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2022.10.20(木) 題詠「曲」・ 鑑賞「移」
投稿日 : 2022/10/14(Fri) 08:55
投稿者 フミコ
参照先

2022.10.20 (木)            

題詠   「曲」                
観賞   「移」   
出題   さららさん 


鑑賞「移」

1. 盆正月息子の泊まる日はソフアーなど移動して敷く干したる布団   さらら

2. 家移りは全部で八度三度目がもっとも狭くて六畳ひと間  たかし

3. 涼風を身に感ずるは夏の去る季節の移ろひゆるりと変はれ  ひさお

4. 脳死時の臓器移植提供をきょうも躊躇いかさねる齢    ひらら

5. デスクワークは性に合わんと朗らかに峡の道ゆく移動販売車   フミコ

6. 洗はれて寂しいほどに清潔なパジャマに移すわたしの臭ひ   ウプラ
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Re: 2022.10.20(木) 題詠「曲」・ 鑑賞「移」
投稿日 : 2022/10/20(Thu) 21:05
投稿者 さらら
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1. 盆正月息子の泊まる日はソフアーなど移動して敷く干したる布団   さらら

2. 家移りは全部で八度三度目がもっとも狭くて六畳ひと間  たかし
長い人生には家移りは半数以上の人が体験している それらが生活の喜怒哀楽をひそめ 各々の歩んだ歴史を物語る。

3. 涼風を身に感ずるは夏の去る季節の移ろひゆるりと変はれ  ひさお
あまりにも早く過ぎ去る季節の移ろい 暑い暑いと疎ましく怠惰に過ごすある日 涼風が身に感じる もう夏が去るのだ。

4. 脳死時の臓器移植提供をきょうも躊躇いかさねる齢    ひらら
若い時には臓器提供いたしますと純粋だった。年を重ねるごとにそんな立派な行為も躊躇する昨今に変わったな〜と苦笑している。

5. デスクワークは性に合わんと朗らかに峡の道ゆく移動販売車   フミコ
部屋に籠る仕事は適さないと 緑の山や田園をすいすい駆けゆく移動販売車を作者と重ねて見送っている。

6. 洗はれて寂しいほどに清潔なパジャマに移すわたしの臭ひ   ウプラ
旅の宿の洗濯されたシーツに休むとき いつも一人の私は無性に孤独を感じる。日常の諸々の匂いのある空間が安楽できるのが不思議。
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Re: 2022.10.20(木) 題詠「曲」・ 鑑賞「移」
投稿日 : 2022/10/20(Thu) 20:18
投稿者 さらら
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口論に君は山道の七曲りに降りろと言いて黙すドライブ  さらら
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Re: 2022.10.20(木) 題詠「曲」・ 鑑賞「移」
投稿日 : 2022/10/20(Thu) 19:58
投稿者 ウプラ
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つつまれてとてもしずかな足の指しろいさなぎのやうに曲がつて   ウプラ
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Re: 2022.10.20(木) 題詠「曲」・ 鑑賞「移」
投稿日 : 2022/10/20(Thu) 19:56
投稿者 ウプラ
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1. 盆正月息子の泊まる日はソフアーなど移動して敷く干したる布団   さらら
ソファーを動かして空いた場所をつくりそこに布団を敷く。なかなか重労働だ。それでも息子の来る嬉しさに、日に干した良い匂いの布団を用意するのである。大変そうだがイソイソという感じ。

2. 家移りは全部で八度三度目がもっとも狭くて六畳ひと間  たかし
8度の引っ越しを経験して、それぞれの場所に愛着はあるが、なかでも6畳ひと間のあの部屋は忘れ難い。若く貧しかった自分たちが色濃く思い出される、というようなことかなぁと想像した。数詞で仕上げたらしいがやや大味か。

3. 涼風を身に感ずるは夏の去る季節の移ろひゆるりと変はれ  ひさお
夏が去ってゆくのが肌に触れる風の涼しさでわかる。「ゆるりと変はれ」に愛惜の情をのせていて気持ちが伝わる。「夏の去る」と「季節の移ろひ」が若干ダブるので「夏」か「季節」かどちらか一つにするのがよいように思う。

4. 脳死時の臓器移植提供をきょうも躊躇いかさねる齢    ひらら
死後に臓器移植をしようかともう長いこと迷っている。決められないまま随分歳をかさねてしまった。
「躊躇いかさねる齢」が年単位の時間の長さなので、「きょうも」はどうだろうか?1日も休まずという感じになるので、「躊躇いためらい齢かさねる(つ)」のくらいの方が自然かもしれない。
あるいは、「きょうも躊躇い日々を重ねる」とか。

