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12/12 (木) 題詠「怪」・鑑賞&批評「和」
投稿日 | : 2019/12/06(Fri) 09:06 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
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次回 12/12 (木)
鑑賞&批評 「和」
題詠 「怪」
出題 蔦の道さん
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批評 「和」 詠草一覧
1. 令和二年の県民手帳贖いぬ手帳提示なせば施設割引とう さらら
2. 墓参りに行くとき通る近江八幡たねやあり和た与あり甘党われに たかし
3. ただむきの不協和音は朝妻の乾電池より漏れてくる欝 蔦の道
4. 京和傘かうもりがさに押されしも舞妓芸妓になくてはならぬ ひさお
5. 白和えに菊菜と柿とひじきの具友禅和えと末の娘名付く ひらら
6. シジミ採る和船のおっちゃん手をふれば遠泳児童を掬いくれたり フミコ
(昭和中期 萩の浜)
Re: 12/12 (木) 題詠「怪」・鑑賞&批評「和」
Re: 12/12 (木) 題詠「怪」・鑑賞&批評「和」
投稿日 | : 2019/12/12(Thu) 14:06 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
1. 令和二年の県民手帳贖いぬ手帳提示なせば施設割引とう さらら
来年の県民手帳を買われた。
こまめに日常を記録する作者。作者の歴史が積み重ねられてゆく。
下の句が余禄の説明だけに終わっている感じがして惜しいと思います。
2. 墓参りに行くとき通る近江八幡たねやあり和た与あり甘党われに たかし
滋賀県の甘党には聞いただけで頬が緩みそうな和菓子の老舗。
お墓参りの行き来に通る。作者は甘党と聞き及ぶ。強い誘惑。
墓参=たねやに和た与。 お盆の炎昼も何のその。ご先祖様の苦笑い。
どっしりと歴史を刻んできたたたずまいの空間は非日常を感じさせる趣のあるお店と記憶しています。
3. ただむきの不協和音は朝妻の乾電池より漏れてくる欝 蔦の道
覚醒時の両腕の違和感は私も持ったことがありますが、朝妻の乾電池…これは自身を暗喩した客観でしょうか。
伏線や内包に謎や悪戯や意地悪を仕込むのが趣味だという作意を読んでから、解らないことは深追いしないと決めているので追及はしませんが雰囲気のある歌だと感じています。
4. 京和傘かうもりがさに押されしも舞妓芸妓になくてはならぬ ひさお
京都祇園の舞妓さんや芸妓さんの三種の神器とも思えるほどに馴染み深くて美しい京和傘。無くてはならないものですが、如何せん日常一般生活には蝙蝠傘
の購買量にはかなわない。
面白いところに着眼されたと思います。
5. 白和えに菊菜と柿とひじきの具友禅和えと末の娘名付く ひらら
豆腐の白、菊菜の緑、柿の橙色、ひじきの黒、晩秋から冬にかけての美味。
彩の美しさを友禅和えとは名も雅。
6. シジミ採る和船のおっちゃん手をふれば遠泳児童を掬いくれたり フミコ
(昭和中期 萩の浜)
Re: 12/12 (木) 題詠「怪」・鑑賞&批評「和」
Re: 12/12 (木) 題詠「怪」・鑑賞&批評「和」
投稿日 | : 2019/12/12(Thu) 10:32 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
1. 令和二年の県民手帳贖いぬ手帳提示なせば施設割引とう さらら
私も20年間県民手帳を使っている。この作品を読んで、来年の手帳を
見たら、10施設(慶雲館、安土城考古博物館、長浜の曳山博物館など)
の割引が受けられるようになっている(団体割引適用)。従来はなかったことである。
この作品の「施設」というのは分かり難い。はじめは介護施設かなと思った。
「贖う」は金品を代償として出し、罪をまぬかれること。つぐないをすること。
「購う」は買い求める。こちらにすべきである。
2. 墓参りに行くとき通る近江八幡たねやあり和た与あり甘党われに たかし
たねやではちょくちょくバウムクーヘンなどを買う。和た与は知らなかった。ネットで
見ると、でっち羊羹発祥の店、創業文久三年(1863年)。ういろ餅が有名らしい。
「墓参りに行くとき通る」というのは散文的。全体に字数が多い。37文字。
墓参りに ゆくとき通る 近江八幡 たねやあり和た与あり 甘党われに
6字 7字 7字 10字 7字
このように区切るのであろうか。
ともあれ作者にとっては、墓参りに行く道中、たねやか和た与に寄って、和菓子を
買い、一部はお供えとし、多くは家族で食べることを楽しみとしているのだ。
3. ただむきの不協和音は朝妻の乾電池より漏れてくる欝 蔦の道
ちょっと私の手に負えない作品だ。
手首のところに乾電池で動くものを作者はつけている(目覚ましのためらしい)。
朝まだ眠く起きたくないのに、目覚めよと音がする。その音は作者にとってはいや
な不協和音で、気分が滅入ってしまう。???
