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2024.7.25 題詠「解約」・鑑賞「虫」
投稿日 | : 2024/07/19(Fri) 12:55 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
参照先
2024.7.25(木)題詠「解約」・鑑賞「虫」
題詠「解約」
鑑賞「虫」
出題者 ひさお
鑑賞「虫」
1.掘りあてたサナギ冷たき甲虫まるまると土の中の乳いろ ウプラ
2.虫さされムヒを買いきて題詠のお題は虫と即決まりたり さらら
3.南京から来たのでないのに南京虫シラミでないのにトコジラミとも たかし
4.地上には貴重な虫が存在すわれにも抱へる腹の虫あり ひさお
5.蝉茸を冬虫夏草を掘り続く子の肘膝ぐっしょり湿る ひらら
Re: 2024.7.25 題詠「解約」・鑑賞「虫」
Re: 2024.7.25 題詠「解約」・鑑賞「虫」
Re: 2024.7.25 題詠「解約」・鑑賞「虫」
投稿日 | : 2024/07/25(Thu) 18:53 |
投稿者 | : たかし |
参照先 | : |
鑑賞「虫」
1.掘りあてたサナギ冷たき甲虫まるまると土の中の乳いろ ウプラ
畑の土を鍬で耕しているとよく出てくるのがコガネムシの幼虫。これが結構大きい。カブトムシの蛹はさらに大きい。
「掘りあてた」が、別の目的(畑など)で掘っていた土の中から偶然にサナギが出てきたということか。それとも最初からカブトムシのサナギを掘る目的だったのか迷った。
前者であろうと思う。後者であれば作者の子供時代の思い出の歌になるが…
「土の中の乳いろ」が大人の見方である。これが効いている。
2.虫さされムヒを買いきて題詠のお題は虫と即決まりたり さらら
ムヒというのは私は使ったことがない。我が家はいつもキンカンが準備してある。
あの塗った後のサアーっと冷やされる感じはなかなかのもの。ムヒもいっしょかな?
今度ムヒを買ってみよう。
題詠のお題にするとは・・私もときどき手持ちの歌の中から言葉を探す。
出題者の特権です。
3.南京から来たのでないのに南京虫シラミでないのにトコジラミとも たかし
4.地上には貴重な虫が存在すわれにも抱へる腹の虫あり ひさお
よく「腹の虫がおさまらない」という。
理不尽なことをされたり、見たり、聞いたりしたときに怒りの感情が湧くが、主にそれをいい、
その感情は相当強く、何か対抗策を講じたり、対応する手立てを講じなければ気持ちが収まらない・・というようなことが「腹の虫がおさまらない」である。
しかし実際に「腹の虫」を見た人はいない。目には見えないが存在するのである。
目には見えないが存在すること、そこから「貴重な」が導き出された。
なるほど!ざぶとん5枚!
5.蝉茸を冬虫夏草を掘り続く子の肘膝ぐっしょり湿る ひらら
この前、テレビでチベットの三千メートルを超す高山地帯で冬虫夏草を探しているチベットの人を何日にも渡って映していた。
彼らはテントを持って山に入り、(三千五百メートル以上の高山でないと冬虫夏草は無い)
何日も寝泊まりしながら採集する。
とても高価に売れるので一家で借金をして山に来ているという。
何故、この茸が高価なのかというと、昔から不老長寿・若返りの妙薬と信じられているから…
ひららさんの歌は日本で子供さんがこの冬虫夏草を探している。
中国と同じものは日本にはなくて、今、日本で冬虫夏草として貴重な薬とされているのは、同じように昆虫に生えた茸であり、日本ではそれが癌に特効があるということで珍重されているらしい。
しかし、実際にそれを探して掘っておられたとは!!驚きです。見付かったのかな?
どのような環境の場所で探されるのか。山とか、川辺とか、大体でいいので教えてほしい。
掘る元気はない。
Re: 2024.7.25 題詠「解約」・鑑賞「虫」
投稿日 | : 2024/07/25(Thu) 17:10 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
1.掘りあてたサナギ冷たき甲虫まるまると土の中の乳いろ ウプラ
2.虫さされムヒを買いきて題詠のお題は虫と即決まりたり さらら
夏になると蚊に限らずいろいろな虫に刺されて痒い。何に刺されたかわからなくても、ともかくとりあえずムヒを塗っておく。スヤスヤヒヤヒヤと気持ちがいい。薬箱の必需品。即決で夏らしいお題でした。
3.南京から来たのでないのに南京虫シラミでないのにトコジラミとも たかし
昔、畳にダニが発生したことがある。なかなか絶滅せずしつこかった。もう痒くて死にそうだった。
文字を見るだけで痒くなる一首。夏らしい!