5. デスクワークは性に合わんと朗らかに峡の道ゆく移動販売車   フミコ
「朗らかに」が効いている。自分に合った職業を選び、人と比べずマイペースに気持ちよく生きている人の爽やかさが伝わる。
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Re: 2022.10.20(木) 題詠「曲」・ 鑑賞「移」
投稿日 : 2022/10/20(Thu) 17:55
投稿者 たかし
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鑑賞「移」
1. 盆正月息子の泊まる日はソフアーなど移動して敷く干したる布団   さらら
 ソファーを移動して・・・常は独りでシンプルに暮らしている作者。
 息子といえどもそこに泊まるときは余分に布団を敷いたりしなくてはいけない。
 で、布団を敷くのだが「干したる布団」である。ここに母親である作者の心が出ている。

2. 家移りは全部で八度三度目がもっとも狭くて六畳ひと間  たかし

3. 涼風を身に感ずるは夏の去る季節の移ろひゆるりと変はれ  ひさお
 急に季節が変わるのでなく「ゆるりと変れ」と言う。
 ここには多くの読者も共感する思いがある。特に最近の気象の激変時代には。
 ただ「涼風を・・・季節の移ろひ」までの部分は、非常にていねいな言い方とも言えるが、もたもたしているとも感じる。

4. 脳死時の臓器移植提供をきょうも躊躇いかさねる齢    ひらら
 これ、最近の健康保険証に記入する欄が出来ていますね。
@ ,A,Bと選ぶようになっていて、保護シールを貼るようになっている。
 脳死時に臓器提供をするは@だと思う。わたしは心臓が停止したら提供するのAに〇をしました。
 脳死状態というのが、どういう状態か、まだはっきり分からないので。
 おそらく作者も、私と同じような思いを持って躊躇いを重ねておられるのではないか。
 面白いところを捉えた。

5. デスクワークは性に合わんと朗らかに峡の道ゆく移動販売車   フミコ
 移動販売車、以前、比叡平によく仕事に行っていたとき、その地域を回っているおじさんが居ました。
 そのおじさんと親しくなって、よく話したのですが、作者も多分、この移動販売のおじさん(この歌の場合はお兄さんに感じる)と親しく、突っ込んだ話もする間柄なのだ。
 そのお兄さんは、勤めが性に合わないと、おそらく脱サラをしてこの移動販売の仕事に就いたのではないかと、この歌から推測した。
 朗らかに峡の道ゆく、スピーカーに音楽を、また宣伝をしながら走ってゆくのが、山間の町、村に居ると聞こえるのである。「朗らかに」が、この青年(か?)の選んだ道を作者が肯定していると感じさせる。

6. 洗はれて寂しいほどに清潔なパジャマに移すわたしの臭ひ   ウプラ
 洗って清潔になったパジャマは、気持ちがよいものだが、有機的な匂いがないものを作者は「寂しいほどに」と言う。
 ここに作者の感性がよく出ている。人恋しい秋の歌。
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Re: 2022.10.20(木) 題詠「曲」・ 鑑賞「移」
投稿日 : 2022/10/20(Thu) 16:54
投稿者 たかし
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まっすぐな柿の木はない木登りを教わりし柿の木も曲がりいし   たかし
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Re: 2022.10.20(木) 題詠「曲」・ 鑑賞「移」
投稿日 : 2022/10/20(Thu) 16:18
投稿者 さらら
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お題  時
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Re: 2022.10.20(木) 題詠「曲」・ 鑑賞「移」
投稿日 : 2022/10/20(Thu) 16:03
投稿者 ひらら
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1. 盆正月息子の泊まる日はソフアーなど移動して敷く干したる布団   さらら
盆正月年に二度ほど泊まり掛けの帰省をされる息子さん。「ソファーを移動し布団を敷く」高齢の身も忘れイソイソウキウキうれしい母親の姿気持ちが、「干したる布団」に深く細やかな愛情慈しみが詠まれている。二つの具体例が佳い。一族の要の作者の姿。

2. 家移りは全部で八度三度目がもっとも狭くて六畳ひと間  たかし
短歌の少ない音数、言葉。ハ、三、六、一(ひとつ)の数詞を詠み作者の半生を表現されている。短歌一首は長編小説にもまさるとのことばを思い出している。八度目の引っ越しの今は屋敷畑を耕しの暮らし、八 末広がりである。


3. 涼風を身に感ずるは夏の去る季節の移ろひゆるりと変はれ  ひさお
季節の移ろいを肌身で敏感に感じ取られている。すぎゆく夏へのノスタルジア。ゆっくりと変わっていってと願ってられるよう。

4. 脳死時の臓器移植提供をきょうも躊躇いかさねる齢    ひらら

5. デスクワークは性に合わんと朗らかに峡の道ゆく移動販売車   フミコ
山間地の生活を支えてくれている移動販売車、店主とお得意様の人々との交流が、デスクワークがあわんとの言葉でほのぼのとわかる。
街中だから便利とも言えずです。以前のように個人商店も無くなり、御用聞きも無く、配達も以前ほどではないですし。

