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2021.03.18 題詠「キャッ」・ 鑑賞&批評「薔薇.
投稿日 | : 2021/03/12(Fri) 13:20 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
2021.03.18 (木)
題詠 「キャッ」
鑑賞&批評 「薔薇」
出題当番 ひさおさん
鑑賞&批評
1. 薔薇のとげ不意に刺さりて瞬間に手を引きたるも指に血を見る ひさお
2. 書けずとも読めねばならず憂鬱と薔薇を大きく板書の教師 ひらら
3. 大鉢に為したる薔薇の木門前を動かすたびごと顔をかすめる ひろゆき
4. 一茎に十の小粒の蕾(らい)かたき薔薇はてっぺんに確(しか)と紅噴く フミコ
5. 「分からんの?この薔薇の香が」と妻今日もわれを難じる詩を解さぬとごと たかし
(鼻をくっつけても私に薔薇は香らない)
Re: 2021.03.18 題詠「キャッ」・ 鑑賞&批評「薔薇.
投稿日 | : 2021/03/19(Fri) 10:02 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
ウプラさん
おかえりなさい。お待ちしておりました。
たかしさん&みなさん。
たいへん、残念ですが私、しばらくお休みさせていただきます。
実は、今、脊椎管狭窄症の手術が3/26に決まったのですが、その、
術前検査で、昨年発見された心臓弁膜症が殊の外重症で、全身麻酔に耐えられるかどうか、循環器内科と整形外科が検討してくれている状況です。
自覚症状が殆どないので信じられませんが突然死という言葉を循環器で聞かされています。
循環器がOKすれば麻酔科との連携で踏み切れるかどうか決定されます。
その方向がおよそ決まるのが、3/22、なので、OKが出れば手術は予定通り行われます。
予定通りの日程で進行することを予想して、入院の準備、留守中の準備etc...
どれくらいのお休みになるかは予想できませんが、自分の強運を信じていますので、生還できるつもりです。
出たり入ったりでお騒がせいたします。
この際、まとめ役を降して頂いた方がよいかもしれません。
よろしくお願いいたします。
Re: 2021.03.18 題詠「キャッ」・ 鑑賞&批評「薔薇.
投稿日 | : 2021/03/18(Thu) 22:21 |
投稿者 | : たかし |
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鑑賞&批評
1. 薔薇のとげ不意に刺さりて瞬間に手を引きたるも指に血を見る ひさお
とげというものは、いつでも不意に刺さるのではないか。
不意でないなら、刺さることを防ぐから・・・
また、痛っと思ったら瞬間に手を引っ込めるのも普通ではないか。
ゆえに「不意に」も「瞬間に」も、言う必要がないのではないかと思った。
(あくまでも私の個人的意見です)
それを言う代わりに、トゲが刺さるほどに薔薇に近づいた訳を言ってはどうかと思った。
例えば、薔薇の香を嗅がんと枝を持つときにとげは刺さりて指に血を見る・・など。平凡になりますが・・・
2. 書けずとも読めねばならず憂鬱と薔薇を大きく板書の教師 ひらら
うまくまとまっていると思う。「憂鬱」と「薔薇」という語の選択も最適な感じ。
3. 大鉢に為したる薔薇の木門前を動かすたびごと顔をかすめる ひろゆき
この「為したる」の意味するところは何なのだろう。これをしばらく考えた。
例えば、大きな鉢に薔薇が植えられているが、これは小さな木であったのが、だんだん年月と共に大きくなり、鉢もそれと共に大きなものに植替えて・・・というような歴史が、この大鉢の薔薇にはあるのではないか。
