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2023.10.12(木) 題詠「膳」・鑑賞「芸」
投稿日 | : 2023/10/06(Fri) 09:12 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
投稿日 2023.10.6(金)
投稿者 ひさお
参照先
2023.10.12(木) 題詠「膳」・鑑賞「芸」
題詠「膳」
鑑賞「芸」
出題者 ひさお
鑑賞
1.京料理を芸妓に侍られいただくは力不足で果たせぬ夢に ひさお
2.花見小路(こうじ)舞妓と芸妓にすれ違う振り返りしばし後姿(うしろで)を追う ひらら
3.かたむいて善人みたいな自販機だ稲穂明かりの安芸国ゆく ウプラ
4.泊まる和室舞う板の間に続きたり三味線もある箱根芸者新居 さらら
5.酒飲めずとりたてて芸もこれなきを卑下もせず更には髭をたくわう たかし
Re: 2023.10.12(木) 題詠「膳」・鑑賞「芸」
Re: 2023.10.12(木) 題詠「膳」・鑑賞「芸」
投稿日 | : 2023/10/12(Thu) 21:21 |
投稿者 | : ひさお |
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後姿
ひららさん。ありがとうございました。
日本短歌総研編著『短歌用語辞典』
「うしろで」のところに次のような例歌がありました。
日日同じ後姿(うしろで)のかげ意識して地下道の出口の一つ選りてかえりぬ 小高 賢
後手にさぐれば冬の陽のぬくみ背中あはせの死といひながら 村山美恵子
Re: 2023.10.12(木) 題詠「膳」・鑑賞「芸」
Re: 2023.10.12(木) 題詠「膳」・鑑賞「芸」
投稿日 | : 2023/10/12(Thu) 20:12 |
投稿者 | : ひらら |
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花見小路(こうじ)舞妓と芸妓にすれ違う振り返りしばし後姿(うしろで)を追う ひらら
ご批評ありがとうございました。
「後姿〜うしろで」広辞苑他の字引きにない
「後ろ姿〜うしろすがた」広辞苑、字引きにある、後ろ、送り仮名がいる。
角川現代短歌集 索引欄に2言葉、語彙掲載。各々作品あり。
花田さん好日2018年5月号「今日も地に光降(お)りきて兄の死が母の後姿(うしろで)美しくする」
東京支社の故山本雅子さんに教えてもらった。と、花田さんのブログ言葉音なふに記載。参照されたい。
舞妓と芸妓 どちらかに。の 題が芸なのではずすなら舞妓ですね。
花見小路には舞妓の可愛らしさ華やかさもかなと両方入れました。
振り返りしばし後姿を追う 後戻りしたり付いていったりはしてないことをうつつもりです。観光地ど真ん中 詠いにくいです。
Re: 2023.10.12(木) 題詠「膳」・鑑賞「芸」
投稿日 | : 2023/10/12(Thu) 19:25 |
投稿者 | : ひらら |
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鑑賞
1.京料理を芸妓に侍られいただくは力不足で果たせぬ夢に ひさお
大企業で現役時代は企業戦士とし業績をのここされた作者。謙遜されている歌。人柄がにじむ。
2.花見小路(こうじ)舞妓と芸妓にすれ違う振り返りしばし後姿(うしろで)を追う ひらら
3.かたむいて善人みたいな自販機だ稲穂明かりの安芸国ゆく ウプラ
広島安芸国の秋を旅されての歌。自己の目で見たことを詠んでられる。自販機の様子。「稲穂の明かり」佳。「明かり」「安芸国」のあの頭韻 佳。「安芸」がすきで詠みたかったが安芸国を見てない私
食べ物しか浮かばすあきらめた。
4.泊まる和室舞う板の間に続きたり三味線もある箱根芸者新居 さらら
親しい箱根芸者のうちに宿泊。新居にあがり、舞う板の間。お稽古ばの板の間。よ舞台のように磨かれた床板。和室に三味線。作者の後ろに就いて歩いているよう。東京〜芸者。京都〜芸妓。もよく知ってられる。
5.酒飲めずとりたてて芸もこれなきを卑下せず更には髭をたくわう たかし
下戸の作者。とりたて芸がないといわれるがとんでもないことは周りの皆さんがごしょうちのはず。髭のたかしさん素敵です。好日、短歌界髭の西村たかしです。
