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題詠「一杯」・鑑賞&批評「保険」
投稿日 | : 2020/12/04(Fri) 09:09 |
投稿者 | : ウプラ |
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♪ 「たどたど」スケジュール ♪
題詠 「一杯」
鑑賞&批評 「保険」
出題当番 たかしさん
鑑賞&批評 「保険」
1. 栗の実が冬の保険でありました土器でゆつくり焼いたのでした (ウプラ)
2. 引き揚げの親の遺せる焼け焦げの保険証書価値のなきもの (さらら)
3. 冬の日のまさかの停電時の保険反射式石油ストーブ一台 (たかし)
4. 発言は留保険悪な反発をその場に感じ気後れしたり (ひさお)
5. 独り子を夭折と文「子は親の保険にあらず」言いし人より (ひらら)
6. 保険とう総身の縫いぐるみ纏えど遊歩すれば身の保全ならず (ひろゆき)
鑑賞&批評「保険
投稿日 | : 2020/12/11(Fri) 18:23 |
投稿者 | : ひろゆき |
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題詠 保険の鑑賞・評を有難うございました。
ウブラさん、たかしさんお二人とも言葉が固く難しく言いすぎ、とのご指摘。和語をと。(遊歩・保全)
ひららさん、保障は?だとも。
ひさおさん、予想外の危険がある。
さららさん、一寸先は闇だと。
有難うございました。
この題詠題のもとは夫婦とも場所は同じでありませんが、自転車の横腹に自転車を当てられた事故です。若者(大学生)が多くかつ、近辺には小路から大通りへ出てくる自転車のスピードと注意の散漫によるものが多い。彼らは保険をかけているからと安心しているのであろう。若い人の自転車は軽装車でかつ五段の変速歯車をつけている。私は救急車のお世話になった。連れ合いの事故は警察へ連絡をして警官立ち合いで加害者ともども実地検証、救急車を呼んではとの助言も得たが遠くの病院になればと京大病院へ。(警察の事故証明を持って)連れ合いの事故現場はよく発生し、近隣の方もよく見るとのこと。その後警察が「安全指標」を地面に書き塗った。
自転車保険は人体だけで物損がない。もっとも人体も軽症の部類・最低限の保険加入で後遺症が残ったり、予後不良に陥った場合の訴訟例が多く見受けられる。(調べました)
京都での自転車は保険加入が必要ですが、地方では自転車保険がないところが多い。多分、自転車の操行では用を足さないのであろうと思われる。私も連れ合いも事故に遭った相手は地方の方で一人住まい。保険以外の一切の費用は負担しない。詫びすらしない。病院への同行もしない。アルバイト・勤めがある、あったからと。
私の短歌は、そういう状況・実態を詠んだつもりでいます。
因みに、私宅は1台ですが、最高額の保険をかけている。(二人共用の)最近、両足が付くようにサドルを下げました。勿論変速はしないママチャリ。
実態をと、うだうだと書き連ねました。
Re: 題詠「一杯」・鑑賞&批評「保険」
Re: 題詠「一杯」・鑑賞&批評「保険」
ウブラさんへ
投稿日 | : 2020/12/11(Fri) 13:50 |
投稿者 | : ひろゆき |
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すっかりと言っていいぐらい今日の日を忘れ、外出から帰るとひらららさんからのメールが入っており、慌てて送信しました。
今日はおまけに私の出題。ご迷惑・ご心配をおかけいたしました。
いつも水曜日には鑑賞・評をワードに書き、転写コピー作業をしています。
後先になりましたがお礼申し上げます。
Re: 題詠「一杯」
鑑賞&批評「保険」
投稿日 | : 2020/12/11(Fri) 13:36 |
投稿者 | : ひろゆき |
