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12/3 題詠「保険」・ 鑑賞&批評「境界」
投稿日 | : 2020/10/30(Fri) 08:45 |
投稿者 | : フミコ |
参照先 | : |
♪ 「たどたど」スケジュール ♪
R・02.12.03 (木) (11月は恒例、web歌会のため全休)
題詠 「保険」
鑑賞&批評 「境界」
出題当番 さららさん
鑑賞&批評 「境界」
1. 隣家は小路をはさむ境界を不法に縮めて建築再開 ひろゆき
2. おそろしや誰が植えたか棘アカシア松茸山の境界に聳ゆ フミコ
3. 海と陸(くが)との境界線に月光のリボンのやうな波は寄せたり ウプラ
4. 母娘にも入り込めない境界に灯る夕べは各々の刻 さらら
5. 夢のなかと現(うつつ)の世界 境界はときにあいまい夜気裂く鹿声 たかし
6. 目に見えぬ境界なれど排他的経済水域確かな線引き ひさお
7.境界をかなり控えて普請なす隣に落とすな大屋根の雪 ひらら
鑑賞&批評「境界」
投稿日 | : 2020/12/05(Sat) 15:43 |
投稿者 | : ひろゆき |
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遅くなりました。境界への鑑賞・評をありがとうございました。
ひさおさん、ひららさん共に困った隣人として読み取っていただいています。
わたしも行政にいた人間ですので、建設局、住宅局の主幹部署へ陳情?苦情を申し述べました。しばらく建築工事は止まったのですが、是正することなく決行。某市会議員(何かもめごとがあると出てくる)に建築主が頼まれたという噂があって、そのまま決行。私宅の小さな花壇?は今も被害に遭い、私も一度歌壇を直しているとき西からの左折小型乗用車にぶっつけられました。
辻道に駐車場もあり、信号なしの抜け道ともなってトラックもあり、頻繁な通行量です。立ち上がった後、近隣の人たちも車椅子の人たちも狭くなったというのですが。
ウブラさん、たかしさんからは結句が弱く明るいと。確かにこれでは作者が認めているようですね。
最近も建設局依頼によるという受託民間企業?の方がセットバックをと2.3度説明説得にかかられたのですが、うんとは言わなかったようです。女性・妻が強く夫は言われるままに・・・。
Re: 12/3 題詠「保険」・ 鑑賞&批評「境界」
Re: 12/3 題詠「保険」・ 鑑賞&批評「境界」
投稿日 | : 2020/12/04(Fri) 07:07 |
投稿者 | : たかし |
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さららさんは11月30日にお題を出しておられますよ。
「一杯」と。
ウプラさん、ここの進行、お願いできるのですか。
助かります。よろしくお願いします。
今日はシルバーの仕事に続いて昼まで仕事あり帰れません。
Re: 12/3 題詠「保険」・ 鑑賞&批評「境界」
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Re: 12/3 題詠「保険」・ 鑑賞&批評「境界」
Re: 12/3 題詠「保険」・ 鑑賞&批評「境界」
投稿日 | : 2020/12/03(Thu) 20:42 |
投稿者 | : ウプラ |
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鑑賞批評
1. 隣家は小路をはさむ境界を不法に縮めて建築再開 ひろゆき
これは犯罪的に図々しい隣人。他人事ながら憂鬱になります。やだね。
「不法に縮め(占めて等)」を結句にしたほうが忌々しさが強まる気がする。
2. おそろしや誰が植えたか棘アカシア松茸山の境界に聳ゆ フミコ
「松茸山」・・・という魅力的な名前についふらふら迷い込みかねない輩。まあ、私のような不届き者への罰として「棘アカシア」が聳えている。
おそろしい。「聳え」ているところがいかにもおそろしいが、何だか可笑しくもある。
この辺りが作者らしい歌だと思った。
3. 海と陸(くが)との境界線に月光のリボンのやうな波は寄せたり ウプラ
4. 母娘にも入り込めない境界に灯る夕べは各々の刻 さらら
仲の良い母娘でも、一線を引いて入り込まない境界がある。家の明かりが「灯る夕べ」には、それぞれ自分の家の明かりを灯す。あまり入り込まないようにという、心構えのようなものを感じました。
5. 夢のなかと現(うつつ)の世界 境界はときにあいまい夜気裂く鹿声 たかし
深夜、夢うつつに鹿の鋭い声を聞いた。
鹿の声が雌を呼ぶ声であることを思うとき、その鋭い声はヒトの深いところを打つ。
「境界はときにあいまい」が素晴らしい。
人間にとっては確かに「境界」の声。
6. 目に見えぬ境界なれど排他的経済水域確かな線引き ひさお
