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12/26 題詠「平年」・鑑賞&批評「噴霧器」
投稿日 | : 2019/12/20(Fri) 09:23 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
次回 12/26 (木) 本年最終
鑑賞&批評 「噴霧器」
題詠 「平年」
出題 ひららさん
※ ※ ※ ※ ※ ※
1. 噴霧器の虹に浮かぶはゴッド・ファザー・ドン・コルレオーネの倒れる躯体(くたい) 蔦の道
2. 障子張りの仕上げの前に水噴霧器用にこなすこともたまにはできる ひさお
3. 眼鏡かけ一匹一匹潰す青菜の虫納屋に噴霧器埃をかぶる ひらら
4. 御神田の薬撒きなり神主は噴霧器背負い田に一礼す フミコ
(薬撒き…稲の害虫防除)
5. 海水のじっとり濡れる水着の吾に噴霧器のやわき飛沫かく君 さらら
6. 作者名を間違えられて憤懣の噴霧器となる人を止めえず たかし
Re: 12/26 題詠「平年」・鑑賞&批評「噴霧器」
投稿日 | : 2019/12/27(Fri) 11:24 |
投稿者 | : ひさお |
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障子張りの仕上げの前に水噴霧器用にこなすこともたまにはできる
多くの批評に感謝します。
自分でパソコンに入力していながら、批評をいただいた後ノートを
見ると
障子張りの仕上の前に水噴霧器用なこともたまにはできる
となっていました。
ノートをみながら打ち込んだはずなのに・・・・。
蔦の道さん
投稿日 | : 2019/12/27(Fri) 08:50 |
投稿者 | : たかし |
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あ、その場面、思い出しました。
「倒れる」で、私は銃撃の場面と思ってしまった。間違いです。
水鉄砲が作る虹だったんだ!
Re: 12/26 題詠「平年」・鑑賞&批評「噴霧器」
投稿日 | : 2019/12/27(Fri) 08:02 |
投稿者 | : 蔦の道 |
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たかしさんおはよう。
く‐たい【躯体】
〘名〙
@ からだ。体躯。躯幹。
だから建築用語だけとは言えない。
さらにたかしさん間違っています。
マーロン・ブランドのドン・コルレオーネは、銃撃によって死んではいません。
銃撃されて瀕死の事件から回復したドンだが、体力は大きく失われて、マイケル・コルレオーネに家督を譲るのです。
ヴイトー・コルレオーネは、孫と菜園で鬼ごっこをしている最中に発作を起こし倒れ、この世を去る。
孫のアンソニーと庭の菜園で鬼ごっこをする際には、オレンジの皮を牙に見立てて、怪物のフリをしてアンソニーを追いかける。
孫のアンソニーがキャッキャと逃げると、トマトの棚の間をよたよたと追いかけるヴィト・コルレオーネ。
水鉄砲型の噴霧器を両手でシュッシュと吹きかけながらよたよたと走る背中と、どーっと倒れてスクリーンから消えるドン・コルレオーネ。
孫のアンソニーは倒れたドンを見下ろしながらキャッキャと笑っているのだ。
Re: 12/26 題詠「平年」・鑑賞&批評「噴霧器」
投稿日 | : 2019/12/26(Thu) 22:52 |
投稿者 | : さらら |
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1. 噴霧器の虹に浮かぶはゴッド・ファザー・ドン・コルレオーネの倒れる躯体(くたい) 蔦の道
虹に浮かぶ倒れる躯体。非日常な情景を静謐にキャッチされている。
2. 障子張りの仕上げの前に水噴霧器用にこなすこともたまにはできる ひさお
