トップページ > 記事閲覧
1月23日・お題「浮遊」 鑑賞&批評「吉」
投稿日 | : 2020/01/17(Fri) 07:45 |
投稿者 | : たかし |
参照先 | : |
次回 2020.01.23(木)
鑑賞&批評「吉」
お題・・・「浮遊」
出題・・ひろゆきさん
※ ※ ※ ※ ※
詠草「吉」一覧
1、南座の吉例顔見世興行は京の歳末年中行事よ ひさお
2、留袖の吉祥文様舅姑(ちちはは)の見立てとつたえ娘に譲る ひらら
3、初詣で今年も息子らと御籤引くわれは大吉健やか祈る さらら
4、子の名づけに新字のは使えない使えるは旧字の吉の文字のみ たかし
5、大凶を引きしおみくじ枝に下げ吉を求めて足急ぐ人 ひろゆき
6、陀羅尼助買うて吉野は花の雨すずろ心に迷ひて行かな ウプラ
7、君と吾(あ)のよはひゾロ目を吉として荒波分けてゆく舟ぞ寿(ほ)ぐ 蔦の道
Re: 1月23日・お題「浮遊」 鑑賞&批評「吉」
投稿日 | : 2020/01/25(Sat) 22:06 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
こんばんは。
皆さん、ご批評ありがとうございました。
〇陀羅尼助買うて吉野は花の雨すずろ心に迷いて行かな
さららさん、「すずろ」は「そぞろ」と同じです。そぞろ歩きなどのそぞろ。たかしさんやひさおさんが書いてくださった通りです。
そして、ひさおさんのおっしゃる通り柔らかな感じを出したくて「買ひて」を「買うて」としました。ウ音便なので、旧仮名遣いは「買うて」となります。「言うて」とか。
また、ひさおさんの、気づくとすぐに直される姿勢は昔からのことですが、大変気持ちが良いものだと感じています。たかしさんの態度も昔から気持ち良くて立派です。
最後に蔦さん、私は無名のぺんぺん草です。ほめころしはなりませぬよ。
Re: 1月23日・お題「浮遊」 鑑賞&批評「吉」
投稿日 | : 2020/01/24(Fri) 23:08 |
投稿者 | : 蔦の道 |
参照先 | : |
ひさおさんの改作のお歌とてもいいですね。
躍動感があります。
早速に直すお歌への真摯さはとても素晴らしいです。
Re: 1月23日・お題「浮遊」 鑑賞&批評「吉」
投稿日 | : 2020/01/24(Fri) 20:58 |
投稿者 | : ひらら |
参照先 | : |
南座の吉例顔見世興行のまねき上げられお練り賑はう
顔見世興行で賑わう四条通りに居るような作品。
4句5句の まねきとお練りの具体的な言葉が顔見世興行のはなやかさを醸し出している。歌舞伎役者の喜ばしい表情や沿道のファンの声まで聴こえてくる。
短歌を読み 景や雰囲気の描けるのは佳いと信じてます。
Re: 1月23日・お題「浮遊」 鑑賞&批評「吉」
投稿日 | : 2020/01/24(Fri) 20:21 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
南座の吉例顔見世興行は京の歳末年中行事よ
批評に応えるべく改めてみました。
南座の吉例顔見世興行のまねき上げられお練り賑はう
Re: 1月23日・お題「浮遊」 鑑賞&批評「吉」
投稿日 | : 2020/01/24(Fri) 19:56 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
1、南座の吉例顔見世興行は京の歳末年中行事よ
蔦の道さんから
下の句でただの説明に終わった。
触れ太鼓の勇ましさや空気の爆発する様や,幟のへんぽんたる様や、切り取るところはいっぱいあるなあ。躍動する歳晩の空気を詠んでほしいなあ。
ひららさんやウプラさんからも同じ主旨の批評をいただきました。
ありがとうございます。
それらの批評はもっともです。考えてみます。
なお、漢字が多くなるのは、この作品の場合はやむを得ないと
思います。
「吉」 について
投稿日 | : 2020/01/24(Fri) 14:53 |
投稿者 | : ひろゆき |
参照先 | : |
皆様より種々ご意見をいただきありがとうございました。
大凶と足急ぐに難点があったようです。
過去に歌友であったひとと3人で一日歩きました。そのうちおみくじの好きな人がいて凶の字がつくおみくじを引くと次の神社へと急ぎ、どんなに小さな神社でもおみくじがあれば引いておられました。
私はおみくじは小さいときに終わりです。
最近、有名神社の宮司さんが大凶をまじえると人気が悪くなり参詣する人が減ると話しておられました。営業策も難しいなぁと聞いていました。
大凶を引いた歌友にも大吉以上に、めったに当たらないのですから大事にと言ったのですが。他人ごとなのでしょう。
お題「石段」
Re: 1月23日・お題「浮遊」 鑑賞&批評「吉」
投稿日 | : 2020/01/24(Fri) 12:34 |
投稿者 | : 蔦の道 |
参照先 | : |
君と吾(あ)のよはひゾロ目を吉として荒波分けてゆく舟ぞ寿(ほ)ぐ 蔦の道
うーん!
