そのおぼろな思い出を「初冬の芒」に喩えておられる。
初冬の芒というのは、花穂もやせ細っている。向こうが透けて見える。
この喩えが上手いと思った。
6. 真夜中に酔いどれ連れて夫の歌う枯れすすき聞ゆ望月の下 さらら
この「枯れすすき」の歌、森繁の歌っていた「俺は河原の・・」でしょう。
この歌で、いままでさららさんから聞いていたけれども、よく分からなかったご夫君の姿が大分、それこそ輪郭が見えてきました。
「望月の下」が効いている。
Re: 2022.10.13(木)題詠「移」・ 鑑賞「すすき、 薄、 芒」
投稿日 | : 2022/10/13(Thu) 16:30 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
「すすき、薄、芒」
1, ひらひらとしろき二枚の足のうら門を出で夜のすすき河原へ ウプラ
上の句、とても暗示的、幻想的で興味をそそられる。
下の句、さらに幽玄な雰囲気を醸し、三次元の事態ではないのかもしれない。
実態のない、気配の動きと言おうか、もしかしたら束縛を嫌う作者の無意識が三次元へ落した影とでも言おうか。深読みにすぎたかもしれません。
2, いつまでも夏を生きたきわが前に薄は花穂をほらほらと振る たかし
作者は明朗闊達エネルギーの塊、夏の申し子。永遠の青年。
もっとずっと夏を楽しみたい。
いつの間にか季節は移ろい世間はすっかり秋仕様。
とはいうものの「秋だって捨てたもんじゃないよ、楽しんでおくれ」とばかりにすすきは
花穂を風に揺らしている。
パワーに侘びを散らして足元は秋。
3, おれはかはらのかれすすき森繁久弥(もりしげ)の唄ひたる歌よく口遊む ひさお
何回聞いても歌ってもなぜか懐かしさと哀感におそわれる歌。
昭和っ子にはついつられて口ずさんでしまう歌。
作者は楽しんだり悲しんだり小さな救いもありの、自分の中を駆けめぐる走馬灯効果を
捨てがたく抱いておられるのかも。
森繁さんは俳優としても歌手としても人間として真似のできない境地を生きた人として
強く印象に残っています。
4, 吾亦紅われに教うとすすき押え傷おいし友逝きて幾年(いくとせ) ひらら
薄のなかに渋い赤色の実のように見える吾亦紅が咲いている。
これがそうだと薄をかき分けてケガをしながらも教えてくれた友はもう逝ってしまった。
薄の季節、必ず脳裏にあらわれる思い出。
5, 輪郭の無きちちははの思い出は初冬の芒七十七年(戦後) フミコ
6, 真夜中に酔いどれ連れて夫の歌う枯れすすき聞ゆ望月の下 さらら
浩々と輝く満月のもとを大声で歌う枯れすすきの歌が近づいてくる。
なんと、それは酔っぱらった連れとやってくるわが夫。
こんな状況下の妻の気持ち、わかるんですわ。
Re: 2022.10.13(木)題詠「移」・ 鑑賞「すすき、 薄、 芒」
投稿日 | : 2022/10/13(Thu) 15:10 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
1, ひらひらとしろき二枚の足のうら門を出で夜のすすき河原へ ウプラ
2. いつまでも夏を生きたきわが前に薄は花穂をほらほらと振る たかし
悲しくも齢は夏を過ぎ薄の秋である。薄は今を盛りの花穂を振って揺れている。揺れてはいるが揺れているだけで、自分と何かあるわけではない。(あたりまえだ)
「花穂」の「花」に色気があって「ほらほら」に笑ってしまった。上手い!
