R・02.10.15　（木）

題詠　　　　「ダリア」　　　　　
鑑賞＆批評　「中今」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
出題当番　　ひろゆきさん
　　

鑑賞＆批評　「中今」

1. コロナ禍でおうち時間の増える中今こそ究めんわが生きわが歌　　たかし

2. 会議中今夜のデートを思ひをり中華にするか和食がいいか　　ひさお

3. 秋暑し双子相次ぎ夜泣き最中今すぐ負ぶうよ抱っこし歩くよ　　ひらら

4. 連綿と続きしえにしの中今にわれあることの不思議を思う　　ひろゆき

5. 中今にわれ在ることの摩訶不思議　降る焼夷弾浴びたのだもの　　フミコ
　（1945年3月10日　東京池袋）

6. 月の鏡の割れてゆらめく水の面(も)や昨夜（きぞ）は山中（やまなか）今宵海中（わたなか）　 ウプラ

7. 中今の想定外のコロナ菌に地球上の人らなべてマスクする　　さらら

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フミコさんへ
中今の題詠に焼夷弾の雨が記されました。
令和を命名推薦？中西進さんの「卒寿の自画像」に１９４５年３月１０日未明、Ｂ29　３２０機　現在の墨田区・江東区・台東区に無差別焼夷弾、２時間半、３２万発、焼夷弾による死亡３１０万人との記述がありました。　

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こんばんは
「中今」苦しかったです。
最後にナント、「今は山中今は浜♪」がでてきてくれて何とかまとまりました。いやいや、情けないというか、苦し紛れというか、冷や汗もんです。
たかしさんの「山上」ではどうかというご意見、確かに、その方がよく見える感じがしますね。
それに、推敲で新しい一歩があったようで、私も真似してみよう！

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1. コロナ禍でおうち時間の増える中今こそ究めんわが生きわが歌　　たかし
ウプラさんの評に「さては自分の歌に何か見つけたか」
というコメントがありましたが、
ほんの少し、それは当たっています。
夕暮さんは、新しい歌集を出す度に、今までの自分の歌からは、抜け出した作品である・・・
とよく書いています。
コロナ禍で時間が充分にあるものだから、自分の歌を提出する前に何度も何度も頭のなかで転がし、それを書いたものを常に持ち歩き、
思いついたら修正し・・ということを繰り返していると、ポッと新しい言葉、新しい境地の歌に変化することがある、ということを発見したのであります。
お、これだ。これからこれで行こう・・・という思いがしたことは事実で、
「何か見つけたな」というご指摘、短歌の大きな歴史の中では、言うほどのことは何もありませんが、私という歌よみの端くれとして、何かを見つけた・・ということは当たっていると言えるのであります。

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ひろゆきさんへ

次週10/22の題詠のお題「保険」と出題してくださいましたが、今日、正午過ぎまでお待ちしたのですが出されませんでしたので、僭越ながら代理で「ノルマ」と掲示いたしました。
次週のための「新スレッド」の作成、掲示は金曜日9:00を目途にしています。
故に出題は、それまでにおねがいしたいのです。
今回、順番がすこし変わりますが、ウプラさんの次の週に「保険」を掲示させていただきます。
よろしくお願いします。

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10/22　題詠題
　「保険」
　よろしくお願いします。

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代理にて出題。

ひろゆきさんがお忙しいようなので僭越ながら。

次週のお題、「ノルマ」

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ひろゆきさんへ　　至急！


出題当番です。　　
次回（10/22）の「お題」お願いします。
投稿され次第、新スレッドに挿入します。

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4. 連綿と続きしえにしの中今にわれあることの不思議を思う　　　　　　　　　　ひろゆき
フミ子さん　セールスポイントをとのご指摘。よくわかりますが数多ありで。一番記憶に深いのは、疎開から帰り、戦後の小学５年生のとき。医師から、手術期間には手遅れで（盲腸炎）腹部がパンパンに張っていました。父と私の前で命の保障は出来ないと。10日間左右連続の注射。母が一番体の弱い子と言って小児科医院通いを頻繁に。その医師から。おかげですっかり病ぬけしました。以後は歯・目の医院だけ。これは不精の結果と思っています。
ひさおさん　独自性がないとの指摘。指摘される通り。具体をどう入れるか、でしょうねぇ。
さららさん　上述のことも含めて今在ることを感謝しています。
ひららさん　恩に感謝と。記述されている通りです。
ウブラさん　“ 続くえにし „ではどうかと。ご意見の通りです。これからもなお生きる…ためにも。
たかしさん　何の縁と。生きている私の周り360度と思っています。