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1. 栗の実が冬の保険でありました土器でゆつくり焼いたのでした (ウプラ)
七輪で火を起し、焼き栗の焼き上がるまでの温かな時間、寒から守る保険と詠われる。土器のさめぬ温もりが焼き栗のうまさを増すのでしょう。
2. 引き揚げの親の遺せる焼け焦げの保険証書価値のなきもの (さらら)
悲しい証拠品・証書。外地での戦証もしくは引き上げ後の空襲による被災品。もはや効力なき証書。
よく残せたものだと哀しい感慨にふけっておられるのかもしれない。
3. 冬の日のまさかの停電時の保険反射式石油ストーブ一台 (たかし)
停電時の石油ストーブとは。初めて聞きます。現在ものなのでしょうか。停電時のために1台購って…。きっと経験・体験的に寒気の停電が多かったのでしょう。
4. 発言は留保険悪な反発をその場に感じ気後れしたり (ひさお)
いったん発言した言葉・内容を留保したのは発言内容に自信がなく反発を懼れたのでしょう。
留保を認められた後、作者の気持ちは・・・。
5. 独り子を夭折と文「子は親の保険にあらず」言いし人より (ひらら)
独り子は一人子では。読みとして独り・子を夭折なのでしょうか。「」の内容は発言者のもので
死なせてはじめて保険ではなかった、一人の人間だったと反省?再認をしておられるのでしょ
う。
6. 保険とう総身の縫いぐるみ纏えど遊歩すれば身の保全ならず (ひろゆき)
Re: 題詠「一杯」・鑑賞&批評「保険」
Re: 題詠「一杯」・鑑賞&批評「保険」
投稿日 | : 2020/12/10(Thu) 22:39 |
投稿者 | : たかし |
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鑑賞&批評 「保険」
1. 栗の実が冬の保険でありました土器でゆつくり焼いたのでした (ウプラ)
縄文時代、土器でゆっくり焼いた・・見てきたような話ですね。
しかし、そうだったかも知れないなあ・・と思いました。
「でした・・でした」調があたたかく調和している。
2. 引き揚げの親の遺せる焼け焦げの保険証書価値のなきもの (さらら)
引き揚げ、というと、終戦になったときに外地(朝鮮とか満州)へ出ていた人が日本へ帰ってきたことを言うと思う。
この「保険証書」は、生命保険のことだと思うが、国が戦争に負けてしまったらその価値はなくなってしまうのだろう。
その時、作者は何歳くらいで、この引き揚げの親に連れられていたのか。
事情がもう少し分かるといいのだが・・・と思った。
3. 冬の日のまさかの停電時の保険反射式石油ストーブ一台 (たかし)
4. 発言は留保険悪な反発をその場に感じ気後れしたり (ひさお)
どういう「場」だったのでしょう。険悪な反発の空気を感じた作者。いわば空気を読んだ作者。
こういうことは稀ですがあると思います。「留保」と「険悪」に分割したのがヤルネ。
5. 独り子を夭折と文「子は親の保険にあらず」言いし人より (ひらら)
この「文」は、手紙だろう。手紙が来て、そこにこのように書いてあった。
「子は親の保険にあらず」とは、なんとも厳しい言葉に感じる。
もちろん、親は保険だと思って子どもを産んだり、育てたりしているわけではない。
そんなことは自明の理だと思う。
「夭折と文」の二句、少し端折り過ぎた。もう少し言葉を使っては?二首にしても。
6. 保険とう総身の縫いぐるみ纏えど遊歩すれば身の保全ならず (ひろゆき)
「遊歩すれば」とか「身の保全ならず」とか、難しい言葉が使われている。
それに「総身の縫いぐるみ」も。
この遊歩、辞書で調べた【散歩の気取った表現】とある。
つまり散歩をすると、いかに保険を掛けていようとも身の安全は守れない・・・という意味になる。
これは現在の交通事情を言うのか、それともコロナ禍の現在、外に出ること自体が危険だというのか。難しく言い過ぎた。
Re: 題詠「一杯」・鑑賞&批評「保険」
Re: 題詠「一杯」・鑑賞&批評「保険」