髭〜口ひげ。鬚〜あごひげ。髯〜ほおひげ。
Re: 2023.10.12(木) 題詠「膳」・鑑賞「芸」
投稿日 | : 2023/10/12(Thu) 18:07 |
投稿者 | : たかし |
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鑑賞(芸)
1.京料理を芸妓に侍られいただくは力不足で果たせぬ夢に ひさお
この歌で注目したところは「芸妓に侍られ」の部分。
こうした場面での一般的な言い方としては「芸妓を侍らせ」だと思うが作者は「侍られ」としている。
侍られだとなんだか自分が望んでいないのに芸妓の方から勝手に侍っているみたいに感じられる。更に「(京料理を)いただく」である。
普通こうした席に座るのは自分がお金を(相当高額の)払っているのである。
だから「いただく」などと言わずに「味わう」とか「賞味」でよいと思うが、
こうした「侍られ」や「いただく」の語を選択しているところに作者の人柄が感じられる。
高額なお金を払って、もてなしを受ける立場になることは、どうしてもそこに上下関係が生じる。客としてもてなされる側に立てば、もてなす芸妓よりも上の位置に立つことになる。
だから「果たせぬ夢に」と言っているが、本当はそうしたことは、作者自身望まないから実現していないのではなかろうか・・・などと思った歌。
2.花見小路(こうじ)舞妓と芸妓にすれ違う振り返りしばし後姿(うしろで)を追う ひらら
京都で舞妓さんや芸妓さんと街で出会う機会が多いのは祇園、花見小路。
作者もその花見小路で舞妓さんや芸妓さんと出会う。そして振り返ってその後ろ姿を見る・・という。
この「振り返りしばり後姿(うしろで)を追う」は、よく見る表現、個性に乏しい。
舞妓と芸妓、この二つを言うが、どちらかひとつにして、更に歩き方の特徴とか、すれ違ったときの香りとか、そのときの実感をもうちょっと言えばよいと思った。このままでは個性に乏しい歌。
3.かたむいて善人みたいな自販機だ稲穂明かりの安芸国ゆく ウプラ
この自販機はビル街にあるのではなく、田舎道の傍に置かれているようだ。
傾いているから「善人みたい」という見方が独特で個性があり、ここで歌が面白くなっている。
下句は情景をさらっと流しているが、「稲穂明かりの安芸国ゆく」うまい。
4.泊まる和室舞う板の間に続きたり三味線もある箱根芸者新居 さらら
箱根で芸者さんをしている友だちの所に泊めてもらった。
寝るのは和室(畳に布団なのだろう)であり、その部屋に続いて板の間の部屋がある。
舞踊を練習するために板の間にしてある。
さすが・・・と感じている作者が居る。視点がよい歌。
初句と結句が、切り口上的な感じがするので、もう少し工夫をするとよくなる。
5.酒飲めずとりたてて芸もこれなきを卑下もせず更には髭をたくわう たかし
Re: 2023.10.12(木) 題詠「膳」・鑑賞「芸」
Re: 2023.10.12(木) 題詠「膳」・鑑賞「芸」
投稿日 | : 2023/10/12(Thu) 17:55 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
1.京料理を芸妓に侍られいただくは力不足で果たせぬ夢に ひさお
綺麗な芸妓にお酌をされて・・・という夢は果たせなかった。
それは自分の「力不足」のせいだと言っているが、そういう「力」を持たなかった生き方への柔らかな肯定も感じられて良いと思った。
2.花見小路(こうじ)舞妓と芸妓にすれ違う振り返りしばし後姿(うしろで)を追う ひらら
「舞妓と芸妓の後姿」がこの歌がもたらす眼福で、それは「花見小路」という可憐な固有名詞に収斂している。
「舞妓と芸妓」のどちらか一つにして「花見小路」を下句にする順序もあるかなぁ、などいろいろ考えて楽しんだ。
京都への愛が感じられて、読者も雅な文化のお裾分けをいただく。
3.かたむいて善人みたいな自販機だ稲穂明かりの安芸国ゆく ウプラ
4.泊まる和室舞う板の間に続きたり三味線もある箱根芸者新居 さらら
親しみと賛美の思いを込めてあえて乱暴に「箱根芸者」と友人を呼んでいる。その辺りの機微が読者に通じるか、やや悩ましいところ。大切な友人だとわかるとよいように思う。
5.酒飲めずとりたてて芸もこれなきを卑下もせず更には髭をたくわう たかし
