トップページ > 記事閲覧
6/25 題詠「熟」・鑑賞&批評「蛍」
投稿日 | : 2020/06/19(Fri) 09:12 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
♪ 「たどたど」スケジュール ♪
R・02.06.25 (木)
題詠 「熟」 ひろゆきさん未出題につき代理で出題
鑑賞&批評 「蛍」
出題当番 ウプラさん
鑑賞詠草 「蛍」
1. ハンカチーフの四隅を結び蛍二つ君に見せんと助手席におく ひらら
2. 山村の源氏蛍が舞い飛びて半世紀の今影さへ見えず ひろゆき
3. 掌(て)の中に光るを止めしあの夏の蛍をおもう 蛍見ぬいま フミコ
4. この先の家の暗さや水の辺に蛍(ほうたる)消えてほうたる点る ウプラ
5. FBに守山の蛍のアップされる夜空に動く光の息づき さらら
6. 白熱灯に取って代わりし蛍光灯もLEDに座を追わるるか たかし
7. 酔客にほどよく賑はひ虫篭の数十匹の蛍放たる ひさお
(昭和40年代)
Re: 6/25 題詠「熟」・鑑賞&批評「蛍」
投稿日 | : 2020/06/25(Thu) 20:17 |
投稿者 | : さらら |
参照先 | : |
1. ハンカチーフの四隅を結び蛍二つ君に見せんと助手席におく ひらら
籠の鳥ではなく ハンカチーフの袋に二つの蛍 あなたと私 永遠に想いの灯りは
掌中の珠玉です。
2. 山村の源氏蛍が舞い飛びて半世紀の今影さへ見えず ひろゆき
かって源氏蛍が夏の夜空に飛び交っていた。半世紀経た現在は全く見ることはない。
昔を回顧する。
3. 掌(て)の中に光るを止めしあの夏の蛍をおもう 蛍見ぬいま フミコ
掌のくぼみに蛍ひとつ光るのをやめてしまった。 呼吸をするように灯が消えたり灯ったり短い夏の夜の幽玄の世界巡りに両親もうかび懐かしい。
今や全く蛍にはお目にかかれない
4. この先の家の暗さや水の辺に蛍(ほうたる)消えてほうたる点る ウプラ
周辺の暗さに水辺の蛍がちらりちらりと点滅の灯りを見せる。作者の視点はしばらくそこにとどまっている。
5. FBに守山の蛍のアップされる夜空に動く光の息づき さらら
6. 白熱灯に取って代わりし蛍光灯もLEDに座を追わるるか たかし
油の灯明 蝋燭 白熱灯 蛍光灯 LED。灯りの変遷 昔はよく停電しましたね。
7. 酔客にほどよく賑はひ虫篭の数十匹の蛍放たる ひさお
(昭和40年代)
酔客へのサービスに 時代の好景気には蛍も放ち 殿方の夏の夜の優雅な楽しみのひとつ。
Re: 6/25 題詠「熟」・鑑賞&批評「蛍」
投稿日 | : 2020/06/25(Thu) 19:43 |
投稿者 | : たかし |
参照先 | : |
1. ハンカチーフの四隅を結び蛍二つ君に見せんと助手席におく ひらら
このハンカチの中に蛍が二匹入っていて、ポー、ポーと、光っているのだろう。
「助手席におく」というのは、作者はこのクルマには乗らないのかな?
