(重曹(タンサン)を使う方法です。 )

04/04/10作成  09/07/26更新  

ワラビ採りは楽しいものですが、実際に山に入って採るのはしゃがんで手を伸ばすと目を笹の葉が突き、鼻の穴に木の小枝が入り、足は滑り、膝は笑い、しんどいものです。

そのような苦労の末に採ってきたワラビも灰汁抜きが上手く出来ずに駄目にしてしまった経験を多くの人がお持ちではないかと思います。

斯くいう私も数知れぬ失敗を繰り返しています。

ここで紹介するのは誰でも簡単に手に入る重曹(タンサン)を使う方法です。もっと簡単で良い方法があるかも知れません。そして木の灰を使う方法はもっと間違いがないらしいです。


先ず、原料のワラビを野山などで採ってくる。

新聞の上などでゴミを取り除く。

大き目の鍋(直径30センチ)に水を張って湯を沸かす。

(ワラビの量によってはもっと小さい鍋でもよいです。)

湯が沸騰したら重曹を入れ ます。

重曹(タンサン)を用意します。スーパーなどで売っています。

このタンサンの量は厳密に計って、多すぎないように注意が必要です。(多すぎるとワラビが溶けてしまう。)

このくらいの大きさ(直径30センチ)の鍋の湯ですと大スプーンにすりきり一杯ぐらいです。(もっとお湯の量が少ない場合は重曹の量は減らします。)

右の写真はタンサンがたくさん入っているみたいに見えますが、 左の写真と同じ量(すりきり一杯)です。

湯が沸騰してから上記のタンサンを入れます。

タンサンを入れるとブワーッと泡が立って沸き立 ちます。( 右の写真)。

重曹を入れたら、その湯の中へ、ワラビを入れる。

このとき、火は消さずに強火で点けたまま。

湯の中へワラビが全部浸かるようにする。

(火はまだ点けたまま)

ワラビを入れたことで湯の温度が下がっているので、湯温を上げるために火は点けておく。

しばらく(約1分〜2分)ぐらいすると、下がった湯の温度が上がってきて、湯気が上がり始める。そして下から小さな泡がポコポコとあがり始め、この泡が だんだん大きくなってきます。大きな泡が出てきて、沸騰したか、しないか、という辺りで火を消します。

この時、火を早く消しすぎると灰汁が充分に抜けない。

また、消すのが遅すぎるとワラビの色が悪く(茶色)なる。

(鍋の大きさ、湯の量、ワラビの量によってこの加熱時間は加減しなければなりません。)

 

火を消したら、そのまま(湯の中にワラビが浸かった状態)で、 邪魔にならない場所に(子供達や犬が触ってヤケドをしないような場所)鍋のまま、置いておく。

蓋を少しずらしてしておきます。

上図のような湯の色になり、指でつまんでやわらかかったら引き揚げます

こうして5時間〜8時間(これは湯がき方によって違うので、こまめに湯の色を観察し、ワラビを指でつまんだりして灰汁の抜け方を注意する。)。お湯が自然に冷めてゆくが、この過程でワラビの灰汁が抜け て湯が茶色になります。これは灰汁の色です。

※この途中で時々、指でワラビの根の方をつまんでみて柔らかさを確かめる。浸す時間が短くても湯が濃い茶色になり、ワラビがやわらかくなっていたら、もう灰汁が抜けているので、時間にこだわらず、すぐにワラビを引き揚げて冷水に放ちます。 (※灰汁が抜けてしまってからいつまでも湯に浸けておくと柔らかくなりすぎて駄目になります。)

灰汁の出た水を捨てて、綺麗な水を何度も替えて、その中にしばらくワラビを浸けておきます。(流水に浸しておいてもいいが、水道の場合は水がもったいない。)

ワラビを水で洗って、一本を歯で噛んでみます。苦かったら灰汁が抜けていない。(灰汁が抜けていない場合はもう一度、湯を沸かし、今度はタンサンなしで、さっと湯がくとよい。 湯がいた後、冷水に浸すのは同じです。)

※もし、箸でつまんで千切れてしまう場合は重曹が多すぎたのです。この場合はやり直しは効きません。

これで完成!!。

三倍酢で食べても、何かと炊き合わせても、サラダ風に食べてもよい。(写真は三倍酢で、)


ワラビは野山に春が来ると生えてきます。これは誰でも採っていいことになっています。大地から出てくるものを収穫する喜びを与えてくれる。

しかもその味わいのなんとも言えぬ豊かさ旨さ。

しかし、せっかく採ったワラビも灰汁抜きを失敗して泣くに泣けない思いを何度もしてきた私です。

ここにその失敗の教訓から学んだ灰汁抜きの方法をアップロードします。お役に立てば幸いです。