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2021.06.10(木)題詠「紫陽花」 鑑賞&批評「五月」
投稿日 | : 2021/06/04(Fri) 15:03 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
2021.06.10(木)
題詠 「紫陽花」
鑑賞&批評 「五月」
出題当番 たかしさん
鑑賞&批評 「五月」
1.三年(みとせ)経て齢二十五月給は二万五千円初の転勤 ひさお
2.大いなる地球のサイクル狂わしめはや梅雨に入る五月というに フミコ
3.黄砂くる梅雨前線はや居座る五月晴れ恋ゆ目尻が痒い ひらら
4.よく切れる草刈り鎌欲し畑作り三年目となる五月の半ば たかし
5.メジロ二羽森へ帰つた鳥籠に五月の夜はあふれてゐたり ウプラ
6.五月嫁ぎ十九歳が寝ずに待つ祇園祭に外泊の夫を さらら
Re: 2021.06.10(木)題詠「紫陽花」 鑑賞&批評「五月」
投稿日 | : 2021/06/11(Fri) 18:06 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
「三年経て」は結婚生活三年とも、入社後三年とも解釈できると思います。(ひさお)
確かにそうだなぁと思いました。
「三年経て」のやわらかな語感についふらふらと引きずられたのかもしれない。
Re: 2021.06.10(木)題詠「紫陽花」 鑑賞&批評「五月」
投稿日 | : 2021/06/11(Fri) 17:54 |
投稿者 | : ウプラ |
参照先 | : |
皆さん、ご批評ありがとうございました。
〇メジロ二羽森へ帰つた鳥籠に五月の夜はあふれてゐたり ウプラ
我が家では、目の粗い(メジロは入れるけどヒヨドリははいれないくらいの)鳥籠に、蜜柑のある間は蜜柑を入れて窓際の枝に吊します。毎日メジロが来て可愛いの。
「小鳥二羽森へ帰つた鳥籠に・・・」の方がよかったかもしれない。
「五月の夜はあふれてゐたり」は皆さんそれぞれに届いたようで、よかったです。
ありがとうございました。
追伸 書き忘れました。ひららさん、「恋ふ」ですね。
Re: 2021.06.10(木)題詠「紫陽花」 鑑賞&批評「五月」
投稿日 | : 2021/06/11(Fri) 13:35 |
投稿者 | : ひさお |
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1.三年(みとせ)経て齢二十五月給は二万五千円初の転勤 ひさお
ご批評ありがとうございます。
「三年経て」は結婚生活三年とも、入社後三年とも解釈できると思います。
37年4月に入社。18000円の給料が、そのときの春闘で20500円くらいになりました。当時は毎年はなばなしく春闘が展開され、残業拒否(36拒否と言っていた)、時限スト、終日ストがよく実施されていた。48年のオイルショックまではどんどん給料があがりました。当時日本は中国の20倍、韓国の10倍くらいの給料であったと記憶しています。
Re: 2021.06.10(木)題詠「紫陽花」 鑑賞&批評「五月」
投稿日 | : 2021/06/11(Fri) 08:32 |
投稿者 | : たかし |
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4.よく切れる草刈り鎌欲し畑作り三年目となる五月の半ば たかし
そのままでなんとも芸のない歌、ご批評いただきありがとうございます。
去年までは草は「むしる」ものであり、むしってこそ再度生えてくるのを抑えられる・・・という考えを持っていました。
しかし、いくら丁寧にむしっても草はそこに生えて来る。
そして草をむしると、いっしょに土もついて来てしまう。
どうしてもその場所が土の嵩が減ってしまう。
ああ、これはむしらずに刈ったらいいのだ・・と気づきました。
そして家の草刈り鎌を持ち出しましたが、もう錆び錆びで、全く切れない。
あのノコギリ状の刃のよく切れる草刈り鎌を一本買ってこないと・・・と思った次第です。(買いました。左利き用)
歌としては、ウプラさんが「少し物足りない」全く同感です。自分でも物足りません。改作してみました。
●むしらずに五月の草は刈るべきと草刈り鎌二本買いてきたりぬ
Re: 2021.06.10(木)題詠「紫陽花」 鑑賞&批評「五月」
