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2023.03.23(木) 題詠「すみれ、菫」・ 鑑賞「長所」
投稿日 | : 2023/03/17(Fri) 08:46 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
2023.03.23 (木) 題詠「すみれ、菫 」・鑑賞「長所」
題詠 「すみれ、菫」
観賞 「長所」
出題 フミコ
鑑賞「長所」
1. わがままな跡取り息子と六十年わたしの長所に気付かぬか君 フミコ
2. 長所なぁ、長所なぁと春の夜を歩いて短所の裏にみつける ウプラ
3.歳重ね長所短所はフアジーなり黄の水仙は庭に沸き立つ さらら
4. 器用さは長所にあらずあれもこれも手を着けあれもこれも生半可 たかし
5. わが犬は誰にでもよく吠えまくる長所といはむか短所といはむか ひさお
6. 舅姑(ちちはは)の長所を数え日々暮らせ末尾に一行記せり母は ひらら
Re: 2023.03.23(木) 題詠「すみれ、菫」・ 鑑賞「長所」
投稿日 | : 2023/03/25(Sat) 18:55 |
投稿者 | : たかし |
参照先 | : |
4. 器用さは長所にあらずあれもこれも手を着けあれもこれも生半可 たかし
自分の実際の背以上のご批評をいただいたようでありがとうございます。
ウプラさんの三句「あれこれと」がいい。
なるほどと思いました。そうしたいと思います。
Re: 2023.03.23(木) 題詠「すみれ、菫」・ 鑑賞「長所」
投稿日 | : 2023/03/24(Fri) 20:12 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
こんばんは。
長所なぁ、長所なぁと春の夜を歩いて短所の裏にみつける ウプラ
たかしさんのおっしゃるように自分の長所なんてあまり考えたことがないんで、そんな感じで歌になりました。
「長所かぁ、長所なぁ」としてみたらどうかというひさおさんからの提案。
その方がちょっと変化があっていいですね。いただきます。
ありがとうございました〜
Re: 2023.03.23(木) 題詠「すみれ、菫」・ 鑑賞「長所」
投稿日 | : 2023/03/23(Thu) 20:13 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
1. わがままな跡取り息子と六十年わたしの長所に気付かぬか君 フミコ
2. 長所なぁ、長所なぁと春の夜を歩いて短所の裏にみつける ウプラ
長所と短所は概ね表裏一体。
誰でももっている。けれども見る人、感じる人、行う人によってはどちらへも転がる。
時代によっても大きく化ける。
ゆえに犯罪でないかぎり長所も短所も千変万化。
私の短所があの人の長所になっていたりすることがあると面食らったり不公平だと思ったり。
境界はまさにファジーです。
3. 歳重ね長所短所はフアジーなり黄の水仙は庭に沸き立つ さらら
齢が重なるにつれ、自分にも他人にも長所短所は曖昧というか、どうでも良いというか、
少々のことには頓着しなくなってきている。ふと庭を見やると沸き立つように水仙が咲いている。この勢い、生命感、はっと現実に引き戻されたように思われて初句の「歳重ね」に着地した…共感しました。
4. 器用さは長所にあらずあれもこれも手を着けあれもこれも生半可 たかし
多才芸多、羨ましい人生展開。生半可とはなんと奥ゆかしい自己評価。
短歌は大前提としても瓦屋根葺きからズボンの裾上げ、お風呂のリフォーム、AIと将棋、画廊や画材屋さんへの通い慣れた道、菜園づくりetc…..数え上げたら切が無い。
この題詠欄で詠われただけでも10指に余る。
「これを長所と言わずば何とする」などと凡人を代表して申しあげます。
5. わが犬は誰にでもよく吠えまくる長所といはむか短所といはむか ひさお
多分、長所だろうと思います。 わが犬も12歳を超える頃からやたらに吠えるようになり、視覚嗅覚の減退とともに不安が強まってきたのかしらと思っています。…
自分を守り、飼い主を守る愛情と忠誠心の本能だろうとは思っても、ちょっと困りますね。
6. 舅姑(ちちはは)の長所を数え日々暮らせ末尾に一行記せり母は ひらら
親にとっては幾つになっても子は子のまま。
自分の来し方から、子を思う究極の処世術をすべて伝授したいと思う。
有り難い母の思いをしっかり受けとめて真剣に生き、看護師の娘さんやかわいい双子ちゃんを愛一杯に育てておられる歌を詠まれていることにも納得します。
Re: 2023.03.23(木) 題詠「すみれ、菫」・ 鑑賞「長所」
Re: 2023.03.23(木) 題詠「すみれ、菫」・ 鑑賞「長所」
投稿日 | : 2023/03/23(Thu) 17:08 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
1. わがままな跡取り息子と六十年わたしの長所に気付かぬか君 フミコ
