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12/26 題詠「平年」・鑑賞&批評「噴霧器」
投稿日 : 2019/12/20(Fri) 09:23
投稿者 フミコ
参照先

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鑑賞&批評 「噴霧器」
題詠    「平年」              
出題     ひららさん

※   ※   ※   ※   ※   ※

1. 噴霧器の虹に浮かぶはゴッド・ファザー・ドン・コルレオーネの倒れる躯体(くたい)  蔦の道

2. 障子張りの仕上げの前に水噴霧器用にこなすこともたまにはできる  ひさお

3. 眼鏡かけ一匹一匹潰す青菜の虫納屋に噴霧器埃をかぶる  ひらら

4. 御神田の薬撒きなり神主は噴霧器背負い田に一礼す  フミコ
  (薬撒き…稲の害虫防除)

5. 海水のじっとり濡れる水着の吾に噴霧器のやわき飛沫かく君  さらら

6. 作者名を間違えられて憤懣の噴霧器となる人を止めえず  たかし
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Re: 12/26 題詠「平年」・鑑賞&批評「噴霧器」
投稿日 : 2019/12/26(Thu) 09:54
投稿者 蔦の道
参照先
1. 噴霧器の虹に浮かぶはゴッド・ファザー・ドン・コルレオーネの倒れる躯体(くたい)  蔦の道

2. 障子張りの仕上げの前に水噴霧器用にこなすこともたまにはできる  ひさお

 昔々は口に水を含んで、ぷ~~と障子紙に吹きかけていましたな。

時は移りちいさい噴霧器でさっさと障子を湿らせる。

おかあちゃんが障子紙を張り、お父ちゃんが障子紙を湿らせる家族分担がいい味を醸し出している。

器用にこなせるぞ!とおとうちゃんが胸を張っています。ふふふふ。

3. 眼鏡かけ一匹一匹潰す青菜の虫納屋に噴霧器埃をかぶる  ひらら

 衛生環境が整って、青虫の発生も指で退治できるほどに減少した。今や大きな 噴霧器は納屋で埃をかぶっている。

上の句が音韻的にもたついている。こういうところが短歌は大事だと思う。

4. 御神田の薬撒きなり神主は噴霧器背負い田に一礼す  フミコ
  (薬撒き…稲の害虫防除)

 伝統の行事を描いた一首。日本のお米の豊穣を祈り、みんなうやうやしく御神田にいやするのだ。

ただ、注文をつけるならば、想像を広げられるようにもっと情景に物語らせたい。

5. 海水のじっとり濡れる水着の吾に噴霧器のやわき飛沫かく君  さらら

 わお~~エロいですね。海から上がったまだ水の滴る人魚に、あなたは、含み笑いをしながら水鉄砲のような噴霧器をわたしに当ててくるのだ。

乳房の形も明々白々の私にあなたの悪戯な手は止むことはない。いけません。悪いおててね! 

上の句で声調がもたもたしてしまっている。上の句をもっと締まらせるといいな。

「海水のいまだ滴るわたくしに噴霧器のやわき飛沫ふらせる」などの変化はどうかしら?

君と言わないで君を想像させるのだ。

6. 作者名を間違えられて憤懣の噴霧器となる人を止めえず  たかし

 一読どこも停滞せずぐーっと最後まで読ませる力のある一首だと思います。

良きお歌。ぱちぱちぱち。
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