題・「樹（き）の香り」・「傷庇（かば）う」・「乱れ雨」

知事賞
傷庇う　戦抱えて父の老い　　内田一滴（大津市）

特選１・エフエム滋賀賞
樹の香り　最後の校歌涙ぐむ　　都筑信彦（近江八幡市）

特選２
傷庇う　里は変わらぬ花咲かせ　　桐畑三弥子（長浜市）

特選３
乱れ雨　庵に結べぬ迷い草　　竹端明子（大津市）

特選４
傷庇う　郷を追われし姉の恋　　杉本一也（竜王町）

特選５
傷庇う　花のスカーフ遊ばせて　　大原ふさ子（甲賀市）

入選作品

入選１
傷庇う　風の当たらぬ場所探す　　堤　千寿恵（東近江市）

入選２
乱れ雨　学徒出陣昭和の日　　小野　寛（大津市）

入選３
乱れ雨　見知らぬ荒野ひとり旅　　中川治男（草津市）

入選４
樹の香り　風和らぎて祖母の里　　吉原初美（彦根市）

入選５
傷庇う　ふれないという慈しみ　　日比野美鈴（彦根市）

入選６
乱れ雨　目を逸らしても消えぬ嘘　　澤　希（栗東市）

入選７
傷庇う　いっしょに泣いてくれた母　　北村嘉浩（米原市）

入選８
傷庇う　沈黙守る青き日々　　梶　初音（近江八幡市）

入選９
樹の香り　生命の営み脈脈と　　西村紀子（竜王町）

入選１０
傷庇う　人の情を抱いて寝る　　中村和子（近江八幡市）

　　　　　

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─選者吟─

樹の香り　幾年経しかいこわせて　　小森和美
傷庇う　無尽の愛に再起の歩

樹の香り　表参道楠並木　　中西野鶴
乱れ雨　一途に生きて道迷う

樹の香り　魂あらた続編へ　　藤本淡雪
乱れ雨　葬送の辞は愛に満つ

樹の香り　森林浴でリフレッシュ　　山中流石
傷庇う　母の一語で気も楽に

　　　　　　

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