選評
　　　
　　池内雅子

　今年も作詞部門への応募、ありがとうございました。昨年より少し少なくはなりましたが、皆さん、一生懸命考えて作詞して下さった跡は作品から見て取れます。しかし乍ら、毎回申しております、基本となる字脚を合わせることが出来ていない作品がほとんどでしたことと、選者三人の共通した選評として、�@ワクワク感がない　�A自分だけが分かる作詞である　�B景色が見えてこない　�C心の躍動感がない・・・という感じを受けました。ご自身の言いたい事はわかるけれど、それを万人にわかってもらうようにするにはどの様にすれば良いのか、この言葉でいいのか、そして、付曲した時に、もう一度聴きたくなる作詞であるのか、ということを再考され、ご自身にしか見つけることのできない、キラッとひかる言葉をちりばめていただければ、と思います。尚、できましたら原稿用紙にきちんと清書された方が、先に申しました字脚などが、わかりやすいと思います。以上のことをふまえて、また次年度、たくさんの応募があることを願っております。
　　　

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選評

知事賞　母さんのふるさと　松山　武

　とてもリズムは良いと思いますし、景色だけでなく、お母さんへの思いが描かれているところが、この章に結びついたと思います。
　ただ、一番と三番は、二行、二行、三行、でまとまっていますが、二番は三行、二行、二行、というまとまりになっているところがとても惜しいと思います。また、最後のフレーズを最初に持ってくることで、題名にもあります「母さんのふるさと」がより活きてくると思います。

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特選　未来からのエール　北村遥明

　先生の目線から、生徒にエールを送っている、という意図はよくわかりますし、生徒さんのことを思って書かれたのだな、ということも伝わります。ただ、この詞を読んだときに、万人にわかるかと言えば、少し難しい気がしますので、そこのところ一考が必要かと思います。また、曲がつくと、歌は流れてしまいますので、その一度で心を捉えられるように再考を願います。

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入選１　稲歌（とうか）　いしかわ つよし

　美しくまとまっています。ただ、景色だけで終わっているのが残念です。少しご自身の感情などを入れられるともっとよくなると思います。

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入選２　ヒグラシ　池田明美

　かなかなかなかな、の使い方が独創的で良いと思います。
　六行詞になっていますが、後ろの二行を削って、四行詞にするとスッキリまとまると思います。

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入選３　「川柳　こころ唄」　福山幸雄

　リズムは良く、川柳もよくできていると思います。
　しかし、ありふれた言葉があるのと、四番の「花」の重複が惜しいと思います。

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入選４　雨の湖西線　土井豊

　演歌調でまとまっているのは良いと思います。ただ、題名で使われている言葉をすべての最後の行に使うのは少しくどいように思いますので、外してもいいのでは。
　また、地名も無理に入れている感じがするので、地名ではなく、物語にすればなお良くなったのではと思います。

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入選５　著莪と花鋏　��山清子

　著莪と花鋏の発想はとても良いと思います。
　しかしながら、どちらも主人公のような感じを受けますので、著莪と花鋏の会話にし、パート分けにするなど再考を。次回に期待します。

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