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花びらの一枚一枚集に満ちダリアは色濃く秋の陽に立つ

フミ子さん、お手数を煩わせました。ありがとうございました。
よろしくお願いします。

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遅くなってすみません


見しことと見ざりしことの境界にとほき山畑のポンポンダリア

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1. コロナ禍でおうち時間の増える中今こそ究めんわが生きわが歌　　たかし
「おうち時間」のイマドキの脱力感に「今こそ究めん」の時代錯誤的勇ましさを加えたところがこの人らしい。下句、武張っていて「わかったわかった」などとお返事してしまいそうだが・・・さては「わが歌」に何か見つけたのかな。

2. 会議中今夜のデートを思ひをり中華にするか和食がいいか　　ひさお
何だか幸せそうなお付き合い。「中華にするか和食がいいか」だって？仕事しろ〜。
時制を現在にするよりも、歌のどこかに＜今＞の視点が感じられるとよいのだが。

3. 秋暑し双子相次ぎ夜泣き最中今すぐ負ぶうよ抱っこし歩くよ　　ひらら
双子が夜泣きをすれば、翌日の家族の仕事に障ってはいけないと、とても気を使われた様子。嗚呼、双子ってホントに大変！・・・ホントに大変だったことでしょう。しかし
２の歌と同じく、ほんの少し＜現在＞が入ると回想だけの歌ではなくなると思いました。

4. 連綿と続きしえにしの中今にわれあることの不思議を思う　　ひろゆき
すっきりしています。今回は言葉の係り受けがねじれていなくていいと思いました。
「続きしえにし」・・・「中今」だから「続くえにし」かな。

5. 中今にわれ在ることの摩訶不思議　降る焼夷弾浴びたのだもの　　フミコ
　（1945年3月10日　東京池袋）
下句の体験が「摩訶不思議」をガッチリ支えている。この体験があるから「中今」の良い時代というニュアンスが活きる。深刻な出来事を「摩訶不思議」「だもの」と、＜軽い＞といっては言い過ぎになる、不思議な柔らかさで仕上げられた。そこに作者の＜今＞の成熟が感じられて良いですね。

6. 月の鏡の割れてゆらめく水の面(も)や昨夜（きぞ）は山中（やまなか）今宵海中（わたなか）　 ウプラ

7. 中今の想定外のコロナ菌に地球上の人らなべてマスクする　　さらら
「地球上」というところがパンデミックです。
無理しないでさらさらと作られた様子。
いささかさらさらとなり過ぎた感あり。

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鑑賞＆批評　「中今」
1. コロナ禍でおうち時間の増える中今こそ究めんわが生きわが歌　　たかし

2. 会議中今夜のデートを思ひをり中華にするか和食がいいか　　ひさお
　作者が現役の会社員だった頃が彷彿とする。
　デートの相手は後の奥様であろうか。はたまた別のお相手か・・・
　「中今」を、「会議中」と「今夜」で、上手く分解した。

3. 秋暑し双子相次ぎ夜泣き最中今すぐ負ぶうよ抱っこし歩くよ　　ひらら
　双子の赤ちゃんが夜泣きをしたら大変だ。一人を負んぶし、一人を抱っこして・・・
　作者の実際の子育ての体験を詠っているのかと思った。
　「最中」と「今すぐ」で分解したのだが、「夜泣き最中」少し苦しい。

