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2023.6.1(木)題詠「青葉」・鑑賞「狙う 狙ふ」
投稿日 | : 2023/04/28(Fri) 10:01 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
投稿日 2023.4.28(木)
投稿者 ひさお
参照先
2023.6.1(木)題詠「青葉」 鑑賞「狙う 狙ふ」
題詠 「青葉」
鑑賞 「狙う 狙ふ」
出題者 ウプラさん
鑑賞「狙う 狙ふ」詠草一覧
1.星と星目を据え狙い数える子またも飛び立つななほしてんとう ひらら
2.狙われぬやうに巨人の静けさにジンメンカメムシ擬態してゐる ウプラ
3.三人が東寺の花見に興じたり先輩狙われ風呂に孤独死 さらら
4.健全化を狙いたりしが性急過ぎ他者傷つけて不健全となる たかし
5.年の瀬にジヤンボ宝くじ買はむかな狙ふは一つみんなと同じ ひさお
Re: 2023.6.1(木)題詠「青葉」・鑑賞「狙う 狙ふ」
Re: 2023.6.1(木)題詠「青葉」・鑑賞「狙う 狙ふ」
投稿日 | : 2023/06/02(Fri) 11:18 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
1.星と星目を据え狙い数える子またも飛び立つななほしてんとう ひらら
子の真剣な様子が見える。地球は人間のためだけにあるものではない。そんなことを知り始める地点にこの子は立っているのでしょう。
2点気になったところ
上句の言葉が詰まって忙しい感じ。
「・・・ななほしてんとうまたも飛び立つ」で飛び去っていく情景が広がると思うが。
2.狙われぬやうに巨人の静けさにジンメンカメムシ擬態してゐる ウプラ
3.三人が東寺の花見に興じたり先輩狙われ風呂に孤独死 さらら
何に「狙われ」たのか、と考えると生死の境に一瞬の深淵が現れる。桜の季節であることにも魔力がある。
ことばの数を減らしてゆっくりさせると良い一首になりそう。
4.健全化を狙いたりしが性急過ぎ他者傷つけて不健全となる たかし
目的は良かったが、急ぎすぎてうまくいかなかった経験があるという。目的が良かったなら、そこには何らかの必要性があったのである。
概念的な漢語が多すぎて一首が固いと思う。
あくまでも歌として。
5.年の瀬にジヤンボ宝くじ買はむかな狙ふは一つみんなと同じ ひさお
結句の「みんなと同じ」は、多分ふっと口をついて出てきた言葉だろうが、意外と根深いところにある作者の思いかもしれない。
微妙な飛躍に意外性、独自性があって面白いと思った。
あくまでも歌として。
Re: 2023.6.1(木)題詠「青葉」・鑑賞「狙う 狙ふ」
Re: 2023.6.1(木)題詠「青葉」・鑑賞「狙う 狙ふ」
Re: 2023.6.1(木)題詠「青葉」・鑑賞「狙う 狙ふ」
Re: 2023.6.1(木)題詠「青葉」・鑑賞「狙う 狙ふ」
Re: 2023.6.1(木)題詠「青葉」・鑑賞「狙う 狙ふ」
投稿日 | : 2023/06/01(Thu) 21:10 |
投稿者 | : たかし |
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鑑賞「狙う 狙ふ」詠草一覧
1.星と星目を据え狙い数える子またも飛び立つななほしてんとう ひらら
一読した最初、「星を数える」を、夜空(星座)を見上げているのだと思った。しかし結句「ななほしてんとう」で、この「星」はテントウムシの背中にある模様と気付く。
本当に星が七つあるのかと数えている幼い子。数えきらない内にテントウムシは飛び立ってしまい、いつまでも数を確定できない愛らしい姿が浮かぶ。
「目を据え」で、真剣な様子が分かってよい。
初句「星と星」は分かり難い(星座を思った)。はっきりと「星の数」はどうだろう。
2.狙われぬやうに巨人の静けさにジンメンカメムシ擬態してゐる ウプラ
「ジンメンカメムシ」の画像をネットで見てみた。たしかに人間の顔のように見える。
それを作者はさらに「巨人の静けさ」と捉えている。
つまり、ジンメンカメムシは、自分の背中の模様(擬態)に確固たる信頼を寄せていて、ただ静かにじっとして危険が去るのを待っている。
「巨人の静けさ」の捉え方、特に巨人が面白い。あの島の石像モアイのような。
3.三人が東寺の花見に興じたり先輩狙われ風呂に孤独死 さらら
この三人の共通点は、共に高齢であることなのだと思う。その内の一人が狙われたという。誰に、何に狙われたのか?
