トップページ > 記事閲覧
題詠「除外」・鑑賞&批評「頑」
投稿日 | : 2020/12/18(Fri) 09:34 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
♪ 「たどたど」スケジュール ♪
題詠 「除外」
鑑賞&批評 「頑」
出題当番 ひららさん
鑑賞&批評 「頑」
1 頑なに親の後継ぎ断れりわれに冗舌出来ると思えず ひろゆき
2 立ち枯れて風にゆれるもままならぬ頑固者なり耳朶やはらかし ウプラ
3 頑固もの母親譲りの吾子ふたり泣き言いわず人並みに暮らす さらら
4 頑として一歩も引かぬ菅首相日本学術会議鎮まる たかし
5 教職にと母の期待を察しつつわれ頑なに応ぜざりしも ひさお
6 頑なな心ゆるまずもて余す雨戸引き開け寒月あおぐ ひらら
次回のお題はひららさんです。よろしくお願いします。
Re: 題詠「除外」・鑑賞&批評「頑」
投稿日 | : 2020/12/24(Thu) 10:15 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
1 頑なに親の後継ぎ断れりわれに冗舌出来ると思えず ひろゆき
親の後継ぎには冗舌でないとだめ。ということは商家であろうか。
作者は冗舌になれないと、直ぐには承諾を得られなかったが、なんとか
後継ぎを断った。
「冗舌できる」というのは、違和感のある表現である。「冗舌になる」
が普通ではないか。
2 立ち枯れて風にゆれるもままならぬ頑固者なり耳朶やはらかし ウプラ
作者の自画像であろうか。「立ち枯れ」というのはかなり卑下しすぎで
誰のことかと思われるが。
少々のことでは誰にも負けない頑固者と自負している。しかし耳朶は
柔らかいので、素直な一面もあるのだ。
3 頑固もの母親譲りの吾子ふたり泣き言いわず人並みに暮らす さらら
作者の二人のお子さんは、親に似て頑固者だという。それぞれ社会人と
して立派に暮らしておられる。親に何の心配もかけないし、親として安心して
見ておれる。親孝行な子たちである。
4 頑として一歩も引かぬ菅首相日本学術会議鎮まる たかし
菅首相は本当に1歩も退かない頑固者だ。
「鎮」は騒ぎや痛みなどがおさまる場合や神が鎮座する意で使うと辞書に
ある。「静」は物音や動き、乱れた気持ちなどが落ち着く場合に使うとある。
日本学術会議は「騒ぎや痛みなどがおさまった」であろうか。
言いたいことも十分に言えない状態だと思われるので、「鎮」でも「静」
でも適当でないように感じる。
5 教職にと母の期待を察しつつわれ頑なに応ぜざりしも ひさお
6 頑なな心ゆるまずもて余す雨戸引き開け寒月あおぐ ひらら
自分の思い通りにならないことが生じていて、納得できないのに押し切られて
いる。相手は親か連れ合いか。
そんな時、夜中にも拘わらず雨戸を開けて寒月を仰いで熱気を冷ます。
作者はひどく思い詰める性格らしいが、冷静になる方法を知っている