「花穂」は「はなほ」と読みたいのだが「かすい」というらしい。それでも「はなほ」と読みたくて悩ましい。
哀歓の混ざり具合が絶妙で好きな歌です。
3, おれはかはらのかれすすき森繁久弥(もりしげ)の唄ひたる歌よく口遊む ひさお
森繁久弥の歌、よかったですね。子供の頃、家にLPレコードがあって「銀座の雀」などもよく聴きました。
「唄」と「歌」を使い分けて丁寧。森繁久弥には「唄ふ」がよく似合う。
「唄ひし歌を」がベターかなぁと思う。
ひさおさんと一杯酌み交わしながら聴いてみたい「枯れすすき」です。
4, 吾亦紅われに教うとすすき押え傷おいし友逝きて幾年(いくとせ) ひらら
遠いはかないものへの懐かしさを表そうとされた。
歌意は、私に吾亦紅を教えてくれようとして薄を押さえたとき、薄の葉で指を切ってしまった友人。その友人が亡くなってもう何年になるだろうか。
ゆったりと詠いたい歌ですが、内容がやや盛り沢山な気がします。結句は割愛し、四句までで一首とされるのが適当かと思いました。
5, 輪郭の無きちちははの思い出は初冬の芒七十七年(戦後) フミコ
「輪郭の無き」は父母の姿形の記憶がないということと推測する。「初冬の芒」は穂綿の状態か、それともすでに種が飛んでしまった後の状態かはわからない。いずれにしてもその思い出の寂しさは茫漠としたまま、77年抱えたままなのである、と読んだ。
言い切れない思いは比喩で表すしかない。「思い出は初冬の芒」、良いと思いました。
6. 真夜中に酔いどれ連れて夫の歌う枯れすすき聞ゆ望月の下 さらら
良い情景。一緒にいると大変そうな夫だが良いところも沢山あったにちがいない。この作品では懐かしさが伝わってくる。
昔、酔っぱらいの飲み仲間を家に連れて来た夫。
その夫の歌声を望月の下で今聴いている、と解釈しました。
時制の読みにちょっと迷ったので
「酔いどれを連れて夫の歌いける『枯れすすき』聞こゆ望月の下」でどうかなぁと思いました。
Re: 2022.10.13(木)題詠「移」・ 鑑賞「すすき、 薄、 芒」
Re: 2022.10.13(木)題詠「移」・ 鑑賞「すすき、 薄、 芒」
投稿日 | : 2022/10/13(Thu) 13:05 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
1, ひらひらとしろき二枚の足のうら門を出で夜のすすき河原へ ウプラ
3句と4句は句またがりとみなした。(当初は句またがりではなく、足のうらで切るのかと思った)。
モンシロチョウが頭の上を飛び、庭からうら門の外へ出た。そのとき作者はモンシロチョウの羽ではなく足に注目した。頭上を飛んだので、足が見えたようだ。細かいところに注目した。
夜とは言っても、まだ蝶が飛べるくらいだから、暗くはなかったようだ。
2, いつまでも夏を生きたきわが前に薄は花穂をほらほらと振る たかし
作者は暑くても夏が好きなのだ。夏が長く続いてほしいという願望を持っている。しかし目の前に薄が穂をだして「ほらほら」と揺れている。作者としては、もう秋だという現実を見せている薄にからかわれているような感情を抱いた。「ほらほらと振る」が面白い。
3, おれはかはらのかれすすき森繁久弥(もりしげ)の唄ひたる歌よく口遊む ひさお
4, 吾亦紅われに教うとすすき押え傷おいし友逝きて幾年(いくとせ) ひらら
これが吾亦紅だと作者に教えようと、すすきを押さえた友はすすきの葉で手を傷つけた。
その友が亡くなってもう何年になるだろうか。
「教うと」という表現はよくない。新仮名遣いなら「教えんと」であろう。
(旧仮名遣いなら「教へむと」)。
5, 輪郭の無きちちははの思い出は初冬の芒七十七年(戦後) フミコ
終戦の年に作者はご両親を亡くされたようだ。それから七十七年になる。
父母の思い出と言っても、ぼんやりとしていて、はっきりしたものはない。ちょうど芒の花穂が初冬
に白く毛羽だって輪郭がぼんやりするように。
「初冬の芒」という喩が独特であり、効いていると思う。
6. 真夜中に酔いどれ連れて夫の歌う枯れすすき聞ゆ望月の下 さらら
ありし日のお連れ合いは呑兵衛だったようだ。真夜中に酔いドレ仲間を連れてきて満月の下で気持ちよく「枯れすすき」を歌っている。その声が家の中まで聞こえてくる。
枯れすすきは「 」があったほうがいいように思う。
「聞ゆ」は「聞こゆ」であろう。
Re: 2022.10.13(木)題詠「移」・ 鑑賞「すすき、 薄、 芒」