4.地上には貴重な虫が存在すわれにも抱へる腹の虫あり ひさお
この歌にある微かな可笑しみは、いささかどうでもいい内容と武張った文語調の落差から生まれていると思える。そのあたり作者独特。
「腹の虫あり」・・うまいね。
5.蝉茸を冬虫夏草を掘り続く子の肘膝ぐっしょり湿る ひらら
蝉茸=冬虫夏草はなんだか怖い。キノコが虫を食べるのである。そういえば私も子供の頃食虫植物の図鑑など、妙にドキドキして惹かれた覚えがある。この子も生命の世界の残酷さ不思議さにドキドキしているに違いない。植物に真剣、夢中な子供。
「ぐっしょり」なら「濡れる」か。
Re: 2024.7.25 題詠「解約」・鑑賞「虫」
Re: 2024.7.25 題詠「解約」・鑑賞「虫」
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Re: 2024.7.25 題詠「解約」・鑑賞「虫」
投稿日 | : 2024/07/25(Thu) 13:17 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
1.掘りあてたサナギ冷たき甲虫まるまると土の中の乳いろ ウプラ
作者は菜園か畑で甲虫のサナギを掘り当てた。乳色をしてまるまる太っている。手に持つと冷たい。姿、色、手触りなど具体的なので、実体験と思われる。
私は幼虫をみたことはあるが、蛹を見たことがない。
2.虫さされムヒを買いきて題詠のお題は虫と即決まりたり さらら
作者は題詠のお題を出す担当になり、素早く「虫」を投稿された。その早いことに驚いていたが。
3.南京から来たのでないのに南京虫シラミでないのにトコジラミとも たかし
面白いところに目をつけた作品だ。
「南京」というのはネットで調べると、江戸時代に海外から伝わってきた小さいもの、珍しいものに着けられた名である。例えば南京錠、南京豆。
4.地上には貴重な虫が存在すわれにも抱へる腹の虫あり ひさお
5.蝉茸を冬虫夏草を掘り続く子の肘膝ぐっしょり湿る ひらら
とうちゅう‐かそう〔‐カサウ〕【冬虫夏草】 の解説
地中にいる昆虫に子嚢菌 (しのうきん) などが寄生し、地上にキノコ(子実体 (しじつたい) )を生じたもの。セミタケ・アリタケ・クモタケなど。冬は虫であるが夏には草に変わるという意からの名で、中国ではヤガの幼虫に生じるものを薬とする。
「蝉茸」とはオフィオコルジケプス科のキノコ。地中のミンミンゼミのさなぎに寄生、春から夏、地上に出る。形は先がやや丸い棍棒状。
「蝉茸」と「冬虫夏草」とは同じことを繰り返したもの。だから「を」がダブっているのだ。
Re: 2024.7.25 題詠「解約」・鑑賞「虫」
Re: 2024.7.25 題詠「解約」・鑑賞「虫」
投稿日 | : 2024/07/25(Thu) 10:47 |
投稿者 | : さらら |
参照先 | : |
1.掘りあてたサナギ冷たき甲虫まるまると土の中の乳いろ ウプラ
土の中の甲虫の幼虫を見つけ触れた時の感触 形状と乳白色 しっかりした観察 目の前に見るよう。
2.虫さされムヒを買いきて題詠のお題は虫と即決まりたり さらら
3.南京から来たのでないのに南京虫シラミでないのにトコジラミとも たかし
ネーミングの面白さを歌にされた。なるほど私の考えたことのない語彙のルーツを知りたくなる。
4.地上には貴重な虫が存在すわれにも抱へる腹の虫あり ひさお
仕事の虫 子どものかん虫 抽象的な虫から地上には見たこともない虫と共存している。腹の虫には苦笑してしまう。
5.蝉茸を冬虫夏草を掘り続く子の肘膝ぐっしょり湿る ひらら
蝉茸なるもの初めて聞く 辞書には地中の蝉の幼虫に寄生する子嚢菌とある。
それを見つけた子らは無心に堀り続く 自然の中の貴重な遊びだろう。わが子にはそういう体験は一度もない悔いが残る。
川遊びにはよく通った。
息子が幼児のころ砂で山を作りトンネルばかり掘っていた
Re: 2024.7.25 題詠「解約」・鑑賞「虫」