何にもできないない私だがそれを卑下もせず、それどころか更には偉そうに髭まで生やして生きているよ。
先週もそうだったが、こういう歌を作らせると水を得た魚のようで、自在だなぁと感心する。四句「卑下もせず更には」で9音。「・・更に」で8音なのに、この引き延ばしのしゃあしゃあとしたところも歌の内容にマッチしている。
ように感じた。
Re: 2023.10.12(木) 題詠「膳」・鑑賞「芸」
投稿日 | : 2023/10/12(Thu) 12:19 |
投稿者 | : さらら |
参照先 | : |
お断りします。古いパソコンで変な鑑賞となっています。
ひさおさん作品 白で削除
ひららさん作品 容器がない削除
打ち込んだ覚えのない語彙が表記されごめんなさい。
Re: 2023.10.12(木) 題詠「膳」・鑑賞「芸」
投稿日 | : 2023/10/12(Thu) 12:09 |
投稿者 | : さらら |
参照先 | : |
1.京料理を芸妓に侍られいただくは力不足で果たせぬ夢に ひさお
男性の夢憧れである芸妓を侍らせ京料理白でを頂く体験は出来なか った回顧する真面目な作者。
2.花見小路(こうじ)舞妓と芸妓にすれ違う振り返りしばし後姿(うしろで)を追う ひらら
過る綺麗どころの舞妓 芸者をこっそり撮影した容器がないこともある。
同性でも振り返りみとれる雅な美しさ和装の日本の伝統衣装。
ひさおさんのご指定の後姿を後ろ手とは読めない辞書にも表記 がない 後ろ影追う どうでしょうか?
3.かたむいて善人みたいな自販機だ稲穂明かりの安芸国ゆく ウプラ
自販機を擬人化した表現はとてもいいと思う。瑞穂の国の稲穂の灯り平穏な安芸国を旅している。
4.泊まる和室舞う板の間に続きたり三味線もある箱根芸者新居 さらら
5.酒飲めずとりたてて芸もこれなきを卑下もせず更には髭をたくわう たかし
岡井隆を思い出すひげの作者 酒で失敗する殿方が多い場面を たびたび体験する 私は例外なく舅夫の醜態を見てきたそのひとりでした。
Re: 2023.10.12(木) 題詠「膳」・鑑賞「芸」
Re: 2023.10.12(木) 題詠「膳」・鑑賞「芸」
Re: 2023.10.12(木) 題詠「膳」・鑑賞「芸」
Re: 2023.10.12(木) 題詠「膳」・鑑賞「芸」
Re: 2023.10.12(木) 題詠「膳」・鑑賞「芸」
投稿日 | : 2023/10/12(Thu) 09:42 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
1.京料理を芸妓に侍られいただくは力不足で果たせぬ夢に ひさお
2.花見小路(こうじ)舞妓と芸妓にすれ違う振り返りしばし後姿(うしろで)を追う ひらら
花見小路は道幅が狭いので、舞妓や芸妓に出会えば、慌てなくてもゆっくり見ることができる。作者は擦れ違った後も後ろ姿を追っていた。
「後姿」はうしろでと読ませることができるのか。短歌独特の読み方ですか。
辞書で「うしろで」を引くと「後ろ手」とあり、意味はうしろの方、うしろから見た姿となっている。
3.かたむいて善人みたいな自販機だ稲穂明かりの安芸国ゆく ウプラ
「かたむいて」は苦しい解釈だが、太陽が西に傾くころと解釈した。
広島に旅行したところ、太陽が西に傾き、稲穂がきれいに照らされて明るく感じられる。自販機がひっそり行儀よく善人のように立っているのを目にした。
「安芸の国ゆく」はJRの在来線に乗っての旅か、ドライブか。自販機に対して感じたことを言っているので、ドライブのように思われる。
4.泊まる和室舞う板の間に続きたり三味線もある箱根芸者新居 さらら
作者は箱根芸者である知人の新居に泊めてもらうという貴重な体験をされた。舞を稽古される板の間の続きになる和室に泊めてもらったが、その部屋には三味線も置いてあった。
短い作品の中に考えられる最も多くのことを言っている作品だ。
5.酒飲めずとりたてて芸もこれなきを卑下もせず更には髭をたくわう たかし
これまで普通の人では考えられないくらいの多くの職業を経験された作者。その経験を踏まえて、どんなことでも自分でやってしまうという多能な人である。そんな作者の唯一の苦手は酒を飲むこと。しかしそのことを卑下はしていない。近頃では白くなった髭が風格を高めるのに役立っている。