それは「死に神」ということではないだろうか。
三人が京都の東寺での花見を楽しんだ。その数日後であろうか、その内の一人が風呂場で孤独死しているのが発見された。
信じられない思いと、仲の良かった友人を突然失ったことによるショックを受けて茫然とする作者。
あったことの事実を、言葉を放り出したのみの報告のような歌である。衝撃の大きさが感じられる。詩に昇華するにはもう少し時間が必要か。
4.健全化を狙いたりしが性急過ぎ他者傷つけて不健全となる たかし
5.年の瀬にジヤンボ宝くじ買はむかな狙ふは一つみんなと同じ ひさお
狙いは一つである。それは「みんなと同じ」としている。
つまり、ジャンボ宝くじは誰もが一等当選を狙って買うのであり、それ以外は考えられない。
当然のことなので、詳しく言う必要はない。「みんなと同じ」でよいのだ。
Re: 2023.6.1(木)題詠「青葉」・鑑賞「狙う 狙ふ」
投稿日 | : 2023/06/01(Thu) 18:48 |
投稿者 | : ひらら |
参照先 | : |
.星と星目を据え狙い数える子またも飛び立つななほしてんとう ひらら
2.狙われぬやうに巨人の静けさにジンメンカメムシ擬態してゐる ウプラ
静かな、寡黙な巨人。人の形、顔に擬態している動物、かめむし。他から自分自身をまもるための術、行動である。
「狙う」の題によくあっていて納得。
3.三人が東寺の花見に興じたり先輩狙われ風呂に孤独死 さらら
楽しかったお花見、しかも東寺にて。あまりにもあっけな旅立たれた先輩。東寺、お花見、孤独死など連なる語彙が辛い。
4.健全化を狙いたりしが性急過ぎ他者傷つけて不健全となる たかし
何事も良くしようと手立てを提案されるされている
作者のほろ苦い体験詠でしょうか。客観視されている
5.年の瀬にジヤンボ宝くじ買はむかな狙ふは一つみんなと同じ ひさお
あるある。体験。結句のまとめ方が作者らしくないと思われる。詩情を少しとのぞんまう。
Re: 2023.6.1(木)題詠「青葉」・鑑賞「狙う 狙ふ」
Re: 2023.6.1(木)題詠「青葉」・鑑賞「狙う 狙ふ」
Re: 2023.6.1(木)題詠「青葉」・鑑賞「狙う 狙ふ」
投稿日 | : 2023/06/01(Thu) 14:58 |
投稿者 | : さらら |
参照先 | : |
1.星と星目を据え狙い数える子またも飛び立つななほしてんとう ひらら
七星テントウムシの精巧な美に暫く掌にのせ見入ってしまう。
幼児にとっては最高の宝物 相手は生き物 星を数えていると容赦なく飛び立つ。二人の人間と小さな虫の瞬時の動きが面白い。
2.狙われぬやうに巨人の静けさにジンメンカメムシ擬態してゐる ウプラ
地上の生物は巨人もカメムシも今を生きる。狙われないように静かにし 擬態するものもある。
3.三人が東寺の花見に興じたり先輩狙われ風呂に孤独死 さらら
4.健全化を狙いたりしが性急過ぎ他者傷つけて不健全となる たかし
良かれと思い性急に行動したのが 他者に不健全となり失敗の巻き
人生いろいろと問題の起き考えさせられる歌。
5.年の瀬にジヤンボ宝くじ買はむかな狙ふは一つみんなと同じ ひさお
なべての人が持つ 欲望 食 色 名誉欲 年末には毎年ジャンボ
Re: 2023.6.1(木)題詠「青葉」・鑑賞「狙う 狙ふ」
Re: 2023.6.1(木)題詠「青葉」・鑑賞「狙う 狙ふ」
投稿日 | : 2023/06/01(Thu) 09:46 |
投稿者 | : ひさお |
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1.星と星目を据え狙い数える子またも飛び立つななほしてんとう ひらら
ななほしてんとうの星の数を数えようとする子。てんとう虫はじっとしていない。真剣に目を据えて、狙い定めて数えるが・・・・・。
「星と星」の状況がどういうことなのかちょっと分かり難い。一匹のてんとう虫の星を数えようとしているのだろうと思うが。
2.狙われぬやうに巨人の静けさにジンメンカメムシ擬態してゐる ウプラ
ジンメンカメムシは東南アジアに生息しているらしい。人の顔のように見える斑点があるのだが、なぜそのような擬態をしているのかは謎らしい。
作者はジンメンカメムシが狙われぬように擬態していると考えた。「巨人の静けさ」という表現にはそのカメムシが髷を結った相撲取りのように見えるということを意識しての表現であろう。
3.三人が東寺の花見に興じたり先輩狙われ風呂に孤独死 さらら
三人で東寺の花見をした。その中の先輩である方が風呂で孤独死された。
この場合の「狙われ」をどのように解釈すればいいのか。東寺に悪魔がいることはないであろうし。あの世の閻魔様から狙われた?
4.健全化を狙いたりしが性急過ぎ他者傷つけて不健全となる たかし
なにかの同好会などの団体に、健全でないことがあり、作者は急進的に改善すべく行動した。しかしそれが一部の人を傷つけることになり、その会の雰囲気は健全なものではなくなってしまった。改革の難しさを言い得ている。短歌としては面白みに欠けるように思う。
5.年の瀬にジヤンボ宝くじ買はむかな狙ふは一つみんなと同じ ひさお
Re: 2023.6.1(木)題詠「青葉」・鑑賞「狙う 狙ふ」