
10/8 題詠「中今」・ 鑑賞&批評「まるき」
投稿日 |
: 2020/10/02(Fri) 08:52 |
投稿者 |
: フミコ |
参照先 |
: |
R・02.10.08 (木)
題詠 「中今」
鑑賞&批評 「まるき」
出題当番 ひららさん
鑑賞&批評「まるき」
1. 明け方の真白に浮かぶまるき月の銘菓いただく「荒城の月」 さらら
2. 枯れ色の折れ茎とがる秋も佳きがまるき葉しげる夏こそ蓮は たかし
3. まるき月皓皓と照り白壁に色の褪せたるかまきり一匹 ひさお
4. 屏風絵にアメリカ兵士の爆死体 まるき(丸木)位里、俊作「原爆の図」 ひらら
5. 低き山その途次にさえまるきあり積まれし束に現在をみる ひろゆき
6. 狩衣(かりぎぬ)の裄短きを嘆きいし日々はるかなり まるき背黙す フミコ
(狩衣…神官の略式礼装 平安時代の公家の狩猟着に端を発している。)
7. 母はもういづこを飛びて行くひかり水晶のまるきぶねにねむりて ウプラ

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Re: 10/8 題詠「中今」・ 鑑賞&批評「まるき」
投稿日 |
: 2020/10/08(Thu) 11:29 |
投稿者 |
: ひさお |
参照先 |
: |
1. 明け方の真白に浮かぶまるき月の銘菓いただく「荒城の月」 さらら
3句「まるき月の」が不安定だ。
明け方の真白に浮かぶ「荒城の月」とうまるき銘菓いただく
と、勝手に改作してみました。
2. 枯れ色の折れ茎とがる秋も佳きがまるき葉しげる夏こそ蓮は たかし
3句「秋も佳きが」が不安定だ。「夏こそ蓮は」がいい。
「秋佳きも」としてはいかがでしょうか。
枯れ色の折れ茎とがる秋佳きもまるき葉しげる夏こそ蓮は
3. まるき月皓皓と照り白壁に色の褪せたるかまきり一匹 ひさお
4. 屏風絵にアメリカ兵士の爆死体 まるき(丸木)位里、俊作「原爆の図」 ひらら
丸木美術館の「原爆の図」を見て詠まれている。爆死体にアメリカの兵士も
含まれていることに気づいたことが、この作品のみそである。
いい歌であるが、題詠の「まるき」に対しては問題あり。
5. 低き山その途次にさえまるきあり積まれし束に現在をみる ひろゆき
「まるきあり」はまるく束ねられた薪であろうか。
低い山ではあるが、その頂上までにまるく束ねられた薪が積まれていると
解釈してみた。
「途次にさえ」とかなり強調されている。その強調はどのような意味をもつか?
「現在を見る」とは?この薪を使って生活している人が今もいるのだという
ことであろうか。それとも送り火を焚くための薪が積まれているのだろうか。
難解だ。
6. 狩衣(かりぎぬ)の裄短きを嘆きいし日々はるかなり まるき背黙す フミコ
(狩衣…神官の略式礼装 平安時代の公家の狩猟着に端を発している。)
若きころ、神官の略式礼装の裄(ゆき)が短いと嘆いていた夫。背筋が
ピンとして堂々たる姿であった。それも遠い昔のことで、今では背中も丸く
なってしまわれた。若き時代を懐かしむとともに、お互い長生きして
いることに喜びも感じている。「黙す」は現状肯定と思われる。
7. 母はもういづこを飛びて行くひかり水晶のまるきぶねにねむりて ウプラ
この夏亡くなられたばかりの母上を思う気持ちを詠っている。
あの世へ向かっている母は、水晶のまるき舟に眠りながら、ひかりとなって
いまは何処を飛んでおられるのだろうか。愛していた人への思いは尽きない。
「母はもう」の「もう」が調子外れのように感じられる。
「母いまやいづこを・・・・」としてみたがどうでしょうか。

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Re: 10/8 題詠「中今」・ 鑑賞&批評「まるき」
投稿日 |
: 2020/10/08(Thu) 09:48 |
投稿者 |
: たかし |
参照先 |
: |
コロナ禍でおうち時間の増える中今こそ究めんわが生きわが歌 たかし
感想&批評は深夜にさせていただきます。

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鑑賞&批評「まるき」
投稿日 |
: 2020/10/08(Thu) 09:33 |
投稿者 |
: ひろゆき |
参照先 |
: |
1. 明け方の真白に浮かぶまるき月の銘菓いただく「荒城の月」 さらら
「荒城の月」という銘菓店が作られる和菓子の一つに、上句に詠われる和菓子がある。そこでは店内で味わえる席があるのだろう。字句通り解釈すれば「荒城の月」という銘菓をいただくことになりますかが。
2. 枯れ色の折れ茎とがる秋も佳きがまるき葉しげる夏こそ蓮は たかし
秋の野道・山道に見る尖った折れ茎もいいが、蓮のまるき葉が茂る夏の蓮はもっと良いよと。結句に力がこもる。
3. まるき月皓皓と照り白壁に色の褪せたるかまきり一匹 ひさお
満月が白壁に照り、その白壁に生命の終わりを迎えるような体の色も褪せたかまきりが一匹じっと張り付いていると。結句の “一匹„ が哀れと悲哀を強めている。
4. 屏風絵にアメリカ兵士の爆死体 まるき(丸木)位里、俊作「原爆の図」 ひらら
まるき夫婦制作の原爆死体絵図。アメリカ国が自国で製造した爆弾によって同胞をも爆死させたという隠された事実の知られざりし図絵。歌が羅列に終わっているようで、下句を「まるき夫婦の図絵むごたらし」とか。作者の鑑賞もしくは感想を。
5. 低き山その途次にさえまるきあり積まれし束に現在をみる ひろゆき
6. 狩衣(かりぎぬ)の裄短きを嘆きいし日々はるかなり まるき背黙す フミコ
(狩衣…神官の略式礼装 平安時代の公家の狩猟着に端を発している。)
若い頃は裄が短かったのを嘆きながら着用したのに、今はきちっと合う。歳を加えて背中が丸くなったことを話すこともなく裄が合っていることを誰にも話さずにいる。自身の回顧として。
7. 母はもういづこを飛びて行くひかり水晶のまるきぶねにねむりて ウプラ
母は今何処を飛んでいるのか。水晶箱?のなかのまるき舟に眠って。“ いづこ „ が追憶の日と重なり数えつつ。

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Re: 10/8 題詠「中今」・ 鑑賞&批評「まるき」
投稿日 |
: 2020/10/08(Thu) 07:28 |
投稿者 |
: フミコ |
参照先 |
: |
中今にわれ在ることの摩訶不思議 降る焼夷弾浴びたのだもの フミコ
(1945年3月10日 東京池袋)

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