投稿日 | : 2021/06/11(Fri) 00:17 |
投稿者 | : ひらら |
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2.大いなる地球のサイクル狂わしめはや梅雨に入る五月というに フミコ
今年も早春より気がかりな気候でした。蜂もでてないのにの梅がさくし 五月の爽やかな日々も梅雨入りのニュースで鬱陶しことでした。原因は人 孫子の代までにとおもわずにらいられない。結句 「五月というに」の「いうに」の三文字 安直ではないかときになりました。
Re: 2021.06.10(木)題詠「紫陽花」 鑑賞&批評「五月」
Re: 2021.06.10(木)題詠「紫陽花」 鑑賞&批評「五月」
Re: 2021.06.10(木)題詠「紫陽花」 鑑賞&批評「五月」
投稿日 | : 2021/06/10(Thu) 22:16 |
投稿者 | : たかし |
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鑑賞&批評 「五月」
1.三年(みとせ)経て齢二十五月給は二万五千円初の転勤 ひさお
五月を「二十五」と「月給」に分解したのは見事です。
そしてこの頃、昭和40年前後(か?)の給料としてはフミコさんが書いているように高額だったと思う。
この歌は数字がよい働きをしている。
2.大いなる地球のサイクル狂わしめはや梅雨に入る五月というに フミコ
例年よりも3週間も早い梅雨入りは、地球温暖化の為せる技ではないかと作者は思っている。
私もそう思った。これからどんどんこういう「狂い」は出てくるとも。
普通は6月に入ってから、遅い年には6月の中旬過ぎの梅雨入りもあった。
それが5月に梅雨入り、おかげで、私の畑作も大いに段取りが狂ってしまった。
しかし、いま梅雨の中休みがその穴埋めをしてくれている。
「地球のサイクル」を「狂わしめ」ているのは人間われらなのである。
3.黄砂くる梅雨前線はや居座る五月晴れ恋ゆ目尻が痒い ひらら
五月晴れが少ない今年の五月でした。
いま六月に入ってから、梅雨の中休みで晴れの日が続いているが・・・
季節に影響を受けずにはいられない人間われらの体調。
天候は神頼みしかないのか・・・
4.よく切れる草刈り鎌欲し畑作り三年目となる五月の半ば たかし
5.メジロ二羽森へ帰つた鳥籠に五月の夜はあふれてゐたり ウプラ
メジロが入っていた鳥籠、空っぽの鳥籠に、
五月の夜があふれている…
作者自身がここではメジロなのではないか。
その居る空間が鳥籠なのだ。
五月の夜、星が輝き、寒くなく、暑くもなく、
いつまでもこのまま居たいような空間が「五月の夜」なのだと思う。
6.五月嫁ぎ十九歳が寝ずに待つ祇園祭に外泊の夫を さらら
祇園祭は7月の14,15,16日の頃、作者は5月に嫁いだという。
19歳の花嫁である。美人妻である。
結婚後まだ二ヶ月しか経っていないのに、その若嫁を放っておいて、夜遊びをする夫。
遊び人である。贅沢である。若さの贅沢なのだろう。もったいない。
十九歳の楚々とした作者を想像する。
Re: 2021.06.10(木)題詠「紫陽花」 鑑賞&批評「五月」
Re: 2021.06.10(木)題詠「紫陽花」 鑑賞&批評「五月」
投稿日 | : 2021/06/10(Thu) 20:46 |
投稿者 | : ウプラ |
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1.三年(みとせ)経て齢二十五月給は二万五千円初の転勤 ひさお
結婚3年目、妻との生活も軌道に乗り、日本の経済も高度成長期で順風満帆であった。初の転勤もあり、「齢二十五」「月給二万5千円」と景気よくぞろ目が並び、変化のある明るい活気が伝わる一首。
2.大いなる地球のサイクル狂わしめはや梅雨に入る五月というに フミコ
地球環境の悪化で自然のサイクルが怪しい。
まだ五月だというのにもう梅雨入りだ。「狂わしめ」ているのは快適さを求め続ける私たち人間(文明)なのだろう。
「五月というに」はややダメ押しの感あり。人間や文明がそこはかとなく見えるように、結句は「五月の街は」など、いかがでしょうか。
3.黄砂くる梅雨前線はや居座る五月晴れ恋ゆ目尻が痒い ひらら
