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2021.06.17(木)題詠「ソフト」 鑑賞&批評「紫陽花」
投稿日 | : 2021/06/11(Fri) 17:22 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
2021.06.17(木)
題詠 「ソフト」
鑑賞&批評 「紫陽花」
出題当番 ひさおさん
鑑賞&批評 「紫陽花」
1 紫陽花の一株づつを植え足して十年十色(といろ)なのに みな白 フミコ
2 はにかめる少女のやうに薄紅の萼紫陽花はほころび始む ひさお
3 誕生日に娘のくれし額あじさい地植え六年目も日ごと咲きつぐ さらら
4 紫陽花の朽葉色の束侘ぶごとく菊も過ぎしと花背の媼 ひらら
5 紫陽花のようには変身かなわぬも結句はこちらに変えてください たかし
6 紫陽花のみづみづとまた密密と翅を持たないものの重さに ウプラ
Re: 2021.06.17(木)題詠「ソフト」 鑑賞&批評「紫陽花」
投稿日 | : 2021/06/17(Thu) 13:43 |
投稿者 | : ひさお |
参照先 | : |
1 紫陽花の一株づつを植え足して十年十色(といろ)なのに みな白 フミコ
白色のアジサイはそれほど多くは見かけないのだが。十株全部が白色ばかりとは
ちょっと驚き。
なんだか次々に生まれる子供が男児ばかりとか女児ばかりの家庭を連想させる。
2 はにかめる少女のやうに薄紅の萼紫陽花はほころび始む ひさお
3 誕生日に娘のくれし額あじさい地植え六年目も日ごと咲きつぐ さらら
題詠だから「あじさい」は「紫陽花」としたい。
根付いた額紫陽花は大株になり、これからも毎年咲き続けるでしょう。
4 紫陽花の朽葉色の束侘ぶごとく菊も過ぎしと花背の媼 ひらら
花脊へ行ったときのこと。菊も終わった時期だから12月に入ったころか。
親しい媼が菊も盛りをすぎ、他にいいものがなくてと言いながら手土産に紫陽花の
ドライフラワーの束をくれた。
「侘ぶごとく・・・・」は「侘ぶごとく手渡しくれぬ」などを省略しているのであろう。
5 紫陽花のようには変身かなわぬも結句はこちらに変えてください たかし
短歌の推敲の過程のこと。結句がよくないので変えてみたいと考えた。
七変化をすると言われている紫陽花のような変化は見られないとは思いつつ
新しい案を提出した。
6 紫陽花のみづみづとまた密密と翅を持たないものの重さに ウプラ
びっしりとみずみずしい紫陽花が重たそうに咲いている様子。
「みずみずと」「密密と」のリフレインが効いている。
「翅を持たない重さに」ということによって、重くて垂れ下がりそうな様子が
想定される。
Re: 2021.06.17(木)題詠「ソフト」 鑑賞&批評「紫陽花」
投稿日 | : 2021/06/17(Thu) 09:13 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
鑑賞&批評 「紫陽花」
1 紫陽花の一株づつを植え足して十年十色(といろ)なのに みな白 フミコ
2 はにかめる少女のやうに薄紅の萼紫陽花はほころび始む ひさお
ほころび始めた薄紅色のガクアジサイを作者ははにかめる少女のようだと感じられた。
ふと、心ゆったり瑞々しい一瞬をとらえられ、作者の隠れもつ柔軟な感性がこぼれる一首。
3 誕生日に娘のくれし額あじさい地植え六年目も日ごと咲きつぐ さらら
誕生日に娘さんからガクアジサイをプレゼントされて堪能し、咲き終わりに地に下して6年目。玉は大きくなって今も毎日みずみずしく目を楽しませてくれている。見る度に娘さんの笑顔がうかびますね。
4 紫陽花の朽葉色の束侘ぶごとく菊も過ぎしと花背の媼 ひらら
紫陽花の花毬は初冬に入っても形を崩すことなく、ブラウンの陰影ふかく、侘びの美しさを見せるが、菊も凛とした姿そのままに枯れて来たと花脊峠の媼が静かに話してくれた。
目と脚が連動して歌に動きが生まれるお手本のような。
5 紫陽花のようには変身かなわぬも結句はこちらに変えてください たかし
一瞬、作者は変身願望をお持ちなのかもと思ったが、出詠作品の推敲中でした。
紫陽花の目の覚めるような変身にかけての発想と表現に、楽しんでおられるなぁと感じました。。
6 紫陽花のみづみづとまた密密と翅を持たないものの重さに ウプラ
「翅を持たないものの重さに」…深い表現だなぁと思いました。
私には出てこない詩の世界です。
上の句は起き抜けに目に飛び込んでくる紫陽花そのものとして映像が顕ち上がります。
Re: 2021.06.17(木)題詠「ソフト」 鑑賞&批評「紫陽花」
Re: 2021.06.17(木)題詠「ソフト」 鑑賞&批評「紫陽花」