
7/2 題詠「箪笥」・鑑賞&批評「熟」
投稿日 |
: 2020/06/26(Fri) 08:13 |
投稿者 |
: フミコ |
参照先 |
: |
♪ 「たどたど」スケジュール ♪
R・02.07.02 (木)
題詠 「箪笥」
鑑賞&批評 「熟」
出題当番 さららさん
7/2 鑑賞詠草 「熟」
1. 鉢植えの熟したトマトがただ一つ蘊蓄語る近隣の人 ひろゆき
2. 山畑の豌豆熟るる電柵の破れを探す猿の集団 フミコ
3. 青空に熟れ柿ひとつ冷えてゐた梢に雨季の葉はどんじやらほい ウプラ
4. 熟年をこえし八十の友と駆ける「花のいろ」へとランチにむかう さらら
5. 熟れるのを待つのではない夏野菜の胡瓜と茄子は寸法で採る たかし
6. 敗戦後七十五年米軍の基地縮小の機未だ熟さず ひさお
7. 手の甲に赤黒のメモ夜勤終え熟睡の娘居間のソファーに ひらら

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Re: 7/2 題詠「箪笥」・鑑賞&批評「熟」
投稿日 |
: 2020/07/02(Thu) 11:22 |
投稿者 |
: ひらら |
参照先 |
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詠草
青葉裂き箪笥の匂いと樟を祖母に習いき 虫干し近し ひらら

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題詠「箪笥」
投稿日 |
: 2020/07/02(Thu) 09:49 |
投稿者 |
: ひろゆき |
参照先 |
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母持ちきし箪笥の取っ手に戦中の傷跡残す取り換えの跡

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Re: 7/2 題詠「箪笥」・鑑賞&批評「熟」
投稿日 |
: 2020/07/02(Thu) 09:42 |
投稿者 |
: さらら |
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次回のお題 文

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Re: 7/2 題詠「箪笥」・鑑賞&批評「熟」
投稿日 |
: 2020/07/02(Thu) 09:39 |
投稿者 |
: さらら |
参照先 |
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十九歳の嫁入り支度の箪笥にはふたりの姉の晴れ着もまじる

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鑑賞&批評「熟」
投稿日 |
: 2020/07/02(Thu) 09:24 |
投稿者 |
: ひろゆき |
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: |
1. 鉢植えの熟したトマトがただ一つ蘊蓄語る近隣の人 ひろゆき
2. 山畑の豌豆熟るる電柵の破れを探す猿の集団 フミコ
猿の集団が山中に木の実がなくなり人里へ。その防御手段として電柵で囲った。がその破れを探すという。24時間体制の現実のなかに、自然を毀してきた人間の猛省もあろう。
3. 青空に熟れ柿ひとつ冷えてゐた梢に雨季の葉はどんじやらほい ウプラ
下句から今の時季とすれば珍しく木の持つ動脈にかろうじて? 熟柿が夜露に冷えて。下句ほとんどが落葉して残る葉は微風にも揺れて踊って居るかのごとく。
4. 熟年をこえし八十の友と駆ける「花のいろ」へとランチにむかう さらら
お互い八十を超えた友達と小料理屋へ。「」が屋号を思わせる。良い姿、ランチを共にできる友があることのうれしさ・喜びを結句にみる。
5. 熟れるのを待つのではない夏野菜の胡瓜と茄子は寸法で採る たかし
上句でまず断り書きを入れ、結句で寸法で採る、が作者には熟れ時はわかりませんと告白させている。
もっとも、それまで待つと誰かが何処かへ取り去っていくのかもしれない。
6. 敗戦後七十五年米軍の基地縮小の機未だ熟さず ひさお
わたしには”しんどい歌„。結句の「機」は生育物ではなく、日米間の折衝によって創り出すものと思っています。縮小を折衝に。糸口さへ見えない現実の沖縄基地の現実を知ればなお。
もちろん、それぞれ個人が抱く世相・社会観が異なることは承知のうえで。
7. 手の甲に赤黒のメモ夜勤終え熟睡の娘居間のソファーに ひらら
忘れても消失してもいけない事項を手の甲に。忙殺される中での知恵。そして対置する体の疲労度を下句に。今の時期、医師もしくは看護師としてお勤めなのだろうかと思う。対人関係の仕事・職業の難しさと多忙と。

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