4. 連綿と続きしえにしの中今にわれあることの不思議を思う　　ひろゆき
　「えにし」＝縁、人にはさまざまな縁がある。
　「連綿と続くえにし」は、何の縁を指しているのだろう。
　人類の歴史のことなのか、それとも作者の家系のことを言うのか。
　その辺りがもうひとつ曖昧な感じだ。何のえにしか、作者は分かって詠っていると思うので、それを言う方がいい。

5. 中今にわれ在ることの摩訶不思議　降る焼夷弾浴びたのだもの　　フミコ
　（1945年3月10日　東京池袋）
　今回のお題「中今」という語、私はこの語を今まで知らなかった。辞書で調べると【過去と未来との真ん中の今。遠い無限の過去から遠い未来に至る間としての現在。現在を賛美して言う語】とある。
　だからこの歌では「現在を賛美して言う」意味で使われていると思う。
　「中今」と「摩訶不思議」の語、マッチしている。焼夷弾を浴びた体験がそれを裏打ちした。

6. 月の鏡の割れてゆらめく水の面(も)や昨夜（きぞ）は山中（やまなか）今宵海中（わたなか）　 ウプラ
　水に映った満月、水が揺れれば月も揺れる。上句は納得の表現。
下句、昨夜は山中で見、今宵は海中で見た・・・作者は旅の途中…という設定か。
　山中というより山上ではないか。山中では月が映る水の面が、見えにくいように思う。

7. 中今の想定外のコロナ菌に地球上の人らなべてマスクする　　さらら
　この歌も「中今」の語を、「現在」として捉えている。
　コロナ禍に揺れる現在の状況は、想定外であった。
　今では地球上の人なべてマスクしている。
　「菌」のことは他の人が指摘した通り。一首全体に大づかみで類型的、作者のいつもの個性が光っていない。
今回も遅くなってしまいました。中今のお題は難しかったです。

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７番が落ちていましたので、追加します。失礼しました。コピーの範囲の単純なミスでした。
7. 中今の想定外のコロナ菌に地球上の人らなべてマスクする　　さらら
コロナウイルス感染防止の現状を詠っている。
「中今」の捉え方がややあいまいに思われる。
コロナウイルスはウイルスなので菌ではないようです。

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1. コロナ禍でおうち時間の増える中今こそ究めんわが生きわが歌　　たかし
　コロナ禍で外出自粛の月日。生き方に短歌に目標を掲げ究めんと日々実行されている作者。作者に怠け者の私は頼りきりになっている。

2. 会議中今夜のデートを思ひをり中華にするか和食がいいか　　ひさお
　青年時代の作者。会議もうわの空で　退社後のデートを思い巡らせている。微笑ましく読んだ。

3. 秋暑し双子相次ぎ夜泣き最中今すぐ負ぶうよ抱っこし歩くよ　　ひらら

4. 連綿と続きしえにしの中今にわれあることの不思議を思う　　ひろゆき
　今現在　私が在るのは　大勢のひとの縁の恩であると感謝されている。

5. 中今にわれ在ることの摩訶不思議　降る焼夷弾浴びたのだもの　　フミコ
　（1945年3月10日　東京池袋）
　戦争体験の歌。焼夷弾が降ってくる。映像でしか知らぬ私。「浴びたのだもの」の　口語の表記、呟き。幼児の頃の体験であるのかわかりせつない。摩訶不思議　が　生命への感謝の言葉でもある。

6. 月の鏡の割れてゆらめく水の面(も)や昨夜（きぞ）は山中（やまなか）今宵海中（わたなか）
　 ウプラ
　すべての語彙が　うつくしく　おもむきがあり　幻想的。ウプラ世界である。

7. 中今の想定外のコロナ菌に地球上の人らなべてマスクする　　さらら
　新コロナウィルス禍による現在の今　正に想定外の日々。地球上の皆がマスクをと　焦点をマスクにして詠む。あっちこっち向いても　白シロ（柄も色ものもあるが）が異様。

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ひさおさんへ

鑑賞歌　７番の鑑賞文もお忘れなきよう。
　　　　よろしくおねがいします。

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