これは夫への呼び掛け、文句らしい。「わがままな君のような夫にもメゲズ、明るく幸福でいられる私の強さを長所と気づいているのか、君は」ということでしょう。歌に血が通っている。
長男のことだとばかり思い込んでいたが、ひさおさんの評を読んで解釈を変更した。
2. 長所なぁ、長所なぁと春の夜を歩いて短所の裏にみつける ウプラ
3.歳重ね長所短所はフアジーなり黄の水仙は庭に沸き立つ さらら
上句と下句の間に飛躍があって、ここが詩になっている。良い刺激を受けた。
「黄の水仙」・・・ただでさえ明るいうえに「沸き立」っている。細かいことをふっ切ったところで生きている存在感、生命感を感じた。
4. 器用さは長所にあらずあれもこれも手を着けあれもこれも生半可 たかし
内省的な作者像が浮かぶ。
「手をつける人」はよく動く人。こまめにいつも何かをして動いている。これは長所=美点だと思う。
三句「あれこれと」と5音でいくことも考えられる。
5. わが犬は誰にでもよく吠えまくる長所といはむか短所といはむか ひさお
「吠えまくる」のくだけた口語のあとのあらたまった文語「長所といはむか短所といはむか」が絶妙に面白い。内容、転調、テンポ、口語と文語の関係など、一首全体に年齢の醸し出す何とも言い難い味わい、可笑しみがあって、ふふっと好ましい。
6. 舅姑(ちちはは)の長所を数え日々暮らせ末尾に一行記せり母は ひらら
「末尾に一行」が効いている。嫁いだ娘を案じる母の
心がこの一行に凝縮されて伝わる。
古きよき時代の母の情愛をしっとりと詠われている。
Re: 2023.03.23(木) 題詠「すみれ、菫」・ 鑑賞「長所」
投稿日 | : 2023/03/23(Thu) 16:32 |
投稿者 | : ひらら |
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鑑賞「長所」
1. わがままな跡取り息子と六十年わたしの長所に気付かぬか君 フミ
ご夫婦60年の歴史。作者のご主人に対する心持ち、共感しきりである。私の長所気付かへんのっていわれたことあるのかな?
2. 長所なぁ、長所なぁと春の夜を歩いて短所の裏にみつける ウプラ
長所と短所は裏腹、正反対。春の夜の散歩時、私のは?とおもいながら歩いている。行動と時、情景設定、佳。
3.歳重ね長所短所はフアジーなり黄の水仙は庭に沸き立つ さらら
長所短所をとやかくいわずともいい年齢。まるくなられたと人にいわれるよう。
庭に沸き立つようにさく黄色の水仙。上句下句の対比表現が鮮やか。
4. 器用さは長所にあらずあれもこれも手を着けあれもこれも生半可 たかし
何もかも器用にこなされる作者。生半可と言う。つつましい謙遜歌であろうか。私はうらやましい。
5. わが犬は誰にでもよく吠えまくる長所といはむか短所といはむか ひさお
犬は吠えて意思を伝える。吠えまくるのは
犬にすれば身の危険とか伝えてるのでは。愛犬の気持ちが作者にはわかるのであろう。
6. 舅姑(ちちはは)の長所を数え日々暮らせ末尾に一行記せり母は ひらら
Re: 2023.03.23(木) 題詠「すみれ、菫」・ 鑑賞「長所」
投稿日 | : 2023/03/23(Thu) 14:20 |
投稿者 | : さらら |
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1. わがままな跡取り息子と六十年わたしの長所に気付かぬか君 フミコ
人生の終盤に私は 父母の長所 ありがたみがふつふつと過る。
60歳は己の事のみ生きることに大変な頃
まず母親の長所には無関心だと推察しています
2. 長所なぁ、長所なぁと春の夜を歩いて短所の裏にみつける ウプラ
春の夜 短所の裏に見つける長所 見方によれば長所も短所も溶け合って個性的な独りの人間なのだろう。
3.歳重ね長所短所はフアジーなり黄の水仙は庭に沸き立つ さ
らら
4. 器用さは長所にあらずあれもこれも手を着けあれもこれも生半可 たかし
どんなことでも自分の手でやってしまう特技も どれも完成に至らず加齢も押し寄せ 歯がゆい事しきり。うちの3代の男性ども食卓に座ったら動かずアルコールをあおるのみ。後は寝そべりテレビの前に
5. わが犬は誰にでもよく吠えまくる長所といはむか短所といはむか ひさお
犬は吠えるのが仕事 元気な存在を主に委ねて共有の時間を恵む。
6. 舅姑(ちちはは)の長所を数え日々暮らせ末尾に一行記せり母は ひらら
明治の母親は偉大なり。一言一言含蓄があり 真実である。
親の言われることを守り 今の最高の幸せがあると感謝ですね。
Re: 2023.03.23(木) 題詠「すみれ、菫」・ 鑑賞「長所」
Re: 2023.03.23(木) 題詠「すみれ、菫」・ 鑑賞「長所」
Re: 2023.03.23(木) 題詠「すみれ、菫」・ 鑑賞「長所」
Re: 2023.03.23(木) 題詠「すみれ、菫」・ 鑑賞「長所」
投稿日 | : 2023/03/23(Thu) 10:41 |
投稿者 | : ひさお |