6. 洗はれて寂しいほどに清潔なパジャマに移すわたしの臭ひ   ウプラ
洗濯後の清潔なパジャマはさみしいほどだと。鋭く豊かな感性に脱帽。眠り一夜明けたら自分のにおいが移りほっとする。幼子がママの服や毛布を抱いて眠りにつくのを思い出している。
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Re: 2022.10.20(木) 題詠「曲」・ 鑑賞「移」
投稿日 : 2022/10/20(Thu) 14:37
投稿者 ひらら
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詠草

先代より受け継ぎし尺(さし)と真鍮の曲尺(かねじゃく)をもつ若き棟梁 ひらら
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Re: 2022.10.20(木) 題詠「曲」・ 鑑賞「移」
投稿日 : 2022/10/20(Thu) 13:33
投稿者 ひさお
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直角を簡単に描ける曲尺(かねじゃく)を実務で使ふ現場今や見ず  ひさお
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Re: 2022.10.20(木) 題詠「曲」・ 鑑賞「移」
投稿日 : 2022/10/20(Thu) 13:31
投稿者 ひさお
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1. 盆正月息子の泊まる日はソフアーなど移動して敷く干したる布団   さらら
遠来の息子さんの帰宅の対応はちょっと手間がかかりますね。
「干したる布団」によって細やかな親心がわかります。

2. 家移りは全部で八度三度目がもっとも狭くて六畳ひと間  たかし
 八度の引っ越し。それは大変でした。三度目はまだお子さんのおられないときだったのだ  
ろう。私も同じくらい引っ越しをしました。家族が親しんだ人たちと別れるのが大変。

3. 涼風を身に感ずるは夏の去る季節の移ろひゆるりと変はれ  ひさお

4. 脳死時の臓器移植提供をきょうも躊躇いかさねる齢    ひらら
臓器移植提供は決断が必要。躊躇する作者の気持ちはわかります。
私もまだ提供することにはしていません。

5. デスクワークは性に合わんと朗らかに峡の道ゆく移動販売車   フミコ
移動販売車。食品を販売するのであろうか。「峡の道ゆく」だから商店も少なく、頼りにしている人が大勢いるようだ。「デスクワークは性に合わんと」いう運転手の言葉を入れたことによって、住民と運転手との繋がりが深まっていることがわかる

6. 洗はれて寂しいほどに清潔なパジャマに移すわたしの臭ひ   ウプラ
洗濯したての清潔なパジャマを「寂しいほどに清潔な」と表現している。
洗濯したパジャマを着ることを「移すわたしの臭ひ」と表現した。
これらは独特の表現だと思う。
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Re: 2022.10.20(木) 題詠「曲」・ 鑑賞「移」
投稿日 : 2022/10/20(Thu) 13:17
投稿者 フミコ
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鑑賞「移」

1. 盆正月息子の泊まる日はソフアーなど移動して敷く干したる布団   さらら
母親にとって子は幾つになっても子供。
盆や正月、帰郷の一報が入れば俄然パワーが湧き出すようで、子の喜ぶ顔を想像しながらあれこれ精が出る。普段ならやらないような事もスイスイと出来るから不思議ですね。

2. 家移りは全部で八度三度目がもっとも狭くて六畳ひと間  たかし
若き日の引っ越経験合計八度。
転勤によるものか、根っからの趣味なのか、八回といえばもはやエキスパート。
四季おりおりの植物に癒やされ愛着を持たれて精を出される現在の暮らしを大切にしながら過越し若き日々を懐かしんでおられる。

3. 涼風を身に感ずるは夏の去る季節の移ろひゆるりと変はれ  ひさお
季節の移ろいは終わりと次がオーバーラップしていつのまにか塗り変わっていく。
気温が急激に乱高下することもあるが、心の、体の、見巡りの準備ができるよう、
ゆっくりと移ろってほしいものだ。

4. 脳死時の臓器移植提供をきょうも躊躇いかさねる齢    ひらら
・ 若い日に申請しておいた臓器移植の意志を執行に近づく年齢を生きている、
・ これまでの人生で自分を含め家族のことでも危うい命を延命できた、
さまざまの来し方を思い起こす度に医療への感謝も湧くが、あらためて臓器移植を
考えるとためらいに揺れる気持ちをかかえている。

5. デスクワークは性に合わんと朗らかに峡の道ゆく移動販売車   フミコ

6. 洗はれて寂しいほどに清潔なパジャマに移すわたしの臭ひ   ウプラ
自分の匂いも油もすっかりとれて、一瞬、誰の物ともわからないくらいに清潔に
洗われふんわり乾いたパジャマ。
一晩着て「私の匂い」が移っている、やっと私になったパジャマ。
匂いに対するこだわりはやっぱりニンゲンは動物なんだと再確認しているのでしょうか。
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Re: 2022.10.20(木) 題詠「曲」・ 鑑賞「移」
投稿日 : 2022/10/20(Thu) 13:14
投稿者 フミコ
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図らずもわが人生の七曲がり可否混交のひと世と括る  フミコ
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