口に水を含み貼り終えた障子に噴霧すること 嫁ぐ前の年末にいつも体験する
人間の不思議な行為 こなすことたまにうまくできると感心する。
3. 眼鏡かけ一匹一匹潰す青菜の虫納屋に噴霧器埃をかぶる ひらら
畑に出て青菜の虫取り眼鏡をかけ一匹一匹潰す 噴霧器など不要となり納屋に長い時間を埃を積んである。田舎の一場面を再現するよう。
4. 御神田の薬撒きなり神主は噴霧器背負い田に一礼す フミコ
(薬撒き…稲の害虫防除)
瑞穂の国日本ならではの貴重な行事の歌。お米のお陰で長寿国・飽きることのない大切な食糧あらためて感謝をしています。
5. 海水のじっとり濡れる水着の吾に噴霧器のやわき飛沫かく君 さらら
6. 作者名を間違えられて憤懣の噴霧器となる人を止めえず たかし
佳く歌えている。人と人の関り憤慨に戸惑われて大変な事態。
Re: 12/26 題詠「平年」・鑑賞&批評「噴霧器」
Re: 12/26 題詠「平年」・鑑賞&批評「噴霧器」
投稿日 | : 2019/12/26(Thu) 21:04 |
投稿者 | : ひらら |
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1. 噴霧器の虹に浮かぶはゴッド・ファザー・ドン・コルレオーネの倒れる躯体(くたい) 蔦の道
原作も映画も名作。またもや読んでいず見ていず心細い。大きな半円状の虹に 倒れ込む大きな身体。死を美化しているよう。
2. 障子張りの仕上げの前に水噴霧器用にこなすこともたまにはできる ひさお
障子張りを終え仕上げの水噴霧。水を口に含んでぷうーと細かな霧状に吹く。なかなか難しい。器用に今もきなされるのである。噴霧と器用。分けてつかわれて粋。
3. 眼鏡かけ一匹一匹潰す青菜の虫納屋に噴霧器埃をかぶる ひらら
4. 御神田の薬撒きなり神主は噴霧器背負い田に一礼す フミコ
(薬撒き…稲の害虫防除)
害虫駆除とはいえ害虫も生命体。神田に足を踏み入れる挨拶と虫であっても生命に対しての挨拶への一礼。景がよくわかる。
5. 海水のじっとり濡れる水着の吾に噴霧器のやわき飛沫かく君 さらら
結婚前の事ではなく 塾年になっての海外旅行詠。死海での体験と思う。死海の濃い海水をじっとりと表し 水着の吾に霧のような飛沫をかける君。色っぽいとかエロティックとかでなく
私は塾年同士の爽やかさを感じた。
6. 作者名を間違えられて憤懣の噴霧器となる人を止めえず たかし
あーあの時の。
間違えられた本人の怒りようが4句まてに充分表現され 下句の7音で作者の苦悩と努力が詠まれている。私もこんな事似た事あったわ 短歌好きやわで 回帰できた日があった
。
Re: 12/26 題詠「平年」・鑑賞&批評「噴霧器」
投稿日 | : 2019/12/26(Thu) 16:16 |
投稿者 | : たかし |
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1. 噴霧器の虹に浮かぶはゴッド・ファザー・ドン・コルレオーネの倒れる躯体(くたい) 蔦の道
映画のゴッドファーザー三部作は全てみた。
ドン・コルレオーネ(マーロン・ブランド)が第一作で他の組織に銃撃され、
倒れていく時の映像。
それを「噴霧器の虹」、そのなかに見た作者。意表をついていて良いと思う。
が、最後の「駆体」の語は違和感を感じる。
上句が意表をついているので、ここは普通に「巨体」などでよかった。
2. 障子張りの仕上げの前に水噴霧器用にこなすこともたまにはできる ひさお
「噴霧器」を「噴霧」と「器用」とに分離したところ、
こしゃくなり。私も散々考えたが出来なかった。
第五句が(第四句か?)字余りになってリズムが悪いのは改善の余地あり。
3. 眼鏡かけ一匹一匹潰す青菜の虫納屋に噴霧器埃をかぶる ひらら
この納屋の埃を被っている噴霧器は使用不能なのだろうか?
それとも、使える噴霧器なのに使わないのか?