Re: 題詠「一杯」・鑑賞&批評「保険」
投稿日 | : 2020/12/10(Thu) 20:58 |
投稿者 | : ウプラ |
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鑑賞&批評 「保険」
1. 栗の実が冬の保険でありました土器でゆつくり焼いたのでした ウプラ
2. 引き揚げの親の遺せる焼け焦げの保険証書価値のなきもの さらら
戦後外地から引き揚げてきた両親が亡くなるまで捨てなかったのだろうか、保険証書。
「焼け焦げていた」というところに、くぐってきた苛酷な時代が感じられる。
「価値のなきもの」と言いつつ、世間の価値とは別の、やりきれない測りがたいものがあったことだろう。
3. 冬の日のまさかの停電時の保険反射式石油ストーブ一台 たかし
気がつくと、何もかも電気に頼っている生活だ。
もし真冬に電気がつかえないとすると・・・
昔ながらの反射式石油ストーブの単純・武骨を手放さないでおくことは、石油ストーブだけの話ではなく、便利で脆弱な現代社会への小さな心構え。
せめてもの、ささやかな、というニュアンスが出て「一台」が意外と効いている。
4. 発言は留保険悪な反発をその場に感じ気後れしたり ひさお
「保険」のお題は歌にならなくて苦労したが、この歌はうまくクリアしていると感心した。
こういう場面ありますね。
気後れはそもそも、同じ舞台に上ることへの拒否の気持ちからかもしれない。同じ種類の険悪な言葉を返すことになりやすい。
5. 独り子を夭折と文「子は親の保険にあらず」言いし人より ひらら
「子は親の保険にあらず」と言っていた人が独り子を喪った。残酷でやりきれないこの世。
「子は親の保険にあらず」という言葉は深い愛からの矜持や心構えなのだろう。
「独り子は夭折」かな。
6. 保険とう総身の縫いぐるみ纏えど遊歩すれば身の保全ならず ひろゆき
いろいろ保険に入って入院など経済的に備えていても、外を歩けばどんな災難があるとも限らず、保険に入ることは生命の保障ではない、という意味だろうか。
「遊歩」「保全」など、漢語の意味がズレやすい。もう少し和語をつかって考えてみるといいように思うが。
Re: 題詠「一杯」・鑑賞&批評「保険」
投稿日 | : 2020/12/10(Thu) 18:33 |
投稿者 | : ひらら |
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鑑賞&批評 「保険」
1. 栗の実が冬の保険でありました土器でゆつくり焼いたのでした (ウプラ)
冬の暮らしのため食料として栗をたくわえることを保険と表現。かたい言葉 土器でゆっくり焼きました の言い表し方でほっこりとする読後となった。童話 日本昔ばなしの一ページのようだ。
2. 引き揚げの親の遺せる焼け焦げの保険証書価値のなきもの (さらら)
戦時中や引き揚げ時のご両親の苦労を思うと
焼け焦げの証書
価値は無いが処分できず手元に遺されている。両親への苦労を思い感謝し 平和への願いの証拠品であろう。
3. 冬の日のまさかの停電時の保険反射式石油ストーブ一台 (たかし)
まさかの停電のための備え 石油ストーブ カセットコンロとボンベ。わが家も用意してある。反射式ストーブの前での家族 ストーブでの煮炊きなど浮かんで来る。
4. 発言は留保険悪な反発をその場に感じ気後れしたり (ひさお)
企業戦士としてバリバリの現役時代の 会議での場面か? 町内でのよりあいでもこのような場面ある。「きおくれ」の言葉が適切と思う。
5. 独り子を夭折と文「子は親の保険にあらず」言いし人より (ひらら)
6. 保険とう総身の縫いぐるみ纏えど遊歩すれば身の保全ならず (ひろゆき
身体全体を縫いぐるみでくるむ如く万全を期して保険にも備えているが外でそぞろ歩きするとき 保障は無い。
今年は正にそのような日々であった。
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