なんで恋の歌と思わないのかなあ?
不思議だ。
Re: 1月23日・お題「浮遊」 鑑賞&批評「吉」
投稿日 | : 2020/01/24(Fri) 09:03 |
投稿者 | : たかし |
参照先 | : |
4、子の名づけに新字のは使えない使えるは旧字の吉の文字のみ たかし
お題「吉」の歌が出来ずにウンウン唸って夜を越えて、
翌朝になって、広辞苑を開いて、土に口の字と、吉の字の
両方の成り立ちを調べて苦し紛れの歌でした。
蔦の道さんの「理屈詰め、短歌も詩だから・・・」のご批判を
甘んじて受けます。
ひさおさんの改作、「人名に新字のは使えない使える文字は旧字の吉のみ」
が佳いと思います。
ウプラさんは、「次回を期待」これも厳しいご批評、甘んじていただきます。
Re: 1月23日・お題「浮遊」 鑑賞&批評「吉」
投稿日 | : 2020/01/24(Fri) 07:43 |
投稿者 | : たかし |
参照先 | : |
今回のお題を出す当番、ひろゆきさんですよ。
まだ出ていません。何か出してください。
ウプラさん、菊理媛(くくりひめ)塚の方を採りましたよ。
Re: 1月23日・お題「浮遊」 鑑賞&批評「吉」
投稿日 | : 2020/01/23(Thu) 23:02 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
二つできてしまいました。どちらかお願いいたします。
石ひとつ置いて離りぬ木々の間を魂浮遊する菊理媛(くくりひめ)塚
浮遊するペットボトルがぷかぷかつい海亀殺そぷかぷかつい
Re: 1月23日・お題「浮遊」 鑑賞&批評「吉」
投稿日 | : 2020/01/23(Thu) 22:37 |
投稿者 | : ひらら |
参照先 | : |
1、南座の吉例顔見世興行は京の歳末年中行事よ ひさお
師走の京都の行事を素材。吉例の言葉もきちんと詠見込まれている。招きの字とか南座の空気感とか焦点を絞られて詠まれたらと感じた。
2、留袖の吉祥文様舅姑(ちちはは)の見立てとつたえ娘に譲る ひらら
3、初詣で今年も息子らと御籤引くわれは大吉健やか祈る さらら
2句目のもたもた感は 息子を むすこと読まず 子と読むと7音になる。息子を子と読むのには疑問はだが。あっさり 子 で良いのでは。
4、子の名づけに新字のは使えない使えるは旧字の吉の文字のみ たかし
新字と旧字の名称を学んだ。つちよしさん さむらいよしさんと尋ねて名簿作成をしたことがあった。
5、大凶を引きしおみくじ枝に下げ吉を求めて足急ぐ人 ひろゆき
その場の光景が浮かぶ。大凶のくじってあるのですね。
6、陀羅尼助買うて吉野は花の雨すずろ心に迷ひて行かな ウプラ
陀羅尼助の響き 苦い味。桜に雨。すずろ心。に まだ迷ういきさき。語彙が皆活かされ
無駄がない。技巧的におもうがそれが自然に読める。上手 佳作。
7、君と吾(あ)のよはひゾロ目を吉として荒波分けてゆく舟ぞ寿(ほ)ぐ 蔦の道
ご夫婦の年頭所感のよう。共に人生航路をのりこえて行くぞと。めでたくよろこばしい。が 作者はこの読み方でいいのだろうかと思えてくるが。
Re: 1月23日・お題「浮遊」 鑑賞&批評「吉」
Re: 1月23日・お題「浮遊」 鑑賞&批評「吉」
投稿日 | : 2020/01/23(Thu) 20:49 |
投稿者 | : たかし |
参照先 | : |
1、南座の吉例顔見世興行は京の歳末年中行事よ ひさお
「吉例」というのをうまく取り入れた。
最後の「よ」は、なくてもよさそうに思うが、
リズムよく上手くまとまっている。
2、留袖の吉祥文様舅姑(ちちはは)の見立てとつたえ娘に譲る ひらら
吉祥文様とはどういう文様だろう。
鶴と亀などがあしらわれていて、金糸、銀糸で刺繍がしてあるようなのを
思った。
この頃はみな貸衣装の利用が多いが、自分で持っておられるとはすごい。
「舅姑の見立て」ということは、嫁いだ先で作ってもらわれたのか!
これもまた凄い!!!