「埃をかぶる」だけではちょっと分からない。
それから「一匹一匹潰す」と、ていねいな言い方だが、
この第二句、11音もあり、大いにリズムを崩している。
せめて「一匹ずつ潰す」と、9音にしては。
4. 御神田の薬撒きなり神主は噴霧器背負い田に一礼す フミコ
(薬撒き…稲の害虫防除)
「御神田」つまり、神様の田んぼ、そこに虫を殺すための
薬を撒くことに、神主さんは畏怖を覚えられたのではないか。
思わず、深々と田に一礼をされた。
背に噴霧器を背負い、おそらく顔には防護マスクを被っておられる。
その容姿と、その作法、そこに違和、段差を感じた作者。
その感じ伝わる。
5. 海水のじっとり濡れる水着の吾に噴霧器のやわき飛沫かく君 さらら
「濡れる水着」の吾に・・・うーん、エロっぽいなあ。
この「君」は、結婚する前のご夫君であろうか。
雰囲気のある歌だと思うのですが、四、五句の言葉の並び、改善の余地ありそう。
6. 作者名を間違えられて憤懣の噴霧器となる人を止めえず たかし
Re: 12/26 題詠「平年」・鑑賞&批評「噴霧器」
投稿日 | : 2019/12/26(Thu) 13:29 |
投稿者 | : フミコ |
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1. 噴霧器の虹に浮かぶはゴッド・ファザー・ドン・コルレオーネの倒れる躯体(くたい) 蔦の道
マフィアの首領、コルレオーネ一族の興亡をもとにした原作が映画化されて名作と評判の高い映画ですね。
テーマ曲は好きでよく聞きました。
ドンは何代かいるみたいですが、見ていない者には発言権、説得力ともに薄い。
映画は観ていないけれど、マーロン・ブランドには興味がありました。
様々な風評に彩られた俳優歴と20世紀の映画史上に濃い影響をのこしたという点と、波乱万丈の俳優人生と意思や感情を顔に出さない演技はマフィアのドンにはピッタリだと思いました。
2. 障子張りの仕上げの前に水噴霧器用にこなすこともたまにはできる ひさお
初めて一人で障子貼りをして、仕上げに霧を吹き,一晩置けばピンと美しく張りあがった満足感。。
結句のもたつきを解消すれば清々しい気分が倍増しそうですね。
…こなすわれになりけり
…こなす 冬日の清し
….こなすを見せてあげたし (奥様に)
3. 眼鏡かけ一匹一匹潰す青菜の虫納屋に噴霧器埃をかぶる ひらら
気のとおくなりそうな根気のいる作業。
作物にも環境にもやさしい作業。
二句目、三句目のもたつき解消のため、「青菜」か、一匹一匹かを省いても
いいのかなと思いました。
納屋で埃をかぶっている噴霧器が作者のポリシーを語っていますね。
眼鏡かけ一匹一匹潰す虫噴霧器使わず青菜にやさしも
眼鏡かけ青菜の虫を潰しゆく納屋の噴霧器埃をかぶる
4. 御神田の薬撒きなり神主は噴霧器背負い田に一礼す フミコ
(薬撒き…稲の害虫防除)
5. 海水のじっとり濡れる水着の吾に噴霧器のやわき飛沫かく君 さらら
作者若き日のボーイフレンドか恋人か夫となられた人か…
Koinobakansuのメロディが私の頭の中に流れました。
爽やかな、健康的な映像がうかびますが、「じっとり….」のフレーズが重く感じられました。作者としてはうきうき感よりもしっとり感を表現したかったのかもしれませんね。噴霧器は水道ホースかシャワーの噴霧かもしれないなと思いました。
確かに塩水に濡れて乾きかけるとじっとり、ねとねとしますけれども。
6. 作者名を間違えられて憤懣の噴霧器となる人を止めえず たかし
噴霧器に喩えられるような物凄い怒りの霧を撒き散らしているのですね。
