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12/5 題詠「和」・鑑賞&批評「聖」
投稿日 | : 2019/11/29(Fri) 08:55 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
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12/ 5 (木)
鑑賞&批評 「聖」
題詠 「和」
出題 たかしさん
※ ※ ※ ※ ※ ※
批評 詠草一覧 「聖」
1. 幾度の断捨離の手をくぐり抜け棚に居座る聖書一冊 フミコ
2. あれはたしか18のイブ聖一という名の男子にふられたわたし ゆき
3. 数人の男性聖歌隊のミサ曲の荘厳なひびきバチカンにあびる さらら
4. 洗礼を来月受ける三男よ名に聖(セント)など付くのだろうか たかし
5. 八百万(やおよろず)の神と住まへば一億が使徒のごとくにイブ(聖夜)の夜を酌む 蔦の道
6. 妖怪の美女の出でくる鏡花作「高野聖」 わが身は果てむ ひさお
7. 凍裂の悲鳴ぱしぴし雪掘りの聖護院蕪ひび割れ走る ひらら
聖護院蕪ー(しょうごいんかぶ)
Re: 12/5 題詠「和」・鑑賞&批評「聖」
投稿日 | : 2019/12/08(Sun) 12:11 |
投稿者 | : 蔦の道 |
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自分の歌は、たかしさんの解釈が一番近い。
八百万という日本の中の神様と共存している日本人は、世界の宗教にも寛容です。
実に稀有なる民族だと思います。日本人に生まれて本当に嬉しい。
Re: 12/5 題詠「和」・鑑賞&批評「聖」
投稿日 | : 2019/12/06(Fri) 22:49 |
投稿者 | : ひらら |
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凍裂の悲鳴ぱしぴし雪掘りの聖護院蕪ひび割れ走る
皆さん 批評鑑賞ありがとうございました。
冬野菜は 霜にあたり雪が降り寒に入り雪に埋まると一層甘みや旨味を増してきます。雪を掘っての作業は大変です。
「凍裂」は 氷点下の森林で大木がひび割れるのを言うのですが 大根 カブラにもかすかな声を聞いたことあります。ながらく一度使ってみたかった言葉でした。
Re: 12/5 題詠「和」・鑑賞&批評「聖」
投稿日 | : 2019/12/06(Fri) 20:06 |
投稿者 | : ひさお |
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6. 妖怪の美女の出でくる鏡花作「高野聖」 わが身は果てむ
「聖」というと聖人とか聖書しか思いあたらないので、あまり一般
になじみのない「高野聖」を採りました。
詳しくは覚えていませんが、美人の妖怪に出会って、その色香に
惑わされる(ほとんどの人はそうなる)と、馬や豚・牛・蛙とかに
されてしまう。修行僧は惑わされなかったので、無事にそこを通過
できた。
私がその美人の妖怪に出会ったなら、直ぐに馬か豚に変えられて
しまうに違いないと思って、そのことを詠いました。
たかしさんの批評に対し、蔦の道さんがカバーしていただきありがとうございます。他のみなさんもご批評ありがとうございます。
Re: 12/5 題詠「和」・鑑賞&批評「聖」
投稿日 | : 2019/12/06(Fri) 13:05 |
投稿者 | : 蔦の道 |
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6. 妖怪の美女の出でくる鏡花作「高野聖」 わが身は果てむ ひさお
この歌の「わが身は果てむ」が唐突すぎると、たかしさんはおっしゃいますが、私はこの大逆転的な置き方を是とします。
一句目から従容と続いてきて五句目で大きく変化させる形は力がないと出来ないと思います。
妖怪美女が出ている書き出しで、そうかそうか喰われちまったんだと理解できて面白いです。喰われたのかバラバラにされたのか知らないが・・。
Re: 12/5 題詠「和」・鑑賞&批評「聖」
投稿日 | : 2019/12/06(Fri) 12:32 |
投稿者 | : 蔦の道 |
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千枚漬けは割れているのを見たことがないので、大事に凍裂から守られてきたんでしょうね。