この私の推測を踏まえて前へ進むが、大鉢の薔薇の木は作者の家の門の前にあり、動かそうとすると大きくて重いので、身体全体で抱え込むようにしなければならない。そのときに枝などが(トゲのある)顔をかすめる・・・というような状況を思った。
「たびごと」は、「たび」と「ごと」が合わさっている言葉で、これは重複語ではないか。
大きくし過ぎた薔薇の木を持て余している作者を思った。
4. 一茎に十の小粒の蕾(らい)かたき薔薇はてっぺんに確(しか)と紅噴く フミコ
蕾(つぼみ)を「らい」と読ませている。「かたき」は、その蕾がまだ花咲くにはほど遠い状態を言っているのだが、「蕾(らい)かたき」は省略し過ぎに思える。
そして、分かりにくいのが「てっぺんに確(しか)と紅噴く」
この「てっぺん」の語は「薔薇は」に掛かっているので、薔薇のてっぺんを指すことになる。
蕾の中心部が紅い・・・というのは、花のつぼみを見るときに私などもよく見ることだが、薔薇の(木の)てっぺんが「紅噴く」というのは、これは若い葉の芽が出掛けている状態を見ているようです。
しかし、それだと「紅噴く」はちょっと強いように思った。
5. 「分からんの?この薔薇の香が」と妻今日もわれを難じる詩を解さぬとごと たかし
(鼻をくっつけても私に薔薇は香らない)
Re: 2021.03.18 題詠「キャッ」・ 鑑賞&批評「薔薇.
投稿日 | : 2021/03/18(Thu) 20:36 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
皆さま、長いお休みをいただきましてすみません、
ありがとうございました。
今週からまた参加いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
Re: 2021.03.18 題詠「キャッ」・ 鑑賞&批評「薔薇.
Re: 2021.03.18 題詠「キャッ」・ 鑑賞&批評「薔薇.
投稿日 | : 2021/03/18(Thu) 20:32 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
1. 薔薇のとげ不意に刺さりて瞬間に手を引きたるも指に血を見る ひさお
思いがけない薔薇のとげのせいで、ちょっと血が出てしまった。とげは嫌だねえ。
このままでいいのだけれどせっかくの歌会なので、順番通りのところに少し変化をつけてはどうかなと考えた。「瞬間に手を引きたるも薔薇のとげ」と入ってみる。
2. 書けずとも読めねばならず憂鬱と薔薇を大きく板書の教師 ひらら
難しい「憂鬱」と「薔薇」の漢字。爽やかで指導力のありそうな先生を「大きく板書」で表現できた。
3. 大鉢に為したる薔薇の木門前を動かすたびごと顔をかすめる ひろゆき
薔薇の鉢植えは門前に置いてあるのだが、大きくなりすぎて動かすたびに顔をかすめて少し危ない。豪華そうな様子がわかる。「大鉢に為したる薔薇は門前を動かすたびに顔をかすめる」でいいと思うのだが。
4. 一茎に十の小粒の蕾(らい)かたき薔薇はてっぺんに確(しか)と紅噴く フミコ
薔薇の気品と強さを感じさせる硬質な上句で良いと思った。「蕾(らい)かたし」と三句で切るとより歌らしくなる。
個人的には下句の「確と」は要らなくて、「紅」は「くれない」と読ませたいと思うが。(全体的に力が入っているので、下句を少しゆるめるように考えてみた)
5. 「分からんの?この薔薇の香が」と妻今日もわれを難じる詩を解さぬとごと たかし
「妻」の遠慮ないつっこみの言葉が微笑ましい感じ。作者は嗅覚にモンダイがあるらしい。そこに「詩」をからめてくるところがまた何というか、(他人事なので)愉快。
「カッコ」があるので「と」は要らなくて、「解さぬとごと」の「と」も要らないか。
Re: 2021.03.18 題詠「キャッ」・ 鑑賞&批評「薔薇.
題詠「キャッ」
Re: 2021.03.18 題詠「キャッ」・ 鑑賞&批評「薔薇.
