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2023.9.28(木)題詠「忘れ」・鑑賞「百日紅 さるすべり」
投稿日 | : 2023/09/22(Fri) 09:47 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
投稿日 2023.9.22(金)
投稿者 ひさお
参照先
2023.9.28(木)題詠「忘れ」・鑑賞「百日紅 さるすべり」
題詠「忘れ」
鑑賞「百日紅 さるすべり」
出題者 さららさん
鑑賞
1.共に夫若くて逝きし隣家の屋根越えて咲く百日紅の白 さらら
2.百日に近きか庭の百日紅の花に疲れの見ゆる秋晴れ たかし
3.さるすべり紅白そろひて咲ける道正面の比叡山(ヒエイ)青く澄みをり ひさお
4.フリルのよう縮緬のよう百日紅ベンチのふたりとりとめもなく ひらら
5.号泣のあとのマチコにひいやりと甘き葡萄としろさるすべり ウプラ
Re: 2023.9.28(木)題詠「忘れ」・鑑賞「百日紅 さるすべり」
Re: 2023.9.28(木)題詠「忘れ」・鑑賞「百日紅 さるすべり」
投稿日 | : 2023/09/28(Thu) 22:23 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
1.共に夫若くて逝きし隣家の屋根越えて咲く百日紅の白 さらら
大きな百日紅の白いろが、亡くなった人への遥かな思いと、同じ痛みを知る隣人への隔てのない思いを柔らかく受け止めている。特に、上句の言葉の繋がりに惹かれた。良い歌だなぁと思う。
2.百日に近きか庭の百日紅の花に疲れの見ゆる秋晴れ たかし
「百日紅の花に疲れ」までは、まあ順当というか、普通はここで終わってしまうところだが、結句の「秋晴れ」に意表をつかれた。ここで歌に俄然奥行きと広がりが出た。「秋晴れ」、素晴らしく冴えていると思った。
3.さるすべり紅白そろひて咲ける道正面の比叡山(ヒエイ)青く澄みをり ひさお
比叡の青の遠景に、百日紅の花の紅白が可憐。
青く澄む比叡山が百日紅を祝福しているようだ。
人間を出さないことで歌が澄む例かと思う。
4.フリルのよう縮緬のよう百日紅ベンチのふたりとりとめもなく ひらら
上句と下句の間に隙間があり、そこに読者を受け入れる空間が生まれている。意味で押してくるのではなく、「とりとめもな」い柔らかな心地よさがあって、好きな歌。
5.号泣のあとのマチコにひいやりと甘き葡萄としろさるすべり ウプラ
Re: 2023.9.28(木)題詠「忘れ」・鑑賞「百日紅 さるすべり」
投稿日 | : 2023/09/28(Thu) 20:47 |
投稿者 | : たかし |
参照先 | : |
鑑賞「さるすべり・百日紅」
1.共に夫若くて逝きし隣家の屋根越えて咲く百日紅の白 さらら
白さるすべりが隣の家の屋根を越えて咲いている。
共に若くして夫を亡くした同士であることから、作者は親しみを込めてその白さるすべりを見つめている。
この白さるすべりは、作者の家の木だと思う。それが隣の家の屋根を越えて咲いている・・ということから、さるすべりの木が、作者の思いを汲んで隣の家と肩を組んでいるような感じである。
2.百日に近きか庭の百日紅の花に疲れの見ゆる秋晴れ たかし
3.さるすべり紅白そろひて咲ける道正面の比叡山(ヒエイ)青く澄みをり ひさお
さるすべりが赤と白で、道の正面に見える比叡山は青である。
赤も青も白も、紛れようのない色で、はっきりしている。あやふやではないのである。
非常に気分のよい作者を感じる。
4.フリルのよう縮緬のよう百日紅ベンチのふたりとりとめもなく ひらら
百日紅の花を近寄って見てみると、フリルのようであり、縮緬のようである。
そのことと、下句のベンチの二人はどういう関係なのかと思うが、直接の関係はなさそうである。
作者とこのベンチの二人もまた関係はなさそうである。赤の他人だと思う。
つまり、作者は百日紅の花を見たり、ベンチに座っている人を見たりしながら、この公園(だと思う)をぶらぶらと散策している。
この歌から感じるのは、自由であり、精神的に余裕(ゆとり)ある気分。
5.号泣のあとのマチコにひいやりと甘き葡萄としろさるすべり ウプラ
号泣したマチ子さんが居る。そのマチ子さんに作者が差し出すのは、冷えた葡萄と白いさるすべりの花。
中島みゆきの歌に出てくるようなマチ子さん、きっと幸せになりますよ。
Re: 2023.9.28(木)題詠「忘れ」・鑑賞「百日紅 さるすべり」
投稿日 | : 2023/09/28(Thu) 18:37 |
投稿者 | : ひらら |
参照先 | : |
鑑賞
1.共に夫若くて逝きし隣家の屋根越えて咲く百日紅の白 さらら
同じ境遇で親しい隣の家の屋根越しの白百日紅、今年も咲いている。白さるすべりに哀感をおぼえる。
2.百日に近きか庭の百日紅の花に疲れの見ゆる秋晴れ たかし
猛暑を咲きつづき咲き継いだ百日紅、花色につかれの見えてきたのを気づく作者。細やかで優しい。その花が秋晴れに映えている。初秋の空気感を感じる。
3.さるすべり紅白そろひて咲ける道正面の比叡山(ヒエイ)青く澄みをり ひさお
紅と白の百日紅の咲く先に比叡山。百日紅の並木道か。遠近法の絵画のよう。秋をむかえ空気が澄んてきて霊峰比叡がよくみえるのがわかる.