二十歳で武者修行に出た時に楽しんだおつけものです。
Re: 12/5 題詠「和」・鑑賞&批評「聖」
投稿日 | : 2019/12/06(Fri) 12:28 |
投稿者 | : 蔦の道 |
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フミコさんもたかしさんも、泉鏡花を読むために取り寄せるという前向きな勉強力がすごいなあ。
私読んだことありません。古典も現代短歌も入口しか知らない不勉強もいいところです。
しかしネットで揉んでいただけることで末席に何とか連なれると思っています。頑張ります。
Re: 12/5 題詠「和」・鑑賞&批評「聖」
投稿日 | : 2019/12/06(Fri) 01:18 |
投稿者 | : ゆき |
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1.幾度の断捨離の手をくぐり抜け棚に居座る聖書一冊 フミコ
「くぐり抜け」「居座る」が、聖書に意志があるみたいで面白いです。
2.あれはたしか18のイブ聖一という名の男子にふられたわたし ゆき
3.数人の男性聖歌隊のミサ曲の荘厳なひびきバチカンにあびる さらら
「曲の」がなくても意味が通じそう。聖歌隊のひとりひとりの声の力が凄かったんですね。「数人の」なのに「あびる」と表現するほどの声のオーラと波動があったんでしょう。いい歌。
4.洗礼を来月受ける三男よ名に聖(セント)など付くのだろうか たかし
おもしろいです。ここでは具体的に詠み込めなかったかも知れないですが、三男さんのお名前が、すごく日本的な名前だったりすると聖(セント)を付けたときのギャップがよくあらわれていいかも知れません。
5.八百万(やおよろず)の神と住まへば一億が使徒のごとくにイブ(聖夜)の夜を酌む 蔦の道
蔦の道さんの短歌は、「一言一句意味が全部わかる」というのではないのですが不思議な魅力とテンションがあります。異界に繋がっていそうな言葉。
6.妖怪の美女の出でくる鏡花作「高野聖」 わが身は果てむ ひさお
「高野聖」に「聖」の歌題を詠み込んだところ、いいですねー!!
高野聖は、ヒルの成った木の下を通って、たくさんのヒルに吸い付かれる話が好きです。
7.凍裂の悲鳴ぱしぴし雪掘りの聖護院蕪ひび割れ走る ひらら
聖護院蕪ー(しょうごいんかぶ)
実情実感のこもったいい歌。ぱしぴしひび割れる聖護院蕪、京都の底冷えのする寒さを見事に表していますね。
Re: 12/5 題詠「和」・鑑賞&批評「聖」
Re: 12/5 題詠「和」・鑑賞&批評「聖」
投稿日 | : 2019/12/05(Thu) 16:51 |
投稿者 | : たかし |
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1. 幾度の断捨離の手をくぐり抜け棚に居座る聖書一冊 フミコ
キリスト教徒で無くてもこの本は簡単に捨てられないと思う。
わが家は主体的には仏教で、小さな仏壇がありますが、
家族のひとりがキリスト教に帰依し、
今では家の中に聖書が一冊ある。
わたしはその本を開いたことはないのですが、
開いたことがなくても捨てることは出来ない。
2. あれはたしか18のイブ聖一という名の男子にふられたわたし ゆき
聖一という名前の男子にふられた作者。18歳のときだった。
この頃は振られるのは男であると思い込んでいたが、
女性が振られることもあるのだ。この聖一という男子、
よほどのイケメンの モテ男なのかと思った。
ひさおさんの評にもあるが、「という名の」は
省いてもよいと思う。そして結句の「わたし」も
なくても良いかも知れない。
その省略した分、「・・・十八歳のイヴの夜・・・」と、
ここを、ていねいに言える。
3. 数人の男性聖歌隊のミサ曲の荘厳なひびきバチカンにあびる さらら
場所はロウソクの光に照らされた厳かな古い教会の中なのだろう。
「あびる」という結句、男性聖歌隊の声のひびきに全身を包まれる感じを、
このように表わしている。上句は説明的にも感じるが、
下句が良いと思った。
4. 洗礼を来月受ける三男よ名に聖(セント)など付くのだろうか たかし
5. 八百万(やおよろず)の神と住まへば一億が使徒のごとくにイブ(聖夜)の夜を酌む 蔦の道
日本の国のそもそもの始まりが伊弉諾と伊弉冉が・・・と、
神々によって創られたことに神話ではなっている。
そういう日本の国、仏教もキリスト教もイスラム教もどんな宗教も差別無く、
認め合い、共存している。
今の世界の国々のなかでは希有な存在です。
