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投稿日 | : 2024/09/29(Sun) 07:38 |
投稿者 | : 選者・澤絢子・西村考史・福田美知子・前川登代子・宮本照男 選 |
参照先 | : |
知事賞
ゆふすげはまだし咲かぬも筋萎ゆる子のいのち率(ゐ)て山にのぼりし
松本トシ子(彦根市)特選1・滋賀県教育委員会教育長賞
子供歌舞伎の稽古に励む春休み見得切る男の子の眼の鋭さ
小倉文枝(長浜市)特選2・びわ湖芸術文化財団理事長賞
ひとつづつ運び出されて空箱の実家の畳に平たき夕日
深堀英子(大津市)特選3
思うのはいつもここではないところ20世紀の夏は夕暮れ
山本麻子(近江八幡市)特選4
ちちははのをらねど実家と呼ぶ家の西日まぶしき敷居をまたぐ
嶋寺洋子(大津市)特選5
履歴書の我は明るし鉛筆の薄き下書き丁寧に消す
蜘蛛野澄香(栗東市)特選6
混ざり合う正しい「て」の字と鏡文字孫の便りは広告の裏
野々垣智恵美(栗東市)特選7
抜け殻のようになりたる母の服脱衣所にあり通夜を終えしも
山本弘美(大津市)特選8
AIに愛嬌ありやこのごろは誤答を少し混ぜるそうだね
吉岡繁樹(県外)特選9
農継がぬ若衆ばかりがどんど焚く故里既に限界集落
平井正昭(高島市)入選作品
入選1
をさな診る女医の明るき誉め言葉隣のブースに聞く歯科医院
浅野志津子(大津市)入選2
夕立を弾き飛ばして駆けていく若者の背のリュックも踊る
高間照子(大津市)入選3
久々に帰省した日の父の部屋白いドレスの我が母のフォト
冨江なぎさ(大津市)入選4
鮒鮨のにほひ残りし空の桶もう味はへぬ亡父の塩梅
小稲三郎(野洲市)入選5
母よりも長く生き来て梅干し干す 母も漬けざる三十キロの梅
中村千恵子(長浜市)入選6
幸せの種を見つけて暮らしたい今日のだし巻きうつくしうまし
梶川孝子(野洲市)入選7
介護二の妻に三度(みたび)の春来(く)れど今年も遠き海津の桜
松山 武(野洲市)入選8
父よりの軍事郵便褐色の布のようなりわが手にやさし
寺村享子(彦根市)入選9
玄関に見知らぬ人の立ち尽くす軍帽の父吾は四歳
小野 寛(大津市)入選10
丹生谷を通れば茶髪稲架を組むピンクのジャケット青空に映ゆ
嘉瀬井 貢(長浜市)入選11
引き出しの変身ヒーロー宝物たった三歳(みとせ)で逝きしあの子の
吉崎尚子(草津市)入選12
奥山へ轍残りて続きおり木地師住む里ひとむらの射干
田中とも子(甲賀市)入選13
この仕事自分に向いていると言う夫の笑顔が今日も嬉しい
岩ア尚子(長浜市)入選14
夕映えの湖面に小石水を切り児と競ひたる君は少年
銭谷ふさ子(大津市)入選15
着信の時間によれば君からのメールは朝のホーム発だね
御茶目堂(県外)入選16
夏帽子揃いをかぶり一夜旅バスも通らぬ父のふるさと
宮ア正子(大津市)入選17
かき氷ブルーハワイを分け合ってゾンビのような青い舌(した)出す
びわ こうた(高島市)
