2021.06.24（木）
題詠　　　　「当面」　　　　　　　　　　　　　　
鑑賞＆批評　「ソフト」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
出題当番　　 ひららさん　　　
　　

　鑑賞＆批評　「ソフト」

１、何時からか本体機械をハードと言い操る頭脳をソフトと言えるは　　たかし

２、ソフト帽被るだけでも恰好をつけてゐるぜと気分はハイに　　ひさお

３、リクエストはソフトなパープル選りかねてママに委ねぬ里奈のブラウス　　ひらら　　（里奈は孫）

４、「もうちょっとソフトにものが言えんか」と担任の目が今もたしなむ　　フミコ

５、夏帽子ソフトクリーム母からの旅信のやうに静かな日照雨（そばえ）　　　ウプラ

６、息子の選びし大きソフアーに身をゆだねソフトに包まれすぐ仮眠する　　　　さらら

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１、何時からか本体機械をハードと言い操る頭脳をソフトと言えるは　　たかし
ソフトから反対語ハードを連想し作歌　男性歌人は意味を正確に　かつ盛り込めるものとして漢語を多用しがちのよう。

２、ソフト帽被るだけでも恰好をつけてゐるぜと気分はハイに　　ひさお
なかなかユーモアに富む　歌の単純化と前後のソフト　ハイに作者の幅を大きく広げる。

３、リクエストはソフトなパープル選りかねてママに委ねぬ里奈のブラウス　　ひらら　　（里奈は孫）
カタカナ言葉を５か所に配し　春を迎える孫娘のブラウスのお買い物の風景と心情
ばあばあには幸せタイムですが　孫の好みも図りがたいもの。

４、「もうちょっとソフトにものが言えんか」と担任の目が今もたしなむ　　フミコ
うまく歌の中にはまったソフト　歌の単純化　言葉選び　省略しても複雑な心の陰影を表現している

５、夏帽子ソフトクリーム母からの旅信のやうに静かな日照雨（そばえ）　　　ウプラ
静かな日照雨　形容詞では表現しきれない空気間を上句の３つの具体をそっと出す　何とも素晴らしい一首に出会えてありがとう。

６、息子の選びし大きソフアーに身をゆだねソフトに包まれすぐ仮眠する　　　　さらら

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子守せし大ちゃん医学生で自殺とう当面ぼんやり空の雲見る　　さらら

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