投稿日 | : 2021/03/18(Thu) 13:38 |
投稿者 | : ひらら |
参照先 | : |
1. 薔薇のとげ不意に刺さりて瞬間に手を引きたるも指に血を見る ひさお
薔薇の棘の刺さり血を見た一瞬のことを詠まれている。初句より終わりまで 詠みが少しもぶれず見習いたい。
2. 書けずとも読めねばならず憂鬱と薔薇を大きく板書の教師 ひらら
3. 大鉢に為したる薔薇の木門前を動かすたびごと顔をかすめる ひろゆき
小鉢から植え替えを何度かた薔薇、木のように大きく育ったよう。通るたび動かすたび顔 頬を触るのであろう。
「為したる」は 上記のように解したがほかの言葉がないかなぁと思った。「顔をかすめる」の具体は上手い。
4. 一茎に十の小粒の蕾(らい)かたき薔薇はてっぺんに確(しか)と紅噴く フミコ
初めより 観察のゆきとどいた結果うまれた作品。「確と紅噴く」日々 蕾の数まで数え覚え込みさくのを待ちに待っていた紅薔薇。この7音に喜びが頂点になったであろう。「らいかたき」は まだ固いつぼみだからか?字余りでも つぼみと読みたい。
5. 「分からんの?この薔薇の香が」と妻今日もわれを難じる詩を解さぬとごと たかし
(鼻をくっつけても私に薔薇は香らない)
「難じる」は そしる 非難する とがめて悪く言う。
奥様にそのような意はあったのかしら。ひやかすくらいか?作者の匂いのかんじ方を気遣われてか?
作者にしてみたら 詩を解さぬようだと とれるのか?
ある日の夫婦のひとコマ。微笑ましくもある作品。
鑑賞&批評「薔薇.
投稿日 | : 2021/03/18(Thu) 11:57 |
投稿者 | : ひろゆき |
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1. 薔薇のとげ不意に刺さりて瞬間に手を引きたるも指に血を見る ひさお
昔日、京都近辺の山を歩いていたころよく出会った野ばら。軍手をはめていても同じ。痛ぁと思った瞬間にはもう血がにじんで・・・。”て„は接続助詞? ”刺さりし„ではどうでしょう。
2. 書けずとも読めねばならず憂鬱と薔薇を大きく板書の教師 ひらら
いい教師ですね。二句目 ならず の後副詞は必要ありませんか。たとえば「と」。”薔薇≠薔薇の字大きく・・・では。字を書いておられるのはわかるのですがどうでしょうか。
3. 大鉢に為したる薔薇の木門前を動かすたびごと顔をかすめる ひろゆき
4. 一茎に十の小粒の蕾(らい)かたき薔薇はてっぺんに確(しか)と紅噴く フミコ
一つ一つの蕾が今にも開くぞと蕾の先に紅を噴いている。結句が「生きているぞ」とその姿を見せして。
5. 「分からんの?この薔薇の香が」と妻今日もわれを難じる詩を解さぬとごと たかし
(鼻をくっつけても私に薔薇は香らない)
臭覚と関心の度合いは=イコールなのかなぁ。お連れ合いはバラの香りが詩を詠むあるいは聞くがごとに受け取ることが出来、作者はバラの香りであればもっといい香りがあると寄せ付けない?
Re: 2021.03.18 題詠「キャッ」・ 鑑賞&批評「薔薇.
Re: 2021.03.18 題詠「キャッ」・ 鑑賞&批評「薔薇.
投稿日 | : 2021/03/18(Thu) 10:40 |
投稿者 | : さらら |
参照先 | : |
消息を連絡せずにご心配おかけしました。3日間熊のに行っておりました。そのあと連日の来客におもてなしの日々でした。
やっと平常に戻りました皆さまよろしくお願いいたします。
Re: 2021.03.18 題詠「キャッ」・ 鑑賞&批評「薔薇.
Re: 2021.03.18 題詠「キャッ」・ 鑑賞&批評「薔薇.
Re: 2021.03.18 題詠「キャッ」・ 鑑賞&批評「薔薇.