乗らないで、蛍だけをクルマで来た「君」に見せようと助手席に置いた・・・
というような状況かと思う。
この「君」が、作者にとってどういう関係の人なのか、男性なのか女性なのか、
その辺りがもう少し掘り下げられているといいと思った。
2. 山村の源氏蛍が舞い飛びて半世紀の今影さへ見えず ひろゆき
半世紀、50年前には蛍が舞っていた山村、今はその影さえも見えない・・という。
年月による環境の変化は、どんな山村にも起きている。
上句の「山村の源氏蛍が舞い飛びて」の、この時、作者はどういう状況であったのか。
作者がここに関わっていると良くなるように思う。
3. 掌(て)の中に光るを止めしあの夏の蛍をおもう 蛍見ぬいま フミコ
「光を止めし」とは、蛍が死んでしまったのかと思う。可哀相なことをした・・・という思いが、今も想い出として鮮明にあるのかと思った。
結句は「蛍見ぬいま」・・・この結句は拍子抜けしました。
この歌も何かその時の作者の状態とかが一言あるといいように思う。
4. この先の家の暗さや水の辺に蛍(ほうたる)消えてほうたる点る ウプラ
「この先の家の暗さ」で、蛍を見にゆくような場所(川の辺の)のイメージがありありと湧いた。
初句と二句で決まっている。下句は軽く流しているがこれでいいと思う。
5. FBに守山の蛍のアップされる夜空に動く光の息づき さらら
FBというのはフェイスブックのこと、作者はフェイスブックでの交流を盛んにしているのだ。
そのFBで蛍の動画がアップされた。下句の「夜空に動く光の息づき」は、
蛍の飛ぶ動画を見ての表現だが、独自色は出ていないように思う。
6. 白熱灯に取って代わりし蛍光灯もLEDに座を追わるるか たかし
7. 酔客にほどよく賑はひ虫篭の数十匹の蛍放たる ひさお
(昭和40年代)
この歌の場所は何処だろうかと思った。
「酔客にほどよく賑わい」とあるので、夜の繁華街であろうと思う。
で、「虫かごの数十匹の蛍放たる」である。
私は例えば大阪の道頓堀の橋の上などを思い描いた。
そういう所だとこのようなパフォーマンスはとても面白いだろうなと、
周りから「ワォー」と歓声が沸くように思ったが・・。
さて、どうでしょう。
Re: 6/25 題詠「熟」・鑑賞&批評「蛍」
Re: 6/25 題詠「熟」・鑑賞&批評「蛍」
Re: 6/25 題詠「熟」・鑑賞&批評「蛍」
Re: 6/25 題詠「熟」」
Re: 6/25 題詠「熟」・鑑賞&批評「蛍」
投稿日 | : 2020/06/25(Thu) 11:35 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
1. ハンカチーフの四隅を結び蛍二つ君に見せんと助手席におく ひらら
薄いハンカチーフを透けて明滅する蛍の灯。
作者若き日の君と重なる密かな思い出と読んだ。
蛍を見る度、読む度浮かんでくる仄かな痛み(甘酸っぱいような痛みかも)
二つというところが意味深。
2. 山村の源氏蛍が舞い飛びて半世紀の今影さへ見えず ひろゆき
半世紀前にはあれほど群れ飛んでいた源氏蛍が今はもうちらりとも見かけない。
山村にも開発の影響が避けられず環境の激変や水質汚染が風景にも大きく影響を及ぼして久しい。回復は望めそうもないのか。
3. 掌(て)の中に光るを止めしあの夏の蛍をおもう 蛍見ぬいま フミコ
4. この先の家の暗さや水の辺に蛍(ほうたる)消えてほうたる点る ウプラ
水路に添うようにポツンポツンと家が建っていてどの家も灯りが暗い。
ぽわっと灯りフイと消える蛍の灯りに家の輪郭がボンヤリ浮かぶ。
この先の家の暗さというところに、作者幼い頃の思い出かとも思った。
あっちには明滅多く蛍がいっぱいいるけれど、行くのはなんだか怖いというような。
5. FBに守山の蛍のアップされる夜空に動く光の息づき さらら
守山の蛍のことは聞いたことがある。ような。
保存会が活動されていて、絶滅を回避する効果が表れているといったような。
光の息づき…蛍への関心の深い観察。FBにアップされる蛍。
美しい水辺の多い守山の、夏の風物詩になっているのでしょう。
6. 白熱灯に取って代わりし蛍光灯もLEDに座を追わるるか たかし
白熱灯から蛍光灯に替わり、その恩恵を受けた歴史は長かったが、近年、飛躍的に発達したLEDにまもなく取って代わられることになるだろう。
クリアになって長持ちがして安くもなって…されど昔のぼんやり感がなくなる寂しさもある。
7. 酔客にほどよく賑はひ虫篭の数十匹の蛍放たる ひさお