4. 京和傘かうもりがさに押されしも舞妓芸妓になくてはならぬ ひさお
5. 白和えに菊菜と柿とひじきの具友禅和えと末の娘名付く ひらら
木綿豆腐にどのような具を組み合わせるか。菊菜・柿・ひじきを材料として
作った白和え。多分独創的なものであろう。それを「友禅和え」と呼んでみた。
おそらく緑と橙と黒がミックスされて、きれいなのだろう。末の子が自分ひとりで
作ってくれたのか、作者と共同で作ったのかは不明であるが、料理を楽しんで
いる様子がよく分かる。
6. シジミ採る和船のおっちゃん手をふれば遠泳児童を掬いくれたり フミコ
(昭和中期 萩の浜)
手を振るのは和船のおっちゃんなのか作者なのか。内容から判断して、作者と
みなすべきだろう。遠泳している児童に無理をさせないよう、シジミ採りの和船に
手を振って合図をし、船に乗せてもらう。
学校の行事と地域住民との協力関係がしっかりできているようだ。
「おっちゃん」という言葉をもってきたねらいはなにか。日頃から親しく付き合って
いる地域の漁師さんたちなのであろう。(親しみを込めている)。ただ俗っぽい感じ
がする。
Re: 12/12 (木) 題詠「怪」・鑑賞&批評「和」
Re: 12/12 (木) 題詠「怪」・鑑賞&批評「和」
投稿日 | : 2019/12/12(Thu) 09:13 |
投稿者 | : 蔦の道 |
参照先 | : |
批評 「和」
1. 令和二年の県民手帳贖いぬ手帳提示なせば施設割引とう さらら
施設割引ってデイズニーランドやユニバーサルの割引かな?
老人手帳とは自治体から貰えるんじゃないの?
手帳を買わなければならないの?
わたし半額のバスの割引カードは貰っているが、買わなければならないものがあるとは知らなかった。
2. 墓参りに行くとき通る近江八幡たねやあり和た与あり甘党われに たかし
たかしさん甘党でしたか?それはそれは通りすがりにお店ののれんを見るだけで唾が溜まりましょうな。ははは。男性の甘党の告白は可愛いです。
3. ただむきの不協和音は朝妻の乾電池より漏れてくる欝 蔦の道
4. 京和傘かうもりがさに押されしも舞妓芸妓になくてはならぬ ひさお
ほんにそう思います。いくらカラフルなこうもり傘でも、着物のはんなりには似合いませぬ。和傘が洋服にも使いやすく似合うといいんだがなあ。すぼめてもやはり和傘は厚ぼったい。折り畳みにできて、破けない薄い紙で発明してほしいです。
5. 白和えに菊菜と柿とひじきの具友禅和えと末の娘名付く ひらら
おお~~美しい命名ですね。特許庁に命名の登記するといいべ。
菊菜とは春菊のことかな? 柿も干し柿で作るとねっとりしますね。美味しそうだ。
6. シジミ採る和船のおっちゃん手をふれば遠泳児童を掬いくれたり フミコ
(昭和中期 萩の浜)
疲れた遠泳の子供たちを、大きな網ですくい取ってくれる情景ですね。
投げ網や底引きの網ではなくて、長い棒がついたおおきな網です。子供たちが大きなシジミのように、ほいほいと掬い取られる姿が浮かびました。出汁にしたら美味しいべ。
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