投稿日 | : 2021/03/18(Thu) 10:31 |
投稿者 | : ひさお |
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1. 薔薇のとげ不意に刺さりて瞬間に手を引きたるも指に血を見る ひさお
2. 書けずとも読めねばならず憂鬱と薔薇を大きく板書の教師 ひらら
たしかに憂鬱と薔薇は一所懸命覚えても、すぐに綴りを忘れてしまう。
大きく板書してもらった生徒の中には、それで一生書くことのできる人が
何名かはいるかもしれない。教え方のうまい先生だ。
3. 大鉢に為したる薔薇の木門前を動かすたびごと顔をかすめる ひろゆき
大きな鉢に植えた薔薇。玄関先に置いているが、たびたび移動を余儀なく
される。その鉢を移動させるたびに薔薇が顔をかすめて痛い。
「大鉢に為したる薔薇」という表現。「植えたる」と言わず、わざわざこのような
表現にした意図はなにか。たぶんはじめは小さな鉢に植えていたのだが、何年か
経って大きくなってきたので、大きな鉢に植え替えたということを言いたいの
ではないか。
「顔をかすめる」だけで、痛いことは想像できる。
4. 一茎に十の小粒の蕾(らい)かたき薔薇はてっぺんに確(しか)と紅噴く フミコ
一茎に蕾が十もついていて、さらに天辺に新芽があかく芽吹いている。
すごく威勢のいい薔薇の木だ。
蕾を「らい」と読まず素直に「つぼみ」と読ませるようにできないだろうか。
一茎にかたき蕾の十個つく薔薇はてっぺんに確と紅噴く
一茎にかたき蕾を十個つけ薔薇はてっぺんに確と紅噴く
5. 「分からんの?この薔薇の香が」と妻今日もわれを難じる詩を解さぬとごと たかし
(鼻をくっつけても私に薔薇は香らない)
新型コロナウイルスに感染してはいなくても薔薇の香が分からない作者。家族の人には
理解しがたいのであろう。
5句「詩を解さぬとごと」という表現は意味はよく分かるが、耳障りが
よくない。「詩を解さぬ人と」ではだめであろうか。
Re: 2021.03.18 題詠「キャッ」・ 鑑賞&批評「薔薇.
投稿日 | : 2021/03/18(Thu) 10:19 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
鑑賞&批評
1. 薔薇のとげ不意に刺さりて瞬間に手を引きたるも指に血を見る ひさお
「綺麗な花には棘がある」の代表「薔薇」。
棘は花に隠れている細いものでも鋭く、うっかり触れようものなら痛みと出血をみる。
一瞬の飛び上がるような痛みまで伝わってきます。
2. 書けずとも読めねばならず憂鬱と薔薇を大きく板書の教師
ひらら
並べましたね、書けと言われれば思わず頭を抱えてしまいそうな難漢字を。
高校時代? 詩の時間でしょうか?
板書とは、もしや屋外での授業?
黒板に書くことをそういうのだったらなんか風雅な感じ。
3. 大鉢に為したる薔薇の木門前を動かすたびごと顔をかすめる ひろゆき
大鉢に丹精込めた薔薇の大きな設えが門前に置かれている。
それを動かす度に顔を撫でたりかすめたり。
多分、棘の無い園芸種なのでしょう。
人目を集める立派に育った薔薇、作者自慢の作品なのでしょうね。
4. 一茎に十の小粒の蕾(らい)かたき薔薇はてっぺんに確(しか)と紅噴く フミコ
5. 「分からんの?この薔薇の香が」と妻今日もわれを難じる詩を解さぬとごと たかし
特に強い香りを放つ花を除いて、花の香りは強く感じる人とあまり感じない人がいるのは確か。
これは嗅覚が鈍麻というわけではないらしい。
実は私もそうなので耳鼻科医に確認したことがあります。
ほかの匂いは分かるのですから神経の問題ではないと。
「詩を解さぬごと」結句がビシッとこの歌を引き締め、作者の口に出さない反論をも雄弁に語っていると思います。