国連海洋法条約によって「排他的経済水域」は設定されているというが、領土問題がからんで複雑だ。最近で言えば、中国が強引で「確かな線引」は尖閣おいて危ういところにきているようだ。竹島も尖閣も歴史的経緯がややこしい。
7.境界をかなり控えて普請なす隣に落とすな大屋根の雪 ひらら
ひろゆきさんのお隣とは随分違って、この隣家とは良い関係が築けそうです。「隣に落とすな大屋根の雪」で作者の住まれる土地の気候や人間関係も垣間見える。
Re: 12/3 題詠「保険」・ 鑑賞&批評「境界」
投稿日 | : 2020/12/03(Thu) 19:15 |
投稿者 | : たかし |
参照先 | : |
鑑賞&批評 「境界」
1. 隣家は小路をはさむ境界を不法に縮めて建築再開 ひろゆき
こういう隣人居ますね。こういう人の隣には住みたくない。
結句の「建築再開」は、口で言ってみると、軽々と明るい印象がある。
作者は、この建築主である隣家に対して、憤りのような思いを持っていると思うので、この結句は相応しくないと思う。
「建築強行す」などとすれば、困ったものだ・・という気分は出ると思うが。字余りになる。
2. おそろしや誰が植えたか棘アカシア松茸山の境界に聳ゆ フミコ
棘アカシア、つまりニセアカシア(針槐)のことだと思う。聳ゆとあるので大木。
我が家の裏には、ピラカンサスが何本も生えていました。大きくて、伐るにも、捨てるにも難儀したこの夏でした。
松茸山の境界という絶秒の場所に聳えているのが、山の持ち主の「意志」みたいです。
「おそろしや」が面白い。
3. 海と陸(くが)との境界線に月光のリボンのやうな波は寄せたり ウプラ
渚は海と陸の境界だが、上句は固い感じで始まる。が、「リボンのやうな」と波を形容したことで一気に美しくやわらかく、ハワイアンソングが聴こえてくるような感じになった。この第4句に尽きる一首。
4. 母娘にも入り込めない境界に灯る夕べは各々の刻 さらら
母と娘、親子である。親子でも入ってゆけない(心の)領域がある、という歌だと思った。だから「各々の刻」という語が結句にある。
ただ第4句の「灯る夕べは」がよく分からない。母娘でも入ってゆけない(入ってはいけない)個人的な領域があるのは、明かりが灯る夕べだけではないように思うのだが。
これは灯を灯す頃になると、それぞれの場所(部屋)に籠っているということを言おうとしたのか、などと推測する。
5. 夢のなかと現(うつつ)の世界 境界はときにあいまい夜気裂く鹿声 たかし
6. 目に見えぬ境界なれど排他的経済水域確かな線引き ひさお
海を区切る排他的経済水域、いま海洋権益を拡大しようとしている中国や、常に日本に対して敵対心を見せる韓国などが、日本の排他的経済水域で漁をしたりしているが、目には見えないが確かな線引きがあるのだ。
「なれど」で繋ぐところ弱点といえば弱点。
7.境界をかなり控えて普請なす隣に落とすな大屋根の雪 ひらら
一番の歌とは正反対の歌。こういう人がお隣さんだと気持ちよく暮らせる。
屋根雪の落下地点は、想像すれば判るのだから、どの家もこうしたいものだが、
街中の狭い空間にひしめき合う家々ではこうも言っていられない事情もある。
敷地に余裕があることも、こういう風に出来る理由でもあると思った。
Re: 12/3 題詠「保険」・ 鑑賞&批評「境界」
投稿日 | : 2020/12/03(Thu) 14:27 |
投稿者 | : ひらら |
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鑑賞&批評 「境界」
1. 隣家は小路をはさむ境界を不法に縮めて建築再開 ひろゆき
4句5句「不法に縮めて建築再開」に 作者と小路を利用するご近所の苛立ちのうかがえる詠草。きっとさきざきずっと不快でしょう。
2. おそろしや誰が植えたか棘アカシア松茸山の境界に聳ゆ フミコ
山に自生しない棘のあるニセアカシアを境目に植えた地主 松茸山とはいえ 人柄を想像してしまう。が 初句 詠みはじめの「おそろしや」にとれる。
3. 海と陸(くが)との境界線に月光のリボンのやうな波は寄せたり ウプラ
「月光のやうなリボン」が素敵 ウプラ言葉。作者の詠むリボンのような波を 白いレースと 詠まれた歌を思い出す。(昼間の景かな)
4. 母娘にも入り込めない境界に灯る夕べは各々の刻 さらら
お互いの生活を尊重しつつ 気遣いながらの母と娘の微妙な心情を 「灯る夕べは各々の刻」と思いめぐらせている。
5. 夢のなかと現(うつつ)の世界 境界はときにあいまい夜気裂く鹿声 たかし
まだ熟睡のできないうつらうつらのとき 鹿のなく声がした。「夜気裂く鹿声」が臨場感ある。
6. 目に見えぬ境界なれど排他的経済水域確かな線引き ひさお
海上 水には線はひけず 排他的経済水域は 双方の国の信頼関係あっての境界であろう。
7.境界をかなり控えて普請なす隣に落とすな大屋根の雪 ひらら
Re: 12/3 題詠「保険」・ 鑑賞&批評「境界」
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