で、クリスマスイヴともなれば、
誰もが「聖しこの夜」を唱い、酒を酌み交わし良い気持になる。
使徒(キリスト教の宣教者)のごとくに。
そういう日本人(作者自身も含めて)を冷淡視しているのでなく、
愛情深く揶揄している。
6. 妖怪の美女の出でくる鏡花作「高野聖」 わが身は果てむ ひさお
この物語を私は知らなかったので、ちょっとズルをしてネットであらすじを読みました。
今度本を読んでみようと思います。
で、この歌ですが、そのあらすじの知識しか無い私が言うのもどうか、ですが、
結句の「わが身は果てむ」が、そこまでの流れに、
なめらかに続いていない印象を持ちました。唐突な感じです。
あとはしっかり本を読んでからまた。
7. 凍裂の悲鳴ぱしぴし雪掘りの聖護院蕪ひび割れ走る ひらら
聖護院蕪ー(しょうごいんかぶ)
寒いときに雪の中から掘り出す場面と思った。
地面の中の方が暖かくて、掘り出された聖護院蕪は、
冷たい大気に触れた途端、パシ、ピシと音立ててひび割れる。
その瞬間を捉えられた歌ではないかと思う。
「走る」がそう感じさせる。
Re: 12/5 題詠「和」・鑑賞&批評「聖」
投稿日 | : 2019/12/05(Thu) 15:54 |
投稿者 | : さらら |
参照先 | : |
1. 幾度の断捨離の手をくぐり抜け棚に居座る聖書一冊 フミコ
信者であろうがなかろうが聖書は捨てがたい。世界で一番素晴らしい書物
旅行中のホテルには大方置かれています。私も身近においている。
2. あれはたしか18のイブ聖一という名の男子にふられたわたし ゆき
18歳 イヴ 聖一 きらきら輝く青春色のことば ふられた体験をされ
益々痛みのわかるウエットな魅力的な女性になりましょう。
3. 数人の男性聖歌隊のミサ曲の荘厳なひびきバチカンにあびる さらら
4. 洗礼を来月受ける三男よ名に聖(セント)など付くのだろうか たかし
三男さんの洗礼を受けられる名を父親である作者は静かに思いを馳せる。
5. 八百万(やおよろず)の神と住まへば一億が使徒のごとくにイブ(聖夜)の夜を酌む 蔦の道
日本人の信仰の柔軟さイヴには年末のイヴェントの一つとして誰もがメリークリスマスと高らかに杯を交わすのだろう。
6. 妖怪の美女の出でくる鏡花作「高野聖」 わが身は果てむ ひさお
泉鏡花作の幻想文学「高野聖」妖怪の美女に言い寄られたら 私の身体は哀れ果ててしまう。
7. 凍裂の悲鳴ぱしぴし雪掘りの聖護院蕪ひび割れ走る ひらら
聖護院蕪ー(しょうごいんかぶ)
故郷の畑でしょうごいんかぶを寒中に掘られた体験の歌.。急激な寒気のため水分の多い蕪がぱしぴしと悲鳴に聞こえた作者の感性をみる。
Re: 12/5 題詠「和」
Re: 12/5 題詠「和」・鑑賞&批評「聖」
投稿日 | : 2019/12/05(Thu) 15:23 |
投稿者 | : ひらら |
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1. 幾度の断捨離の手をくぐり抜け棚に居座る聖書一冊 フミコ
何度の整理にも残ってしまう物の内の一冊の聖書。同感。聖書 経典等私の本箱にも居座る。幾度 手をくぐりぬけ 居座るに思いが籠もる。
2. あれはたしか18のイブ聖一という名の男子にふられたわたし ゆき
十代のころの恋の終末。微笑ましい。男子を 男の子か少年とすると 聖一君の若さ 清々しさが浮かぶよう。
3. 数人の男性聖歌隊のミサ曲の荘厳なひびきバチカンにあびる さらら
海外旅行詠。バチカンの固有名詞が 上句よりの具体名詞に合う。そのばでの響きがあびるで臨場感ありです。
4. 洗礼を来月受ける三男よ名に聖(セント)など付くのだろうか たかし
成人し大人になっての洗礼。三男さん 色々考えた挙句のことでしょう。そばで見守る父親の
心情が伝わってくる。
5. 八百万(やおよろず)の神と住まへば一億が使徒のごとくにイブ(聖夜)の夜を酌む 蔦の道
クリスマスに酔いしれる一億の国民への諷刺 年明けには 各神社が初詣で混む。
6. 妖怪の美女の出でくる鏡花作「高野聖」 わが身は果てむ ひさお
高野聖とあやしい美女との物語。物語名で読んだことないが この一首で においたつものを感じる。わが身は果てん
怖い言葉 恐れか願望?どちらかしら
7. 凍裂の悲鳴ぱしぴし雪掘りの聖護院蕪ひび割れ走る ひらら
聖護院蕪ー(しょうごいんかぶ
Re: 12/5 題詠「和」・鑑賞&批評「聖」
Re: 12/5 題詠「和」・鑑賞&批評「聖」
Re: 12/5 題詠「和」・鑑賞&批評「聖」