(昭和40年代)
夕涼みの屋形船を想像しました。
隅田川だったり、八幡堀だったり。
虫かごに蛍が数十匹なんて今では夢のまた夢かも。
幻想的な夜の闇。
酔客に賑わう風景も今年は観られませんね。。
Re: 6/25 題詠「熟」・鑑賞&批評「蛍」
Re: 6/25 題詠「熟」・鑑賞&批評「蛍」
投稿日 | : 2020/06/25(Thu) 10:48 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
1. ハンカチーフの四隅を結び蛍二つ君に見せんと助手席におく ひらら
二匹の蛍をどこでつかまえたのか。君とはどのような人か。これらについて
読者に想像することを求めている。
作者が実家へ帰ったとき、ちょうど蛍を捕まえることができた。そこで
自宅へ車で帰るとき、その蛍を連れ合いに見せてあげようとした。
虫篭がなかったので、ハンカチの四隅を結んで篭のかわりにした。この
機転がこの作品を面白くしている。
2. 山村の源氏蛍が舞い飛びて半世紀の今影さへ見えず ひろゆき
源氏蛍がきれいに舞っていたのだろう。しかし「山村の・・・」が一般的過ぎる
ように思う。
東北地方の山村では今も蛍が群舞するところがかなりある。
3. 掌(て)の中に光るを止めしあの夏の蛍をおもう 蛍見ぬいま フミコ
作者にとって「あの夏」が特別に印象深いのだ。
「あの夏」についていろいろ想像させられる。
楽しいデートをした夏の思い出であろうか。「光るを止めし」という
ことは、比較的長い時間の経過、つまり長時間のデートを暗示している。
4. この先の家の暗さや水の辺に蛍(ほうたる)消えてほうたる点る ウプラ
照明の明かりの漏れない暗い民家。近くに小さな池がある。その
暗がりの中に蛍が飛び、見失ったとおもったら、また別の蛍が飛んで
くる。蛍の明かりとの対比により、家の暗さをより印象的にしている。
5. FBに守山の蛍のアップされる夜空に動く光の息づき さらら
作者はFBで蛍狩りをしていて、守山の源氏蛍が夜空に飛び交うのを
見ている。「夜空に動く光の息づき」によって臨場感が出ている。
6. 白熱灯に取って代わりし蛍光灯もLEDに座を追わるるか たかし
照明灯の変遷を述べている。題詠「蛍」なので、「蛍光灯」を持って
きた。面白さに乏しいように思う。
7. 酔客にほどよく賑はひ虫篭の数十匹の蛍放たる ひさお
(昭和40年代)
鑑賞&批評「蛍」
投稿日 | : 2020/06/25(Thu) 09:43 |
投稿者 | : ひろゆき |
参照先 | : |
1. ハンカチーフの四隅を結び蛍二つ君に見せんと助手席におく ひらら
作者の若い頃の、連れ合いと交際中の出来事を詠っておいでのように思う。道中かあるいは偶然に見かけて、蛍が取れたので持参のハンカチーフの四隅を結んで。籠の鳥ならぬハンカチの蛍。
2. 山村の源氏蛍が舞い飛びて半世紀の今影さへ見えず ひろゆき
3. 掌(て)の中に光るを止めしあの夏の蛍をおもう 蛍見ぬいま フミ
光る蛍を捕獲し、掌に載せたら途端に光ることを止めた。蛍の恐怖心からか。今はその蛍を見ない。おそらく山道が開け、もう蛍の住む場所ではなくなったのだろう。
4. この先の家の暗さや水の辺に蛍(ほうたる)消えてほうたる点る ウプラ
家の近くに流れる小川沿いに繁茂した暗い草陰から見えた蛍の光が消えてしまったが、まだ生息地であろう誰もが見えるところで光を放っていると。谷川の清清しさも見えて。
5. FBに守山の蛍のアップされる夜空に動く光の息づき さらら
守山の蛍の灯す光の美しさを詠っておられる。初句…にと夜空にの”に„が重なって重い気がする。”FBの守山の蛍アップされ„ではどうでしょうか。
6. 白熱灯に取って代わりし蛍光灯もLEDに座を追わるるか たかし
時代と機器の進歩。蛍光灯が出来たころは明るさと電力消費量を喧伝されて白熱灯から蛍光灯へ。蛍光灯の光がちらちらして目に悪いと言われるといまやLED。私宅はまだ蛍光灯だがやがては。余談だが、初期、蛍光灯が普及し始めて児童の近視が多くなったようである。
7. 酔客にほどよく賑はひ虫篭の数十匹の蛍放たる ひさお
(昭和40年代)
何処の清流地の床料理だろう。近辺で捕獲しておいた蛍を興が盛り上がってきたときに電気を消して暗闇の中へ一挙に放つ美しかった思い出でもあろう。作者が断り書きをしておられるように半世紀前のこと。清流であることを含め今は蛍を大量に捕獲できる場がないと思う。
Re: 6/25 題詠「熟」・鑑賞&批評「蛍」