4.フリルのよう縮緬のよう百日紅ベンチのふたりとりとめもなく ひらら
5.号泣のあとのマチコにひいやりと甘き葡萄としろさるすべり ウプラ
感極まりはばからず泣いた彼女に思いやりの深い作者の心遣いと行動。「ひいやり」の語感、感触、「甘き葡萄としろさるすべり」漢字とひらがな。省略(動作)学びたい。
Re: 2023.9.28(木)題詠「忘れ」・鑑賞「百日紅 さるすべり」
Re: 2023.9.28(木)題詠「忘れ」・鑑賞「百日紅 さるすべり」
投稿日 | : 2023/09/28(Thu) 16:00 |
投稿者 | : さらら |
参照先 | : |
1.共に夫若くて逝きし隣家の屋根越えて咲く百日紅の白 さらら
2.百日に近きか庭の百日紅の花に疲れの見ゆる秋晴れ たかし
酷暑にめげず百日も百日紅の花が咲き継ぐ 花に疲れが見えると優しい視線 それなのに秋の空は次元をたがえ青々と爽やか。
3.さるすべり紅白そろひて咲ける道正面の比叡山(ヒエイ)青く澄みをり ひさお
品位ある遠近の写実の叙景歌 百日紅の咲く道の向こうには比 叡の山が青く澄み鎮座する。
4.フリルのよう縮緬のよう百日紅ベンチのふたりとりとめもなく ひらら
百日紅の花をズームされ繊細の描写 その木の下のベンチに二人の人が一枚の絵のように存在し和やかな景がたつ。
5.号泣のあとのマチコにひいやりと甘き葡萄としろさるすべり ウプラ
動と静の瞬時の流れ 甘きぶどうと白百日紅の対の取り合わせ
味覚と視覚を読者に導く。
Re: 2023.9.28(木)題詠「忘れ」・鑑賞「百日紅 さるすべり」
Re: 2023.9.28(木)題詠「忘れ」・鑑賞「百日紅 さるすべり」
Re: 2023.9.28(木)題詠「忘れ」・鑑賞「百日紅 さるすべり」
Re: 2023.9.28(木)題詠「忘れ」・鑑賞「百日紅 さるすべり」
投稿日 | : 2023/09/28(Thu) 12:58 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
1.共に夫若くて逝きし隣家の屋根越えて咲く百日紅の白 さらら
共に若くして夫を亡くしたという共通点があって親しみのある隣家。そのお隣さんの屋根より高い白の百日紅が咲いている。隣の家はたぶん平屋建て。ピンクより少ない白の百日紅は個性的な感じがする。
2.百日に近きか庭の百日紅の花に疲れの見ゆる秋晴れ たかし
長い夏日の後、誰もが疲れを感じているころ。秋晴れとなってやっと一息いれることができる。そのころには長い間咲いてきた百日紅もおわりに近くなっている。特に今年のように異常に暑かった夏の後では同感できる。
3句4句の句またがりと二句の「か」に工夫が見える。
3.さるすべり紅白そろひて咲ける道正面の比叡山(ヒエイ)青く澄みをり ひさお
4.フリルのよう縮緬のよう百日紅ベンチのふたりとりとめもなく ひらら
百日紅が咲いていると、あたかもフリルのようでもあり縮緬のようでもある。そんな百日紅が咲いている傍のベンチに座って、二人はとりとめもない話をしている。フリルも縮緬も女性的な柔らかい感じを受ける。ベンチの二人も若い女性のように思われる。
5.号泣のあとのマチコにひいやりと甘き葡萄としろさるすべり ウプラ
マチコには何か特別なことが起きた。失恋ではないかと思われる。
気持ちを落ち着かせるため、よく冷えた甘い葡萄を食べさせ、花のいっぱいついた愛嬌のある白の百日紅を見せて慰めた。「ひいやり」の響きが柔らかくていい。
Re: 2023.9.28(木)題詠「忘れ」・鑑賞「百日紅 さるすべり」