歌とは違うところで感心したが、リズムよくまとまっている。
3、初詣で今年も息子らと御籤引くわれは大吉健やか祈る さらら
初詣に行くと大方の人はお神籤を引く。私も大吉だった。
結句の「健やか祈る」は、常套の言葉で、面白くない。
なにか工夫が欲しい気がした。
4、子の名づけに新字の は使えない使えるは旧字の吉の文字のみ たかし
5、大凶を引きしおみくじ枝に下げ吉を求めて足急ぐ人 ひろゆき
この歌もお神籤の歌、こちらは大凶。滅多にこれは出ないと思う。
だから、大凶を引いた人が、大声で「わあー大凶だ」とか言って、
枝に結んでいたのだろう。
その光景を作者は見ていたのだと思う。
作者のことが少し言われているとよいと思う。
6、陀羅尼助買うて吉野は花の雨すずろ心に迷ひて行かな ウプラ
陀羅尼助は苦ーい胃の薬、私も胃が弱かった若い頃、
陀羅尼助丸を売っているお寺(こういうお寺があった)で買って、持っていたことがあります。
吉野は桜の名所、そこを「すずろ心に」この「すずろ」を、
広辞苑で引くと、【@何となく心がひかれるさま。漫然。伊勢「昔、男、みちの国に
──に行きいたりにけり」Aそうすべき場合ではないのに事をなすさま。はしたなくふるまうさま。むやみ。軽率。・・・・】
などとある。
この歌の場合は、@の、「何となく心ひかれるさま」と「漫然」とを足して二で割った辺りかと思う。
余裕のある旅心、陀羅尼助は、誰のためにか、全体に余裕のある心が感じられ、魅力がある。
7、君と吾(あ)のよはひゾロ目を吉として荒波分けてゆく舟ぞ寿(ほ)ぐ 蔦の道
「ゾロ目」は、同じ数字が並ぶこと。55,66,77歳など。
そしてそれを吉として、つまり目出度いこととして、
(世の)荒波を分けてゆく、この荒波の比喩は、
困難なこの世を確かに生き抜いてゆくぞ、という年頭に当たっての
心情が詠われている。この歌もリズムがいいな。
Re: 1月23日・お題「浮遊」 鑑賞&批評「吉」
投稿日 | : 2020/01/23(Thu) 19:56 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
1、南座の吉例顔見世興行は京の歳末年中行事よ ひさお
日本文化の歴史をたっぷり染みこませ、いまだ取り込み続けている京都という土地。歌舞伎の華やかな顔見世興行も年中行事であるという。その豪勢な華やぎに触れることへの心躍り、満足感が「よ」に表れた。
「よ」の前がいささか冗長。歌舞伎らしい具体がひとつ欲しい。
2、留袖の吉祥文様舅姑(ちちはは)の見立てとつたえ娘に譲る ひらら
留袖・舅姑・嫁(母)・娘と揃うと、ちょっと息苦しさを感じる。こんな風に感じるのはわたしだけかもしれないが、登場人物の<関係性>の密度が高くて、歌の世界が重い気がする。
どんな吉祥文様か、譲られたときの娘の一瞬の表情は、舅姑の様子など、別々の歌にするとさらりとした感じになると思う。オノマトペ(ピシパシとても良かった)や視覚、触覚等、感覚的な要素を入れてはどうだろう。
3、初詣で今年も息子らと御籤引くわれは大吉健やか祈る さらら
息子たちと毎年の初詣。恒例のお御籤も今年は大吉で、まあまあの気分ですね。
「健やか祈る」という言い方はない(と思う)ので、端折らないで、ひとつよろしくお願いいたします。
4、子の名づけに新字の●は使えない使えるは旧字の吉の文字のみ たかし
漢和辞典の一番初めに新字がありましたが、初めて見ました。普通に出ていたら読めなかったです。いつからあんな字ができたのでしょうか?・・・などと書きつつ・・・
まあ、それはそれとして、うーむ・・・次回期待!(笑)
5、大凶を引きしおみくじ枝に下げ吉を求めて足急ぐ人 ひろゆき
新年早々、大凶を引くなどと、うすら寒いことになってしまった人。
「枝に結び」かな?
「足急ぐ人」の「足」は要らないですね。
大凶を引きしみくじを枝に結び吉を探しに巷へ急ぐ
大凶のみくじを枝に結びつけ吉を引かむと踵を返す
主体を自分にして想像してみました。
「求めて」が解釈しにくい。
6、陀羅尼助買うて吉野は花の雨すずろ心に迷ひて行かな ウプラ
7、君と吾(あ)のよはひゾロ目を吉として荒波分けてゆく舟ぞ寿(ほ)ぐ 蔦の道
蔦の道さんらしい良さの発揮された作品。
詞書きの「吉歌会」なるものを舟に見立てて、結句の切れも決まっている。「ゾロ目」というやや蓮っ葉な言い方も、景気が良くて好感がもてる。リズムが力強くて生命感にあふれ、そこがなんともステキです。
詞書きがないのも相聞ぽくていいですね。