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1. わがままな跡取り息子と六十年わたしの長所に気付かぬか君 フミコ
結婚して60年。何でも言い合える仲のようだ。この作品でも、作者は言いたいことを言っている。連れ合いは作者の長所にもちろん気づいておられるが、気づかぬようなそぶりをしておられるようだ。作者にははっきり口にだして言ってもらいたいという気持ちがあるのだが。
2. 長所なぁ、長所なぁと春の夜を歩いて短所の裏にみつける ウプラ
ユーモアのある詠い方だ。自分の長所を挙げてみようと、考えながら春の夜道を歩いていて、長所と短所は裏表の関係にあることに気づいた。
「長所かぁ、長所なぁ」としてみたらどうか。
3.歳重ね長所短所はフアジーなり黄の水仙は庭に沸き立つ さらら
歳をとれば何が長所で、何が短所なのかあいまいになる。そんなことを考えていると、庭の黄色い水仙が咲き誇っている。長所なのか短所なのか突き詰めなくてもいいではないか、という境地に作者は達しておられるようだ。
4. 器用さは長所にあらずあれもこれも手を着けあれもこれも生半可 たかし
器用な作者は、ほとんどのことを外注せず、自分でやってしまう。私からみればうらやましいことである。作者としては、出来栄えが生半可という評価をされているが、これは謙遜であると思われる。
「あれもこれも」が繰り返されているが、後の方を「なにもかも」としてみたらどうか。
5. わが犬は誰にでもよく吠えまくる長所といはむか短所といはむか ひさお
6. 舅姑(ちちはは)の長所を数え日々暮らせ末尾に一行記せり母は ひらら
最後の「母は」で一首がぐっと引き締まった。
作者が嫁がれるとき、母親からいくつかのメッセージをいただいた。その最後に舅姑の長所を数えて日々暮らすようにと書かれていた。嫁ぎ先での人間関係がうまくいくようにとの大切なアドバイスであった。作者はそれをよく守ったようだ。
Re: 2023.03.23(木) 題詠「すみれ、菫」・ 鑑賞「長所」
投稿日 | : 2023/03/23(Thu) 10:38 |
投稿者 | : たかし |
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鑑賞「長所」
1. わがままな跡取り息子と六十年わたしの長所に気付かぬか君 フミコ
六十年を息子さんと一緒に暮らしている。息子さんは家業を継いでこの家の長となる人。跡取りである。
その息子さんと時折ギクシャクすることがある作者なのだろう。
だからこの下句「わたしの長所に気付かぬか君」になったのだと思う。
息子さんのことを「わがままな」と結論づけ、
自分のことは「長所に気付かぬか」と、自己評価額の高い作者である。その辺りが面白い。
ま、六十年もいっしょにおられるのだから言わないが気付いておられると私は思う。
2. 長所なぁ、長所なぁと春の夜を歩いて短所の裏にみつける ウプラ
自分の長所を探しながら春の夜道を歩いている・・・。
なかなかストンと心に落ちるようなのが見つからない。
浮かぶのは自分の短所ばかり(誰でも自分の短所はすぐ思い浮かぶ)
そのとき、その短所の裏がわが長所なのだと気付いた。(これ発見です。)
×バツ:うっかりしたミスが多い・・の裏:のんびりした性格:○マル・・・のように。
3.歳重ね長所短所はフアジーなり黄の水仙は庭に沸き立つ さらら
ファジーという言葉を久しぶりに見た。こういう流行に乗って出てきた言葉は古びるのも早い。
意味は「曖昧な」なので、
歳を重ねるほどに長所も短所もあいまいになる。黄色の水仙が庭に沸き立つように咲いている・・・
この下句がいいですね。
水仙は白いのが多いですが、黄の水仙はその存在感が際立ってぱっと目を惹く。
上句のファジーの曖昧に対比して、この黄の水仙をもってきたのが良いと思う。
4. 器用さは長所にあらずあれもこれも手を着けあれもこれも生半可 たかし
5. わが犬は誰にでもよく吠えまくる長所といはむか短所といはむか ひさお
犬は最近は室内で愛玩用として飼われることがほとんど。この場合はあまり吠えられるとうるさいので短所となる。
しかし知らない人、怪しい人物が家の周りをウロウロしたときには吠えてくれると用心になって良いので長所。
長短両面あると思う。おそらく作者自身もこう思っているのではないか。だから下句のような文言になったと思う。
「吠えまくる」が、その吠え方の激しさを表していて適切だし面白いと思った。
6. 舅姑(ちちはは)の長所を数え日々暮らせ末尾に一行記せり母は ひらら
「ちちはは」が、舅と姑なので、嫁入りした作者に、実家のお母さんが手紙を出された。
その末尾に、上句のこと「舅姑の長所を数え日々暮らせ」とあった。
短所を見ないで、長所を見るようにして日々暮らしなさい。という母の教え。
貴重な人生訓です。
下句、状況が見える端的な表現。
Re: 2023.03.23(木) 題詠「すみれ、菫」・ 鑑賞「長所」
Re: 2023.03.23(木) 題詠「すみれ、菫」・ 鑑賞「長所」