「黄砂くる/梅雨前線はや居座る/五月晴れ恋ゆ/目尻が痒い」 これでもか、という感じで4つも切れている。しかも1字空きなしで。こうなると歌に面白いものが出てくる。つまり、内容と文体が相俟って、芳しくない季節の変調の中のややヤケクソ気味な気分とでもいうような。
「目尻が痒い」というところも身体的、直接的でしかもすっとぼけたユーモア。
4.よく切れる草刈り鎌欲し畑作り三年目となる五月の半ば たかし
小さなうちは可愛いがあっという間に伸びてしまう生命力旺盛な雑草。畑仕事のいろいろがわかりかけてきた3年目、良い草刈り鎌が欲しいのである。
よくわかる実感。ちょっと物足りない。
5.メジロ二羽森へ帰つた鳥籠に五月の夜はあふれてゐたり ウプラ
6.五月嫁ぎ十九歳が寝ずに待つ祇園祭に外泊の夫を さらら
「祇園祭に外泊の夫」を待って、眠れない妻はまだ19歳で嫁いだばかり。
孫のことか?自身のことか?多分、孫ではないと思う。
可憐な情緒とみるむきもあろうが、「遊び慣れた男とうぶな妻」みたいな構図が、何だかどうも。
「嫁ぎし」かな。
Re: 2021.06.10(木)題詠「紫陽花」 鑑賞&批評「五月」
Re: 2021.06.10(木)題詠「紫陽花」 鑑賞&批評「五月」
Re: 2021.06.10(木)題詠「紫陽花」 鑑賞&批評「五月」
投稿日 | : 2021/06/10(Thu) 17:13 |
投稿者 | : ひらら |
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鑑賞&批評 「五月」
1.三年(みとせ)経て齢二十五月給は二万五千円初の転勤 ひさお
新卒入社3年目に転勤。同期より早く栄転。祝。
3年 齢25 給料2万5千円、並べられた数詞に思いの籠もる作品。自伝 自分史としての詠草。歌集を編まる際のせられたらと思う。
2.大いなる地球のサイクル狂わしめはや梅雨に入る五月というに フミコ
3.黄砂くる梅雨前線はや居座る五月晴れ恋ゆ目尻が痒い ひらら
4.よく切れる草刈り鎌欲し畑作り三年目となる五月の半ば たかし
刈っても刈っても伸びてくる夏草。砥いても砥いても切れ味もおいつかない。
1 2句 本心本望。
5.メジロ二羽森へ帰つた鳥籠に五月の夜はあふれてゐたり ウプラ
メジロの子をしばらく育て森へ放してあげた。4句5句 5月の夜はあるれていたり 大切に育てた子メジロへの作者へのこころが伝わる。
メジロは鳥獣保護法(s24施行)により家では飼えない。戦前 祖父が飼っていて竹製の籠 すり餌の道具などありままごとに使っていた。
6.五月嫁ぎ十九歳が寝ずに待つ祇園祭に外泊の夫を さらら
新婚早々しかも19のおさな妻を放って祇園祭とて外泊の夫
。夜通し寝ずに待っていた作者。作者の想いの伝わる歌。
素材も良く 言葉もいいのに1、2句があらあらしいと思う惜しい。3、4.結句 具体的でよく伝わる。
Re: 2021.06.10(木)題詠「紫陽花」 鑑賞&批評「五月」
投稿日 | : 2021/06/10(Thu) 16:37 |
投稿者 | : さらら |
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1.三年(みとせ)経て齢二十五月給は二万五千円初の転勤 ひさお
その当時25歳で25万円忘れられない給料が時々過る。私は高校出て幼稚園の助手
8000円 短大卒の先生方はもっと多かったと思う。給料のたびもっと勉強しておくべきだったと悔やんでいた。
2.大いなる地球のサイクル狂わしめはや梅雨に入る五月というに フミコ
自然が狂いだし 半月早く季節が巡る。6月初旬なのに真夏日30度に届く。日中は真夏 夏用袖なしワンピースに衣替え 朝夕は上着がいる。年を重ねると暑い寒いが敏感にこたえる
3.黄砂くる梅雨前線はや居座る五月晴れ恋ゆ目尻が痒い ひらら
黄砂と梅雨前線同時に歌われると紛らわしくどちらかに 結句で五月晴れ恋ゆ目尻が痒いとつじつまが合い心情は大変よくわかります。
4.よく切れる草刈り鎌欲し畑作り三年目となる五月の半ば たかし
5月半ばどんどん草が伸びる 日々草引きに精を出すが 広い畑作りにはサクサク切れる鎌が欲しい 早く新調してくださいませ。私も新しい鎌が今宝物です。
5.メジロ二羽森へ帰つた鳥籠に五月の夜はあふれてゐたり ウプラ
メジロ二羽森にはなしてあげられたのですね。鳥かごが一晩中解放されて良い空気感が漂いました。
6.五月嫁ぎ十九歳が寝ずに待つ祇園祭に外泊の夫を さらら
Re: 2021.06.10(木)題詠「紫陽花」 鑑賞&批評「五月」