「止めえず」は、いくら宥めても相手の怒りを治めさせることができなかったとも、それ以前に、立場の違いや、怒りの凄さにたじろいで近寄れなかったともとれますね。いずれにしろ、聞く耳をもたない相手にお手上げだった様子を想像しました。湯気を立てている人の譬えに「噴霧器」は状況説明不要で面白いです。
確かに作者名や文字を間違えられると不愉快ではありますね。
Re: 12/26 題詠「平年」・鑑賞&批評「噴霧器」
Re: 12/26 題詠「平年」・鑑賞&批評「噴霧器」
投稿日 | : 2019/12/26(Thu) 13:09 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
コスプレの聖誕祭など真っ平年の差60の孫に誘わる フミコ
(京都、梅小路で旬時おこなわれるコスプレ愛好者のパーティ)
Re: 12/26 題詠「平年」・鑑賞&批評「噴霧器」
Re: 12/26 題詠「平年」・鑑賞&批評「噴霧器」
投稿日 | : 2019/12/26(Thu) 12:21 |
投稿者 | : たかし |
参照先 | : |
天平年代唐に留学せる真備(まきび=吉備真備)その筆あとを中国に残す たかし
詞書「(十二月二十五日NHK夕方ニュース)中国で発見された唐の時代の官僚の墓石に刻まれた墓誌が、当時、唐に渡っ
ていた吉備真備によって書かれたとみられることが分かりました。専門家は、吉備真備が書いた文字は日本国内でも見
つかっていないとして、貴重な発見だと注目しています。」
Re: 12/26 題詠「平年」・鑑賞&批評「噴霧器」
Re: 12/26 題詠「平年」・鑑賞&批評「噴霧器」
投稿日 | : 2019/12/26(Thu) 10:49 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
1. 噴霧器の虹に浮かぶはゴッド・ファザー・ドン・コルレオーネの倒れる躯体(くたい) 蔦の道
残念ながら、ゴッドファーザーの小説を読んでいないし、映画も見ていない。
マフィアの活躍する有名な小説・映画であるが、長すぎて敬遠した。
権勢を誇るドン・コルレオーネが銃で撃たれて、あるいは心筋梗塞などで
倒れることを夢想し、その姿が噴霧器の虹に浮かぶと美化したものであろう。
2. 障子張りの仕上げの前に水噴霧器用にこなすこともたまにはできる ひさお
3. 眼鏡かけ一匹一匹潰す青菜の虫納屋に噴霧器埃をかぶる ひらら
作者は最近青菜に殺虫剤を噴霧しなくなったようだ。人体によくないものを
避けるためであろう。そのため青菜についている虫を丁寧に見つけては潰す
という作業を根気よくやっている。噴霧器の出番はなくなり埃をかぶっている。
4. 御神田の薬撒きなり神主は噴霧器背負い田に一礼す フミコ
(薬撒き…稲の害虫防除)
神社の御神田でも稲には農薬を散布するようだ。それも神主自ら。噴霧作業
開始のときには、まず田に一礼するという作法があるのだ。
二句切れであるが、切れない方がいいように思う。
一例
「御神田に農薬まかむと」
5. 海水のじっとり濡れる水着の吾に噴霧器のやわき飛沫かく君 さらら
海水から上がった作者に噴霧器で飛沫をかける。もしかして死海で泳いだ
後の処置ではないか。「君」は共に旅行した異性の人。
6. 作者名を間違えられて憤懣の噴霧器となる人を止めえず たかし
たぶんあの時のことであろうと思い当たる節あり。
名前を間違えられた人の怒りは尋常ではなかったように思う。
「憤懣の噴霧器」という表現は面白い。
「噴霧器となる人」は「憤懣の噴霧器となれる人」の方がよくないか。
「・・・なる人」だと、これからのことを予測しているように感じる。
間違えられた人は既に怒り狂っているはず。
Re: 12/26 題詠「平年」・鑑賞&批評「噴霧器」