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第73回(2023)滋賀県文学祭_作詞部門_知事賞 母さんのふるさと 松山 武
投稿日 : 2024/10/07(Mon) 15:44
投稿者 選者・池内雅子・伊藤かおる・野ア 稔
参照先
知事賞

母さんのふるさと

  松山 武(野洲市)


一 春は桜が山を染(そ)め
  夏はみかんの白い花
  秋はダム湖にもみじ揺(ゆ)れ
  冬は肘川(ひじかわ)霧走る
  きらめく青は瀬戸の海
  お遍路(へんろ)さんを慰(なぐさ)める
  季節の色は万華鏡(まんげきょう)

二 テトラポッドの波止めの
  中にひっそり漁船(ふね)の影
  眠ってるよな港町
  はんぺい茹(ゆ)でる店先は
  路地(ろじ)まで湯気(ゆげ)でいいにおい
  龍馬(りょうま)を泊(と)めた古い旅籠(やど)
  揺(ゆ)らぐ歴史の一頁(ページ)

三 海で泳いで潮(しお)に焼け
  干潟(ひがた)に入り蟹(かに)を追う
  夕日に赤く染まるまで
  友と遊んだ夏休み
  風吹き荒れる赤橋(あかはし)を
  渡った先の学び舎(や)に
  通(かよ)った日々が懐(なつ)かしい


   母さんいつも話してた
   子どものころの思い出は
   ぼくの心に沁(し)みこんで
   いつか行きたい旅ごころ
   海沿(ぞ)い走る予讃線(よさんせん)
   母さん誘(さそ)いふたり旅
   瀬戸内(せとうち)伊予の長浜へ
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